Sunday Song Book #1337

2018年05月27日 | Sunday Song Book

2018年05月27日プレイリスト
「フェンダー・ギターで、棚からひとつかみ Part 1」
1. SPARKLE / 山下達郎 "フォー・ユー" "オーパス" '82
2. RAVE ON / BUDDY HOLLY '58
3. MISERLOU / DICK DALE & THE DEL-TONES '62
4. BURN / DEEP PURPLE (RITCHIE BLACKMORE) "BURN" '74
5. AVALANCHE / ALBERT COLLINS "ICE PICKIN'" '78
6. CARL'S BIG CHANCE / THE BEACH BOYS (CARL WILSON) "ALL SUMMER LONG" '64
7. I'VE BEEN LOVING YOU TOO LONG / OTIS REDDING (STEVE CROPPER) "OTIS BLUE" '65
8. CANONBALL RAG / JAMES BURTON '61
9. MOONSHINE / JAMES BURTON & RALPH MOONEY "CORN PICKIN'" '68
10. L.A.BABE / 円藤一成 (山下達郎) "RUN TO LIVE, LIVE TO RUN" '84
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■内容の一部を抜粋
・近況
今週からツアーのリハーサルがはじまるそうだ。「今、ツアーのリハーサルの準備で追われております」と達郎さん。そんなときにWindowsを再インストールをしてぐしょぐしょになっているという。今日帰ってからまた朝までかけて修復するのだとか。

・フェンダー・ギターで、棚からひとつかみ Part 1
二週間「ギブソン・ギターで、棚からひとつかみ」をやって、今週からはフェンダー・ギター。今週来週の二週間で、今週は「フェンダー・ギターで、棚からひとつかみ Part 1」。ギブソン・ギターと同じで達郎さんのリスニング・ライフの中からの選曲。エレキ・ギターの歴史は60年以上あるので「フェンダー使い」と括ってやっても枚挙に暇がない。だからほんの舐める程度。

・SPARKLE
達郎さんはフェンダーのテレキャスターを愛用している。1970年代からずっとテレキャスター、あとストラトキャスターも使う。達郎さんのライヴはみんなエレクトリック・ギターはフェンダーを使ってるそうだ。フェンダー・ギターの1曲めは1982年のアルバム『FOR YOU』から「SPARKLE」。「ちなみに両サイドのギター、それから真ん中のオブリ、この曲はすべてフェンダーのテレキャスターで演奏しております」と達郎さん。

・RAVE ON
ロックンロールの黎明期に活躍したバディ・ホリー。1958年のヒット・ソング「RAVE ON」は全米チャート37位だが、全英では5位まで上がった。イギリスで非常に人気の高いシンガーだったが、1959年に飛行機事後で亡くなった。享年22歳の若さ。「たくさんカヴァーがありますが、やはりバディ・ホリーのオリジナルが乾いた感じ」と達郎さん。フェンダー・ギターはレオ・フェンダーという人が作った。カリフォルニアに工場があってカリフォルニアで生まれたギターなので音が乾いている、「こじつけですね(笑)」と達郎さん。

・MISERLOU
ロックンロールの黎明期はソリッド・ボディー、木杢のエレキ・ギターだったので、カリフォルニアのサーフィン・ホットロッドのシーンではとにかく使われた。サーフィン・ホットロッドの草分けといえばディック・デイル。ディック・デイル&ヒズ・デルトーンズの1962年の「MISERLOU」。ヒット曲ではないが日本では知らない人がいない。ディック・デイルはもともとサーファーだったがギターを持って人気が出た。フェンダーのストラトキャスターで演奏している。ディック・デイルは左利きだが右利き用のストラトキャスターを左手で弾いている。同じスタイルの人、ジミ・ヘンドリックスは明らかにディック・デイルから影響を受けていて、シアトルでディック・デイルのライヴを見たという説が有力である。

・BURN
今の世界の趨勢だとフェンダのストラトキャスターかテレキャスターの二大勢力に分かれる。弾きやすさ、かたち、音、いろいろな意味で使いやすく、木杢なので耐久性もある。ストラトキャスター弾きで達郎さんが最初に思いついたのはリッチー・ブラックモア。ディープ・パープルの1974年のアルバム『BURN』のタイトル・ソングで「BURN」。邦題は「紫の炎」。シングル・ヴァージョンなので早めにフェイドアウトしている。

・AVALANCHE
ミスター・テレキャスターといえばアルバート・コリンズ。テキサス・ブルースの重鎮。1978年のアルバム『ICE PICKIN'』のいちばん最後に入ってる「AVALANCHE」。「雪崩」という意味だとか。ちなみにアルバート・コリンズの別名はアイスマン。1993年にがんで亡くなっている。

今日かけているギタリストはみんなピックアップをつけたり、位置を変えたりして改造している。今回は「棚つか」なのでそこにはあまり触れないと達郎さん。

・CARL'S BIG CHANCE
1960年代の頭にはジャズマスターとかジャガーというエレクトリック・ギターが作られた。ビーチボーイズの1964年のアルバム『ALL SUMMER LONG』でカール・ウィルソンがギター・ソロを弾く「CARL'S BIG CHANCE」ではジャガーを使用している。カール・ウィルソンはこのあとエピフォンを使うようになるが、この頃のビーチボーイズのライヴはみんなフェンダー。ジャガーにジャズ・ベースを使用している。カールも1998年に亡くなった。

先週までの「ギブソン・ギターで、棚からひとつかみ」ではフリーのポール・コゾフをかけ忘れていたとか。「惜しいことしましたが。まぁ、チャンスがあれば。チャンスがあるかな(笑)」と達郎さん

・PERFORMANCE 2018
今年も6月23日から全国ホール・ツアーがはじまる。全国24都市49公演。昨日の26日(土)から8月分の長野、札幌、苫小牧、北見、大阪、新潟までのチケット一般発売がはじまっている。6月3日まで。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・細田守監督最新作『未来のミライ』
『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、そして『バケモノの子』に続く細田守監督最新作『未来のミライ』が7月20日に公開される。この度、このアニメ『未来のミライ』のオープニング・テーマとラストのエンディング・テーマ(主題歌)を達郎さんが書下ろした。この2曲はシングルとして7月11日に発売。曲目等の詳しいインフォメーションは来週発表予定。リマスタリングがまだできてないのでオンエアはまだ先になるという。
https://wmg.jp/tatsuro/

・フェンダー・テレキャスター
リスナーから「達郎さんがギターを決めた理由」などの質問。
単純にテレキャスターがいちばん安かったからだとか。フェンダーのギターはボリュウムもトーンもフルで使うしかなく、ボリュウムを絞るとコンデンサーが効いて音が硬くなるという。マイクの位置だけでできるので初心者でも使いやすいそうだ。ギブソンのレスポールはボリュウム2つ、トーン2つを組み合わせることによって無限のバリエーションができる。そのあたりのバリエーションはギブソンが圧倒的に優れている。そういう意味では達郎さんはリード・ギタリストではなかったのでカッティングでいくならテレキャスターがいちばんいいなとそういうような感じたったとか。

・I'VE BEEN LOVING YOU TOO LONG
達郎さんがテレキャスターを使いたいと思ったいちばんの理由はスティーヴ・クロッパー。メンフィス・サウンドの雄で、ブッカーTとMG'Sのスティヴ・クロッパーがテレキャス使いで、この人の音にすごく影響されてテレキャスターが好きになったそうだ。スティーヴ・クロッパーは歌のバックで演奏するときの存在感が半端ない人。オーティス・レディングのバックはブッカーTとMG'sでずっとレコーディングしてきた。1965年、R&Bチャート2位、全米チャート21位の「I'VE BEEN LOVING YOU TOO LONG」。オーティス・レディングの素晴らしい表現力の歌のうしろで淡々とアルペジオを弾いている。この音がなければサザン・ソウルは語れない。

・CANONBALL RAG
テレキャスター使いといえばジェームス・バートン。チェット・アトキンスにも匹敵するギターのテクニシャン。エルヴィス・プレスリーやリック・ネルソンのバック、有名なところではデール・ホーキンスの「SUSIE Q」。ジェームス・バートンが十代のときの演奏でギター・リフも彼が考えた。2011年にイギリスのエースからジェームス・バートンの'50年代、'60年代の初期の作品を集めたコンピレーションが出た。この中に入ってる1961年のテレビ・ショーの録音で「CANONBALL RAG」。マール・トラヴィスの作品で有名。'50年代にカリフォルニアでオンエアされていたカントリー・ミュージックのテレビ番組「ターンホールパーティー」にジェームス・バートンがマール・トラヴィスの代役で出たときの演奏だとか。この時代にテレキャスを弾いてるか確証が取れてない。

・MOONSHINE
もったいないのでジェームス・バートンをもう一曲。1968年にペダル・スチール奏者のラルフ・ムーニーとふたりで組んで作ったアルバム『CORN PICKIN'』から「MOONSHINE」。ジェームス・バートンもギターを改造していてスリー・ピックアップのテレキャスターを使っている。

・L.A.BABE
今日の最後は達郎さんが'80年代に円藤一成さんという神戸生まれの、ウィルソン・ピケットをこよなく愛している、R&Bが好きなシンガーに提供した「L.A.BABE」。1984年のアルバム『RUN TO LIVE, LIVE TO RUN』には達郎さんが2曲提供。自身で気に入ってる作品だったがアルバムが長い間廃盤だったので、こうした人に提供した作品を集めたコンピ『WORKS OF TATSURO YAMASHITA』に収録。2004年にファンクラブで販売しているので「もしご興味があれば私のホームページにアクセスしてお求めください」と達郎さん。青山純さんがドラム、伊藤広規さんがベース、佐藤博さんがキーボード、達郎さんのギターに、イブのコーラス。ちなみに左側のギターがテレキャスターで、右のオブリがストラトキャスター。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2018年06月03日は、「フェンダー・ギターで、棚からひとつかみ Part 2」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Song Book #1336

2018年05月20日 | Sunday Song Book

2018年05月20日プレイリスト
「ギブソン・ギターで、棚からひとつかみ Part 2」
1. 台風ドライブ / 村田和人 (松浦善博) "ひとかけらの夏" '83
2. GOOD GOLLY MISS MOLLY / CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL (JOHN FOGERTY) "BAYOU COUNTRY" '69
3. WHAT IS HIP? / TOWER OF POWER (BRUCE CONTE) "TOWER OF POWER" '73
4. JESSICA / THE ALLMAN BROTHERS BAND (DICKY BETTS) "BROTHERS & SISTERS" '73
5. I WOKE UP THIS MORNING / TEN YEARS AFTER (ALVIN LEE) '69
6. 世界は僕等の手の中 / ブルー・ハーツ (真島昌利) "THE BLUE HEARTS" '87
7. さすらい / 奥田民生 "股旅" '98
8. CLIMAX / クールス・ロカビリー・クラブ (ジェームス藤木) "NEW YORK CITY, N.Y." '79
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■内容の一部を抜粋
・近況
番組は前倒しで収録しているという。いよいツアーのリハーサルがはじまるので、その準備で譜面のチェックなどを行っているとか。リハーサルは来週から2,3週間の予定。

・ギブソン・ギターで、棚からひとつかみ Part 2
ギターの大手メーカーであるギブソンが経営破綻になりかかっている。ギブソンはこれまでに何度かそういうことがあったので驚くに値しないし、たぶんギブソンのブランドがなくなることもない、と達郎さん。日本のオンキヨーとかティアック、オランダのオーディオ会社など買い漁っていたという。先週に引き続いて「ギブソン・ギターで、棚からひとつかみ Part 2」。今週はギブソン使いの素晴らしいソロと日本のギブソン使いをピックアップ。

・台風ドライブ
達郎さんが全曲プロデュースした村田和人さんのアルバム『ひとかけらの夏』から「台風ドライブ」。ソロを弾いている松浦善博さんはもともとは神戸のサザン・ロック・バンド、アイドルワイルド・サウスのギタリストで、ツイストやアン・ルイスなどいろいろな人のセッションに参加。'90年代はA&Rに転身し、大江千里さんなどを手掛けた。今は神戸に帰って自分の活動をしている。

・GOOD GOLLY MISS MOLLY
今回の「ギブソン・ギターで、棚からひとつかみ」では有名どころでも、ほとんど全部ギブソンのギターを使ってる人しか選んでないそうだ。エリック・クラブトンやジミー・ペイジ、レッド・ツェッペリンがかからないのは、いろんなメーカーのギターを使ってるから選曲しなかったという。クリアデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルのジョン・フォガティは初期の頃はひたすらレスポールを弾いていた。レスポール使いの中ではとりわけきれいな音を出していたとか。「GOOD GOLLY MISS MOLLY」は1967年のアルバム『BAYOU COUNTRY』に収録されている。

・WHAT IS HIP?
リード・ギターだけではなく、サイド・ギター、いわゆるバッキングでもギブソン使いはたくさんいる。タワー・オブ・パワーのブルース・コンテはいつもゴールドトップのレスポールを使っている。1973年のアルバム『TOWER OF POWER』から「WHAT IS HIP?」。

・JESSICA
オールマン・ブラザーズ・バンドのリッキー・ベッツはデュアン・オールマンが亡くなった後にオールマン・ブラザーズ・バンドを引き継いだ。彼が中心になっていた頃、1973年のアルバム『BROTHERS & SISTERS』に入ってる「JESSICA」。リッキー・ベッツ自身のペンになる曲。

・I WOKE UP THIS MORNING
テン・イヤーズ・アフターのアルヴィン・リーは赤い335を弾いて日本では一世を風靡した。1969年のアルバム『SSSSH』からのシングル・カットされた「I WOKE UP THIS MORNING」は日本でヒットしたが、日本だけのヒットなんだとか。邦題は「夜明けのない朝」。

・PERFORMANCE 2018
今年も6月23日から全国ホール・ツアーがはじまる。全国24都市49公演。8月1日、大阪のフェスティバルホール公演までのチケット一般発売が終わり、来週からツアーのリハーサルがはじまるそうだ。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・細田守監督最新作『未来のミライ』
『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、そして『バケモノの子』に続く細田守監督最新作『未来のミライ』が7月20日に公開される。この度、このアニメ『未来のミライ』のオープニング・テーマとラストのエンディング・テーマ(主題歌)を達郎さんが書下ろした。2009年の『サマーウォーズ』以来、2度目のタッグとなり、9年ぶりのコラボ。この2曲はシングルとして7月11日に発売予定。詳しくはワーナーミュージック・ジャパンの山下達郎スペシャル・サイトにて。
https://wmg.jp/tatsuro/

・世界は僕等の手の中
達郎さんの好きなブルー・ハーツ。ギタリストの真島昌利さんはデビュー当時からずっとレスポールを使っている。1987年のアルバム『THE BLUE HEARTS』から「世界は僕等の手の中」。

・さすらい
奥田民生さんの1998年のアルバム『股旅』からシングル・カットの「さすらい」。奥田民生さんのレスポールはすごくいいやつなのだとか。

RCサクセションの「GIBSON(CHABO'S BLUES)」にはたくさんのリクエストが届いてるそうだ。今回は時間が足りず「スイマセン、次の機会にかけます」と達郎さん。

・CLIMAX
クールス・ロカビリー・クラブでほとんどの曲を書いてるリード・ギターのジェームス藤木さん。赤い335を使っている。達郎さんの大好きなギタリスト。達郎さんがプロデュースした1979年のニューヨーク・レコーディングのアルバム『NEW YORK CITY, N.Y.』からのシングル・カット「CLIMAX」。ちなみにこの曲のブラス・アレンジをしているのはジェフ・レイトンはジャニス・イアンの「17歳の頃」のアレンジをしているギタリスト。キーボードは難波弘之さん。

・今後の予定
来週は「フェンダー・ギターで、棚からひとつかみ」。そのあいだにツアーの準備をするそうだ。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2018年05月27日は、「フェンダー・ギターで、棚からひとつかみ」
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Sunday Song Book #1335

2018年05月13日 | Sunday Song Book

2018年05月13日プレイリスト
「ギブソン・ギターで、棚からひとつかみ Part 1」
1. アンフィシアターの夜 / 竹内まりや
(松浦善博) "ヴァラエティ" '84
2. SCHOOL DAY / CHUCK BERRY '57
3. WHISPERING / LES PAUL '51
4. BACK IN BLACK (LIVE) / AC/DC (ANGUS YOUNG) '92
5. BORN UNDER A BAD SIGN / ALBERT KING '67
6. I'LL SEE YOU IN MY DREAMS / CHET ATKINS '87
7. BLUE SHADOWS / B.B.KING "IN LONDON" '71
8. STILL GOT THE BLUES / GARY MOORE '90
9. REBORN / 山下達郎
(日下部 "BURNY" 正則) '17
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■内容の一部を抜粋
・近況
「わたし、おかげさまでシングル完パケまして、工場へと旅立ちました。ちょっとだけのんびりしましたけれども、またライヴの準備その他、はじまるアレでございますが一所懸命やりたいと思っております」と達郎さん。

・ギブソン・ギターで、棚からひとつかみ Part 1
アメリカのギターのメーカー、ギブソンが経営破綻したというニューズが入ってきた。このところいろいろな買収をしており、それが原因で経営にしわ寄せが来たといわれている。達郎さんの友人の話によると、最近はギターが売れないそうで、アメリカのギターの売上がここの10年間で半減しているという数字があるそうだ。「若い子がもうギターを弾かなくなった。そうですよね。レコードが売れなくなったというか、全部レコードがタダ聴きでスマホで聴けるんですからね。一所懸命5つ6つから楽器練習してうまくなっても、それでご飯が食べられない。そういうような状態。日本はもう少子化でございます。美術なども美大に行って、昔は美術の先生になって、その間に一所懸命絵を描くみたいなものありましたけれど、美術の先生の職がないという。少子化で。そういうような暗いニュースばっかりですけれども。それでも別に絵を描くこととか音楽がなくなるわけじゃありませんですので、そう悲観してばかりいられませんが」と達郎さん。ギブソンは日本でいう意味の倒産ではなく会社更生法ではなく民事再生とかそういうことだという。フェンダー、ギブソンはエレキ・ギターのルーツ、ギブソン潰れないでほしいということで、今週はささやかな極東からの応援で今週、来週の二週間使って「ギブソン・ギターで、棚からひとつかみ」。ギブソンを使ってるギタリストの特集。ブルース系やルーツ・ミュージック系を中心に「ギブソン・ギターで、棚からひとつかみ Part 1」。

・アンフィシアターの夜
達郎さんはフェンダーのテレキャスターを40数年使ってきて、ギブソンはレコーディングしか使わないそうだ。達郎さんの知り合いのギブソン使いの中でいちばん親しいのが松浦善博さん。ゴールドトップのレスポールで素晴らしいギター・ソロ、それからボトル・ネックは彼が日本一だと達郎さんは信じてるという。何曲もレコーディングを頼んできたがその中から1984年のまりやさんのアルバム『VARIETY』に収録されてる「アンフィシアターの夜」。

ギブソンは1902年に創設されたギターの会社。はじめはアコースティックだけだったが、エレキギターを作りはじめ、いろいろなギターが出ている。ギブソンのギターを愛用しているミュージシャンは古今東西たくさんいる。なるべくギブソンだけしか使ってないミュージシャンに限って選曲。いわゆる御三家のエリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジはいろんなメーカーのギターを使ってるのでかけないそうだ。

・SCHOOL DAY
チャック・ベリーといえば335。ミスター・ギブソン。1957年の大ヒット「SCHOOL DAY」。

・WHISPERING
ギブソンといえば最も歴史上有名なミュージシャンはレス・ポール。レスポール・モデルというのがあり、それはレス・ポールが開発したギター。レス・ポールはエレキ・ギターに関して革命的なことをした人で、ひとり多重とかエフェクターとか革新的なものを1940年代から1950年代にかけてすでに行った。1951年、全米チャート7位まで上がった「WHISPERING」は1920年ぐらいの曲で、作曲はヴィンセント・ローズ、「BLUEBERRY HILL」の作曲者で有名。レス・ポールのひとり多重の技が冴える一曲。

・BACK IN BLACK (LIVE)
ギブソンといって達郎さんがいちばん最初に思いつくのがAC/DCのアンデス・ヤング。ひたすらSGで突進する。1980年のアルバム『BACK IN BLACK』からタイトル曲の「BACK IN BLACK」。今日は折角だから1992年のライヴ・アルバムから。

ギブソンが今回経営破綻の危機だという報道があったけれど、何回か困難な時代があって'60年代や'80年代にもあったし、身売りしてまたもとに戻ってきたこともある。要するにギターを作るのは職人だから腕はよくても経営能力がないということもある。今回はいろんなものを買収して、それがうまくいかなくなったのが大きな原因だといわれている。「そうはいってもギブソンのブランドがですね、全く消滅するとか、そういうことは多分ありえないので、ギターの分門は黒字だと、やっぱりそうかと思いましたが、いくらギター、こどもが弾かなくなったといってもですね、まだまだロックンロールがある限り(笑)。でもロックンロールがやっぱりこう、違う方向になってきたのかな。ギターがそんなに売れなくなったというのは。そんなことブツブツいってもしょうがないですけれども」と達郎さん。

・BORN UNDER A BAD SIGN
次はブルース・ギタリスト。ミシシッピー生まれのアルバート・キング。アルバート・キングといえば日本では何といっても「BORN UNDER BAD SIGN」。アルバート・キングとブッカーT.ジョーンズの共作。アルバート・キングのヴァージョンはブッカーT. & THE MG'Sがバックを務めている。1967年、R&Bチャート47位。アルバート・キングはフライングVというギター。しかもサウスポー用。

ウェス・モンゴメリーを選曲してCM前にオンエアするつもりだったが、山岸さんから時間オーバーになると言われたそうだ。ジャズはギブソン・ギター一辺倒で、特に'60年代のシャズ・ギタリストはギブソンしかエレキ・ギター弾くものがなかったという。来週も長い曲を選曲しているのでウェス・モンゴメリーがかけられず、5月末に「ジャズ特集」を行う予定なのでそのときにオンエアすることにしたという。

・PERFORMANCE 2018
今年も6月23日から全国ホール・ツアーがはじまる。全国24都市49公演。8月1日、大阪のフェスティバルホール公演までのチケット発売は終了している。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・細田守監督最新作『未来のミライ』
『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、そして『バケモノの子』に続く細田守監督最新作『未来のミライ』が7月20日に公開される。この度、このアニメ『未来のミライ』のオープニング・テーマとラストのエンディング・テーマ(主題歌)を達郎さんが書下ろすことに決まった。2009年の『サマーウォーズ』以来、2度目のタッグとなり、実に9年ぶりのコラボ。この2曲はシングルとして7月11日に発売予定。詳しくはワーナーミュージック・ジャパンの山下達郎スペシャル・サイトにて。
https://wmg.jp/tatsuro/

達郎さんのメインのキダーはフェンダーのテレキャスター。ギブソンのギターは高くて達郎さんが中学・高校時代の'60年代、サラリーマンの初任給が4万円とか5万円だったときに、ギブソンのレスポールは正価で32万円したという。フェンダーのテレキャスターは17万。半分くらいなので、だからフェンダー使ってる人はみんな貧乏だという傾向がある(笑)と達郎さん。達郎さんの世代だとフェンダーよりギブソンのほうが質的に上だという認識だが、日本でフェンダーもギブソンも代理店をやっている山野楽器が、輸入品だから厳しくチェックしていたので、ギブソンがやばい時期に作られたギターは雑なものが多いそうで、山野楽器がそれを厳しくチェックしたので、日本でのギブソンのギターのクオリティーは高いのだという。達郎さんはスタジオで使用するアコースティック・ギター、BRUTUSの表紙に写っているのが愛用しているギブソンのギター。特にエレクトリック・アコースティック、エレアコと呼ぶギターは、ステージで使うときにアコースティックのピックアップを付けて演奏しているが、もう20数年、ギブソン一辺倒なのだとか。チェット・アトキンスがギブソンと契約していたときに開発したチェット・アトキンス・モデルのエレクトリック・アコースティック、ガット・ギター版とスチール・ギター版、スチールの12弦ギター版を今でも達郎さんはステージで愛用しているそうだ。特にエレ・ガットと呼ばれるガット・ギターのナイロン弦のエレクトリック・アコースティックはチェット・アトキンス・モデルがいちばんいい音がするのだという。チェット・アトキンスは昔、グレッチのカントリー・ジェントルメンを使っていたが、エレクトリック・アコースティックはいろんなライヴでチェット・アトキンスが使ってる映像が残っている。

・I'LL SEE YOU IN MY DREAMS
チェット・アトキンスがエレ・ガットを使ってる曲から、1987年に「チェット・アトキンス&フレンズ」というショーが行われ、それが映像作品として発売になり、今はDVDで観ることができる。この中でマーク・ノップラーが出てきて、マーク・ノップラーはフェンダのストラトキャスターを弾いて、チェット・アトキンスはエレクトリックのガット・ギターで掛け合いをしている「I'LL SEE YOU IN MY DREAMS」。

・BLUE SHADOWS
B.B.キングもギブソン・ギターの愛用者。「BLUE SHADOWS」はローウェル・フルソンの曲のカヴァー。今日はロンドンで録音したテイクで、1971年のアルバム『IN LONDON』から。

・STILL GOT THE BLUES
ゲイリー・ムーアはレスポール使いで有名な人。泣きのギターといえばこれ。1990年の「STILL GOT THE BLUES」。

・REBORN
達郎さんの曲でギブソンのギターでソロを取ってる曲はほとんどないとか。335で「蒼氓」の間奏をやってるくらい。昨年のシングル「REBORN」のコーダを弾いてるのが日下部 "BURNY" 正則さんで、ギブソンのブラック・ビューティーというギター。

・今後の予定
来週も引き続いて「ギブソン・ギターで、棚からひとつかみ Part 2」。来週はソロをフィーチャーした長めの曲と邦楽を少しオンエアする予定。前倒しで収録するのでリクエストには応えられないそうだ。今週もリクエストが来ていたけれどテンパって作ったので応えられなかったという。徹頭徹尾達郎さん好みの特集だとか。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2018年05月20日は、「ギブソン・ギターで、棚からひとつかみ Part 2」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Song Book #1334

2018年05月06日 | Sunday Song Book

2018年05月06日プレイリスト
「リクエスト特集」
1. 踊ろよ、フィッシュ / 山下達郎 "オーパス" '87
2. DESIRE / THE MASQUERADERS '80
3. I WILL FOLLOW YOU / RICK NELSON "FOR YOUR SWEET LOVE" '63
4. HAPPY/ THE SUNSHINE COMPANY '67
5. STAY WITH ME BABY / B.W.& THE NEXT EDITION '73
6. I'D RATHER GO BLIND / SPENCER WIGGINS '70
7. WALK DON'T RUN / CHET ATKINS "HI-FI IN FOCUS" '57
8. MY TRUE STORY / THE JIVE FIVE '61
9. 片想い / 山下達郎 "アルチザン" '91
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■内容の一部を抜粋
・近況
「楽しかったゴールデンウィークも終わりでございます。明日からまた日常にみなさん、戻られることと思いますが。私は(笑)、もう(笑)、どこがゴールデンウィークだ、なにものだと。ひたすらレコーディングをやっておりまして。ようやく明日、リマスタリングでございます。CDが製品化、工場に送られるという。ええ。私のやつと、あとは竹内まりやのシングルとですね、同時並行してやっとりまして。なんとか乗り切りましてですね。でもここんところ体の調子が割りといいのでですね(笑)、ええ。割りとスタミナがあります。広島のクアトロで3人ライヴをやって帰ってきまして、スタッフはなんか具合が悪くてですね、貧血なやつとかですね、自律神経が失調したやつとか、いろいろごろごろしておりますが、私だけ元気でありまして恨まれとりますが。て、めでたく(笑)、一段落致しまして。リマスタリング今週ちょっとありますけれども。いよいよ今年のツアーの準備がはじまります。いろいろとまた、どうしょうかなと計画を練らなければなりませんが」と達郎さん。

・リクエスト特集
相変わらずお便りがたくさん届いていて、リクエストが山のようにあり、かけてもかけても減らない。50分じゃとても間に合わないが、今週は「リクエスト特集」の続き。

・踊ろよ、フィッシュ
台東区のはじめてお便りをいただいたリスナーからのリクエストで「踊ろよ、フィッシュ 」。ひと月前のお便りで、第一子出産の予定だが具合が悪くなり入院生活を送っているのだという。「いかがですか? その後。くれぐれもお大事に」と達郎さん。

・DESIRE
ザ・マスカレーダーズはテキサス出身の黒人5人組のヴォーカル・グループ。ひじょうに実力のあるグループとして知られていた。1980年のアルバム『THE MASQUERADERS』からシングル・カットされた「DESIRE」は全米ソウル・チャート30位。リクエストした川崎市のリスナーは「通常盤とプロモ盤の2枚持っていてマトリックスが違う」と長文のお便りの中で書いているそうだ。レコード会社のプレス工場はいくつもあってプレスした工場によってマトリックスが変わると達郎さん。プレス工場によって音が弱冠違ったりするので、達郎さんの場合はここ30年くらいずっとソニーでCDのプレスしているが、ラインがいくつもあって、静岡の5ラインとか水戸の4ラインとか微妙に音が違うのだという。達郎さんは場所を指定いたときもあったが、今は2つくらいのラインでやってる状態なので、音が平均していつも同じ音になってるとか。

・I WILL FOLLOW YOU
リック・ネルソンは'60年代を代表するアイドル・シンガー。1963年のアルバム『FOR YOUR SWEET LOVE』に収められている「I WILL FOLLOW YOU」は、同年にリトル・ペギー・マーチが全米NO.1にし、日本でもヒットした。ペギー・マーチのは「I WILL FOLLOW HIM」だが、男の人が歌うので「I WILL FOLLOW YOU」。達郎さんの好きなベーシスト、ジョー・オズボーンの音がしているそうだ。
曲をかけおえて。デビュー時はリッキー・ネルソンだったが後にリック・ネルソンになった。俳優としても活躍したが、アイドルとしての活動に不満を持ちカントリーに傾倒してヒットが出なくなった。1972年に復活したが、1981年に飛行機事後で亡くなった。享年45歳だった。息子はネルソンというハード・ロック・バンドのメンバーでヒットを放っている。

・HAPPY
ザ・サンシャイン・カンパニーはサザン・カリフォルニアの白人5人組のヴォーカル・インストゥルメンタル・グループ。1967年の「HAPPY」は全米50位。

・辛い時期はどのようにして乗り切ったか?
リスナーから「長いキャリアの中で辛い時期があったと思うのですが、達郎さんはどのようにして乗り切りましたか?」という質問。
「先日もなんか四十代の話が出たと思いますが、働き盛り大変なんですよ、ホントに。私もこれくらいの年がいちばん苦しかった時代ですけれどもですね。あのとにかく戦わないとダメです。もがいていろいろありますけれども、投げちゃダメです。で、もがいてもがいて、そこから抜けて、後から振り返るとそのもがいたのが決して無駄じゃなかったというような確認が取れるはずです。いちばんよくないのはあきらめることですね。オレなんかとか、どうせこれがとか、そういう現状追認といいましょうか、そういうことはダメです。戦いましょう。ファイト! 歌の文句にそんなのがありますが(笑)。がんばってください」と達郎さん。

・STAY WITH ME BABY
B.W.& ネクスト・エディションはシカゴのデイカー・レーベルで2枚のシングルが確認されている。バック・グラウンドはわからない。1973年の「STAY WITH ME BABY」。

・I'D RATHER GO BLIND
3月21日にNHK-FMでオンエアされた「今日は一日“失恋ソング”三昧2018」で達郎さんがゲスト出演したときにかけた曲の関連の曲にリクエスト。エッタ・ジェイムズの「I'D RATHER GO BLIND」をかけたが達郎さんがいちばん好きなのはスペンサー・ウィギンスのヴァージョン。1970年のシングルでフェイム・スタジオにおいて、エッタ・ジェイムズと同じプロダクションによりでレコーディングされたそうだ。

・細田守監督最新作『未来のミライ』
『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、そして『バケモノの子』に続く細田守監督最新作『未来のミライ』が7月20日に公開される。このアニメ『未来のミライ』のオープニング・テーマとラストのエンディング・テーマ(主題歌)を達郎さんが書下ろした。先週、音の確認をしてきたところだそうだ。2009年の『サマーウォーズ』以来、2度目のコラボ。「同じ監督と二回やったの生まれて初めてでございます。今回もなかなか素敵な作品になっております」と達郎さん。この2曲はシングルとして7月11日に発売予定。詳しくはワーナーミュージック・ジャパンの山下達郎スペシャル・サイトにて。
https://wmg.jp/tatsuro/

・PERFORMANCE 2018
今年も6月23日から全国ホール・ツアーがはじまる。全国24都市49公演。8月1日、大阪のフェスティバルホール公演までのチケット一般発売は5月6日午後6時まで。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・今後の予定
来週はなんとギブソンが経営破綻したので「ギブソンで棚からひとつかみ」。「でもギターの製造は続行するというアレなので。だからギターだけ作っておけばいいんですよ。なんかいろいろなものを買収するからそういうことになるんです。私はギブソンよりもむしろフェンダー派なので。ま、でも一応ギブソンで棚からひとつかみ行ってみたいと思います。私なりのギブソン特集」と達郎さん。

・WALK DON'T RUN
チェット・アトキンスの「WALK DON'T RUN」にリクエスト。ヴェンチャーズでおなじみの「WALK DON'T RUN」だが、もともとはジョニー・スミスというギタリストが発表した曲。でもヴェンチャーズが聴いたのはチェット・アトキンスの演奏したヴァージョンで自分たちのレパートリーに取り入れたことが伝わっている。チェット・アトキンスのヴァージョンは1957年のアルバム『HI-FI IN FOCUS』に収められている。

・MY TRUE STORY
ジャイヴ・ファイブの「MY TRUE STORY」はドゥーワップのスタンダード・ナンバー。1961年、全米3位。ジャイヴ・ファイブはニューヨーク出身のドゥーワップ・グループ。
曲をかけおえて。ドゥーワップの特集をしてほしいというお便りが届いてるとか。まもなく達郎さんが監修したドゥーワップのナゲッツが出る予定だが、まだ契約がクリアになってないそうだ。「古い音源なので仕方がない」と達郎さん。

・新しい曲を聴くにはどうすればいい?
リスナーから「新しい曲を聴くようになるノウハウがあれば教えてください」という質問。
無理して追っかける必要はなく古い曲を聴いていればいいとか。達郎さんはトップ・ヒッツのコンピレーションやトップ40のリクエスト番組を聴いてるそうだ。達郎さんの場合は音楽の仕事をしているし、番組を作ってるのでちゃんと聴かないといけないが、そこまでして聴く必要はないのでは、と達郎さん。でもときどきこれはという曲があり、最近のお気に入りは少し古いがリトル・ミックスの「POWER」だという。

・片想い
5月に入ったので超常連のリスナーから1991年のアルバム『ARTISAN』に収められている「片想い」にリクエストが集まっているそうだ。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2018年05月13日は、「ギブソン・ギターで、棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
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