Sound Street 21

2007年06月06日 | 佐野元春 Radio Days

サウンド・ストリート21 「Motoharu Radio Show」
2007年6月5日(火) 23:00-24:10
DJ:佐野元春

Playlist
Brown Eyed Girl / Van Morrison
How Could We Still Be Dancin' / Brian Wilson
Walkin' In The Sun / Travis
Reason For Living / Roddie Flame
Nothing Clings Like Ivy / Elvis Costello
月夜を往け / 佐野元春 and The Hobo King Band
太陽 / 佐野元春 and The Hobo King Band
希望 / 佐野元春 and The Hobo King Band
地図のない旅(Live) / 佐野元春 and The Hobo King Band
観覧車の夜(Live) / 佐野元春 and The Hobo King Band
星の下 路の上 / 佐野元春
ヒナギク月に照らされて / 佐野元春
裸の瞳 / 佐野元春
君が気高い孤独なら / 佐野元春
ズッキーニ ホーボーキングの夢(インストゥルメンタル) / 佐野元春 and The Hobo King Band
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■内容の一部を抜粋
・ラジオ・デイズ
「久し振りですね、このNHKのスタジオ。僕は以前'80年代に毎週月曜日にこのスタジオから音楽番組を届けてました。モトハル・レディオ・ショウですね。覚えてくれている方もいると思います。あの頃とスタジオの雰囲気はほとんど変わっていませんね。目の前のマイクロフォン、キュー・ボックス、そしてちょっと汚れた壁。いいですよね。今夜再びあの時と同じ雰囲気で番組を届けられるのをとてもうれしく思っています」と元春。

・Brown Eyed Girl
元春のフェイバレイト・シンガーのひとりがヴァン・モリソン。
「音楽に向かう姿勢、楽曲の素晴らしさというのもそうなんですけれども、なんといっても彼のソウルフルな歌声、アイルランドを代表する素晴らしいシンガーだと思います」と元春。

・サウンド・ストリート「モトハル・レディオ・ショウ」
元春が担当していたのは1981年4月から1987年3月までの約6年間。番組のモットーは"Less Talk, More Music"。6年間に約2000曲以上レコードをかけたという。途中、活動の場をニューヨークに移した時(1983年から1984年にかけて1年間)も「モトハル・レディオ・ショウ・イン・ニューヨーク」として番組は続けた。

・How Could We Still Be Dancin'
ビーチボーイズのリーダー、ブライアン・ウィルソンのアルバム『Gettin' In Over My Head』からの1曲。 エリック・クラプトン、エルトン・ジョン、ポール・マッカートニーといった古くからの友人たちが参加している。

・インディペンディエンテ
以前イギリスに「インディペンディエンテ」というレーベルがあった。アンディー・マクドナルドという人物が主催している。元々は「ゴー・ディスクス」というレーベルを運営していた。このレーベルにはラーズ、ビューティフル・サウス、ポール・ウェラーといったアーティストが所属していた。「少数精鋭」というのがポリシーでこれまでにもいいレコードをたくさん残してきている。残念ながら「ゴー・ディスクス」はポリグラムに吸収されて活動を終えている。そこのレーベル・プロデューサーであるアンディー・マクドナルドが最近新しいレーベルを作った。それが「インディペンディエンテ」というレーベル。徐々に名前が知れ渡ってきている。このレーベルには現在、トラヴィス、ロディー・フレイムといったアーティストが所属している。レコードの製作はするけれどもアーティスト活動への拘束は一切しない、アーティストにはインディペンデントな自由を与えて、しかし作品の配給はメジャーと同じ販売網で売るという方針を打ち出している。
イギリスの独立レーベルといえば古くは「ラフ・トレード」という素晴らしいレーベルがあった。今でもある。レーベル・プロデューサーはジェブ・トラヴィス。最もうまくやっているインディペンデント・レーベル。レーベルをはじめたのが'70年代。現在でもニュー・アーティストの発掘に力を注いでいる。
インディペンディエンテ・レーベル所属のアーティストを二組紹介するといってかけたのがトラヴィスとロディー・フレイム。

・ロスト・ハイウェイ
米国のレーベルで元春がいいなと思うのが「ロスト・ハイウェイ」。どちらかといっと、いい意味で米国音楽の保守的な面を大事にしているレーベル。ジョニー・キャッシュ、ヴァン・モリソン、ライアン・アダムス、最近ではエルヴィス・コステロがこのレーベルに所属しているルシンダ・ウィリアムスと一緒にデュエットしたいという理由でレーベルを移籍したという話。リスナーだけじゃなく玄人にも受けがいいレーベルだといっていい。その「ロスト・ハイウェイ」からエルヴィス・コステロのアルバム『The Delivery Man』から「Nothing Clings Like Ivy」(この曲でコステロとデュエットしているのはエミルー・ハリス)。

・デイジー・ミュージック
元春が主催するレーベル。
「『デイジー』といえばヒナギク、野の花。可憐で強く、また地面の下では根っこでみんなが繋がっているというそんなイメージがあります。自分の歌の中でも、この『ヒナギク』、『デイジー』という言葉が大好きで何度か使っています。このレーベル『デイジー・ミュージック』をはじめたのが2004年6月。もうすぐ3周年を迎えます。このレーベルの第一作目としてリリースしたアルバムは『THE SUN』というアルバムです。そしてつい最近、レーベル二作目となる僕の新作アルバムが完成しました。アルバム・タイトルは『COYOTE』。サウンド・ストリート21、4回に渡っての放送ですが、番組でもこの僕の新作アルバムから少しずつ曲を紹介したいと思っています。僕のソングライターとしての現在を感じてもらえるこの新作からの曲、是非聴いてみてください」と元春。

・アルバム『THE SUN』
「アルバム『THE SUN』。このアルバムはリリースまでけっこう大変でした。その前に出したアルバムからだと4年という長いインターヴァルがありました。この間僕とバンドは全国ツアーを何回か行いました。その4年間に書き溜めた曲をまとめたのがこの『THE SUN』というアルバムです。なんといってもうれしかったのはファンの人たちがみんな待っていてくれたということです。それはその後のライヴ・ツアーの時によくわかりました。4年というブランクにも関わらず全国どの街でも僕とバンドは熱い声援をもらいました。その時本当に僕は素晴らしいファンに支えられているんだということがわかって感激しました」と元春。
2005年2月にNHKホールで行われたライヴ盤から「地図のない旅」と「観覧車の夜」。

・3トラックEP『星の下 路の上
アルバム『COYOTE』を作るきっかけとなった曲「星の下 路の上」。録音したのは2年前。先行アルバムとして3曲入りのEPを作ったが、その中の1曲。バンドはギター深沼元昭、ベース高桑圭、ドラムス小松シゲル、元春がギターとキーボードというメンバー。みんなそれぞれバンドがあって深沼は元プレイグス、メロウヘッドを経て現在はGHEEEという新しいバンドを作っている。ベースの高桑はグレート3、小松はノーナリーブスというバンドにいる。世代的に言うと元春の'80年代、'90年代のレコードを彼らが多感な頃に聴いていたことになる。
「レコーディングのほうはとても楽しかったですね。彼らはミュージシャンとしての力は元々素晴らしいものがありますから、僕のレコーディングではこのメンバーが集まってどれだけご機嫌にスパークするか、というのがテーマでした。まあ結果のほうは素晴らしかったです。僕も彼らからとてもいいものをもらいましたし、僕も彼らに何かいいものをあげられたんじゃないか、そんなふうに思っています」と元春。

・アルバム『COYOTE』
新メンバーでのレコーディング、そして3トラックEPのリリースがきっかけとなって、いよいよフル・アルバムの製作に入った。レコーディングの期間は大体半年間くらいだった。特に問題もなく順調に進んだレコーディングだった。
「たぶん僕を含めてみんなが見えていたゴールが、けっこうはっきりしていたんじゃないかなと思っています。でも実際のところはバンドのみんなに聞いてもらわないとわかりません。きっと僕の知らないところで物凄い苦労があったっていうこともあるかもしれないです。そのへんは是非この番組にバンドのみんなに集まってもらって話を聞いてみたいところです。ちょっと声をかけてみるので待っていてください」と元春。

・最高傑作
「まあこの新作アルバムですよね~。リリースの前からアルバムについて僕がいろいろと話してしまうというのもどうかなと思うので、まずは先入観なしに新曲を聴いてほしいというのが僕の気持ちです。最近の僕はここ1,2ヶ月アルバムのプロモーションで忙しくしています。僕にとっては3年振り。スタジオ・レコーディング盤というと2004年に出した『THE SUN』以来ということで、なにか僕は個人的にはいい調子で来てるなという実感があります。正直に言うと前のアルバム『THE SUN』、このアルバムで力を出しきってしまったという思いがあって、本当に作り終えた後は、これを越えるアルバムはできない、とか言って弱音を吐いていたこともありました。しかし、こうしてちゃっかり新作ができたということを思うと、アーティストというのは、人にもよりますけれども、僕の場合はあまり過去のことにこだわっていないというか、できたものが傑作であってもまた駄作であっても創作を続けるということが大事なんだろうなと、最近思います。僕の場合はいつでも最新作が自分の最高傑作だと思っているので、この『COYOTE』という最新アルバムでも自信を持って音楽ファンに届けることができるんじゃないかと思っています。そしてこのアルバムのタイトルについて、取材などでいろいろといろんな人に聞かれます。今回このコヨーテと呼ばれる男を主人公にしたひとつのロード・ムービーがあって僕はそのサウンド・トラック盤を作ってみようというそんな発想でアルバムを作ってみました。是非、アルバム全体を聴いてもらってリスナーのみなさんの感想を聞いてみたいですね」と元春。

・君が気高い孤独なら
アルバム『COYOTE』のリード・トラック。
「ちなみに僕はあまり頻繁にミュージック・クリップを作るほうじゃないんですけれども、今回はこの曲のクリップを作ったので是非どっかでご覧になってください」と元春。



■リクエスト・お便りの宛て先:
〒150-8001 NHK-FM「サウンド・ストリート21 佐野元春」係
e-mailで送れるホームページは「サウンド・ストリート21

■今後の予定
来週もひき続き新作『COYOTE』の話題を中心に。
コメント (4)
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