SOUND AVENUE 905 Motoharu Radio Show #01

2015年09月30日 | Motoharu Radio Show

2015/09/29 OnAir - 私のメインストリーム宣言 #1
XTC:Stupidly Happy
Sondre Lerche:Bad Law
Wilco:You Never Know
Garbage:Tell Me Where It Hurts
The Pretenders:Show Me
佐野元春 & ザ・コヨーテバンド:私の太陽
佐野元春 & ザ・コヨーテバンド:紅い月
The Raconteurs:Rich Kid Blues
The Rolling Stones:Rocks Off
佐野元春 & ザ・コヨーテバンド:東京スカイライン
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは佐野元春です。この番組は東京赤坂TBSのスタジオからお届けしています。久しぶりにマイクロフォンの前に戻ってきました。ここのところ新作アルバムのプロモーションで全国のラジオ番組に出演さしてもらいましたけれども、こうして自分の番組でDJできるというのはやっぱり格別な気持ちですね。この番組はこれまで僕の音楽を聴いてくれてる'80年代からのみなさん、そして新しい世代のリスナーみなさんに広く聴いていただけるといいなと思ってます。新しい世代というと、例えば15歳から25歳くらいのみなさんでしょうか? 自分を振り返ってみますと音楽に敏感に反応したのがこの15歳から25歳の頃でした。音楽だけでなく映画や本、ラジオやテレビ番組など、この頃に触れたものはその先の人生にとても大きな影響を与えたと思います。そんなわけでこの番組では広い世代のみなさんとロック音楽を通じて楽しい時間を分かち合えるとうれしいです。さて、今夜スタートのSOUND AVENUE 905。水曜日は鈴木慶一さん、木曜日は小西康陽さん、そして金曜日は週替りのDJとして10月2日は仲井戸麗市さん。そんな素晴らしいラインナップでお送りしていきます。是非、楽しみにしていてください。火曜の夜はMotoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。

・Stupidly Happy
佐野元春 : '80年代、ニューウェーブ、パンクのムーブメントの中で一際クリエイティブな音を出していたのはXTC。曲は「Stupidly Happy」。まぁ、おバカさんみたいにハッピーという感じでしょうか? 詩の世界もとても英国的でちょっと一筋縄ではいかないといったバンドです。現在ではバンドは解散状態で、リーダーのアンディ・パートリッジが自分のレーベルを作って活動続けてるようです。

・Bad Law

佐野元春 : ノルウェーのシンガー・ソングライター、ソンドレ・ラルケ。曲は「Bad Law」。現在33歳、新しい世代のミュージシャンらしくジャズ、フォーク、ダンス、アバンギャルドといったジャンルに拘らない表現が魅力的です。僕自身もミュージシャンなので、もしかしたらみなさんとは音楽の聴き方が違うかもしれませんけれども、気になるのは個性ですよね。ソングライティングやバンド・サウンドがクリエイティブかどうか、そこがいちばん気になります。次に聴いてみたいこのバンドは音楽的にはロックの正統派のようなサウンドなんですけれども、よく聴いてみると実にクリエイティブでとても個性的です。ウィルコ「Never Know」。

・Never Know

佐野元春 : さて、Motoharu Radio Show。約半年間という期間限定のプログラム。どんなレコードを紹介していこうか、不安が半分、楽しみが半分という感じです。これだけ音楽が溢れていて、みなさんがどんな曲が聴きたいのか正直いって僕自身もわかってないので悩みますね。ただはっきりしてるのはこの番組ではグッド・ミュージックをできるだけたくさん届けてゆきたいということです。時代に関係なく、流行り廃りに関係なく、僕の胸をヒットした曲を紹介してゆきたい。そんなふうに思ってます。曲のリクエストも受け付けているので是非、リスナーのみなさんも一緒にこの番組を作っていただけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。さて、ロック音楽というともちろん男性だけではなく、女性にも素晴らしいミュージシャンたちがたくさんいます。ここで聴いてみたいのは二人の女性ロック・ヴォーカリスト。クリッシー・ハインドとシャーリー・マンソン。それぞれプリテンダーズ、そしてガベージというバンドのヴォーカリストです。これが不思議なことに二人の声が本当によく似てるんですよね。調べてみたらこの二人、2006年アトランティック・シティのライヴで共演して、それがレコードにもなってるようです。やはり似た者同士。自然に引き合うということでしょうか。プリテンダーズにガベージ。僕はどちらのバンドも好きです。どちらも踊りたくなるようなパワー・ポップが魅力です。ではここで彼らのレコードを聴いてみます。ガベージ「Tell Me Where It Hurts」、そしてプリテンダーズ「Show Me」。2曲続きます。

・Tell Me Where It Hurts
・Show Me

佐野元春 : 今夜はみなさんにちょっと聴いてもらいたいレコードを持ってきました。つい三ヶ月前になるんですけれども僕の新しいアルバムが出ました。タイトルは『Blood Moon』。このアルバムから何曲か聴いてもらいたいと思います。僕は今年のはじめ頃、イギリスのロンドンとアメリカのブルックリンに行ってきたんですが、おもしろいことに両方の街で新しいアナログ専門のレコード・ショップがオープンしていました。アナログ・レコードというとみなさんもご存知の12インチの大きなブラック・ビニールですよね。もう今、十代、二十代ですと知らないという人もいるかもしれません。このアナログ・レコードが今、世界的にちょっとしたブームだという話を聞きました。たしかに僕は'70年代の音楽で育ちましたから、レコードというとこのアナログ・レコードですよね。今回自分の新作この『Blood Moon』ではCDやダウンローディングに加えてアナログ盤も作ってみました。今夜はこの『Blood Moon』のアナログ盤の音をみなさんに聴いてもらいたいと思ってレコードを持ってきました。ちなみに今回のアルバム・アート・ワークは英国のヒプノシスの流れをくむデザイン・チームとコラボレーションしました。こちらもすごくいい感じなので、是非、みなさんにもどっかで手に取ってみていただけたらと思います。では僕の新しいアルバム『Blood Moon』から2曲、「私の太陽」そして「紅い月」アナログ盤で聴いてください。

・私の太陽
・紅い月

・Rich Kid Blues
・Rocks Off

佐野元春 : あぁ~いい感じですね。Motoharu Radio Show、曲はラカンターズ「Rich Kid Blues」。そして今聴いてるのがローリング・ストーンズ「Rocks Off」。ラカンターズは元ホワイト・ストライプスのヴォーカル、ギターのジャック・ホワイトが結成してるバンド。今のところスタジオ盤が2枚出てます。また新しいアルバムが出たら番組でフォローします。そして今聴いてもらった「Rocks Off」。ローリング・ストーンズ、数あるスタジオ盤の中で個人的に僕がいちばん好きなストーンズのアルバムは『Exile on Main St.』ですね。そのアルバムから曲は「Rocks Off」聴いてみました。

ちょうど今、僕はサマー・ツアーといって全国ライヴハウスでのライヴをやってます。ちょうど今夜は長野でのライヴが終わったところですね。仲間のコヨーテバンドと新しいアルバム『Blood Moon』からの曲を中心に演奏しています。この後は青森、埼玉、熊本、三重と続くのでチケットを持ってるみなさんとは会場で会えますね。是非、楽しみに待っていてください。そして12月から来年3月までは35周年アニバサリー・ツアーとして全国主要都市のホール・ツアーがあります。こちらは大きなホールで派手に行ってみたいと思います。35周年のメモリアルなコンサートになるので是非、みなさん集まってください。

番組ここまで聴いてくれてどうもありがとう。そろそろお別れの時間が来ました。今年の夏は日本の国も大きな出来事がありました。私たちは過去の戦争でひどい目に遭いました。原子爆弾による甚大な被害ですね。70年経った今も忘れることはありません。だから僕はこの国の人間として平和を続けてゆくということを激しく祈るしかないです。戦後70年経って今自分はこれまでの価値観が変わってゆくような、そんな大きな変化の中にいるんだなと思ってます。今夜最後の曲は僕の新しいアルバム『Blood Moon』から「東京スカイライン」。この曲を聴いてお別れです。

・東京スカイライン

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show、楽しんでいただけましたか? さて、今聴いてもらってるMG's「Time Is Tight」。この曲でオルガンを弾いてるのはハモンド・オルガンの名手、Booker T. 。僕は以前この方とニューヨーク、マンハッタンでお会いする機会がありました。'60年代から音楽界で生き抜いてきた尊敬できるミュージシャンのひとりです。僕もがんばってやっていきたいと思います。では、また来週。
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Sunday Song Book #1198

2015年09月27日 | Sunday Song Book

2015年09月27日プレイリスト
「ワーナー・オールディーズ・カタログで棚からひとつかみ」
1. 永遠のFULL MOON (LIVE) / 山下達郎 "81/03/21 六本木PIT-INN"
2. THE GYPSY CRIED / LOU CHRISTIE '63
3. ZOOM / THE CADILLACS '56
4. YOU ARE / THE CADILLACS '56
5. FOOLS FALL IN LOVE / THE DRIFTERS '57
6. ADORABLE / THE DRIFTERS '55
7. FOUR IN THE FLOOR / THE SHUT DOWNS '63
8. SUPER HAWK / JAY & THE DELTAS '63
9. SKATE BOARD / THE SIDEWALK SURFERS '65
10. NIVRAM / THE SHADOWS "THE SHADOWS" '61
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■内容の一部を抜粋
・近況
放送業界は今月で年度替わり。サンデー・ソングブックは新年度も変わらずに続行するそうだ。丸23年目で10月からは24年目に突入するとのこと。全国ツアーのリハーサルの真っ最中。ツアーを再開して7年目。演奏できる曲が増えて、何をやるかではなくて何を削るかという毎日なんだとか。そろそろセットリストを決めなくてはいけない段階。

・PERFORMANCE 2015-2016
今年も全国ツアーが決定した。35都市64公演で半年に渡るロング・ツアー「PERFORMANCE 2015-2016」。10月9日の市川市文化会館が初日。ツアーに関する詳細は特設サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・ワーナー・オールディーズ・カタログで棚からひとつかみ
ワーナーのオールディーズのリイシューが引きも切らずに行われていて先月8月26日にはたくさん出た。ワーナーミュージック・ジャパンにそれまでEMIで扱われていたいろいろなカタログ、アメリカだとルーレット、イギリスだとパーロフォン、そういうものでオールディーズのコンピを組んで続々と出している。ガール・グループのコンピだけではもったいないので、今週はそんなオールディーズもののカタログから選んで、前半はドゥーワップを中心に、後半はサーフィン・ホットロッドを中心に、世界初CD化音源がほとんどの「ワーナー・オールディーズ・カタログで棚からひとつかみ」。

・永遠のFULL MOON (LIVE)
今日は中秋の名月なので気分に浸ってもらうため「永遠のFULL MOON (LIVE)」。1981年に3月21日に六本木ピットインで行われたライヴ。2002年の『MOONGLOW』のリマスターCDにボーナス・トラックとして収録されてる音源。

・THE GYPSY CRIED
ルーレット・レーベルのカタログからルー・クリスティ。1960年代初期に活躍した裏声で歌うシンガー。フォーシーズンズの「SHERRY」の大ヒットに触発されて作った曲「THE GYPSY CRIED」がマイナー・レーベルでローカル・ヒット。それがルーレットに買われて1963年にリリース。全米24位、これがデビュー・ヒットになった。邦題は「悲しきジプシー占い」。この後に出したシングルが「TWO FACES HAVE I」で邦題は「悲しき笑顔」。ベストテン・ヒットになりこの2曲が初期のルー・クリスティの代表曲。この2曲を収録したファースト・アルバムが1963年にリリース。このアルバムが8月26日にワーナーから出ている。日本初CD化。ルー・クリスティはその後、徴兵に行って、帰ってからはMGMに移籍して「LIGHTNIN' STRIKES」というヒット曲が生まれる。

・ZOOM
ルーレット・レーベルはいろんなレーベルを吸収した巨大なレーベルで、特に'50年代、'60年代のドゥーワップ、ロックンロールのカタログが物凄くある。ゴーン、エンド、マラ、様々なそうしたレーベル、ドゥーワップの名曲が埋もれている。ジュビリー・レーベルもそうしたひとつで、ジュビーリーといえばキャデラックス。ニューヨーク・ドゥーワップを代表するグループ。1956年の『THE FABULOUS CADILLACS』がリイシュー。達郎さんはアルバム『CIRCUSTOWN』のレコーディングで1976年に渡米してヴィレッジのハウス・オブ・オールディーズという中古屋の殿堂みたいなところで、『THE FABULOUS CADILLACS』を50ドル(当時1ドルが300円)で買ったという。2,000ドルしか持っていけない頃で全財産から50ドル、15分考えて買ったという。とてもコンディションがよかったので今回の『THE FABULOUS CADILLACS』のジャケットは達郎さんのLPからプリントしたものが使われているという。その『THE FABULOUS CADILLACS』からA面の1曲目「ZOOM」。高校生の頃にFENで聴いたジム・ピューター・ショウの「R&B グループ・スペシャル」の1曲目で、この曲で泥沼のようにドゥーワップにハマったそうだ。

・YOU ARE
キャデラックスの1956年のシングル「ZOOM」のB面のバラードで「YOU ARE」。

・FOOLS FALL IN LOVE
ドリフターズの1958年のセカンド・アルバム『ROCKIN' & DRIFTIN'』。ドリフターズはクライド・マクファーターというリード・ヴォーカルで最初はじまって、その次にジョニー・ムーアというリード・ヴォーカルに代わり、それからルディ・ルイス、そして全然別のグルーブにドリフターズの名前が付いて、そこからベン E. キングが出てくる。達郎さんは中期のジョニー・ムーアが死ぬほど好きで、そのジョニー・ムーアが中心となって作られた作品を集大成したのが『ROCKIN' & DRIFTIN'』。日本初CD化。その中から1957年、全米10位の「FOOLS FALL IN LOVE」。リーバー & ストーラーの傑作。エルヴィス・プレスリーはじめたくさんのカヴァー・ヴァージョンがある。

・ADORABLE
「ADORABLE」はもともとコルツというR&Bグループが世に出した作品。1955年にドリフターズがカヴァーして全米NO.1にした。1958年のセカンド・アルバム『ROCKIN' & DRIFTIN'』に収録されている。

・年内終了?
リスナーから「番組は今月一杯もしくは年内で終了と一部で噂が出てますが真相は?」というお便り。
「終わりませんよ、それ(笑)。誰が終わるって言ったんでしょうね? 誰か終わらせたい奴がいるんでしょうかね? 大体終わる場合は一月前から申し上げますからですね、実は来週で終わります、そういうことはありませんから。9月14日の消印になってますが、それではまたハガキ送りますって、それって終わる番組に言うセリフじゃないでしょ? って突っ込んだりしながらですね。というわけで来週から新年度でございます」と達郎さん。
来週はリクエスト特集。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

後半はサーフィン・ホットロッドのコンピ全23曲の「Warner Surfin' & Hot Rod Nuggets」から。日本でリマスターされた2015 REMASTER。
http://wmg.jp/artist/sherideswithme/

・FOUR IN THE FLOOR
ディメンション・レーベルから発売されたシャットダウンズの「FOUR IN THE FLOOR 」。スコット・マッケーというジーン・ビンセントのバック・バンドで演奏していたギタリストがリーダーになって作った作品。

・SUPER HAWK
南カリフォルニアのガレージ・グループ、ジェイ & ザ・デルタス。もとはジム・ウォーラー& ザ・デルタス。「SUPER HAWK」はホンダのバイクのCB77の歌。

・SKATE BOARD
ブルース・ジョンストンがビーチボーイズ加入直前に出した「SKATE BOARD」。ジュビリー・レーベルから。歌ってるのはザ・サイドウォーク・サーファーズというクレジットだがもちろん幽霊グループ。作詞作曲はブルース・ジョンストン。最後に3連打ってるので明らかにハル・ブレインの演奏だと達郎さん。

・NIVRAM
パーロフォン・レーベルがワーナーに転がり込んできたのでシャドウズのファースト・アルバムがリイシューされた。1961年の「NIVRAM」。

10月04日は「リクエスト特集」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Song Book #1197

2015年09月20日 | Sunday Song Book

2015年09月20日プレイリスト
「WARNER GIRL GROUP NUGGETT Part 2」
1. 恋のひとこと / 竹内まりや with 大瀧詠一 "ロングタイム・フェイヴァリツ" '03
2. KEEP IT COMING / LEOLA JILES '67
3. YOU'RE MY BABY / THE CAROLINES '67
4. YOU TOLD ME / THE TIARAS '63
5. AFTER LAST NIGHT / THE REV-LONS '64
6. I'D BE SO GOOD FOR YOU / JOANIE SOMMERS '64
7. I NEVER DREAMED / THE COOKIES '64
8. BABY BABY(I STILL LOVE YOU) / THE CINDERELLAS '64
9. MY ONE AND ONLY JIMMY BOY / THE GIRLFRIENDS '63
10. I'M INTO SOMETHIN' GOOD / EARL-JEAN '64
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■内容の一部を抜粋
・近況
今年の全国ツアーのリハーサルの真っ最中なので番組は前倒しで収録しているそうだ。

・PERFORMANCE 2015-2016
35都市64公演で半年に渡るロング・ツアー「PERFORMANCE 2015-2016」。10月9日の市川市文化会館が初日。ツアーに関する詳細は特設サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・WARNER GIRL GROUP NUGGETT 特集 Part 2
ワーナーミュージック・ジャパンから8月26日に「WARNER GIRL GROUP NUGGETT」というガール・グループ、ガール・シンガーのコンピレーションがVOL.1からVOL.5まで全5枚発売された。先週に引き続いて今週も「WARNER GIRL GROUP NUGGETT」の特集。VOL.2の残りから3,4,5と駆け足で。

・恋のひとこと ~ SOMETHING STUPID
ガール・シンガー、ガール・グループの特集なので冒頭の曲も先週と同じように女性の声が入ってる曲ということで、まりやさんの2003年の洋楽カヴァーのアルバム『LONGTIME FAVORITES』から大滝詠一さんとのデュエットで「恋のひとこと ~ SOMETHING STUPID」。

・KEEP IT COMING
「WARNER GIRL GROUP NUGGETT」の特集。VOL.2の残りからレオラ・ジャイルズの1967年の「KEEP IT COMING」。プロデューサーはディック・グラッサーでヴェンチャーズからボーグス、エヴァリー・ブラザーズといろんな人をやっている。アレンジはジーン・ペイジ。レオラ・ジャイルズは黒人のシンガーで、アポラスというヴォーカル・グループのリード・ヴォーカルの人で、ソロになって出したシングル。アイドル歌謡ではなくて堂々たるソウル・ミュージック。作曲しているラリー・ワイスはジェリー・ロスと組んで、ジェリー・バトラーの「MR. DREAM MERCHANT」という曲を作ってるので傾向が似ている。

・YOU'RE MY BABY
VOL.2の最後の曲でラリー・ワイスの作曲・プロデュース作品の「YOU'RE MY BABY」。イーストコーストの作曲家なのでアレンジはアーティー・バトラー。歌ってるのはルーレット・レーベルのキャロラインズ。1967年の作品で達郎さんは持ってないそうだ。1曲目のレオラ・ジャイルズもキャロラインズも世界初CD化。

「WARNER GIRL GROUP NUGGETT」は1枚毎にタイトルがついていて1枚目は『PIXIE GIRL』、VOL.2は『HANKY PANKY』、VOL.3が『WHAT A GUY』。「WHAT A GUY」はバリー・マンとエリー・グリニッチのヒット曲のタイトル。

・YOU TOLD ME
VOL.3から。バリアント・レーベルの作品でティアラスの1963年のシングル「YOU TOLD ME」。バリアント・レーベルのオーナー、バリー・デボーソンとボビー・チャンドラーの共作で、アレンジャーはペリー・ボトキン・ジュニア。

・AFTER LAST NIGHT
この時代はデヴィッド・ゲイツがよく出てくる。作詞、作曲、アレンジ、プロデュース。下積み時代のデヴィッド・ゲイツはオクラハマから出てきて、苦労して後にブレッドで地位を築くが、この頃は裏方でいろんな仕事をしている。この曲もそんな一曲。3人組の姉妹のガール・グループ、レヴロンズ。作曲がデヴィッド・ゲイツ、アレンジはジミー・ボーエン。1964年の「AFTER LAST NIGHT」。ドラムはハル・ブレインだと思われる。この時代のウエストコーストのミュージャン、レッキングクルーは本当に上手いと達郎さん。

「WARNER GIRL GROUP NUGGETT」のコンピレーションは日本でリマスターされた2015 REMASTER。今回の特集では達郎さんがデジタル・プロセッシングしたものではなくCDから直接オンエアしてるとか。リマスターのよさを感じてほしくてそうしているという。

・I'D BE SO GOOD FOR YOU
VOL.3から。ジョニー・ソマーズの1964年の「I'D BE SO GOOD FOR YOU」。バリー・マンとシンシア・ワイルの作品。アレンジのクレジットはないが、たぶん「JOHNNY GET ANGRY」のスタン・アップルバウムでしょね、と達郎さん。

・ドゥーワップものとサーフィン・ホットロッドのコンピレーション
ワーナーから8月26日にオールディーズものの再発CDがどっと出ており、ドゥーワップものとサーフィン・ホットロッドのコンピレーションを来週まとめて特集する予定。

・PERFORMANCE 2015-2016 11月分の一般発売
35都市64公演で半年に渡るロング・ツアー「PERFORMANCE 2015-2016」。11月のチケットが9月26日(土)に一般発売される。11月4日の福岡サンパレスから11月23日の中野サンプラザまで。11月末の帯広公演と北見公演は来月一般発売。詳しくは山下達郎オフィシャルサイトで。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・I NEVER DREAMED
VOL.4の『SOMEKIND OF WONDERFUL』はルーレットが持っていたディメンション・レコーズで一枚編成している。1960年代の初頭にドン・カーシュナーとアル・ネヴィンのアルドン・ミュージック、すなわち後のスクリーン・ジェムズだが、キャロル・キング、ジェリー・ゴフィン、バリー・マン、ジャック・ケラー、ヘレン・ミラーといった人たちを抱え、主にガール・グループ、ガール・シンガーを中心に幾多の作品を作った。
ディメンション・レーベルといえばザ・クッキーズ。ビートルズがカヴァーした「CHAINS」で有名なグループ。それとリトル・エヴァの「LO-COMOTION」、そうしたシングルのB面などが収められている。ほとんどの曲が日本初CD化、2曲が世界初CD化。達郎さんが考えるクッキーズの最高傑作、1964年の「I NEVER DREAMED」。ジェリー・ゴフィンとラス・タイトルマンのコンビの作品でプロデュースも二人でやっている。アレンジがキャロル・キングという珍しい作品。クッキーズは黒人の実力派のガール・グループで、バック・コーラスをたくさんやっている。いちばん有名なのはニール・セダカの一連のヒット曲。

・BABY BABY(I STILL LOVE YOU)
クッキーズの変名、シンデレラズの1964年の作品で「BABY BABY(I STILL LOVE YOU) 」。シンシア・ワイルとラス・タイトルマンのコンビで作詞作曲、プロデュースはバリー・マンとラス・タイトルマン。シンデレラズのリード・ヴォーカルはマーガレット・ロスで、クッキーズの場合はアール・ジーン・マクレア。マーガレット・ロスは今でもクッキーズとして活動していてオールディーズ・ショーでまわってるそうだ。

・MY ONE AND ONLY, JIMMY BOY
VOL.5の『A BOY LIKE YOU 』はコルピックス・レーベルで一枚編成している。コルピックスはコロンビア・ピクチャーズが作ったレーベルで、その後、スクリーン・ジェムズの傘下になり、スクリーン・ジェムズのライターがたくさん作品を作った。1963年のガールフレンズの「MY ONE AND ONLY, JIMMY BOY」は全米49位。作詞作曲はデヴィッド・ゲイツ。プロデュースもそうだと言われている。デヴィッド・ゲイツのこの時代の傑作。ハル・ブレインのドラムが炸裂していると達郎さん。ガールフレンズの実態はブロッサムズで、ダーレン・ラヴ抜きのブロッサムズが歌っているそうだ。リード・ヴォーカルはキャロリン・ウィリスはこの後、ボビー・ヴィー・ソックス & ブルー・ジーンズを経てハニーコーンのメンバーになる。

・I'M INTO SOMETHIN' GOOD
クッキーズのアール・ジーンが独立して1964年にリリースしたシングル「I'M INTO SOMETHIN' GOOD」。全米38位だが、ハーマンズ・ハーミッツがカヴァーして全米13位。日本ではアール・ジーンが出なかったのでハーマンズ・ハーミッツで知られている。キャロル・キングとジェリー・ゴフィンの名作。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

09月27日は「ワーナー・オールディーズ・カタログで棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Song Book #1196

2015年09月13日 | Sunday Song Book

2015年09月13日プレイリスト
「WARNER GIRL GROUP NUGGETT 特集 Part 1」
1. すてきなメロディー / シュガー・ベイブ
"ソングス 40TH ANNIVERSARY ULTIMATE EDITION" 8月5日発売
2. LUCKIEST GIRL IN TOWN / PAT POWDRILL '64
3. WONDERLAND / SHELBY FLINT '64
4. GIVE HER UP(BABY) / JESSICA JAMES & THE OUTLAWS '65
5. THAT'S WHEN THE TEARS START / THE BLOSSOMS '66
6. I STILL LOVE HIM / THE JOYS '64
7. I'M GONNA KNOW HE'S MINE / JOANIE SOMMERS '64
8. NOW THAT YOU'VE GONE / CONNIE STEVENS '65
9. IT MAY BE WINTER OUTSIDE(BUT IN MY HEART IT'S SPRING) / FELICE TAYLOR '66
10. DON'T PITY ME / JOANIE SOMMERS '65
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■内容の一部を抜粋
・近況
全国コンサート・ツアーのリハーサルがはじまったそうだ。コンサートを再開してから7年目になり、'80年代よりもコンスタントにライヴが続行できているとか。演奏曲がたくさん増えてきたので最近は何をやるかではなく、何をやらないか、何を削るかで苦労しているという。メンバーに「これ削る」というと「え~やんないの!?」とうざいことを言う奴もいるそうだ。それを整理しながら選曲しているとか。リハーサルの前半は選曲に悩んでいるけれど後半になればもっと煮詰まってくるだろうと達郎さん。

・PERFORMANCE 2015-2016
今年も全国ツアーが決定した。35都市64公演で半年に渡るロング・ツアー「PERFORMANCE 2015-2016」。10月9日の市川市文化会館が初日。ツアーに関する詳細は特設サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・WARNER GIRL GROUP NUGGETT 特集 Part 1
ワーナーから8月26日にオールディーズものの再発CDがどっと出ており、中でも「WARNER GIRL GROUP NUGGETT」というガール・グループ、ガール・シンガーのコンピレーションが5枚発売され、これが世界に出しても恥ずかしくない素晴らしいコンピレーションで、いち早く聴いてもらおうと予定を変えて今週来週の2週間は「WARNER GIRL GROUP NUGGETT」の特集。

・すてきなメロディー
今週来週はガール・シンガー、ガール・グループの特集なので冒頭の曲も女性の声がいいだろうということで、先月発売された『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』から「すてきなメロディー」。

ワーナーミュージック・ジャパンから8月26日に「WARNER GIRL GROUP NUGGETT」というコンピレーションがVOL.1からVOL.5まで全5枚発売された。ワーナーのいわゆるストラテ軸、オールディーズ担当のスタッフはボックス・セットが嫌いでバラ売りで作品をリリースしている。ワーナー・リプリーズ・レーベルのWEA、ワーナー・アトランティック、アサイラムといったワーナー系のレーベルからガールもののコンピレーションは日本ではここ20年間発売されておらず待望のコンピレーション。それに加えてEMIからたくさんレーベルから転げ込んできた。ルーレット、コルピックス、ボブ・クリュのレーベル、ダイナボイスなどどっと入ってきたので、そういうのを全部まとめて5枚のCDに詰め込んでいる画期的なものとか。

・LUCKIEST GIRL IN TOWN
まずはVOL.1から。今回はほとんど無名のチャートインしてない曲ばかり。パット・ポウドリューは黒人のシンガー。「LUCKIEST GIRL IN TOWN」は1964年、彼女が14歳のときに録音した、いわゆるアイドルもの。アラバマ出身、L.A.育ちで、のちにアイク & ティナ・ターナーのバックとかスタジオ・コーラスをやって1996年に亡くなった。作詞作曲はデヴィッド・ゲイツ。日本初CD化。ボー・ディドリー・ビートからメロディのきれいにところに行く達郎さんの好きなパターン。

・WONDERLAND
ワーナー・グループのサブ・レーベルでバリアント・レーベルはアソシエイションの「CHERISH」とか「NEVER MY LOVE」で知られている。バリアント・レーベルで最も有名な女性シンガー、シェルヴィ・フリントの1964年のシングルで「WONDERLAND」。作詞作曲はディック・アドリッシとドン・アドリッシという「NEVER MY LOVE」の作曲コンビ。

EMIが分割されてビートルズとかキャピトル・カタログはユニバーサルで、そのほかのクラシックとかイギリスもの、アメリカでEMIが所有していたカタログはワーナーに転がり込んで来た。いちばん大きいのがルーレット・レーベルでドゥーワップの宝庫。来年はドゥーワップのコンピをやろうと計画しているそうだ。

・GIVE HER UP(BABY)
ボブ・クリュのレーベル、ダイナボイスもワーナーに転がり込んできた。いちばん有名なのはザ・トイズの「A LOVER'S CONCERTO」。今回のコンピにも収録されているが有名なので今日は1965年の「GIVE HER UP(BABY)」。ジェシカ・ジェイムズ & ジ・アウトローズは変名のグループで、いちばん有名なのはエンジェルスのバーナデッド・キャロルという人がいて、こっちはペギー・サンテグリアが歌ってものと思われる。曲を書いてるのはボブ・ゴーディオとペギー・ファリーナ。フォーシーズンズの「BEGGIN'」やフランキー・ヴァリの「SEPTEMBER RAIN」で知られているコンビ。アレンジはチャーリー・カレロ。プロデュースはフォーシーズンズ・プロダクションというクレジットなのでボブ・ゴーディオがやってると思われる。

・THAT'S WHEN THE TEARS START
ウエスト・コーストのスタジオ・コーラス・グループのブロッサムズはダーレン・ラヴ率いる黒人ヴォーカル・グループ。1966年の「THAT'S WHEN THE TEARS START」はヴァン・マッコイの作品で、プロデュースはジミー・ボーエン。アレンジはアーニー・フリーマン。鉄壁の製作陣だがヒットはしてない。

・I STILL LOVE HIM
「WARNER GIRL GROUP NUGGETT」はどのコンピレーションにも22曲位入ってるので5枚で100曲以上。今回はその中から1割くらいしか紹介できない。VOL.2からバリアント・レーベルの作品。バリアント・レーベルはオーナーのバリー・デボーソンとアレンジャーでプロデューサーのペリー・ボトキン・ジュニアの二人が中心にして作られてるプロダクション。いちばん有名なのはコマネチのテーマ。来年にはバリアントのコンピレーションも考えてるとか。1964年のザ・ジョイズの「I STILL LOVE HIM」。歌ってるのはジャッキー・ワードで先週オンエアした「WONDERFUL SUMMER」のロビン・ワード。彼女の変名だとか。

「WARNER GIRL GROUP NUGGETT」のコンピレーションは日本でリマスターされた2015 REMASTER。今回の特集では達郎さんがデジタル・プロセッシングしたものではなくお皿(CD)から直接オンエアしてるとか。解説はガール・グループおたくのミナガワマサルさん。1枚1600円、5枚で8000円。
http://wmg.jp/artist/ggnuggets/

・I'M GONNA KNOW HE'S MINE
ジョニー・ソマーズの1964年のシングル「I'M GONNA KNOW HE'S MINE」はバリー・マンとシンシア・ワイルの作品。プロデュースもバリー・マン。

・NOW THAT YOU'VE GONE
達郎さんの大好きなコニー・スティーヴンス。1965年の「NOW THAT YOU'VE GONE」は全米53位。今週オンエアした曲の中で唯一のチャートインしたシングル。もともとはシャンソンでペトラ・クラークがイギリスでこの作品を出した。アレンジはトニー・ハッチだったが、コニー・スティーヴンスのヴォージョンのアレンジはアーニー・フリーマン。

・IT MAY BE WINTER OUTSIDE(BUT IN MY HEART IT'S SPRING)
フェリス・テイラーの「IT MAY BE WINTER OUTSIDE(BUT IN MY HEART IT'S SPRING)」(1966年)は世界初CD化。バリー・ホワイトの作品でのちにラヴ・アンリミテッドの1973年のアルバムに収録される。ボブ・キーンのムスタング・レーベルでバリー・ホワイトが働いていたときに曲を書いたがヒットしなかった。

・DON'T PITY ME
再びVOL.1に戻ってジョニー・ソマーズの1965年のシングル「DON'T PITY ME」。ノーザン・ソウルのシーンで人気があって現在ジョニー・ソマーズのいちばん高いシングルになってるとか。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

09月20日は引き続き「WARNER GIRL GROUP NUGGETT 特集 Part 2」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Song Book #1195

2015年09月06日 | Sunday Song Book

2015年09月06日プレイリスト
「リクエスト特集」
1. セプテンバー / 竹内まりや "ユニヴァーシティ・ストリート" '79
2. HEATHER HONEY / TOMMY ROE '69
3. DEVIL IN HIS HEART / THE DONAYS '62
4. SKY PILOT / THE ANIMALS '68
5. HOT LINE / THE SYLVERS '76
6. WONDERFUL SUMMER / ROBIN WARD '63
7. 雨は手のひらにいっぱい / SUGAR BABE
"ソングス 40TH ANNIVERSARY ULTIMATE EDITION" 8月5日発売
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■内容の一部を抜粋
・近況
9月に入りスタジオを抜けだしてライヴの準備がはじまる。今週からライヴのリハーサルがスタートする。なので番組は若干前倒しで収録しているとか。先週のあたまの収録。スタジオの仕事は全部やりきらないまま、少し積み残してやってるそうだ。9月中にまたスタジオに戻ってやったり、原稿直しとかいろいろと忙しくしてるので、頭が切り替わらないから少しずつという感じ。

・PERFORMANCE 2015-2016
今年も全国ツアーが決定した。35都市64公演で半年に渡るロング・ツアー「PERFORMANCE 2015-2016」。10月9日の市川市文化会館が初日。ツアーに関する詳細は特設サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・リクエスト特集
リハーサルがはじまるので今週は「リクエスト特集」。

・セプテンバー
9月になったので「リクエスト特集」にリクエストが集まった。

・HEATHER HONEY
トミー・ローはアトランタ出身で最初はバディ・ホリー系の歌を作っていたけれど、'60年代の中期からスティーヴ・バリのプロデュースでヒットがたくさん出る。「HEATHER HONEY」は1969年、全米29位。作品はトミー・ロー、プロデュースはスティーヴ・バリ。

・DEVIL IN HIS HEART
ビートルズがカヴァーしている「DEVIL IN HER HEART」はもともとは1962年のドネーズというガール・グループの曲。女の子4人の黒人のガール・グループで、最近の研究ではミシガン出身のデトロイトのグループで演奏はモータウンのバック・メンバーがやってるのではないかということ。最近のCDから「DEVIL IN HIS HEART」のリアル・ステレオ・ヴァージョン。

・SKY PILOT
エリック・バートン & ジ・アニマルズの「SKY PILOT」は1968年、全米14位。トム・ウィルソンのプロデュース。この歌は実はヴェトナムの反戦歌。"彼は若き兵士たちに微笑みかける / 大丈夫さと彼らに告げる / 迫り来る戦闘の最中における彼らの恐怖を知っているのだ / 程なくしてそこは流血の場となり多くのものが死ぬだろう / 故郷の母や父たちが泣くことになるだろう / 彼は慎ましやかに祈りを唱え / そして微笑みと共にそれを終える / 命令が下され彼は前線に移動する / しかし彼はあとに残り / そして彼は瞑想する / だがそれで流血が阻止されるわけでもなく / また憎しみが静まるものでもない / スカイ・パイロット スカイ・パイロット どれだけお前が高く飛べるか知らないが / お前は決してあの空に辿り着きはしないのだ" スカイ・パイロットとはいわゆる従軍牧師のこと。ヴェトナム戦争の最中に作られた反戦歌。達郎さんが高校の頃に毎日ラジオでかかっていたそうだ。この頃のアニマルズがいちばん好きな演奏メンバーで、特にドラムのバリー・ジェンキンスが大好きで素晴らしいプレイ。ジェット・マシーンをやっていた全盛期の演奏。

・HOT LINE
ザ・シルバーズはメンフィス出身のファミリー・グループ。彼らの代表作のひとつ「HOT LINE」は1976年、全米ソウル・チャート3位、全米チャート5位のミリオンセラー。プロデューサー、フレディー・ペレンの全盛期のサウンド。

・武道館、ドーム、アリーナ
リスナーから「武道館やドーム、アリーナでライヴをしない理由は?」という質問。
「もあ今さら言うような話ではないですけれど。スリーピースのロック・バンドでしたらドームだろうがどこでもやれますが、私の音楽はコードが細かいので、よく言えば繊細、悪く言うとちまちましているのでですね、ちまちました感じを隅々まで伝えるには武道館だと広すぎます。最近、音楽ライターだとか、そうした業界の方が『山下くん、武道館も音いいし、広いよ』って。ああいう人たち、3階のいちばん後ろで聴いたことないんですよ。3階のいちばん後ろ(笑)、けっこうざっばくなんですよ、音。ですので二千のホールでしたら2階のいちばん後ろでもですね、意図した音で届けられますので、基本的に私はそこでしかやりません。武道館やらない、テレビ出ない、本書かないという私の三大ポリシーで30年ほどやってきております。もうひとつファンクラブ作らないというのがあったんですけれど、それちょっと20年ほど前にやめまして、ファンクラブはございますがですね。そんなようなものでございます。お若い人でいらっしゃいますと、そうですよね。ガラパゴス然としておりますがいいんです。なんと言われようと(笑)。そんなに」と達郎さん。

・WONDERFUL SUMMER
夏の終わりになるとリクエストが来るとか。ロビン・ワードは大変上手な女性シンガー。いわゆるワンヒットワンダー、一発屋。「WONDERFUL SUMMER」は1963年、全米14位。夏の終わりの歌としてはスタンダード化しているがシングルが出たのは10月だった。

・腕時計
リスナーから週刊現代8月29日号に掲載された日本の「ロック名盤」史に使われたプロフィール写真でつけてる腕時計に関する問い合わせ。
腕時計は達郎さんのビジネス・パートナーにいつも買ってもらってて、自分でお金出して買ったことがないとか。写真は香港で買ってきてもらったブレゲ。長いこと使ってるそうで、四角のと丸いのがあるという。

・雨は手のひらにいっぱい
『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』から「雨は手のひらにいっぱい」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

09月13日は引き続き「リクエスト特集」
http://www.tatsuro.co.jp
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