Sunday Song Book #1585

2023年02月26日 | Sunday Song Book

2023年02月26日プレイリスト「ひなまつり(前倒し)女性シンガー特集」
1. 幸せのものさし / 竹内まりや '08
2. COLD,COLD WINTER / THE PIXIES THREE '64
3. ONCE MORE WITH FEELING / ALISON WONDER '70
4. I DON'T WANT TO CRY / RUBY WINTERS '69
5. SWEET LOVE / ANITA BAKER '86
6. CRYIN' ON MY PILLOW / DOROTHY BERRY '63
7. LOOK THE OTHER WAY / LESLEY GORE '68
8. BEFORE AND AFTER / LESLEY GORE "MY TOWN, MY GUY & ME" '65
9. MAKE IT EASY ON YOURSELF / CISSY HOUSTON "CISSY HOUSTON" '77
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■内容の一部を抜粋
・近況
昨年から続いた全国ホール・ツアー「PERFORMANCE 2022」。2月21日(火)、22日(水)の仙台サンブラザホールでめでたく千穐楽を迎えることができた。「でも今日の番組は前倒しでございますので。こんな(笑)、なかなかうまくいきません人生。うまく行ってるはずでございます」と達郎さん。

・ひなまつり(前倒し)女性シンガー特集
ツアーは終了したけれど次の仕事が入ってきてるので、それの影響で前倒し収録を行ってるとのこと。2月26日のオンエアを3月5日の放送だと勘違いして、全部選曲してスタジオに持ってきたそうだ。3月は毎年ではないけれど、割と恒例の企画が「ひなまつり女性シンガー」特集。以前は「ガール・グループ、ガール・シンガー」でやっていたが、年月が経ち、寄る年波には勝てず「女性シンガー」で棚からひとつかみという感じでやっている。それが今回一週間間違えてしまい、長い人生そういうこともあるから前倒しをして、今週は「ひなまつり(前倒し)女性シンガー特集」。2023年になると60年代、70年代のガール・グループ、ガール・シンガーだけでなく、その先の年代の楽曲もあるので、ティーンエイジのアイドル・シンガーだけではなく、しっかりした年齢の、年輪を重ねた歌も入れて、いろいろな年代の選曲になっている。

・幸せのものさし
2008年の竹内まりやさんのシングル「幸せのものさし」。

・COLD, COLD WINTER
ザ・ピクシーズ・スリーはフィラデルフィアの白人3人組の女性シンガーで14歳から16歳の、いわゆるアイドルもの。1964年の全米79位「COLD, COLD WINTER」。

・ONE MORE WITH FEELING
次はUKもの。アリソン・ワンダー。バイオグラフィは全くはっきりしないが、イギリスのコメディアンのマイケル・バリモアの奥さんで、本名はシェリル・バリモア。シングルは2枚確認されていて、そのうちの1枚。1970年の「ONE MORE WITH FEELING」。Greenaway-Cookのコンビの作品で、その筋ではひじょうに有名なやつ。
曲をかけ終えて。
「70年ものにしてはひじょうにレトロでありまして。DON'T WORRY BABYみたいな曲ですが。もう5,6年早ければヒットしたかもしれません感じであります」と達郎さん。

・WHEN I'M GONE
達郎さん自身も歳を取ってきて、60年代が遠くなると、現代的な視点で聴ける曲が少なくなってくる。でもいいものは隠れてあって、リズム&ブルース系に行くと60年代中期でも十分に鑑賞に堪える作品がたくさんある。ブレンダ・ホロウェイはモータウンの女性シンガー。1965年、R&Bチャート11位の「WHEN I'M GONE」。作曲・プロデュースド・バイ・スモーキー・ロビンソン。

・I DON'T WANT TO CRY
宮治淳一さんとの新春放談で達郎さんが2022年いちばんハマったというR&B系の女性シンガー、ルビー・ウインターズ。この人のシングルを最近集めているそうだ。チャック・ジャクソンのカヴァー「I DON'T WANT TO CRY」は素晴らしい出来。プロデューサーはドン・シュローダーなので南部のレコーディングと考えられる。1969年のR&Bチャート15位。

・SWEET LOVE
アニター・ベイカーの1986年、ソウル・チャート2位、全米チャート8位の「SWEET LOVE」。生楽器のアンサンブルが素晴らしいと達郎さん。

・今後の予定
来週はもう一週間「女性シンガーで棚からひとつかみ」か、最近手に入れたシングルで「棚からひとつかみ」のどちらかの予定。

・メール受付
ライヴが終わったのでメールを復活させようかと思っていたけれど、最近ハガキの量が半端じゃなく、この上にメールの受付をすると過労死してしまうかもしれないので、当分ハガキ・オンリーで。次の仕事が入って来ているのでとのこと。

・CRYIN' ON MY PILLOW
ドロシー・ベリーはザ・スワンズというアイドル・グループで活躍していた。「LOUIE LOUIE」のヒットで有名なリチャード・ベリーの奥さん。1963年のシングル「CRYIN' ON MY PILLOW」は作曲がデヴィッド・ゲイツ。ガールものとしてはひじょうに有名な一曲。

トム・ベルとバート・バカラックの訃報が入ってきた。トム・ベルは以前特集したのでアーカイヴで追悼特集を計画、バカラックも特集したことがあるので今考えているところ。いろんなところで追悼特集をやってるので、ほとぼりが冷めた頃に。

・LOOK THE OTHER WAY
レスリー・ゴアが1968年にフィラデルフィアに行って何曲かレコーディングしている。その中にトム・ベルのペンになる曲が入ってる。1968年の「LOOK THE OTHER WAY」。

・BEFORE AND BEFORE
1965年のレスリー・ゴアのアルバム『MY TOWN, MY GUY AND ME』からヴァン・マッコイのペンになる曲で「BEFORE AND BEFORE」。

・ライヴに関する質問 1
静岡県のリスナーからの「氷のマニキュアは、踊ろよ、フイッシュ、ヘロン、MAGIC WAYSのようにバンドでは演奏できない曲なのでしょうか」という質問。
「そうです。アレンジに問題があります。これとかマーマレード・グッバイは演奏できません。悪しからず、ひとつ」と達郎さん。

・ライヴに関する質問 2
札幌市の超常連のリスナーから「去年の暮れのサンデー・ソングブックの特別番組『30th Anniversary PREMIUM LIVE』で達郎さんが怒ってキレてました。達郎さんが2023年度もライヴをやるって言ってファンから喝采を浴びたときです。あんなに怒るぐらいライヴ活動がキツいならライヴは一年おきにやればいいのになと思いました」というお便り。
「あの(笑)、全然シャレですよ。東京はああいうものなんです。『はい、楽しく過ごして参りました。みなさんと...』『え〜』ってそういう。あれね、東京ではお約束ごとなんです。キレても、なんでも、ありません。シャレです、ただの。でも難しんです。日本は狭いようで広いので。何にも、アレです(笑)、楽しくやってるだけです。ふふ。すいません。やっぱり世の中ささくれ立ってるのでシャレが通じなくなってるのかと思いますが」と達郎さん。

・MAKE IT EASY ON YOURSELF
今日の最後はバート・バカラックが亡くなったのでバート・バカラックの曲を一曲。バート・バカラックの作品を大作仕立てにしているのはこのトラックとルーサー・ヴァンドロスの「A HOUSE IS NOT A HOME」が双璧。シシー・ヒューストンはホイットニー・ヒューストンのお母さん。スイート・インスピレーションズといヴォーカル・グループでスタジオ・シーンを席巻した。シシー・ヒューストンのソロ作品で、ウォーカー・ブラザーズで有名な、1977年の「MAKE IT EASY ON YOURSELF」の大パノラマ。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2023年03月05日は、「棚からひとつかみ(予定)」
http://www.tatsuro.co.jp
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山下達郎 PERFORMANCE 2022

2023年02月23日 | 山下達郎

個人サイトに山下達郎 PERFORMANCE 2022のレビューをアップしました。
よろしくお願いします。



今回の全国ホール・ツアー「PERFORMANCE 2022」は
地元のイベンターのチケット先行予約で複数公演が当選しました。
普段だったら当選すれば御の字なので、
山下達郎ファンクラブ先行抽選で当選した日を除いた7公演をエントリー。
2デイズのところは一日だけ(それも一日目)、
ではあったのですが、申し込みの半分が当選。
クレジットカード払いにしてたのですが、
チケット代だけで5万円近くが引き落とされるとあって、
喜んでばかりもいられなく、ブルーにもなりました。
達郎さんが関ジャムに声だけ出演したことがありましたよね。
そのオンエア前のことだったので、
一般的にまだライヴのことが広く知られてなかったのかもですね。
達郎さんも8月公演のチケット予約から申し込みが増えたと言ってました。
ライヴは毎回楽しくて何度観ても飽きがなくてよかったです。
11月、僕が聴きに行った最後の公演は電車が遅れて焦りましたが。。



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Sunday Song Book #1584

2023年02月19日 | Sunday Song Book

2023年02月19日プレイリスト「『ウサギ』で棚からひとつかみ PART 2」
1. アップル・パップル・プリンセス / 竹内まりや "ターンテーブル" '19('81)
2. RUN LITTLE RABBIT / JOHNNY JONES SINGING with THE CATALINAS '64
3. DISCO RABBIT / BOBBY MARCHAN '77
4. RABBIT FIGHTER / T.REX "THE SLIDER" '74
5. THE RABBIT GOT THE GUN / THE DAPPS feat.ALFRED ELLIS '68
6. DE RABBIT / ERIC GALE '77
7. PETER RABBIT / THE PRESIDENTS '70
8. PETER RABBIT / DEE JAY & THE RUNAWAYS '66
9. RUNNING LIKE A RABBIT / BOB BABBITT '72
10. ラビット帽 / 浅井健一 "ナンシー" '14
11. 韋駄天BUNNY / 金子マリ & バックスバニー "金子マリ & バックスバニー" '76
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■内容の一部を抜粋
・近況
達郎さん及びバンドのメンバーのコロナ感染により開催見送りになっていた6公演が今年に振替になった昨年のツアー。2月21日(火)、22日(水)の仙台サンブラザホール追加公演で千穐楽を迎えることになった。これでPERFORMANCE 2022、全49公演が終了。先週16日(木)は岩手県民会館 大ホール。「とってもいいお客さんでございました」と達郎さん。

・『ウサギ』で棚からひとつかみ PART.2
卯年にちなんで「『ウサギ』で棚からひとつかみ」。オーダーしていたレコードがようやく届いた。今週はほとんどアナログ・レコードばっかり。「サンソンらしいといいましょうか。でも、ちょっと行きすぎのような感じもいたしますが、せっかく手に入ったので、かけられるだけかけてみたいと思います」と達郎さん。

・アップル・パップル・プリンセス
達郎さんの作品には全作品うさぎが出てこない。無理矢理見つけ出したのは竹内まりやさんの1981年のシングルのB面「アップル・パップル・プリンセス」。加瀬邦彦さんの作品で歌詞の冒頭が
"うそツキツキ/輝くツキ/うさぎがいるって/うそツキ"

・RUN LITTLE RABBIT
まずはサーフィン・ホットロッドもの。演奏しているザ・カタリナスは幽霊グループで、ブルース・ジョンストン、テリー・メルチャー、スティーヴン・ダグラスがバンマスでサックス奏者、ハル・ブレインがドラム、ビリー・ストレンジ、レオン・ラッセル、レイ・ポールマン、ジェリー・コール。そうしたウェストコーストの後のレッキング・クルーと呼ばれるこの人たちが一枚だけ『FUN FUN FUN』というアルバムを作った。その中に入ってる「RUN LITTLE RABBIT」。カタリナスという同名のグループがたくさんいたのでジョニー・ジョーンズ・シンギング・ウィズ・ザ・カタリナスという適当な名前を付けてシングル・カットされた。1960年代の初期にアメリカで日本製のスクーターが人気になり、その草分けだったのが富士重工(現在のスバル)で開発されたラビッド・スクーター。それに追随してホンダが上陸してスーパーカブがベストセラーになった。ホンダがラビッド・スクーターを追いかけるので「RUN LITTLE RABBIT」。

・DISCO RABBIT
ボビー・マーシャンはニューオリンズのヒューイ"ピアノ"スミスの一連の作品で歌っている、ニューオリンズで活躍した人。1977年になぜかディスコものを出した。「DISCO RABBIT」。

・RABBIT FIGHTER
続いてT.レックス。「こういうときじゃないとマーク・ボランの曲がかけられません」と達郎さん。T.レックスの1974年の大ヒット・アルバム『THE SLIDER』に入ってる「RABBIT FIGHTER」。

・THE RABBIT GOT THE GUN
続いてジェームス・ブラウン関係。JBのバンドのバンマスで有名なピー・ウィー・エリスがザ・ダップス・フィーチャリング・アルフレッド・エリス名義で1968年に出した「THE RABBIT GOT THE GUN」。作曲のクレジットにはジェームス・ブラウンも入ってる。

・DE RABBIT
エリック・ゲイルの1977年のソロ・アルバム『GINSENG WOMAN』に入ってる「DE RABBIT」という自作の一曲。プロデュースド・バイ・ボブ・ジェームス。スタッフの音がしてます、と達郎さん。シングル・カットされた「SARA SMILE」のB面の短いヴァージョン。

・今後の予定
達郎さんは来週が3月5日だと勘違いをしていて「ひな祭り」特集の準備をしていたそうだ。仙台の追加公演があるので番組を前倒し収録するため、2月26日は「ひな祭り」特集を前倒しにするとのこと。

・ご当地アルミ・プレート
1月、2月開催分のアルミ・プレートを2月25日(土)おひる12時より販売開始。
https://shop.fannect.jp/tatsuro/pc/category.asp?cd=10009

・TATSURO YAMASHITA RCA/AIR YEARS Vinyl Collection
RCA時代のカタログ8作品をアナログ盤とカセットで再発することになった。76年から82年までの作品を『FOR YOU』から遡るかたちで順次発売。第一弾は5月3日。
5月3日に『FOR YOU』。
6月7日に『RIDE ON TIME』。
7月5日に『MOONGLOW』と『GO AHEAD!』。
8月2日に『SPACY』と『CIRCUS TOWN』。
9月6日に『IT'S A POPPIN' TIME』と『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA』。
5ヶ月連続リリース。
詳しくは山下達郎RCA/Airイヤーズ・ヴァイナル・コレクションの特設サイトにて。
https://www.tatsurorcaairyears.com

・PETER RABBIT
ザ・プレジデンツはケンタッキー出身の6人組ファンク・バンド。1970年に出したシングル「PETER RABBIT」。

・PETER RABBIT
アイオワのガレージ・バンド、ディー・ジェイ&ザ・ランナウェイズの1966年のシングル「PETER RABBIT」。

・RUNNING LIKE A RABBIT
スタジオ・ミュージシャンとしてひじょうに有名なベーシスト、ボブ・バビット。モータウンのファンク・ブラザーズの一員として幾多のレコーディングをこなした後、イースト・コーストに移って素晴らしいプレイをたくさん残している。ボブ・バビットがモータウンのスタジオ・ミュージシャンをやっている時代に一枚のシングルを残している。1972年のレコーディングで「RUNNING LIKE A RABBIT」。

・ラビット帽
浅井健一さん2014年のアルバム『NANCY』から「ラビット帽」。

・レコード
リスナーから「どこでレコードを見つけて来ますか?」という質問。
レコードはほとんどネットで購入していて、日本盤は日本盤専門のお店があるのでときどき行って買うとのこと。欲しいものを調べて買ってるそうだ。

・韋駄天BUNNY
難波弘之さんからメールが来て、金子マリ&バックスバニーの1976年のファースト・アルバムに入ってる「韋駄天BUNNY」をかけてくれと直接交渉があったとか。この曲もインスト。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2023年02月26日は、「ひなまつり(前倒し)女性シンガー特集」
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Sunday Song Book #1583

2023年02月12日 | Sunday Song Book

2023年02月12日プレイリスト「ディノ・ダネリ追悼」
1. GOOD LOVIN' / THE YOUNG RASCALS '66
2. WHAT IS THE REASON / THE YOUNG RASCALS "COLLECTIONS" '66
3. LOVE IS A BEAUTIFUL THING / THE YOUNG RASCALS "COLLECTIONS" '66
4. A GIRL LIKE YOU / THE YOUNG RASCALS '67
5. IT'S WONDERFUL / THE RASCALS '67
6. HEAVEN / THE RASCALS '69
7. CARRY ME BACK / THE RASCALS '69
8. RIGHT ON / THE RASCALS '71
9. NAMA / THE RASCALS "SEARCH AND NEARNESS" '71
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■内容の一部を抜粋
・近況
昨年のツアーの振替公演は残り3本になった。先週2月6日(月)、7日(火)は札幌文化芸術劇場 hitaru。今週2月16日(木)は岩手県民会館 大ホール。2月21日(火)、22日(水)は仙台サンブラザホールで追加公演。これでPERFORMANCE 2022、全49公演が終了。

・ディノ・ダネリ追悼
今週予定していた「『ウサギ』で棚からひとつかみ」パート2。まだオーダーしたレコードが着いてないので来週に持ち越しになった。なので今週は達郎さんの中学、高校の頃のアイドル・グループのヤング・ラスカルズ、ドラマーのディノ・ダネリが昨年の12月15日に亡くなったので、ディノ・ダネリの追悼をかねてラスカルズ特集。

・GOOD LOVIN'
ヤング・ラスカルズの「GOOD LOVIN'」は1966年、全米NO.1のミリオンセラー。

ディノ・ダネリは1960年代のアメリカン・ロックンロールを代表するドラマーの一人。1944年、ニュージャージー生まれ。昨年12月に亡くなった、78歳だった。ジャズのトレーニングを受けて、60年代なのでロックンロールに入っていき、ヤング・ラスカルズというグループを作った。ヤング・ラスカルズというのは当時としては珍しいベースのいないグループで、ハモンド・オルガンとドラムとギターという編成で、イーストコーストあたりのクラブを荒らしまくった。アトランティック・レーベルが契約した初めての白人グループ。

・WHAT IS THE REASON
1966年のセカンド・アルバム『COLLECTIONS』。達郎さんが初めて買ったヤング・ラスカルズのレコードなので印象に残っているという。当時のロック・シーンでもひじょうにユニークなドラミングで、一回聴いたら忘れられないドラム・ソロの「WHAT IS THE REASON」。

ディノ・ダネリはジャズのトレーニングを受けた人なので、ジーン・クルーパに憧れ、ひじょうにエキサイティングな、素晴らしいドラミングをする人。曲を聴いていてもドラムに耳がいってしまう。

・LOVE IS A BEAUTIFUL THING
1966年のセカンド・アルバム『COLLECTIONS』に入ってる初期の有名な作品「LOVE IS A BEAUTIFUL THING」。

この時代のアメリカの三大ライヴ・バンドと言われたヤング・ラスカルズ。あとの二組はドアーズとジェファーソン・エアプレイン。リード・ヴォーカルが二人いてフェリックス・キャヴァリエとエディ・ブリガッティ。この二人のコンビでソングライティングもして、フェリックスの作曲にエディの作詞というソングライター・コンビだった。グループをバックアップしたのはエンジニアのトム・ダウドとアレンジャーのアリフ・マーディン。

・A GIRL LIKE YOU
1967年、全米10位の「A GIRL LIKE YOU」。邦題は「高鳴る心」。「途中のディノ・ダネリのフィルがたまらない一曲」と達郎さん。サード・アルバム『GROOVIN'』に収録されていて、オリジナルUSアルバムはA面一曲目がこの「A GIRL LIKE YOU」だったが、日本盤は「GROOVIN'」が全米NO.1になったのでA面一曲目は「GROOVIN'」になっている。

ディノ・ダネリは美術の心得があったので、1967年のアルバム『GROOVIN'』のジャケットのイラストを描いている。この先、アート・ディレクション、イラスト、オブジェを手掛けるようになる。それがラスカルズのアルバムの音楽だけではなくアーティスティックな特徴を発揮する要因になっている。

この頃からレコーディングにベーシストが参加するようになり、ロン・カーター、チャック・レイニー、リチャード・デイヴィスといったジャズの一流どころの錚々たる人たちの演奏、それにアリフ・マーディンのオーケストレーションが加わりゴージャスな作りになった。

もともとバンドをはじめた頃はラスカルズだったが、同名のグループがいたため、ヤングを付けてヤング・ラスカルズでデビューした。でもこの頃になると先にラスカルズと名乗っていたグループがいなくなり、1967年にはもとのラスカルズ名義で作品を発表するようになった。

・IT'S WONDERFUL
1967年、全米20位の「IT'S WONDERFUL」。ひじょうにサイケな作品でシングル・ヴァージョンの方がおもしろいが、今日はディノ・ダネリのドラムがよく聴こえるステレオ・ヴァージョンで。間奏のサックスはスティーヴ・マーカス。達郎さんはラスカルズの作品でアトランティック・ジャズのミュージシャンに目を開かされ、ジャズの恩恵を受けたそうだ。
曲をかけ終えて。「(ディノ・ダネリは)いわゆるジャズ系のドラマーなので走ると言いましょうか、ラッシュする。それがまたいいんです。このスピード感といいましょうかですね、だんだん走ってくる感じといいましょうか。今のコンビューター・ミュージックに慣れた人だと走ってるなと。違うんです。これが人間のグルーヴです」と達郎さん。

・HEAVEN
今日はディノ・ダネリのドラムのいいやつを選んでるため、1967年から1年飛んでいきなり1969年。達郎さんがラスカルズの作品の中でいちばん好きな一曲。アルバム『FREEDOM SUITE』(自由組曲)に入ってる、1969年、全米39位のスマッシュ・ヒット「HEAVEN」。ベースのリチャード・デイヴィスのコーダといい、それに呼応するディノ・ダネリのフィルイン、演奏が最高のグルーヴをしている。

だんだんチャートが振るわなくなってくるのは公民権運動の中で、黒人のアーティストと一緒にやらないとイベントには出ないという運動に参加することによって、南部でのライヴが捗々しくなくなることがあり、それからメッセージ性が強くなってくるという、いろんなことがあって商業性が希薄になってくる時代になってゆくが、作品は素晴らしいものなので、達郎さんはチャートなど全く気にせずに聴いていたとか。

・TATSURO YAMASHITA RCA/AIR YEARS Vinyl Collection
RCA時代のカタログ8作品をアナログ盤とカセットで再発することになった。76年から82年までの作品を『FOR YOU』から遡るかたちで順次発売。第一弾は5月3日。
5月3日に『FOR YOU』。
6月7日に『RIDE ON TIME』。
7月5日に『MOONGLOW』と『GO AHEAD!』。
8月2日に『SPACY』と『CIRCUS TOWN』。
9月6日に『IT'S A POPPIN' TIME』と『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA』。
5ヶ月連続リリース。
詳しくは山下達郎RCA/Airイヤーズ・ヴァイナル・コレクションの特設サイトにて。
https://www.tatsurorcaairyears.com

・CARRY ME BACK
1969年のアルバム『SEE』はルネ・マグリットのジャケットで有名。このアルバムからのシングル・カットで全米26位の「CARRY ME BACK」。
曲をかけ終えて。
「このハイハット・ワークのコンビネーションの素晴らしさったらないですね。追随許さないという。素晴らしい」と達郎さん。

ラスカルズはだんだんメンバーが分裂してアトランティックでの最後のアルバム『SEARCH AND NEARNESS』(1971年)でエディ・ブリガッティが脱退する。ストックで作られたアルバムだが、「でも内容は私すごく好きなんですけれども」と達郎さん。

・RIGHT ON
『SEARCH AND NEARNESS』の1曲目「RIGHT ON」は日本ではシングル・カットされた。「このスネアのポイントが素晴らしい一曲」と達郎さん。

1971年の『SEARCH AND NEARNESS』のアルバムのジャケットはウィーン分離派のWolfgang Hutter(ヴォルフガング・フッター)。ディノ・ダネリは歌をよく聴いてるドラマーで、歌にレスポンスする瞬間のスリルが素晴らしい。

・NAMA
ディノ・ダネリのドラム・ソロをフィーチャーした作品。1971年の『SEARCH AND NEARNESS』のA面の最後に入ってる「NAMA」。

ディノ・ダネリはラスカルズ解散後、Bulldog、Fotomakerというバンドを経て、リトル・スティーヴンのプロジェクトに加わり、長いこと活動を続けた。達郎さんは2012年にラスカルズが再結成されたときにニューヨークまで観に行って、そのときにも素晴らしいドラミングを聴かせてくれたそうだ。「思い出と共にご冥福をお祈りしたいと思います」と達郎さん。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2023年02月19日は、「『ウサギ』で棚からひとつかみ PART 2」
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Sunday Song Book #1582

2023年02月05日 | Sunday Song Book

2023年02月05日プレイリスト「誕生日記念 『BIRTHDAY』で棚からひとつかみ」
1. HAPPY BIRTHDAY SWEET SIXTEEN / NEIL SEDAKA '61
2. HAPPY BIRTHDAY / GARY GLITTER "TOUCH ME" '71
3. HAPPY BIRTHDAY / KOKOMO "RISE AND SHINE" '76
4. TODAY IS YOUR BIRTHDAY / SOLOMON BURKE "THE DEFINITION OF SOUL" '97
5. HAPPY BIRTHDAY / CARLY SIMON "HAVE YOU SEEN ME LATELY" '90
6. IT'S YOUR BIRTHDAY / R.KELLY "HAPPY PEOPLE" '04
7. HAPPY BIRTHDAY BLUES / B.B.KING "TAKE IT HOME" '79
8. BIRTHDAY / HEATWAVE '79
9. HAPPY HAPPY GREETING / 山下達郎 "レアリティーズ" '02
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■内容の一部を抜粋
・近況
番組は前倒しで収録しているそうだ。昨年のツアーの振替公演は残り5公演になり、明日2月6日(月)、明後日7日(火)は札幌文化芸術劇場 hitaru。2月16日(木)は岩手県民会館 大ホール。2月21日(火)、22日(水)は仙台サンブラザホール。

達郎さんは昨日の2月4日で70歳になった。22歳のときにシュガーベイブでデビューしたので48年この商売をやってることになる。ソロ・デビュー47年。横浜市のリスナーから「これからも程々無理をしてがんばってください」というお便り。「ふふふ。これ励まされてるのか(笑)、アレされてるのか(笑)、わかりません(笑)」と達郎さん。

・誕生日記念 『BIRTHDAY』で棚からひとつかみ
今週は誕生日記念 「『BIRTHDAY』で棚からひとつかみ」。90年代と2000年代、これまでに二回やっているという。あんまり重ならないで済んだとか。

・HAPPY BIRTHDAY SWEET SIXTEEN
二―ル・セダカの1961年、全米6位の「HAPPY BIRTHDAY SWEET SIXTEEN」。

・古希
70歳は「古希」、ものの本には「古来より70まで生きるのは稀」と書いてあるそうだ(中国唐代の詩人・社甫の曲江詩の中の「人生七十古來稀」の一節)。今は7掛け8掛けの時代だから7掛けだと7×7=49、49だと思ってみんながんばってる、と達郎さん。

・HAPPY BIRTHDAY
景気いいやつ。ゲイリー・グリッターはイギリスのグラムロック関係で一世を風靡した人。74年の大ヒット・アルバム『TOUCH ME』に入ってる「HAPPY BIRTHDAY」。

・HAPPY BIRTHDAY
70年代にUKで活躍したグループのココモ。セカンド・アルバム『RISE AND SHINE』に入ってる「HAPPY BIRTHDAY」。遠距離恋愛の歌。

・TODAY IS YOUR BIRTHDAY
お次はまた賑やかなやつ。ソロモン・バークの1997年のアルバム『THE DEFINITION OF SOUL』から「TODAY IS YOUR BIRTHDAY」。

・HAPPY BIRTHDAY
カーリー・サイモンの1990年のアルバム『HAVE YOU SEEN ME LATELY』に入ってる「HAPPY BIRTHDAY」。なんかやけにストイックな歌で、ふたりしてタバコを止めてワインもカフェインも断って、デザートもやめて、そのような真面目にプラトニックな、不思議な歌。

・来週
来週は『ウサギ』で棚からひとつかみ。もしもまだオーダーしたレコードが着いてなかったら、達郎さんのアイドル・グループのラスカルズのドラマー、ディノ・ダネリが昨年の12月15日に亡くなったので、ディノ・ダネリの追悼特集の予定。

・TATSURO YAMASHITA RCA/AIR YEARS Vinyl Collection
RCA / Air 時代のカタログ8作品をアナログ盤とカセットで再発することになった。76年から82年までの作品を『FOR YOU』から遡るかたちで順次発売。第一弾は5月3日。
5月3日に『FOR YOU』。
6月7日に『RIDE ON TIME』。
7月5日に『MOONGLOW』と『GO AHEAD!』。
8月2日に『SPACY』と『CIRCUS TOWN』。
9月6日に『IT'S A POPPIN' TIME』と『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA』。
5ヶ月連続リリース。
詳しくは山下達郎RCA/Airイヤーズ・ヴァイナル・コレクションの特設サイトにて。
https://www.tatsurorcaairyears.com

練馬区のリスナーから「発売の順が逆なのはなぜ? リマスターで以前と変えた点、変えなかった点、カッティングの技術が向上してどこがよくなったか?」という質問。
「もう40数年前のアナログ盤と今のアナログ盤を比較すること事態があまり意味がありません。マスターの状態とかそういうようなものが変化してますし、一回デジタル・プロセッシングしてリマスターしたものをカッティングしておりますので、前よりいいとか悪いとか、そういう語り方できません。別のものだと思ってください。アナログが今でも生き残ってるのは奇跡に近いので。私の印象では『FOR YOU』と『RIDE ON TIME』のテスト盤、今のところ来てますけれども、2010年代よりは向上してると思います。メッキとか蒸着の技術が、なんかこう再検討しているような気がしておりますので。ご自分の耳で確かめてみてください」と達郎さん。

・IT'S YOUR BIRTHDAY
R.ケリーの達郎さんの大好きなアルバム『HAPPY PEOPLE』(2004年)に入ってる「IT'S YOUR BIRTHDAY」。
曲をかけ終えて。
「あんだけの才能があった人が、本当に90年代いちばん好きな人だったのに、本当に何かこう心が痛みますが。音楽に罪はないので」と達郎さん。

・HAPPY BIRTHDAY BLUES
B.B.キングの1979年のアルバム『TAKE IT HOME』に入ってるジョー・サンプルとウィル・ジェニングスによる「HAPPY BIRTHDAY BLUES」。

・BIRTHDAY
UKソウルのヒートウェイブの1979年のシングル「EYEBALLIN'」のカップリングで隠れた名曲「BIRTHDAY」

・HAPPY HAPPY GREETING
今日の最後はリスナーからのリクエストが集まった「HAPPY HAPPY GREETING」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2023年02月12日は、「『ウサギ』で棚からひとつかみ PART 2(予定)」
http://www.tatsuro.co.jp
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