Sunday Song Book #1529

2022年01月30日 | Sunday Song Book

2022年01月30日プレイリスト「臨時追悼特集」
1. SPARKLE / 山下達郎 "フォー・ユー" "オーパス" '82
2. RIDE MY SEE-SAW / THE MOODY BLUES '68
3. BABY, I LOVE YOU / THE RONETTES '63
4. ONE WAY OR THE OTHER / THE FIFTH AVENUE BAND "THE FIFTH AVENUE BAND" '69
5. SUN GODDESS (LIVE) / EARTH, WIND & FIRE "GRATITUDE" '76
6. THE CLOSER I GET TO YOU / MTUME "KISS THIS WORLD GOODBYE" '78
7. FEEL SO FINE / DON WILSON '65
8. SHE'S GONE / THE FIVE SATINS '60
9. 蒼氓 / 山下達郎 "僕の中の少年" "オーパス" '88
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■内容の一部を抜粋
・近況
「なんか喉がいがらっぼくて、マヌカハニーを飲んだら、もっといがらっぽくなってしまいました(笑)。すいません。大丈夫です。元気です」と達郎さん。
今週2月4日で69歳になる達郎さん。体はすこぶる健康で、レコーディングはあとちょっとで終わるそうだ。

・臨時追悼特集
今週は「リクエスト特集」の予定だったが、今年に入ってミュージシャンの訃報が相次いで、こんなに短期間で亡くなる人が多いのは珍しいと思ったので、予定を変更して臨時で「追悼特集」。55分で追いつかないくらい亡くなってるので、「棚からひとつかみ」というふうなわけにもいかず、「追悼特集」というかたちで鬼籍に入られた方々の作品を聴きながら偲ぶ。リクエスト特集は来週に持ち越し、今日は「臨時追悼特集」。

・SPARKLE
今から40年前の1982年1月21日にアルバム『FOR YOU』が発売された。今年で40周年になるけれど、契約がワーナーミュージックではなく、またニュー・アルバムの制作があって、40周年アニバーサリーに間に合わなかった。2002年のRCA/AIR YEARSのときのように、まとめてやるつもりだという。
「とりあえず40周年(笑)、経ちました。おかげさまで、今でもですね、街で流れているという驚くべき、幸せを噛み締めつつ、リスナーのみなさまに心より感謝申し上げつつ、40年前のアルバム『FOR YOU』からSPARKLE」と達郎さん。

・RIDE MY SEE-SAW
ついでにと言ってはなんだけれど、昨年11月に亡くなったムーディー・ブルースのドラマー、グレアム・エッジから。達郎さんは武道館でムーディー・ブルースを観たときに「ほんとドラム上手いなぁ」と感動した覚えがあるという。作詞の才能もある人で大好きなドラマーだったとか。その技術力が遺憾なく発揮された1968年のヒット・ソング「RIDE MY SEE-SAW」。

・BABY, I LOVE YOU
いちばん感慨深かったのはロネッツのリード・シンガー、ロニー・スペクター。1月12日に亡くなった。「私、いちばん好きな声をしたシンガーの一人であります。ロニー・スペクターとデュエットしてみたいなぁと妄想したこともありますが」と達郎さん。5,6年前にニューヨークでロニー・スペクターのライヴを観たそうで、「楽しいライヴでありました」と達郎さん。先週は前倒しで収録したので、たくさんのリクエストが来ているけれど、曲がバラけているとか。今日は誰からもリクエストのなかった曲をということで、1963年、全米24位の「BABY, I LOVE YOU」。達郎さんがロネッツでいちばん好きな曲。

・ONE WAY OR THE AIR
続いて1月15日に亡くなったジョン・リンド。日本ではフィフス・アヴェニュー・バンドで知られている。シュガーベイブを結成したときフィフス・アヴェニュー・バンドにとっても影響されたという。そのリード・ヴォーカリストがジョン・リンド。音楽学校で学んだ人なので、のちに作曲家としてたくさんの成功を収めた。そのとっかかりのバンドで日本ではカルトな人気がある。「我々がそれを広めたという自負もありますが」と達郎さん。1969年のケニー・アルトマンの名作「ONE WAY OR THE AIR」。ジョン・リンドのヴォーカルが素晴らしい。
曲をかけ終えて。ジョン・リンドの作曲で有名なのはアース・ウインド&ファイアーの「Boogie Wonderland」やマドンナの「Crazy for You」。

・SUN GODDESS(LIVE)
作曲家としてのジョン・リンドの作品から。ラムゼイ・ルイスとアース・ウインド&ファイアーが組んで放った「SUN GODDESS」。モーリス・ホワイトとジョン・リンドの共作。1976年のアルバム『GRATITUDE』のライヴ・ヴァージョン。長いのでちょっと省略したそうだ。
曲をかけ終えて。
イントロのギターのカッティングはあの頃みんなやっていたとか。

・THE CLOSER I GET TO YOU
1月9日に亡くなったのがジェームス・エムツーメー。パーカッショニストで、曲もいい曲を書いている。エムツーメーというバンドでたくさんヒット曲がある。1978年のアルバム『KISS THIS WORLD GOODBYE』に入ってる「THE CLOSER I GET TO YOU」は、同じ年にロバータ・フラックとダニー・ハザウェイがリリースしてミリオンセラーになった。

・お勧めのSF小説
千葉県市原市のリスナーから「達郎さんのインタビューがきっかけでレイ・ブラッドベリの作品を読むようになりました。最近、お勧めのSF小説ありますでしょうか? よかったら教えてください」というお便り。
中国の劉慈欣(りゅうじきん、リウ・ツーシン)の『三体』。「これすごいです。長いけれど、すごいです。騙されたと思ってどうぞ」と達郎さん。

・FEEL SO FINE
1月22日にヴェンチャーズのドン・ウィルソンが亡くなった。ついに全盛期のオリジナル・フォー全員いなくなった。ヴェンチャーズの特集はそのうちにするそうだ。とりあえず今日は、ドン・ウィルソンはリズム・ギターなので、歌を歌っているシングルを何枚か出している。シンガーとしても意欲的だったけれどヒット曲は出てない。日本公演ではしょっちゅう歌っていたので、耳馴染みなんだとか。達郎さんは、ヴェンチャーズはインストゥルメンタルから入って、歌ものに移った直接のきっかけはドン・ウィルソンの歌を聴いて、「あぁ歌もいいな」と思って歌に移ったという。達郎さんが中学一年生の頃の話。今日はその中から1960年のジョニー・プレストンのヒット曲のカヴァーで「FEEL SO FINE」。日本公演のライヴ・ヴァージョン。ヴェンチャーズ、ドン・ウィルソンの歌を含めて改めて特集するとのこと。

・SHE'S GONE
1月13日に亡くなったのがフレッド・パリス。ファイブ・サテンズ、1960年の「SHE'S GONE」。フレッド・パリスはいい曲を書く人で、いろんなレーベルでたくさんヒット曲を出しているが、その中でいちばん好きな曲、ドゥー・ワップの全作品の中で五指に入る達郎さんのいちばん好きな作品。フレッド・パリスのリード・ヴォーカル。

・蒼氓
千葉県市川市のリスナーからお父様がご病気でお父様に聴かせたいというリクエスト。お父様はこの番組のヘヴィー・リスナーだとか。今日の最後は「蒼氓」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
メール
https://www.tfm.co.jp/ssb/

2022年02月06日は、「リクエスト特集」
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Sunday Song Book #1528

2022年01月23日 | Sunday Song Book

2022年01月23日プレイリスト「虎で棚からひとつかみ」
1. BLOW / 山下達郎 "レアリティーズ" '02
2. TIGER RAG / LES PAUL & MARY FORD '52
3. PAPER TIGER / SUE THOMPSON '64
4. TEACH ME TIGER / APRIL STEVENS '65
5. TIGER MAN / RUFUS THOMAS '53
6. TIGER IN THE RAIN / MICHAEL FRANKS "TIGER IN THE RAIN" '79
7. WILD AS A TIGER / THE ISLEY BROTHERS '65
8. TIGER BABY / SILVER CONVENTION "SAVE ME" '75
9. TIGER IN YOUR TANK / MUDDY WATERS "AT NEWPORT 1960" '60
10. EYE OF THE TIGER / SURVIVOR '82
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■内容の一部を抜粋
・近況
いよいよレコーディングが押し迫ってきて時間との闘いという感じになってきた。一所懸命やっているので、今週は番組を前倒しして収録しているそうだ。

・寅年にちなんで「トラで棚からひとつかみ」
今週はこれまで何度かやってきた干支の特集。今年は寅年なので「トラで棚からひとつかみ」。

・BLOW(おうちカラオケ)
季節柄なので「BLOW」。ちょうど栃木県のリスナーからリクエストが来ていたので、今週は「クリスマス・イブ」2022年版に収録されているおうちカラオケのヴァージョン。

・TIGER RAG
レス・ポール&メアリー・フォードの代表作の一作、1952年の「TIGER RAG」。ダビングに次ぐダビング、サウンド・オン・サウンド、テープの倍速、あらゆる手を駆使して作っている。

・PAPER TIGER
スー・トンプソンはカントリー系の女性シンガー。1964年、全米23位のスマッシュ・ヒットで「PAPER TIGER」。張り子の虎という曲。

・TEACH ME TIGER
タイガー、虎という存在は多分に性的ニュアンスを持つ動物。他にも馬、ライオンもそう、ヒョウ、だいたい猫科はそういう感じがある。虎は特にポピュラー・ミュージックではそういうニュアンスが大きいという。エイプリル・スティーヴンスの「TEACH ME TIGER」は完全に性的ニュアンスを含んだ意味の歌。マリリン・モンローがカヴァーしている。1965年、全米82位と奮わなかったが、大変に有名な曲。エイプリル・スティーヴンスはのちにニノ・テンポと組んで「ディープ・パープル」という大ヒット曲を生んだ。

・TIGER MAN(KING OF JUNGLE)
次も有名な曲。サン・レコードのサム・フィリップスのプロダクションによる、ルーファス・トーマスの最初期の一作で1953年の「TIGER MAN」。のちにエルヴィス・プレスリーが1968年にカムバックしたときにこの曲を歌ったが、それはすごくいい出来だけれど、やはりオリジナルを聴かないと、と達郎さん。
曲をかけ終えて。
達郎さんは最近、サム・フィリップスのサン・レコードの作品を聴けば聴く程に、いかに凄かったかと痛感するそうだ。そのうちにサン・レコードの何かをやってみようと思っているという。この曲のギターはたぶんスコッティ・ムーアだと思われるが、素晴らしいと達郎さん。年取るとルーツ・ミュージックに近づいていくとか。

・TIGER IN THE RAIN
今度はしっとりしたやつでマイケル・フランクス。1979年のアルバム『TIGER IN THE RAIN』はプロデュースがジョン・サイモン。それまでのトミー・リプーマとは違った音がしている。こういったときでなければマイケル・フランクスがかけられないと達郎さん。タイトル曲の「TIGER IN THE RAIN」、歌詞はどうとも取れるが音は柔らかい。

・リクエスト
来週はまた恐怖の聴取率週間だけど、レコーディングがアレなので、テンパってるので、まとまった特集、本当は珍盤奇盤とかやりたかったそうだが、とても余裕がないという。年末から年明けにかけてリクエスト・カードがたくさん届いているので、来週は厳選した「リクエスト大会」の予定。前倒しで収録しているため、今週リクエストしても次の機会になるとか。

中野区の超常連のリスナーからのお便り。息子さんが二十歳になったので、二十代にしておくべきことなど、励ましの言葉をお願いしますとのこと。
達郎さんのマネージャーの佐藤さんの息子さんも今年二十歳なんだとか。「これからは若い人たちの時代、大変な時代でもありますが、がんばってほしいと思います」と達郎さん。達郎さんのお父様がサブリミナルのように言っていたことは、「男の子は特に、三十までに、これが一生の仕事だというのを見つけろ。それまで試行錯誤があってもしようがないけれども」。達郎さんの両親は三十過ぎて事業に失敗して、結構苦労したので、三十までに目星をつけろとしつこく言われたそうだ。特に達郎さんはミュージシャンになっていて、勘当同然だったので、なんとか死なない程度に食えるようになったときに、ずいぶんそれを言われたという。「でも二十代の苦労が三十代に花咲きますし、三十代に一所懸命やったことが四十代に。そういうひとつ一つの積み重ねがありますので、いろいろ失敗もありますし、うまくいくことも、うまくいかないこともありますが、こういうところをくぐってですね、大きくなっていただきたいと思います。えー、がんばってください」と達郎さん。

・WILD AS A TIGER
後半はロケンロールな世界。アイズリー・ブラザーズの1965年のシングル「WILD AS A TIGER」。この曲のギターを弾いてるのがジミ・ヘンドリックスで、それで有名になって、ジミ・ヘンドリックスだかアイズリー・ブラザーズのシングルかわからなくなっている。ジミ・ヘンドリックスのほうは「WILD LITTLE TIGER」になっているが同じ曲。でもオリジナルはアイズリー・ブラザーズ。
曲をかけ終えて。
アイズリー・ブラザーズも歌の中ではWild little tigerと歌っている。たぶんアトランティック・レーベルのミスプリ。

・TIGER BABY
シルヴァー・コンベンションの1975年のアルバム『SAVE ME』に入ってる「TIGER BABY」。

・TIGER IN YOUR TANK
タイガーが性的なニュアンスを持つことは番組の中で話したが、それをいちばん端的に現してるのがブルースの世界。マディ・ウォーターズが1960年にレコーディングした「TIGER IN YOUR TANK」という曲があって、作曲したウィリー・ディクソンが、エッソのガソリンのキャンペーンで、ガソリン・スタンドの給油塔の上に虎がのっかかってる、Put A Tiger In Your Tankというコピーを見て作った。もうそのままズバリ、メタファーに満ちた歌。1960年のニューポート・ジャズ・フェスティバルのライヴ・レコーディングが有名。

・EYE OF THE TIGER
タイガーといえば日本ではこれが今はいちばん有名だと思われる。1982年、映画『ロッキー3』のテーマ・ソングで思い切りヒットしたサヴァイヴァーの「EYE OF THE TIGER」。日本でサヴァイヴァーは一発屋みたいに思われているが、アメリカではベスト10ヒットが何曲もある。シカゴのグループでThe Ides of Marchのメンバーが何人かいる。達郎さんはサヴァイヴァーが結構好きで、「EYE OF THE TIGER」のシングルを買ってたりする。『ロッキー3』のタイアップで全米NO.1を6週間続けた大ヒット。ヒットし過ぎたので大変、タイアップの怖さということで最後に。

■リクエスト・お便りの宛て先:
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〒102-8080 東京FM
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2022年01月30日は、「リクエスト特集」
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Sunday Song Book #1527

2022年01月16日 | Sunday Song Book

2022年01月16日プレイリスト「棚からひとつかみ シドニー・ポワチエ+木村拓哉」
1. ヘロン / 山下達郎 "コージー" "オーパス" '98
2. ROCK AROUND THE CLOCK / BILL HALEY & HIS COMETS '54
3. IN THE HEAT OF THE NIGHT / RAY CHARLES '67
4. TO SIR, WITH LOVE / LULU '67
5. "GUESS WHO'S COMING TO DINNER" MAIN TITLE / FRANK DE VOL OST '67
6. LET'S DO IT AGAIN / THE STAPLE SINGERS '75
7. MOJO DRIVE / 木村拓哉 "ネクスト・デスティネイション" '22年01月19日発売
8. GOOD LUCK, GODD TIME / 木村拓哉 "ネクスト・デスティネイション" '22年01月19日発売
9. MORNING DEW / 木村拓哉 "ネクスト・デスティネイション" '22年01月19日発売
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■内容の一部を抜粋
・近況
1月15日、16日は大学入学共通テスト。昔は共通一次、センター試験といろいろな呼び名があって、「年寄りになってきたので何が違うのかわからなくなってきましたけれども」と達郎さん。レコーディングは佳境に入ってきて、大詰めを迎えているという。締め切りが迫ってきて、毎日歌入れをしたり、コーラスをやったり、いろいろと細かい修正に明け暮れているとか。

・棚からひとつかみ シドニー・ポワチエ+木村拓哉
今週は完全に「棚からひとつかみ」の予定だったが、俳優のシドニー・ポワチエさんが1月6日に亡くなった。シドニー・ポワチエはアメリカの映画界でアフリカン・アメリカンの俳優の先駆者として実績がたくさんある。彼の出演した映画は主題歌がなかなか粒揃いで、いい曲が多いので、今日の前半はシドニー・ポワチエを追悼して、主演映画のサウンド・トラックから選曲。後半は今週1月19日発売の木村拓哉さんのセカンド・アルバム『NEXT DESTINATION』に達郎さんが3曲提供しているので、全曲オンエアする変則的な「棚からひとつかみ」。

・ヘロン
昨年末から今年の初めにかけてリクエストが山のように届いているそうだ。今週は超常連のリスナーから季節柄「ヘロン」にリクエストが集まっている。

・ROCK AROUND THE CLOCK
シドニー・ポワチエの出世作で1955年の映画『暴力教室』の主題歌として作られたビル・ヘイリーの「ROCK AROUND THE CLOCK」。1954年に作られたが映画の主題歌に採用されてウルトラ・メガ・ヒットになり、1955年に全米NO.1を8週間続けた。世界中で2,500万枚売れた。

シドニー・ポワチエは1927年生まれ。両親はバハマ人でアメリカで生まれて、バハマに戻ってというキャリア。いろいろな職業を転々とした後に俳優として活動をはじめて、黒人の俳優は端役というか裏方ばかりなんだけれども、この『暴力教室』で脚光を浴びてた。アカデミーの主演男優賞を獲った初めてのアフリカン・アメリカンの俳優として名が知られている。

・IN THE HEAT OF THE NIGHT
達郎さんが中学三年の1967年に出演した映画の主題歌が多く、ちょうどポピュラー・ミュージックに目覚めた頃なので印象に残っているという。1967年の映画『夜の大捜査線』の主題歌で、レイ・チャールズが歌っている同名の「IN THE HEAT OF THE NIGHT」。全米33位。スコアはクインシー・ジョーンズ。

・TO SIR, WITH LOVE
同じ1967年のイギリス映画『いつも心に太陽を』。シドニー・ポワチエが学校の先生に扮した学園もの。『暴力教室』のように反抗する子どもたちを先生が収めてゆくという映画。主題歌を歌っているのはルル。スコティッシュのブルー・アイド・ソウルのシンガーで映画に主演して主題歌も歌った。「TO SIR, WITH LOVE」、邦題「いつも心に太陽を」は全米NO.1を5週間続けたミリオン・セラー。

・"GUESS WHO'S COMING TO DINNER" MAIN TITLE
同じ1967年のシドニー・ポワチエの代表作の一作『招かれざる客』。黒人男性と白人女性の結婚問題を扱った映画で、キャサリン・ヘプバーンがアカデミーの主演女優賞を獲った。スペンサー・トレイシーの遺作で、達郎さんはパンツと靴下で立ってるスペンサー・トレイシーの姿が今でも記憶に残っているという。この作品のスコアを担当しているのはフランク・デ・ヴォール。オリジナル・サウンド・トラックの1曲目に収められているメイン・タイトルの「GUESS WHO'S COMING TO DINNER MAIN TITLE」がものすごくいいそうだ。

ブラック・パワーの運動の時代にはシドニー・ポワチエは白人の目から見た模範的な黒人という批判を浴びたこともあった。70年代には監督業に活路を求めた。二人目の奥さんはジョアンナ・シムカスで『招かれざる客』と同じシチュエーションになった。

・LET'S DO IT AGAIN
1975年に監督・主演の『LET'S DO IT AGAIN』、邦題は『一発大逆転』の主題歌を歌っているのがザ・ステイプル・シンガーズ。「LET'S DO IT AGAIN」は1975年に全米NO.1を獲得。作曲、プロデュースはカーティス・メイフィールド。シュガーベイブ時代に毎日聴いていた曲だそうだ。

・虎で棚からひとつかみ
来週は干支のやつ。今年は寅年なので「虎で棚からひとつかみ」。

・MOJO DRIVE
今週1月19日に木村拓哉さんのセカンド・アルバム『NEXT DESTINATION』が発売になる。達郎さんはこのアルバムに3曲書き下ろした。3曲中2曲はクロマニヨンズの真島昌利さんに歌詞を依頼。異色のコンビだけど、「自分でもなかなかお気に入りの曲が作れました」と達郎さん。アルバムのトップに入ってるロック・チューンの「MOJO DRIVE」。

達郎さんと木村拓哉さんが一緒にコラボしたのは「今夜はHEARTY PARTY」(1995年)以来26年ぶり。木村拓哉さんは何度も達郎さんのライヴに来ているそうだ。SMAP時代に曲を書く話があったものの、ツアー、その他でなかなかチャンスがなかった。2020年のライヴを達郎さんが観て、木村拓哉さんの声を聴いてちょっと閃いたことがあったという。木村さんが好きなロック系のハード・サウンディングの音をどうやって乗っけるかをいろいろ考えて作ったのが「MOJO DRIVE」と「MORNING DEW」。

・GOOD LUCK, GODD TIME
達郎さんが全部ひとりでコンピューターで全部作った曲。歌詞はzoppさん。「GOOD LUCK, GODD TIME」。

・MORNING DEW
真島昌利さんの作詞、達郎さんの作曲。「MORNING DEW」。

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2022年01月23日は、寅年にちなんで「虎で棚からひとつかみ」
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Sunday Song Book #1526

2022年01月09日 | Sunday Song Book

2022年01月09日プレイリスト「新春放談(ゲスト:宮治淳一)」
1. HOT LICKS / THE STARLIGHTERS '59
2. PLEASE DON'T EVER LEAVE ME / JOE JR. '69
3. SLIDE / THE LAVENDERS '61
4. ANGEL / THE LAVENDERS '61
5. ANGEL ON MY SHOULDER / JERRY WALLACE '60
6. GOTTA HAND IT TO THE BOY / ANGELA DEEN '64
7. CIAO BABY / THE MONTANAS '67
8. LET THE GOOD TIMES ROLL / CANDY & THE KISSES '63
9. I HEAR THUNDER / PAT UPTON '73
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■内容の一部を抜粋
・近況
三連休で明日は成人の日。「2021年度の成人式の方は2001年の生まれであります。私、巳年なので四回り違い。もうすぐ五回り目が訪れる。恐ろしい世界でございますが。今回成人を迎えられる方おめでとうございます。次の時代はみなさんが作っていくものなのでがんばってください。なんか、杓子定規ですいません」と達郎さん。

・新春放談(ゲスト:宮治淳一)
先週に引き続いて宮治淳一さんをゲストに迎え「新春放談」。パート2。

・宮治さんの「STONEY END」巡礼の話の続き
宮治さんはアーティストの全作品を聴くよりも、いい曲と出会うと全てのヴァージョンを聴いてみたいという。

達郎さんはソングライターなので、このソングライターがどういう芸風かに興味があって、大作主義のバリー・マンと、小品に優れているキャロル・キングと、そういうような対比、その人が人生でどういう曲を初期から書いてきたかに興味があって、例えばテディ・ランダッツォの書いた「IT'S GONNA TAKE A MIRACLE」だったらロイヤレイツとローラ・ニーロを聴いていれば十分で、他の人は聴く必要がないそうだ。志ん生聞いてたら別に今誰かが「替り目」やってても志ん生の「替り目」聞いてたらいいやという感じなのだとか。

・HOT LICKS
達郎さんの選曲。この人がいちばん最初に何をやっていたかに興味があるという達郎さん。最近、手に入れたのはレオン・ラッセルがオクラホマ時代に出していたレコード。メンバーにJ.J.ケールが入っているというザ・スターライターズの「HOT LICKS」(1959年)。

・PLEASE DON'T EVER LEAVE ME
宮治さんの選曲。ザ・サークルの「PLEASE DON'T EVER LEAVE ME」のカヴァー・ヴァージョン。曲を追って出会った曲。「今回いちばんストレンジ」と達郎さん。ジョー・ジュニアを検索したら香港のグループ・サウンズのリーダーであることがわかったという。ポリドールの日本盤で香港では発売されてないとか。まだ現役で、そこそこ人気があるそうだ。

・SLIDE
達郎さんの選曲。この人は最初に何をやっていたかの続き。最近、手に入れた一枚。アメリカのソングライター・チーム、ギャンブル&ハフのレオン・ハフのファースト・レコーディング。ラベンダーズの1961年のシングル「SLIDE」。ロックンロールでイントロのピアノはたぶんレオン・ハフが弾いてるだろうと思われる。ジェリー・ロスのプロデュース。

・ANGEL
ラベンダーズの1961年のシングル「SLIDE」のB面でドゥー・ワップの「ANGEL」。ラベンダーズはヴォーカル・グループだと思われる。向こうのディーラーの短いコメントにはキッズ・グループと書いてあるそうだ。
曲をかけ終えて。
「このANGELは次のツアーの客入れに入れます」と達郎さん。

・ANGEL ON MY SHOULDER
宮治さんの選曲。日本ではマンダムのCMでお馴染みのジェリー・ウォレス。カントリー・ポップで知られているがシェルビー・フリントの「ANGEL ON MY SHOULDER」邦題は「私のエンジェル」をカヴァーしている。宮治さんはシェルビー・フリントとパット・ブーンのヴァージョンしか知らなかったそうだが、曲を追って見つけたという。

・GOTTA HAND IT TO THE BOY
達郎さんの選曲。最近買ったガールもの。アメリカのソングライター、ジャック・ケラーのソンググラフィーを見て買ったというアンジェラ・ディーン。全く誰だかわからないシンガー。1960年のシングル「GOTTA HAND IT TO THE BOY」は大瀧詠一さんが喜びそうな曲。

・CIAO BABY
宮治さんの選曲。UKもの。モンタナスはイギリスのソフト・ロックのグループ。トイズの「CIAO BABY」のカヴァー。トニー・ハッチのプロデュース、ラリー・ワイスとスコット・イングリッシュの作曲。
曲をかけ終えて。
宮治さんがロサンゼルスでカラオケのプロデュースとかの仕事をしているとき、宅急便の配達をしていた青年がいて、「BEND ME, SHAPE MEのカラオケは作った?」という話になり、訊いてみるとスコット・イングリッシュの息子さんだった。スコット・イングリッシュの「BRANDY」という曲が後に「MONDAY」になって全米NO.1になったことを言うと、「ブランディは僕のママのことだよ。ブランディのこと僕に言ったの君が最初だよ」と話したそうだ。

・LET THE GOOD TIMES ROLL
達郎さんの選曲。キャンディ&ザ・キッシズの1963年のレコーディングで「LET THE GOOD TIMES ROLL」。ウォール・オブ・サウンドでプロデュースはジョニー・リヴァース。

・I HEAR THUNDER
宮治さんの選曲。スパイラルステアケースのヴォーカルのパット・アプトンのシングル「I HEAR THUNDER」。ケニー・ノーランの作曲。達郎さんはこの曲のことを知らなくて、レコードも持ってないそうだ。

宮治さんは仕事をリタイアしたとか。毎朝どこかに出かける仕事は今はしてないという。この先はワーナーのナゲッツ・シリーズのようなものを他のレーベルでやりたいとのこと。

■リクエスト・お便りの宛て先:
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2022年01月16日は、レギュラー・プログラム「棚からひとつかみ」
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Sunday Song Book #1525

2022年01月02日 | Sunday Song Book

2022年01月02日プレイリスト「新春放談(ゲスト:宮治淳一)」
1. FAIS ATTENTION (明日の青空) / MARJORIE NOEL '66
2. BE MINE / THE TREMELOES '67
3. MI SEGUIRAI / GLI SCOOTERS '67
4. DYNAMITE / THE CLEE SHAYS '66
5. BIG MR.C / THE LINK EDDY COMBO '61
6. DAKOTA / THE JUMPING JEWELS '63
7. BIG MAN / BARBARA JACKSON '66
8. GOING DOWN THE STONEY END / MILT OKUN'S NEW FRIENDS '67
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■内容の一部を抜粋
・近況
「今年はサンデー・ソングブック、30周年を迎えますので、今年は益々がんばってみたいと思っております」と達郎さん。

・新春放談(ゲスト:宮治淳一)
お正月は毎年恒例「新春放談」。かつては大瀧詠一さんを迎えてやっていたが、宮治淳一さんが新たなパートナーになり今年で3年目。宮治淳一さんはレコード・コレクターの日本の代表選手なので、「新春放談はめちゃくちゃカルトな番組になります」と達郎さん。

・FAIS ATTENTION (明日の青空)
宮治淳一さんの選曲。伊豆の温泉宿で男4人くらい集まって、それぞれシングル盤を50枚くらい持ち寄って、朝までかけまくるという「シングル合宿」をやったそうだ。メンバーの中でいちばん若い三十代前半の人がマージョリー・ノエルの4曲入りのフランス盤を持ってきていた。アンダース&ポンシアが好きな宮治さんは「こんな曲やってたの」と驚き、日本盤も出ていることを聞いて、家に帰って自宅のライブラリーを調べたら持っていたという。A面の「あなたでいっぱい」のB面で「FAIS ATTENTION (明日の青空)」。

・BE MINE
達郎さんの選曲。達郎さんはアルバムのレコーディングをはじめたので、買ったレコードを半分も聴けてないそうだ。収録日の前日に、向こうのディーラーの短いコメントを読んでリストを見てきたという。達郎さんはトレメローズが好きで、アマチュア・バンドでトレメローズをずいぶんやっていた。1967年のトレメローズの「BE MINE」、邦題は「君だけの世界」はイタリアのバンドのカヴァーで、この曲のオリジナルをずっと探していたとか。そのオリジナルのスクーターズをついに手に入れたそうだ。ただトレメローズの「BE MINE」は、たぶん達郎さんの番組でしかオンエアされてないはずなので、まずはトレメローズのヴァージョンをかけてから。
曲をかけ終えて。
この曲のリード・ヴォーカルを達郎さんは高校生の頃にやっていた。

・MI SEGUIRAI
トレメローズの「BE MINE」のオリジナル「MI SEGUIRAI」。
曲をかけ終えて。
ジャケットの写真だけ見ると5人組でドゥー・ワップのグループのよう。サウンドは一瞬イタリアン・プログレみたいなテイストがある変な曲。達郎さんの高校時代のバンド仲間で50年以上付き合ってる親友が二人いて、その二人が「これか!」と言って狂喜乱舞したそうだ。

達郎さんが19歳の1972年に、日本のポリドールがスタックスのゴールデン・ヒットというコンピレーションを出していて、当時は毎日のようにそのレコードを聴いていた。25年ほど前の引っ越しのときにどっかにいってしまったが、でも日本盤だし、日本のポリドールから出てるので、どこかにあるだろうと、いろいろなところに問い合わせたりして探していたけれど、見つけられなかった。それがこの間、全然違う場所で自分のレコードを見つけたそうだ。あまりのうれしさに今年のレコード・コレクターズ誌の「私の収穫この一枚」はそれにしたとか。

・DYNAMITE
宮治さんの選曲。今年の宮地さんの選曲はよくて、特にエレキ・インストが素晴らしいと達郎さん。クリー・シェイズはチャレンジャーズの別働隊。1966年のシングルで、クリフ・リチャードの「DYNAMITE」のインスト・ヴァージョン。

・BIG MR.C
達郎さんの選曲。クリー・シェイズの「DYNAMITE」を聴いて選んだとか。リンク・エディ・コンボの1961年の「BIG MR.C」。ミスターCはレイ・チャールズを指していて、「WHAT'D I SAY」のインスト・ヴァージョン。途中から弦が入ってきたりして、とんでもなくサイケな、パンクな一曲。

・DAKOTA
宮治さんの選曲。ジャンピング・ジュエルズは4人組のオランダのグループ。宮地さんは80年代にエレキ・インストがちょっと流行ったときに、当時のベスト盤を買って聴いたという。「DAKOTA」という曲が好きで、いつかはオリジナル・シングルを買うつもりだったが、当時はヨーロッパのシングルで、しかもヒットしてないシングルを買う術がなかった。それが最近になってネットの通販で買えるようになり、検索したら見つかったとか。1963年のシングル。

・BIG MAN
達郎さんの選曲で歌もの。ワーナーのマスタリング・エンジニアの菊池功さんから聞いた話で、80年代から90年代のデジタル・リマスターはスペックが低く、アナログで切ると不足していた倍音がちゃんと出るので、現代のスペックでCD化したら音の艶が全然違うそうだ。ルーターズのマイケル・Z・ゴードンが書いた曲で、バーバラ・ジャクソンの「BIG MAN」。
曲をかけ終えて。
「大瀧さんの新春放談でもかかりそうな曲ですが」と達郎さん。

今回は宮治さんの選曲リストを見ながら連想ゲームのようにして達郎さんは選曲したとか。

・GOING DOWN THE STONEY END
昨年、1966年にローラ・ニーロがミルトン・オクンのオーディションを受けた際のセッション音源が8曲発掘されてレコードとCDになった。それを聴いてミルトン・オクンが1967年に出したシングル「GOING DOWN THE STONEY END」で、ローラ・ニーロの「STONEY END」を取り上げていたことを思い出したそうだ。
曲をかけ終えて。
宮治さんはバーブラ・ストライサンドの名前をこのシングルで初めて知ったという。達郎さんはこの曲を聴いて、逆にローラ・ニーロの曲はバーブラ・ストライサンドには合わないと思ったとか。ローラ・ニーロの弾き語りを知っていたので違和感があったそうだ。宮治さんは当時、ローラ・ニーロも知らなかったので、ローラ・ニーロが書いた曲だと知ってからは「STONEY END」巡礼をして、何十年して「GOING DOWN THE STONEY END」にたどり着いたという。宮治さんはアーティストよりも曲で、アーティストの全作品を聴くよりも、いい曲と出会うと全てのヴァージョンを聴いてみたいとなるんだとか。

「いつも新春放談のときはですね、お誕生日の代読メッセージをご容赦いただいております。何卒ご了承くださいませ」と達郎さん。

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「山下達郎サンデー・ソングブック」係
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2022年01月09日は、引き続き「新春放談(ゲスト:宮治淳一)」
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