<07月30日プレイリスト>
[サーフィン・ホットロッド・インスト・サマーサウンド特集]
返信/竹内まりや 9月6日発売ニュー・シングル
THEME FROM "A SUMMER PLACE"/PERCY FAITH ORCHESTRA '60
HE WASN'T COME BACK/THE HONDELLS "HONDELLS" '65
SANDY/RONNY & THE DAYTONAS "SANDY" '65
SURFER'S SLIDE/RICHIE ALLEN "SURFER'S SLIDE" '63
NASHVILLE IN SUMMER/BUZZ CASON '69
POWER SHIFT/THE COMPETITORS '63
OH CALIFORNIA/MAGIC '75
I DO/山下達郎 "RARITIES" '02
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■内容の一部を抜粋
・竹内まりやのニュー・アルバムのレコーディング
新曲のデモ・テープ、プリプロを先週はやっていたそうだ。
・返信
9月16日公開の松竹映画『出口のない海』の主題歌でエンドロールにながれる。9月6日(水)にシングルとして発売予定です。竹内まりや5年振りのシングルで、カップリングは明治アーモンドチョコレートのCMソング「シンクロニシティ(素敵な偶然)」。
『出口のない海』は人間魚雷「回天」という特攻兵器に乗って散った若者たちのストーリー。監督は『半落ち』で日本アカデミー賞を受賞した佐々部清さん、脚本は山田洋次さんと冨川元文さんという充実のラインナップ。出演は市川海老蔵さん(映画初出演)、『パッチギ』に主演していた塩谷瞬さん、香川照之さん、三浦友和さんといった芸達者が揃っております。
・竹内まりやからのレポート
この「返信」は学徒動員の学生(海老蔵さん役柄)の恋人(上野樹里さんが演じている)が戦争によって愛する者を失った悲しみを歌った作品です。浩二さん(海老蔵さん役柄)が送った遺書に対する返信という形を取っています。エンドロールでながれるために、映画が終わった後に更に歌として続くという趣向になっています。「返信」のプロモーション・ビデオにも上野樹里さんが出演しているので、歌の持つ意味合いがよりリアリティーを感じさせる出来上がりになることでしょう。
・THEME FROM "A SUMMER PLACE"
2年毎に1回という割合で恒例にやっている「サーフィン・ホットロッド・インスト・サマーサウンド特集」。1曲目は景気よくエレキ・インストで行く段取りだったが、梅雨明け前ということで二の足を踏み、肩透かしでイージー・リスニングものを持ってきた。
1960年、パーシー・フェイス・オーケストラの全米No.1。あまりにも有名なマックス・タイナー作曲の映画『避暑地の出来事』の主題歌。出演はトロイ・ドナヒュー、サンドラ・リー。
「イージー・リスニング特集をやろうなんつって、もうかれこれ10年くらい前にそんなことを吹きましたがまだ実現できておりません。なかなか私の荷に重いというそういうあれでごさいます。いつか!」とタツローさん。
・THE HONDELLS
カリフォルニア・サーフィン・ホット・ロッドで名の高いホンデルズ。実はスタジオ・ミュージシャンの寄せ集まりで、でっち上げでやってるグループ。こういうものの得意なゲイリー・アッシャー(1960年代サーフィン・ホット・ロッドの重鎮)が手がけている。1965年のセカンド・アルバム『HONDELLS』に入ってる「HE WASN'T COME BACK」は作曲がゲイリー・アッシャーとロジャー・クリスチャン。二人ともブライアン・ウィルソンと深い関係を持つ。チャック・ギラードというリード・ヴォーカリストはタツローさんもカヴァーした「I DO」を歌っているキャステルズのリード・シンガー。
・RONNY & THE DAYTONAS
『ジャケガイノススメ?Beautiful Covers』とタイアップで発売された紙ジャケCDの中から今まで取っておいた1枚。
ロニー & デイトナスはリード・ヴォーカルのバッキー・ウィルキンがリーダー。「GTO」という日本ですごく有名なヒット曲がある。1965年のセカンド・アルバム『SANDY』は名盤でその冒頭を飾る名曲「SANDY」。サーフィン・ホット・ロッドはほとんどがウエスト・コーストのグループばかり。珍しくナシュビルで製作されヒットした。1965年全米27位。作曲はリード・ヴォーカルのバッキー・ウィルキンとバズ・ケイスン。バズ・ケイスンはナシュビルのスタジオ・シーンで大立者。こうしたホット・ロッドはもとよりロックンロール、最近はカントリーといろいろ多方面に渡って活躍している大作曲家、プロデューサー。
「わたし、バズ・ケイスンの特集をそのうちやりたいと思っておりまして、最近集めておりますので、機会ができましたら是非バズ・ケイスンの特集をやってみたいなぁと思っております。その前にアデル/ゲルド(ピート・アデル/ゲイリー・ゲルド)、ロジャー・ニコルス、あとPFスローンも大分集まってきましたので、PFスローンの特集をやってみたいなぁと思っておりますが...」とタツローさん。
・RICHIE ALLEN
今年はアメリカの「Sundazed」からゲイリー・アッシャー関係の再発がすごかったらしい。スーパー・ストックス(キャピトルのメガ・レア)が3枚1度に出た。ホット・ドッガーズとかナイツ、ジャン & ディーンの『ポップシクル』とたくさん出ている。その中でもいちばん日本であまりかかりそうのないヤツを紹介ということでリッチー・アレンの「SURFER'S SLIDE」。
いわゆるエレキ・インスト・ギタリストのリッチー・アレン。本名はリッチー・ポードラー。'60年代はじめからカリフォルニアで活躍、プロデューサーとしてステッペン・ウルフ(「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」)とかスリー・ドッグ・ナイトを手掛けた人。リッチー・アレン & ザ・パシフィック・サーファーズでアルバムを何枚か出している。それがSundazedから素晴らしいマスタリングでCD化された。1963年のセカンド・アルバム『SURFER'S SLIDE』のタイトル曲「SURFER'S SLIDE」。作曲はリッチー・アレン。日本人ウケするメロディー。リッチー・アレン自身のギター、レイ・ポールマンのベース、ドラムはサンディー・ネルソン、キーボードはラリー・ネクテル、トム・テディスコとかその他いろいろギタリストが参加している。後のカリフォルニアの音楽シーンを背負って立つミュージシャンが1963年で勢ぞろいしている。
・BUZZ CASON
ロニー & デイトナスの「SANDY」に曲を提供したバズ・ケイスン。1969年にナシュビルの「エルフ」というレーベルに残したバズ・ケイスン自身のソロ・シングル。作詞作曲、プロデュース、バズ・ケイスン。いかにもナシュビルのミュージシャンらしいタイトルそのものずばり「NASHVILLE IN SUMMER」。タツローさんが最近手に入れたそうだ。
・THE COMPETITORS
ゲイリー・アッシャーは幽霊グループが大得意。名前を適当にでっち上げて、いろいろなところでいろんなグループ名で作品を発表している。チャレンジ・レーベルでは「フォー・スピーズ」という名前で、キャピトルでは「スーパー・ストックス」とか「ナイツ」、マーキュリーでは「ホンデルズ」、そしてドット・レーベルでは「コンペティターズ」というグループでアルバムを1枚残している。最近CD化された。
・MAGIC
マジックはブリティッシュのでっち上げグループ。1975年にアリスタから出たシングル。曲を書いているのはジョン・カーターとギル・シェイクスピアでファースト・クラスの「ビーチ・ベイビー」のコンビ。「ビーチ・ベイビー」の2年後に出た「ビーチ・ベイビー」の焼き直し。でも曲はけっこういい。ジョン・カーターのプロデュースなのでエンディングに「フラワー・ポットメン」の一節が出てくる。そういう洒落っ気のあるシングル。タツローさんが最近手に入れたそうだ。
・I DO
キャステルズのヒット・ソングのカヴァー。ブライアン・ウィルソンのペンによる作品。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係
■今後の予定
08月06日・13日・20日は、恒例「納涼リクエスト大会」