Sunday Song Book #1255

2016年10月30日 | Sunday Song Book

2016年10月30日プレイリスト
「汽車で棚からひとつかみ(洋楽編)」
1. 復活LOVE / 嵐 "ARE YOU HAPPY?" 10月26日発売
2. MISTERY TRAIN / ELVIS PRESLEY '55
3. LAST TRAIN TO CLARKSVILLE / THE MONKEES '66
4. ROCK N' ROLL TRAIN / AC/DC "BLACK ICE" '08
5. LOVE TRAIN / THE O'JAYS '73
6. THE TRAIN I'M ON / TONY JOE WHITE "THE TRAIN I'M ON" '72
7. NIGHT TRAIN / BUDDY MORROW & HIS ORCHESTRA '52
8. HONKY TONK TRAIN BLUES / MEADE LUX LEWIS '27
9. HONKY TONK TRAIN BLUES / KEITH EMERSON '76
10. THE TRAIN KEPT A-ROLLIN' / THE YARDBIEDS "HAVING A RAVE UP WITH" '65
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■内容の一部を抜粋
・近況
10月20日にギタリストの松木恒秀さんのグループ「What is HIP?」、What is HIP?は村上"PONTA"秀一さんと大仏さんこと高水健司さん、そしてキーボードの野力奏一さんの4人によるグループ。彼らの新宿 PIT INN公演に達郎さんがゲスト出演したそうだ。「ポンタと大仏さんと松木さんと揃ってやるのは39年ぶりということで久しぶりでございました。旧交を温めて(笑)、ジャズのスタンダードを歌ってきましたけれど」と達郎さん。そんなことをしているうちにもう10月も終わりなので一生懸命曲書きに精を出してる今日この頃なんだとか。

・汽車で棚からひとつかみ(洋楽編)
先週に引き続いて鉄道関係、汽車、トレインなどにちなんだ曲で「汽車で棚からひとつかみ」。先週は邦楽編だったけれど今週は洋楽編。

・復活LOVE
達郎さんが今年の前半に提供した嵐の「復活LOVE」。先週10月26日にその曲を収録した嵐のニュー・アルバム『ARE YOU HAPPY?』が発売された。

・MISTERY TRAIN
まずはエルヴィス・プレスリー。1955年のサン・レーベルでの作品で「MISTERY TRAIN」。オリジナルは1953年のメンフィスのブルース・シンガー、リトル・ジュニア・パーカーの作品で、もっとゆったりしたものだったが、それをエルヴィスがロカビリー、ロックンロールに変身させた。ギターはスコッティ・ムーア、ベースがビル・ブラック。ドラムがいるような感じがするけれどトリオによる演奏。

・LAST TRAIN TO CLARKSVILLE
1966年のモンキーズのデビュー・ヒットで「LAST TRAIN TO CLARKSVILLE」(邦題「恋の終列車」)は全米NO.1のミリオンセラー。トミー・ボイスとボビー・ハートのソングライター・コンビによる作品。モンキーズのデビュー当時のオケはいわゆるレッキング・クルーの中枢を使わないで、ちょっと外れたメル・テイラーの弟ラリ・テイラー(キャンド・ヒートのベーシスト)とか、ジェリー・マッギンなど若いスタッフを使ってるのがバンド・サウンド志向でいいと達郎さん。

・ツアーでの移動手段
リスナーから「ツアーで鉄道を使って移動したことはありますか?」という質問。
昔は飛行機で行くのが多かったけれど最近は鉄道とバスの移動が多いそうだ。駅まで行くのが面倒なのでホテルの前からみんなでバスに乗ってわいわい騒ぎながら行くのが多くなったとか。
まりやさんの実家が出雲なんでサンライズ出雲という夜行に乗ったことがあるそうだ。

・ROCK N' ROLL TRAIN
AC/DCの2008年のアルバム『BLACK ICE』の一曲目に入ってる「ROCK N' ROLL TRAIN」(邦題は「暴走列車」)。CDだと腰高になってグッと来ないのでアナログ・レコードからデジタル・プロセッシングしたそうだ。

・ツアーでの移動手段 その2
昔は今ほど新幹線が全国に網羅されてなかったのでローカルに行くほど普通の電車に乗っていたという。楽しいものだったが今はどこでも新幹線で用足りてしまうので逆につまらないとか。

・LOVE TRAIN
ソウル・ミュージックからオージェイズ。1973年の全米NO.1のミリオンセラー。彼ら唯一のNO.1「LOVE TRAIN」。ヴェトナム戦争の末期、フィラデルフィア・サウンドの絶頂期。最もメッセージを強烈に発していた頃のオージェイズで「愛の列車に乗ってみんなでいこう」という歌。「あれから43年経ちましたがメッセージにも関わらず相変わらず世界の騒乱は終わりませんが。歌の力がなかなか届きませんが、それでもこうした曲聴くとですね、そういう意識が高まります」と達郎さん。

・THE TRAIN I'M ON
鉄道というと出会いと別れがテーマでキングストン・トリオやピーター、ポール&マリーの「500マイル」のような曲が多い。次にかける曲もそんな一曲。いわゆるひとっところに落ち着かない人、昔はそういう人をホーボーと言っていた。いろいろな原因があって貧困だとか、本当に落ち着かない定住できない人がたくさんいて、汽車に乗って当て所もなく放浪していた。そんなことを歌った作品。トニー・ジョー・ホワイトは南部を代表するシンガー、ソングライター。1972年のアルバム『THE TRAIN I'M ON』のタイトル・ソングで「THE TRAIN I'M ON」。「オレが乗ってる汽車を見たら手を振ってくれ さよならっていって でも涙を流さないでくれ 泣いてるオマエを見たくはないから」という典型的な男の歌。マッスル・ショールズでのレコーディング。プロデュースはジェリー・ウェクスラーとトム・ダウドで名盤。

・汽車で棚からひとつかみ(邦楽編)
洋楽編だとちょっと窮屈な感じがして、邦楽のほうがゆるくて楽しさがあるから来週はもう一度邦楽編に戻って「汽車で棚からひとつかみ(邦楽編)」。

・山下達郎アコースティック・ライヴ入場者限定販売のTシャツをプレゼント
新宿ロフト設立40週年「新宿ロフト 40TH ANNIVERSARY 40YEARS ✕ 40LIVES」の一環で10月3日(月)、4日(火)の二日間「山下達郎アコースティック・ライヴ」を行った。その際に作った入場者限定販売のTシャツ(黒)を番組リスナー10名にプレゼント。締切は11月頭の予定。

・「ターナーの汽罐車」について
リスナーから、シングル「ターナーの汽罐車」とアルバム『ARTISAN』収録の「ターナーの汽罐車」でははじまりに鈴の音が入ってますが、『TREASURES』と『OPUS』では除かれてます、何か意図するところがあるのでしょうか? という質問。
達郎さんはS.E.が好きなのでシングルやオリジナル・アルバムにはS.E.入りの曲が多いそうだ。典型的なのは「BOMBER」の削岩機の音。ベスト・アルバムにS.E.を入れないのはポリシーなんだとか。だから「BOMBER」も『OPUS』では削岩機の音が入ってないという。「あのそういう考えでやっております。よろしくお願いいたします(笑)」と達郎さん。

・NIGHT TRAIN
汽車で有名な曲というと「NIGHT TRAIN」という曲がある。達郎さんの世代だとヴェンチャーズ。ジェームズ・ブラウンのカヴァーも知られている。「NIGHT TRAIN」というスタンダード・ナンバーのオリジナルはジミー・フォレストというセントルイスのサックス奏者の1952年の作品。今回かけようと思ったそうだが今聴くと地味なので、同じ1952年にバディ・モローというトロンボーン奏者のビッグ・バンドのヴァージョンが賑やかでいいので、今日はバディ・モロー&ヒズ・オーケストラで「NIGHT TRAIN」。

・HONKY TONK TRAIN BLUES
エマーソン、レイク&パーマーのキース・エマーソンが好きでよくやっていた曲に「HONKY TONK TRAIN BLUES」というのがある。オリジナルは1961年にアール・ゲストというイギリスのピアニストがヒットさせた。これがオリジナルと思いきや1927年に遡ってミード・ルクス・ルイスというブギのピアニストの作品が何回かリレコを繰り返して今日に残ってることがわかった。その最初の「HONKY TONK TRAIN BLUES」とキース・エマーソンが1972年のレコーディングして1976年にレア・アイテムとして発表され全英21位になった「HONKY TONK TRAIN BLUES」を2曲続けて。

・THE TRAIN KEPT A-ROLLIN'
おなじみヤードバーズの「THE TRAIN KEPT A-ROLLIN'」。オリジナルはタイニー・ブラッドショウの1951年のジャンプ・ミュージック「THE TRAIN KEPT A-ROLLIN'」。1956年にジョニー・バーネット&ザ・ロックンロール・トリオがロカビリーに仕立て、1965年にヤードバーズ、1974年にエアロスミスとずーっと続いてスタンダード・ナンバーになった。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2016年11月06日は、もっかい「汽車で棚からひとつかみ(邦楽編)」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Song Book #1254

2016年10月23日 | Sunday Song Book

2016年10月23日プレイリスト
「汽車で棚からひとつかみ(邦楽編)」
1. ターナーの汽罐車 / 山下達郎 "アルチザン" "オーパス" '91
2. 恋の汽車ポッポ (シングル・ヴァージョン) / 大瀧詠一 '74
3. 恋のブギ・ウギ・トレイン / アン・ルイス '79
4. TRAIN-TRAIN / THE BLUE HEARTS "TRAIN-TRAIN" '89
5. 汽車 / EPO "WICA" '92
6. 機関車 / 小坂忠 "ほうろう" '75
7. MIDNIGHT TRAIN / 浅井健一 '07
8. ラスト・トレイン / 竹内まりや "ポートレイト" '81
9. 駅 / 竹内まりや "リクエスト" "エクスプレッションズ" '87
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■内容の一部を抜粋
・近況
仕事の都合で番組は前倒しで収録しているそうだ。曲書きの仕事が入ってきて構想を練ってる途中なのでスタジオ仕事は休んでるとか。

・汽車で棚からひとつかみ(邦楽編)
10月14日は「鉄道の日」。新橋に鉄道が開通した記念日だという。リスナーから特集のお題が届いていたり、鉄ヲタも多いし、今年のはじめに飛行機というお題で「棚つか」をやったこともあり、今回は鉄道関係、汽車、トレインなどにちなんだ「汽車で棚からひとつかみ」。今週は邦楽編でほとんど同世代やロック系、ポップ系の歌を集めた。

・ターナーの汽罐車
達郎さんは割りと汽車関係の歌があり、いちばんおなじみなのが1991年のアルバム『ARTISAN』に入っている「ターナーの汽罐車」。イギリスの風景画家ジョセフ・ターナーの「汽車、蒸気、速力」という有名な絵にインスパイアされて作った歌。1991年当時、バブル時代に流行ったいわゆるカフェバーで、倦怠期を迎えた男女が時間を持て余している金曜日の夜、その店に掛かってるのがターナーの絵だという設定。

・恋の汽車ポッポ (シングル・ヴァージョン)
大瀧詠一さんのソロ作品の第一作。1971年の「恋の汽車ポッポ 」(シングル・ヴァージョン) 。はっぴいえんどと並行してソロ作品を出しはじめた頃の歌で、それまでのバッファロー・スプリングフィールドを中心にしたウェストコースト・サウンドのアプローチから一転して、大瀧さんのルーツであるスクリーン・ジェムズの音(イントロは「ロコ・モーション」でドラムを叩いているのは細野晴臣さん)。

達郎さんの周りには鉄ヲタが多い。いちばん近いところでは難波弘之さん。彼はツアーに出ると、先に現地行って、一畑電鉄に乗るとか、山形新幹線を見に行くとか、九州の東の方の電車だと運転席の見えるいちばん前に陣取ってずっと見てるという人。

・恋のブギ・ウギ・トレイン
1979年にアン・ルイスさんに提供した「恋のブギ・ウギ・トレイン」。今では達郎さんのレパートリーになっている。作詞吉田美奈子、作曲・編曲は山下達郎。アン・ルイスさんは無類のディスコ好きなのにディスコ・ソングがなかったので書いた作品。レコーディングのときに風邪を引いて39度近くの熱があり朦朧としたのを覚えている、でも曲は自分でも気に入ってるので、今では自分でもやっている、と達郎さん。

今から30数年以上も前の話。難波弘之さんがレコーディングの休憩時間に鉄道関係の写真集を読んでいた。台車の写真集で「こんなの見て何がおもしろい? 全部同じに見える」と思ったとか。達郎さんはどちらかといえば飛行機のほうが好きで、このあいだ九州から移動するときにローカル線で36人乗りのプロペラ機 SAAB340Bに乗ったとか。「これはよかったですね。4000メートルぐらいをずっーと行くんです。すべてああいうので行きたいです。1200メートルの滑走路、で降りられるという、YS11みたいなやつ。プロペラ機好きです。まぁ、だから鉄ヲタもおんなじようなもんだという」と達郎さん。

・TRAIN-TRAIN
ブルーハーツの1988年のサード・アルバム『TRAIN-TRAIN』のタイトル・ソングで真島さんの名曲「TRAIN-TRAIN」。「この時代は歌も直してなければ、楽器も直してないので、声が上ずるところはそういう具合になりますのでですね、ホントそれが説得力になるんですが。今、全部そういうの直しちゃいますから(笑)、いい時代なのか悪い時代なのかわかりませんが。いや〜いいわブルーハーツ。最高だ」と達郎さん。

・汽車
EPOの1992年のアルバム『WICA』から「汽車」。

・山下達郎アコースティック・ライヴ入場者限定販売のTシャツをプレゼント
新宿ロフト設立40週年「新宿ロフト 40TH ANNIVERSARY 40YEARS ✕ 40LIVES」の一環で10月3日(月)、4日(火)の二日間「山下達郎アコースティック・ライヴ」を行った。その際に作った入場者限定販売のTシャツ(黒)を番組リスナー10名にプレゼント。締切は11月頭の予定。

■リクエスト・お便りの宛て先・プレゼント:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

・機関車
小坂忠さんの1975年のアルバム『ほうろう』から「機関車」。当時この曲は歌詞に問題ありとされて放送禁止になった。現在は歌詞を特定して放送禁止になることはほとんどなくなったという。「歌なんですから。まぁいろいろなことがありますけれど。ようやくこういうものがちゃんと放送に乗っけられるようになったというのはいいことだと思います。昔はかけたくてもかけられなかつたんですけれども。今日は汽車の棚つかでございますので喜んでかけちゃいます」と達郎さん。バックはキャラメル・ママ。

・MIDNIGHT TRAIN
浅井健一さんの2007年のシングル「DARK CHERRY」のカップリングで「MIDNIGHT TRAIN」。まりやさんがベンジーのファンなので家にあったとか。

・ラスト・トレイン
竹内まりやさんの1981年のアルバム『PORTRAIT』から「ラスト・トレイン」。大貫妙子作詞、山下達郎作曲・編曲。

・ラジオを長く続かせる秘訣
リスナーから「ラジオを長く続かせる秘訣がありましたら教えてください」という質問。
「長く続かせる秘訣、そんなもんわかりません。自分でもなんで24年もこれが続いてるのかですね、わかりません。みなさまのご支援の賜物でございます。よろしくお願いします(笑)」と達郎さん。

・駅
竹内まりやさんの1987年のアルバム『REQUEST』から「駅」。

2016年10月30日は、「汽車で棚からひとつかみ(洋楽編)」
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Sunday Song Book #1253

2016年10月16日 | Sunday Song Book

2016年10月16日プレイリスト
「棚からひとつかみ+リクエスト」
1. ヘロン / 山下達郎 "コージー" "オーパス" '98
2. TOBACCO ROAD / THE NASHVILLE TEENS '64
3. OUR DAY IS HERE / J.P.ROBINSON '74
4. BLUE SKY / THE ALLMAN BROTHERS BAND "EAT A PEACH" '72
5. GREEN-EYED LADY / SUGARLOAF '70
6. ALL YOU DO IS DIAL / HEATWAVE "HARD TO HANDLE" '77
7. I WANT TO GIVE MY EVERYTHING / NEWBY & JOHNSON '70
8. LA VIE EN ROSE / 山下達郎 "RAY OF HOPE" '11
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■内容の一部を抜粋
・近況
「ここのところちょっと野暮用がすごくありまして。人と会わなきゃならないとか、いろいろなことがありまして。ちょっと忙しくしておりますが、番組のほうは一生懸命」と達郎さん。

・棚からひとつかみ+リクエスト
バタバタしているので今週は「棚からひとつかみ+リクエスト」。

・ヘロン
リスナーからのリクエストで「ヘロン」。

・TOBACCO ROAD
ジョン・D・ラウダーミルクが亡くなった。享年82歳。ジョン・D・ラウダーミルクはもともとは南部のカントリー・シンガーだったけれども、ソングライターとしてかなりの成功を収めた人。不思議な曲をたくさん書く人でポール・リビア&レイダースのヒット曲「INDIAN RESERVATION(嘆きのインディアン)」やカジノスのドゥーワップ「THEN YOU CAN TELL ME GOODBYE」、そんなうちの一曲でナッシュビル・ティーンズの「TOBACCO ROAD」。南部のプア・ホワイトを歌った歌で1964年、全米14位。ナッシュビル・ティーンズはイギリスのグループで全英では6位。ナッシュビル・ティーンズのドラマー、バリー・ジェンキンスはのちにアニマルズのメンバーになる。「この人上手いんですよ、テクニックがある」と達郎さん。

・OUR DAY IS HERE
何週間か前のリクエストでマイアミのソロ・シンガー、J.P.ロビンソンの「OUR DAY IS HERE」。達郎さんはレコードを持ってるものの、どこかにいって出てこず、未だに見つからないとか。番組でそう話したら松尾潔さんがマイアミのコンピCDをプレゼントしてくれたそうだ。その中から1974年のシングルで「OUR DAY IS HERE」(当時はB面だったという)。彼のシングルの中で今や最も高額になった作品。

・BLUE SKY
リスナーからのリクエストでオールマン・ブラザーズ・バンドの1972年のアルバム『EAT A PEACH』から「BLUE SKY」。このオールマン・ブラザーズ・バンドのアルバム・ジャケットを見てると、シュガー・ベイブの村松邦男さんがよく聴いていたことを思い出すと達郎さん。デュアン・オールマンが交通事故で亡くなった後に発売されたアルバムで、バンドは解散の危機に追い込まれたが二枚組の大作で見事にカムバックした。もうひとりのギタリスト、ディッキー・ベッツが脚光を浴びるきっかけとなり、彼のガールフレンドのブルースカイという人のために作った曲だといわれている。

・GREEN-EYED LADY
ジェリー・コルベッタは日本では無名の人。デンバー出身のバンド、シュガーロフのリーダー。シュガーロフはキーボード、ギター、ベース、ドラムの4人組。1970年のデビュー・ヒット「GREEN-EYED LADY」が全米3位という大ヒットになった。その後が続かなくてバンドを解散し、フォーシーズンズなどのバック・アップになった。オールディーズ・ショウでずっと回っていたが9月16日に亡くなった。享年68歳。今日はシングルのエディット・ヴァージョンではなくアルバム・ヴァージョン。長い演奏だが全編聴かなくてはおもしろくない、と達郎さん。

・汽車で棚からひとつかみ(邦楽編)
10月14日が「鉄道の日」だったので来週はトレイン、鉄道、汽車にちなんだ棚つか。今回はまず邦楽編から。題して「汽車で棚からひとつかみ(邦楽編)」。

・ALL YOU DO IS DIAL
ロッド・テンパートンはイギリス人のソングライター、キーボード・プレイヤー。ヒートウェイブのメンバーとしてほとんどすべての曲を書いた。10月5日に亡くなった。享年69歳。日本ではヒートウェイブというよりもマイケル・ジャクソンの「スリラー」の作曲家として知られている。クインシー・ジョーンズがヒート・ウェイブを聴いて気に入って連れて行ったのだとか。ちょうどリクエストが来ていたので今日はヒートウェイブの「ALL YOU DO IS DIAL」。

・I WANT TO GIVE MY EVERYTHING
クリス松村さんの番組で聴いた曲を気に入ったリスナーからのリクエスト。ニュービィ&ジョンソンは男女デュオ。1970年のシングル「I WANT TO GIVE MY EVERYTHING」はラリー・ワイスが曲を書いてトニー・カミロのプロデュースなので、ニューヨークの制作と思われるが、ノーザン・ソウル・シーンで人気の高い曲。曲をかけ終えて。トニー・カミロはこの当時、デトロイトでインビクタス、ホットワックスで仕事をしていたのでそのあたりかもしれないとのこと。トニー・カミロは「MIDNIGHT IN GEORGIA」のプロデュースとアレンジを担当している人。

・ブズーキ
リスナーから「CHEER UP! THE SUMMER」で達郎さんが担当しているブズーキという楽器についての質問。
ブズーキはギリシャの民族楽器でその後アイリッシュにも使われた。8弦のバンジョーを長くした楽器をピックで弾くので音はバンジョーより低くなる。デジタル・レコーディングで隠し味として使うと音がまとまるそうだ。一種の接着剤みたいなものでラテン系の曲のときはウクレレとかブズーキとかを好んで使うという。

・LA VIE EN ROSE
リスナーからのリクエストで2011年のアルバム『RAY OF HOPE』から「LA VIE EN ROSE」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2016年10月23日は、「汽車で棚からひとつかみ(邦楽編)」
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Sunday Song Book #1252

2016年10月09日 | Sunday Song Book

2016年10月09日プレイリスト
「シングルB面で棚からひとつかみ(邦楽編)」
1. BOMBER / 山下達郎
(c/w LET'S DANCE BABY) '78
2. ジス・バッド・ガール / ザ・ゴールデン・カップス
(c/w 長い髪の少女) '68
3. バン・バン・バン / ザ・スパイダース
(c/w いつまでも どこまでも) '67
4. 捨てられた仔犬のように / ザ・キング・トーンズ
(c/w グッド・ナイト・ベイビー) '68
5. 無言のジェラシー / エポ
(c/w う、ふ、ふ、ふ、) '83
6. 何もきかないで / 荒井由実
(c/w ルージュの伝言) '75
7. 夜空の星 / 加山雄三
(c/w 君といつまでも) '65
8. MOMOKO / 近藤真彦
(c/w ハイティーン・ブギ) '82
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■内容の一部を抜粋
・近況
「ようやく秋の気配が強まってまいりました。北海道では初雪という報が伝えられております。台風がまた悪さをしておりました。またこの先あるかもしれせんが。南のほうは阿蘇山が噴火したりしておりまして。いろいろとですね、いろんなところで起こっておりますが。いろんな場所の皆様方お大事にひとつ」と達郎さん。
先週は新宿ロフトの40周年で「新宿ロフト 40TH ANNIVERSARY 40YEARS ✕ 40LIVES」というイベントに出演。新宿ロフトはステージが狭いので、いつものフルメンバー10人、楽器も全部乗らないからアコースティック・ライヴを山下達郎、難波弘之、伊藤広規の城北トリオで行った。「お陰様でたくさんいらっしゃっていただきました。一日225人、二日間で450人ですね。ものすごい数の応募が来まして(笑)。なんか三人ライヴなのに、別になんか、あの出さなくてもいいのにと思うんですが。最近はイープラスですので、全国から応募ができますので、とっても数が多くなってしまいます。遠くはですね、旭川からいらっしゃった方、それから中国からいらっしゃった方、そういうような方がですね(笑)、本当に文字通り幸運な方がご覧になっていただきました。お陰様で二日とも盛況でございまして。新宿ロフトの40週年のお手伝いが無事叶いました」と達郎さん。
そのリハーサルの日程がそんなに取れなかったという。リハーサルの合間にアカペラの音の素材をCD-Rに焼いたりする作業があり、時間を取る作業で朝までかかってしまって、そのまま番組収録をすると声に影響が出るかと感じて、先週は雨傘番組をオンエアしたそうだ。実は5月に達郎さんのナレーションは録ってあり、音楽を後からはめていったら3曲ほど回転の速度、ピッチが低かった。デジタルのサンプリング・レートは44.1kで送出しているが、達郎さんの家のプロツールスだと48kで録音してしまう。それを44.1kで送出するとテンポが遅く、ピッチが鈍くなってしまった。その3曲は来週か再来週にもう一度オンエアする予定だとか。

・シングルB面で棚からひとつかみ(邦楽編)
今週は先週オンエア予定だった「シングルB面で棚からひとつかみ(邦楽編)」。

・BOMBER
山下達郎のシングルのB面でいちばんお馴染みなのは「LET'S DANCE BABY」のB面で「BOMBER」。1976年にソロ・デビューしてファースト・アルバム『CIRCUS TOWN』もセカンド・アルバム『SPACY』もシングル・カットはなかった。それだけマイナーで誰もシングルを切ってくれなかったそうだ。その頃はシングルはなかなか難しいメディアで、特に日本のフォーク、ロックがシングルでヒットするなんて夢のまた夢だったという。アルバムだって大変な状況だった。1978年のサード・アルバム『GO AHEAD!』でようやくシングル・カットされた。記念すべき初ソロ・シングルは1979年1月25日発売の「LET'S DANCE BABY」。1979年にこの曲がリリースされると、だんだんB面が大阪のディスコを中心にヒットをしはじめて、これが山下達郎のブレイクのきっかけになった。「関西では当時、お馴染みでしたけれども、今ではお馴染みでございます、BOMBER」と達郎さん。

・ジス・バッド・ガール
ザ・ゴールデン・カップスの1968年「長い髪の少女」はド歌謡曲だった。達郎さんはシングルを買わなかったが友だちが「お前何言ってんだよ! B面がいいんだよ!」と「長い髪の少女」のシングルを貸してくれた。B面の「ジス・バッド・ガール」はケネス伊東作詞。ルイズルイス加部作曲。

グループ・サウンズはA面がヒット狙いでB面はやりたいことをやるというのが多い。

・バン・バン・バン
ザ・スパイダースの1967年「いつまでも どこまでも」のB面は「バン・バン・バン」という曲。かまやつひろしさんの作品。その後、スパイダースの主要レパートリーとして歌い継がれてゆくことになる。今日はシングル・ヴァージョン。アルバム・ヴァージョンはフェイドアウトだがシングル・ヴァージョンはエンディング部分をエディットして付けている。未CD化。

達郎さんの中学・高校時代はB面がA面に勝るとも劣らずだとその人に対する信頼度が増したそうだ。

・捨てられた仔犬のように
ザ・キング・トーンズの1968年のデビュー・ヒット「グッド・ナイト・ベイビー」。B面の「捨てられた仔犬のように」は当時としては出色のR&B色が強かった。キング・トーンズはプラターズを手本としたグループでヴォーカル・グループとしてはとてもR&B色が強かった。「捨てられた仔犬のように」の作詞作曲はベース・ヴォーカルの加生スミオさん。内田正人さんは日本語の乗っけ方がうまい、と達郎さん。

・無言のジェラシー
エポさんの1983年の「う、ふ、ふ、ふ、」は彼女の最大ヒット曲。B面はいわゆるイースト・コースト・ソウルの「無言のジェラシー」。アレンジは清水信之さん。

・何もきかないで
荒井由実さんの1973年のシングル「ルージュの伝言」。もともと「ルージュの伝言」はB面の予定だった。ハチロクのバラード「何もきかないで」がA面の予定だったとか。達郎さんはシュガーベイブ名義でA面B面ともに参加している。「ルージュの伝言」で達郎さんが裏声を気張って入れたらこちらがA面になったという。達郎さんは「何もきかないで」が好きで当時よく聴いていた思い出があるという。このシングルAB面ともキャラメル・ママが演奏してなくて、当時のステージのメンバーだったダディ・オー!というグループがバック。「すごく若い音なので、これがユーミンのキャラに合ってますね」と達郎さん。

・収録スタジオとギターについて
リスナーから「TOKYO FMの収録スタジオは25年間ずっと同じところなのでしょうか? 番組内で時折弾くギターは毎回収録の度に持参してるのでしょうか?」という質問。
たまに別のスタジオで収録することもあるが基本4スタで収録とのこと。ギターは毎回持ってきて持って帰るとのこと。

・夜空の星
邦楽でB面のよさを提示したのは加山雄三さん。1965年の「君といつまでも」は270万枚を売り上げた。そのB面「夜空の星」はA面に勝るとも劣らない名曲。

・番組聴取
リスナーから「達郎さんはサンソンを家で紅茶を飲みながら聴いたことはあったのでしょうか?」という質問。
「必ず聴けるときは聴くようにしています。というのは先週の回転が違ったとかありますので、なるべくきちっとリアルタイムでチェックをしております。なんか音が飛ぶとかままありますので。そういうときはですね、コラァ、ヤマギシと電話をするんですね。ようにしております。自分の番組ですので大事にやっていきたいと思っております。今後ともよろしくお願いします」と達郎さん。

・MOMOKO
1982年に近藤真彦さんに書いた曲「ハイティーン・ブギ」のB面「MOMOKO」。漫画が原作でマッチ主演で映画化された『ハイティーン・ブギ』のヒロインの名前がMOMOKO。映画では武田久美子さんが演じた。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2016年10月16日は、レギュラープログラム「棚からひとつかみ」
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Sunday Song Book #1251

2016年10月02日 | Sunday Song Book

2016年10月02日プレイリスト
「日曜日で棚からひとつかみ」
1. GROOVIN' / 山下達郎 "アルチザン" '91
2. SUNDAY MORNING / EARTH,WIND & FIRE '93
3. WILL YOU BE STAYING AFTER SUNDAY / THE PEPPERMINT RAINBOW '69
4. LOVE IS A RAINY SUNDAY / THE LOVE GENERATION "MONTAGE" '68
5. PLEASANT VALLEY SUNDAY / THE MONKEES '67
6. A SUNDAY KIND OF LOVE / THE HARPTONES '53
7. SWEET SUNDAY KINDA LOVE / THE BEACH BOYS "M.I.U.ALBUM" '78
8. IT'S SUNDAY / THE SUNSHINE COMPANY "THE SUNSHINE COMPANY" '68
9. WHAT DO YOU DO ON SUNDAY AFTERNOON / JERRY BUTLER "POWER OF LOVE" '73
10. 待ちぼうけ / 堀ちえみ '82
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■内容の一部を抜粋
・近況
10月に入り放送業界は年度替わりで新年度。サンデー・ソングブックはもともとはサタデー・ソングブックとして1992年10月にスタート。この10月で満24年、いよいよ25周年に突入した。「JFNネットワークの中でも長寿番組の仲間入りをさせて頂いております。これもひとえにずーっとお聴き頂いておりますリスナーの皆様のおかげと心より御礼申し上げます。今後とも何卒よろしくお願いいたします」と達郎さん。

・日曜日で棚からひとつかみ
明日10月3日(月)、明後日4日(火)の二日間は新宿ロフトで山下達郎アコースティック・ライヴだが、スケジュールがタイトなので今週は番組収録が覚束なくなった。「最近、やっぱり年齢のせいと言いましょうか。ツアーの合間に番組を録るとか、そういうところが肉体的というか、まぁ声帯的に(笑)、辛い時がときどきありまして。特に風邪を引いたときとかですね、そういうときにどうしょうかなという。昔はそういうこと思ってもみなかったんですけれども。ここ数年間そういうことがもしかしたらあるんじゃないかと。長寿番組なものですから。じゃあ前もってですね、何本か予備で録っておこうじゃないかというアイディアが今年に入って出ました。そういうのを雨傘番組といいます。雨傘番組というのはプロ野球とかですね、昔はドームとかありませんので、雨天で中止になったときにラジオなんかが、例えば野球中継ができなくなった、そういうときに臨時で放送する番組を雨傘番組といいまして。それは前もって録ってあるんですね。そういうような前もって転ばぬ先の杖で番組を録ってあることを、ちょっと試みてみようということでですね。今回ちょっとめずらしいんですけれども番組の収録が追いつかないので、じゃあこのあいだ録った雨傘番組使ってみようか、せっかく新年度だし何か新しいことをいろいろやってみようか(笑)、新年度でそれかよって(笑)。で、雨傘番組どういうのにしようかという。今回はスケジュールの都合でたまたま悪くて間に合わないという状況なのでアレですけれども。例えばですよ、風邪引いたとか、40度熱が出たとか、声がどっかで出なくなっちゃったとかですね、そういうようなことがありますので、そういうときにじゃあ[病気で棚つか]とか[骨折で棚つか]とか縁起でもない、よくないなと。じゃあどういう臨時プログラムにしようかという。サンデー・ソングブック24年間やってきましたが、今まで日曜日の歌の特集というのを、不思議な事に一度もやったことがない。ときどき日曜日の歌をかけることもありますけれど。日曜日の歌ばっかりで揃えたプログラムというものが今まで一度もないので、それじゃあこの雨傘番組でやるときはですね、[日曜で棚からひとつかみ]これでいってみようと。でですね、日曜日の曲いい曲多いんです。これをずらっと並べますとですね、ラインナップがですね、普段の超常連の方々がとっても喜んでもらえるような、そういうようなラインナップができましたので、ひとつ今日は[日曜で棚からひとつかみ]。[B面で棚からひとつかみ(邦楽編)]は来週に回したいと思います。新年度にちょうどいいかなという。サンデー・ソングブックですので日曜日の歌。[日曜で棚からひとつかみ]です。ひとつよろしくお願いします」と達郎さん。

・GROOVIN'
山下達郎40年近く活動してきたが日曜日をテーマにした曲が実はない。1991年のアルバム『ARTISAN』に入っている、番組のエンディング・テーマとしても使われているヤング・ラスカルズ1967年のNO.1ヒットの「GROOVIN'」のカヴァー。これを頭に聴いてもらう。いつもはエンディングだがたまにはナレーションが乗っからないすっぴんのやつ。

・SUNDAY MORNING
アース、ウィンド&ファイアの1993年のアルバム『MILLENNIUM』。EW&Fが時代から取り残されつつあったときに突如として出たアルバムで「SUNDAY MORNING」はシングル・カットになった。達郎さんは好きでシングルを買ったという。全米R&Bチャート20位、全米チャート53位というスマッシュ・ヒット。この時代にギターで入っていたシェルドン・レイノルズとモーリス・ホワイトとアリー・ウィリスの3者共作。今回調べたらシェルドン・レイノルズは1959年生まれなので佐橋佳幸さんと同じ世代だと達郎さん。

・WILL YOU BE STAYING AFTER SUNDAY
日曜日の歌で今聴いていちばんクオリティーがいいのは1960年代のウェスト・コーストの音。いわゆる白人の音楽、俗にソフト・ロックと呼ばれるジャンルの音楽。今日はそういうようなものを中心に。ペパーミント・レインボウはボルティモアの出身の女性2人男性3人の5人組で、資料にはヴォーカル・インストゥルメンタル・グループと書いてあるが実質的にはヴォーカル・グループに近いものだと思われる。1969年のシングル「WILL YOU BE STAYING AFTER SUNDAY」は全米32位のスマッシュ・ヒット。プロデュースはポール・レカという当時のバブルガム・ロック全盛の時代にレモン・パイパーズの「グリーン・タンヴァリン」とか、自らもスティームというグループで「ナ・ナ・ヘイ・ヘイ・キス・ヒム・グッバイ」という大ヒット曲を出した。

・LOVE IS A RAINY SUNDAY
ソフト・ロックは日本では全く流行らなかった。耳慣れないので逆に耳新しく日本で'90年代になってソフト・ロックのブームがきた。日本でのブームを受けて初CD化されたのがウェスト・コーストのグループ、ラヴ・ジェネレーション。もともとは6人組だったがアルバム3枚出すうちにほかの4人が抜けて作曲を担当しているトム・バーラーとジョン・バーラーという二人の兄弟だけが残った。1968年の3枚目のアルバム『MONTAGE』から「LOVE IS A RAINY SUNDAY」。1968年のウェスト・コーストはフラワー・パワーという、ラヴ、ピース、ハッピネスを背景にしたヒッピー・カルチャーの頃で日曜日はきれいなイメージだった。

・PLEASANT VALLEY SUNDAY
ウェスト・コースト制作のモンキーズ、1967年のシングル「PLEASANT VALLEY SUNDAY」は全米3位。キャロル・キングとジェリー・ゴフィンの作品。元モダン・フォーク・カルテットのチップ・ダグラスがプロデュース、ベーシストとしてタートルズに参加していた。この時代のモンキーズの一連の作品が達郎さんは好きだという。

・A SUNDAY KIND OF LOVE
ハープトーンズはドゥーワップの中のドゥーワップというニューヨークを代表するドゥーワップ・グループ。1953年のデビュー作品「A SUNDAY KIND OF LOVE」は今やドゥーワップのスタンダード・ナンバーとしていろんな人がカヴァーしている。

・雨傘番組
番組は24年間一度も休んだことがなく、これまで年末の特番と2011年の東日本大震災のときにだけ強制的に中止になったが、病気などの個人的な理由で休んだことがないという。もしも高熱やアクシデントがあって番組が収録できないときのために、今年の初めスタッフと打ち合わせたとか。達郎さんは誰かが代わりに番組をする、いわゆる代打がパーソナリティーを務めるのは子分にやらせてるようで上から目線みたいで嫌だったので、差し替え用の番組を録音する「雨傘番組」というアイディアに賛成することになった。最初は病気を想定して「病気で棚からひとつかみ」、寝込んでるから「睡眠で棚からひとつかみ」とか「ベッドと枕で棚からひとつかみ」というお題を考えたが、あまりシャレにならないなと思い、電気が点いたようにパッと思いついたのが「日曜日で棚からひとつかみ」。

・SWEET SUNDAY KINDA LOVE
昔だったら日曜日というと土曜の夜は休みの前で楽しいが、夕方になると翌日の学校や仕事のことを考えて憂鬱になっていった。日曜日の時間により気分が変わる。番組は午後2時からなので番組が終わると憂鬱になるというハガキやお便りが昔から多いという。番組ではそういわずに英気を養ってもらうため明るい曲を中心に選曲したとか。
ビーチボーイズの1970年代のアルバムはなかなか売れ行きが上がらなかった。1978年のアルバム『M.I.U.ALBUM』の"M.I.U."はマハリシ・ヨギの国際大学の頭文字から取られている。こんなタイトルじゃ売れないと思うが中身はそんなに悪いアルバムではない。このアルバムに入ってる「SWEET SUNDAY KINDA LOVE」はマイク・ラヴとブライアンの共作でリード・ヴォーカルはカール・ウィルソン。日曜日の楽しさを歌った歌。

・IT'S SUNDAY
今日はウエスト・コースト系が多い。サンデー、サンシャインというイメージ。
'60年代に活躍した南カリフォルニアの5人組ヴォーカル・インストゥルメンタル・グループのザ・サンシャイン・カンパニー。達郎さんは高校生の頃なのでサンシャイン・カンパニーとかペパーミント・レインボウとかラヴ・ジェネレーションのような名前に弱かったとか。あまり大きなヒット曲はないけれど女性がリード・ヴォーカルで当時の典型的なヴォーカル・インストゥルメンタルのスタイル。1968年の「IT'S SUNDAY」。曲を作ってるのはレス・バクスターでエキゾチック・サウンド、いわゆるイージー・リスニングの作曲家。「IT'S SUNDAY」という曲は同時期のグループ、ザ・フォラムというグラス・ルーツのヒットでおなじみの「RIVER IS WIDE」をヒットさせたグループと競作だったが、出来はサンシャイン・カンパニーのほうがちょっといいので今日はこっち、と達郎さん。

・WHAT DO YOU DO ON SUNDAY AFTERNOON
最後はR&Bもの。ジェリー・バトラーはシカゴを代表するシンガー。1973年のアルバム『POWER OF LOVE』はプロデュースがジョニー・ブリストルで、大半の曲はジョニー・ブリストルとテディ・キャリアの作品ですごく出来はいいんですけれども売れませんでした、と達郎さん。そのアルバムの中から「WHAT DO YOU DO ON SUNDAY AFTERNOON」は「愛を失ったあなたは日曜日に何をするの?」という悲しい歌。曲を書いてるのはジェリー・バトラーの弟でビリー・バトラー。

・待ちぼうけ
達郎さんの曲で日曜日がテーマの曲や日曜日が出てくる曲は一曲もない。月曜日と土曜日に泣き別れしているという。竹内まりやさんが作詞作曲した1982年の堀ちえみさんのシングル「待ちぼうけ」に日曜日が出てくる。完全にこじつけだが雨傘番組なので勘弁してほしいとのこと。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2016年10月09日は、「シングルB面で棚からひとつかみ(邦楽編)」
http://www.tatsuro.co.jp
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