サウンド・ストリート21

2007年06月13日 | 佐野元春 Radio Days

サウンド・ストリート21 「Motoharu Radio Show」
2007年6月12日(火) 23:00-24:10
DJ:佐野元春
GUEST:小松シゲル、高桑圭、深沼元昭

Playlist
君が気高い孤独なら / 佐野元春
DJ! DJ! ~とどかぬ想い / ノーナ・リーブス
Tomorrow Night For Sure / Curtis Mayfield
Water On / Curly Giraffe
Box Of Rain / Grateful Dead
エンプティ・ハンズ / Mellowhead feat.佐野元春
Rock The Casbah / The Clash
荒地の何処かで / 佐野元春
黄金色の天使 / 佐野元春
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■内容の一部を抜粋
・『COYOTE』特集
6月13日発売ニュー・アルバム『COYOTE』のレコーディング・セッションに参加したドラムス小松シゲル、ベース高桑圭、ギター深沼元昭の3人をゲストに迎えての『COYOTE』特集。

・小松シゲル
ノーナ・リーブスのドラマー小松シゲル。ノーナ・リーブスのバンド名の由来は、バンド全員がR&B、モータウン、スタックスの音楽が好きで、架空の黒人の女の子が歌っているようなイメージにしたいということになり、マーヴィン・ゲイの娘さんで女優のノーナ・ゲイと、'60年代に活躍したマーサ & バンデラスの中心人物だったマーサ・リーブスの名前をくっつけてバンド名にしたという。ソウル・ミュージックが好きな者どうしで、アイズレー・ブラザーズをギターでやる、というのがバンドのコンセプトだったとか。
「僕なんかも同業の新世代の音楽を聴くのが好きなんだけれども、明らかにブルースがある音楽と、ブルースがない音楽と二つに別れるんだよね。だけれども今回僕の新作『COYOTE』に参加してくれた三人のミュージシャン、小松くん含めてね、みんな表現のどこかにブルースがあるんですよね。それは僕なんかわかるんだけどね」と元春。

・DJ! DJ! ~とどかぬ想い
「小松くんがこのレコードの中で叩いていたドラムのスタイルを僕らの世代では"フッチー・タッチー"、ファットとスネアの音がこう聴いてると、フッチー、タッチーってね。でも、米国のロック・バンドでジャム・バンド・オリエンテッドなね、PHISHというバンドがいるでしょう。あのドラムも、まあPHISHなんていうとオルタナティブ・ロックというイメージがあるかもしれないけど、実際ライヴのプレイを見てみると、ディスコ的な"フッチー・タッチー"がすごく多いんです。しかも正確で、同じ事やってるんだけれど、だんだんだんだん気分盛り上げてくれるようなそういうドラム。だから僕はねPHISHのドラマーを少し小松くんのドラムの中に見てるんですよ」と元春。

・Tomorrow Night For Sure
小松シゲルの音楽的なルーツの曲。カーティス・メイフィールドの「Tomorrow Night For Sure」は「DJ! DJ! ~とどかぬ想い」の元ネタともいえる楽曲。

・高桑圭
高桑圭はワウワウヒッピース、ロッテンハッツ、グレート3、オネスティという音楽のキャリアがある。現在はソロでカーリー・ジラフをやっている。楽器演奏より曲作りのほうが好きなんだそうで、カーリー・ジラフの曲は実は15年くらい前に書いた曲が多いという。それくらい寝かせたほうがいい感じになってるのだという。
「それはね、いい方法かもしれない。僕はね、詩がそうですね。何か思い浮かぶとメモ書きして、仕事場戻って、詩のメモをポーンと放り投げる箱があるんだけれども、そこに貯めていく。半年くらい経って、でまた読み返してみて、ゴキゲンなものは残っていくんだけれど、ウーンっていうのは捨ててちゃう。時間が経ってまだピンとくる言葉は何かあるんじゃないかと思って、でそれを中心に曲を作るっていうのはあるね」と元春。

・Water On
カーリー・ジラフのファースト・アルバムに入ってる曲。

・Box Of Rain
高桑圭の音楽的なルーツの曲。グレートフル・デッドの「Box Of Rain」。
元春「デッドが構築しているユニヴァースというのかな、宇宙というのかな。これはとてつもなく大きいもんね。僕の世代だと、グレートフル・デッドが素晴らしいと思うのは、ああしたロックンロールの現場にいる人たちで、古い人たちなのかなと思うんだけれども、インターネットですとか、新しいメディアへの取り組みが異常に早かったんですよね。'60年代の音楽を聴いて育った世代から見ても、グレートフル・デッドというのは米国ロックでも特別な存在だし、ただのヒッピーの集まりというよりかは、もっとヴィジョンがしっかりしているね...」
高桑「僕はヒッピー・ムーヴメントってあんまり興味がないんですよね。だから、そういう聴き方はしてないんですけども、自由っていう意味を考えさせられる感じっていうかね...」

・深沼元昭
1996年のアルバム『FRUITS』に収められた「水上バスに乗って」のレコーディングに参加したのがプレイグス。現在はGHEEE(ギー)というバンドのギタリストとして活動をはじめたところ。フロント・マンから解き放たれてリラックスして楽しんでいるという。

・エンプティ・ハンズ
2005年に発表した楽曲「エンプティ・ハンズ」。今やメロウヘッドの代表曲となっている。
「詩を聴いてメロディーを口ずさんでみると、まるで自分がいつか書いたかのような乗り移りが簡単にできるというか、ピシッと自分でフォーカスあったような気がした。自分の製作じゃないバック・トラックにヴォーカルを入れるというのはキャリアの中でなかったことなんですよ。なのにハマッちゃうみたいなね」と元春。

・Rock The Casbah
深沼元昭の音楽的なルーツの曲。クラッシュの「Rock The Casbah」。
あのパンクの時代は第三世界からの音楽がロンドンに流入して人種を超えて音楽のミクスチュアがあった。クラッシュも今聴くとリズムのヴァリエーションが豊かで、ただのパンクのバンドではなかった。アメリカでも一定の評価があった。

・『COYOTE』楽曲解説
「星の下 路の上」は一度レコーディングしたが、数日後に「やらかいグルーヴでいこうぜ」と再レコーディングしたそうだ。それでテイク1かテイク2で録ったものが3トラックEPに入ったという。アルバム・ヴァージョンはキーボードなしの「骨をきっちり見せる」ミックスにしている。

・荒地の何処かで
録り終わった後、キヨシ(高桑)が「佐野さん、僕が感じている'60年代音楽のいい部分がこの中にあるんですよ」と言ったそうだ。深沼は元春のギター・カッティングに寄り添うようにギターを弾いたという。
元春「でも、ギターのサウンドが深沼だなぁっていう(笑)。どんなフレーズ弾いてもね」
深沼「そうですね。これは恥ずかしいくらい自分らしいなって」

・君が気高い孤独なら
すごくキャッチーな曲。元春はノーナ・リーブスやグレート3を聴いた時にこういうモータウン的なアップビートは喜んでやってくれるんじゃないかと思って素材として持って行ったという。
「ドラムのフィルでロールがプルルルって入って、またグルーヴィー。あれは小松くんの正しい解釈。あれこそ僕が欲しかったフィル。それを言わないで出てきたのでこれは素晴らしいなって思ったんだよね」と元春。

・折れた翼
最初はイントロからフォーリズムでやったのだが、元春が手術してワンコーラスはギターとピアノにウィスパーで出て、途中から最後に向かってスクリームになる形にした。

・呼吸
元春のソロだがコーラスで深沼、小松、片寄が参加。高桑が仕事でいなかったので片寄を呼んだという。

・ラジオ・デイズ
1曲の中で3回テンポが変わるし、転調して知らないうちにまた元に戻る。レコーディングはスリリングで楽しかったという。

・Us
言葉を中心にして曲を作ったので小節が変則的だったという。「知的すぎた」という反省があり、一度持ち帰り整えてから、「せーの」でレコーディング。エンディングに向かうスリリングな感じがいい。レコーディングでは元春の動きを見ながらついて行ったのだとか。

・壊れた振り子
'70年代のクロスビー、スティルス、ナッシュ & ヤングににおいが似ている。バッファロー・スプリングフィールドとか。ハーモニックスで始まってる。ミックスしてゴキゲンだったという。

・世界は誰の為に
レコーディングの空き時間にアイディアが浮かんでセッションして作った曲。

・コヨーテ、海へ
アルバムの表題曲といってもいい曲。7,8分もある曲だが、詩を聴きながら演奏したので、飽きさせることなく聞かせられる楽曲。アルバムのベスト・トラック。"この世界を信じていたい"と元春が歌い終わった時に、小松シゲルがキックとトップを同時に「ターン」と鳴らしたのだという。

・黄金色の天使
バンドが一丸になってる感じがレコーディングの時からあったという。録り終えた時にラスト・ナンバーになる予感があったそうだ。この温かみ、それまでの曲を包容する力があったからだという。

■リクエスト・お便りの宛て先:
リクエスト・お便りの宛て先:
〒150-8001 NHK-FM「サウンド・ストリート21 佐野元春」係
e-mailで送れるホームページはサウンド・ストリート21

■今後の予定
来週もひき続きゲストに小松シゲル、高桑圭、深沼元昭を迎えて新作『COYOTE』の話題を中心に。
コメント
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