Sunday Song Book #1194

2015年08月30日 | Sunday Song Book

2015年08月30日プレイリスト
「納涼夫婦放談(ゲスト:竹内まりや)」
1. SUMMER VACATION / 村田和人 & 竹内まりや "マイ・クルー" '84
2. 二人のバカンス / 竹内まりや "MISS M" '80
3. 彼氏になりたくて / サザン・オール・スターズ "葡萄" '15
4. 寒い夏 / 山下達郎 "僕の中の少年" '88
5. THE NIGHT BEFORE / 竹内まりや with BOX "未発表音源" '15
6. IF I FELL / 竹内まりや with BOX "未発表音源" '15
7. さよなら夏の日 /山下達郎 "アルチザン" '91
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■内容の一部を抜粋
・近況
番組は前倒しで収録しているそうだ。スタジオ仕事が月末締め切りのため火点いてやってるころだと達郎さん。9月に入ると10月スタートの全国ツアーのリハーサルがはじまる。「今年は40周年でございますので、どうしようかと思ったんですけれども、シュガーベイブの『SONGS』が割とご好評いただいきましたので、少しシュガーベイブやってみようかなとそんなことを今考えておりますが、まだ全然譜面に手つけてない状態でございまして、さぁどうしようか。でもここの7年間ずっとツアー毎年やってまいりまして、だいぶレパートリーが増えてきましたので、その中からもう一回やろうかと、そういうようなことも踏まえつつですね、それでももう25年ぐらいやってない曲ありますし、シングルでもそういう曲がたくさんありますしですね、そういうようなものもやってみようかななんて、いろいろ考えますと大変だなと。頑張っていきたいと思いますが」と達郎さん。

・納涼夫婦放談
毎年恒例の竹内まりやさんをゲストに迎えて「納涼夫婦放談」パート2。

・SUMMER VACATION
8月最終週の夫婦放談だと毎年この曲。村田和人さん1984年のアルバム『マイ・クルー』に収められてるまりやさんとのデュエットで「SUMMER VACATION」。
達 郎「最近、ものすごく精力的にライヴをやっております村田和人さん。すっかり体調が元通りに戻りまして、鬼のようにライヴをやっております」
まりや「元気そうでした。私も渋公で会いましたけれど」

・二人のバカンス
まりやさんの1980年のアルバム『MISS M』から「二人のバカンス」。この曲を聴いてると走馬灯のように思い出が蘇るそうだ。「夜のヒットスタジオ」に出演したときに交際宣言をさせられたとか。昨年のsouvenir 2014ではこの曲を選曲して練習したが、なんとなく恥ずかしいからやめてしまったのだという。それで「SWEETEST MUSIC」を代わりに歌うことにしたそうだ。

・どちらがお好き?
リスナーから「達郎さんはまりやさんから、達郎とか達つぁんとか呼ばれてますが、どちらがお好きですか?」という質問。
達 郎「どっちでもいいって(笑)」
まりや「どうでもいい(笑)」
達 郎「だいたいだけど人数が多いときは達つぁんになるよね」
まりや「そうかね? あんまり法則性はないんだけれどね」
達 郎「たぶん。少ないと...」
まりや「達郎?」
達 郎「になるね」
まりや「でも家だとぜぇーんぜん違う呼び名なんですけれどね(笑)」
達 郎「くくく(笑)」
まりや「秘密(笑)」
達 郎「くだらねぇ(笑)」
まりや「たっちーだとかね(笑)」
達 郎「やめなさいって」
まりや「あははは(笑)」
達 郎「言ってないこと言うのやめなさい、あなた。そういうね... 今のカット(笑)」
まりや「いや(笑)。入れといてね(笑)」

・好きな花
リスナーから「まりやさんの好きな花はなんですか?」という質問。
「私は好きな花、もし究極的に選べと言われたら薔薇が好きだね。薔薇もイングリッシュ・オールド・ローズっていうのかな? 昔からの薔薇? が割と好きなの。ごついというよりかは本当に原生の薔薇が好きなんですけど。ただ散歩なんかしてて、野道に咲いてる雑草的な花もすごい好きなんだけれど」とまりやさん。
達郎さんは植物や花に詳しくないのでひまわりとか菊とかそんなようなものだそうだ。

・夏の思い出
リスナーから「夏の思い出は何かありますか?」という質問。
今年たまたま家族で長岡市の日本三大花火の一つである花火大会に行ったことがインパクトのある思い出だとまりやさん。あとは22年ぶりのサザンの武道館ライヴに行ったとか。達郎さんとサザンを初めて観たそうだ。達郎さんは初サザン・ライヴ。

・彼氏になりたくて
サザンオールスターズのニュー・アルバム『葡萄』から武道館でやってくれた「彼氏になりたくて」がまりやさんのお気に入りなんだとか。達郎さんは長嶋茂雄さんの歌「栄光の男」が気に入ってるそうだ。この番組で桑田佳祐さんのソロはあるけれどサザンがかかるのは初めてのこと。「9月になったらお寿司奢ってくれるそうです」とまりやさん。

・寒い夏
1988年の達郎さんのアルバム『僕の中の少年』に収められてる「寒い夏」。作詞はまりやさん。ストリングスは服部克久さん。「ジム・ウェッブ風というか、そんな雰囲気があるよね」とまりやさん。「転調に凝ってた時代ですね」と達郎さん。

・PERFORMANCE 2015-2016
今年も全国ツアーが決定した。35都市64公演で半年に渡るロング・ツアー「PERFORMANCE 2015-2016」。10月9日の市川市文化会館が初日。ツアーに関する詳細は特設サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・生ける南部人を偲んで
ここのところ南部のミュージシャンの訃報が続いてるので「生ける南部人を偲んで」という特集を9月は考えてるとのこと。達郎さんの好きなウェイン・カースンというソングライター、大好きなプロデューサー、ビリー・シェリル、クラシックスIVの作曲で有名なバディ・ビューリー、リン・アンダーソン、今年亡くなった南部人を偲んでサザン・ロックの企画。

・犬
リスナーから「(ペットの犬)タミコちゃんのお話を聞かせてください」というお便り。
18年飼ったミニチュアシュナウザーが亡くなったとき、まりやさんはペットロス症候群になってしまったとか。もう犬は一生飼わないと思ってたそうだが、縁があって7年後に出会ったのがイングリッシュ・ブルドックのタミコ。
まりや「いい子なんですよね」
達 郎「うん、これはなかなかいいです」
まりや「ねー。白いブルドックで。なんか犬なのに散歩が嫌いというのはどういうことなんだろう(笑)」
達 郎「(笑)」
まりや「私と娘の言うことは割と従順に聞くんですけれどね、達郎にすごく威圧感を感じてる...」
達 郎「逃げますね。ええ。なんか耳が後ろいくんですよね。すいませんね」
まりや「そうだよね。でも本当におかげさまでいい子で。やっぱり犬がいると和みますよね」
達 郎「カタギじゃないということですね、私はね」

・THE NIGHT BEFORE
まりやさんがBOXとレコーディングしたビートルズのカヴァー。BOXは杉真理さん(Vocal, Guitar)、松尾清憲さん(Vocal, Guitar)、小室和幸さん(Vocal, Bass,)、田上正和さん(Vocal, Guitar)の4人に、島村英二さん(Drums)がゲスト・ミュージシャンとして加わっている。1965年のアルバム『HELP!』から「THE NIGHT BEFORE」のカヴァー。

サザンが武道館でビートルズの「HELP!」をカヴァーして、「これやってるときがいちばん楽しいかも」と言ってたそうだが、「結局私にとってはそういうことかな」とビートルズのガヴァーについてまりやさんは話した。「だからそういうのが、また自分の曲をやらなきゃいけないというようなことに対して持つエネルギーというか、こうやって音楽やってることが楽しいだという、その気持ちをキープさせてくれるような(笑)。趣味かもしれないですけれど、楽しいですね、好きな曲をやれるっていうの」とまりやさん。
達 郎「2013年のツアーで、僕博多で、サンパレスでライヴ二日やったんですけれど、その二日目がマッカートニーの福岡ドームとかぶったんですよ。で、そのときに、マッカートニーが後でスケジュール決まったんで、イベンターにキャンセル何枚くらい出たかって言ったら、1枚も出ませんでしたって言われて。けっこうグッと来てね。その日のいちばん最後に、実は今日、マッカートニーとかぶってんだけど、キャンセルがいなかった。本当のお客さんだから、本当はマッカートニーに行きたかった人もいるかもしれないからって、僕、イエスタデイやったのそのとき」
まりや「それ私ね、聴きたかった。だって達つぁんがビートルズ歌うとこ一回も聴いたことないもん」
達 郎「(笑)、だけど、それめっちゃくちゃ緊張したの俺。ビートルズはさ、やってるとき、いちばん楽しいっていうのは、やっぱりそういう人だからでね。でも僕なんかだと逆にものすごく緊張する。イエスタデイでしょ。で、イエスタデイ~ってはじめたら客笑ったんだ、最初」
まりや「あっ、冗談かと思ったんだ」
達 郎「うん。で、それフルコーラスやったら受けてさ。それでだから最後に言ったセリフが、ビートルズやらないのが日本のロックなんだ。要するに僕らの世代のね。バンドをはじめた頃はビートルズをやらないことが日本のロックなんだっていうね」
まりや「自分のアイデンティティをね」
達 郎「そうそうそう。なのでそれけっこう緊張したの」
まりや「はじめての。それっと音源あるの?」
達 郎「ある」
まりや「あぁ、いつか聴きたいです」
達 郎「ふふふ。やだ(笑)」
まりや「じゃあ私のロックじゃないの聴いて(笑)」
達 郎「ははは(笑)」

・IF I FELL
まりやさんがBOXとレコーディングしたビートルズのカヴァー。もうすでに10曲もビートルズのカヴァーがたまったそうだ。
次の夫婦放談では松木恒秀さんとやったジャズのカヴァーを持ってくるとか。今月締め切りのレコーディング、今やってるのはまりやさんの新曲だという。

・さよなら夏の日
1991年のアルバム『ARTISAN』から「さよなら夏の日」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

09月06日は「リクエスト特集」
http://www.tatsuro.co.jp
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佐野元春 and The Coyote Band『Blood Moon』

2015年08月28日 | 佐野元春

個人サイトに『Blood Moon』のレビューをアップしました。
よろしくお願いいたします。

ブログは先月で十周年を迎えました。
気がついたらもう十年もやってたんですね。

個人サイトは今月で十六周年ですよ。
相互リンクしてる友人がプロバイダのサービスの関係でやめてしまうとか。
そのプロバイダは僕もネットをはじめたとき利用していたところでした。
サイトも最初はそこから発信してました。
ホームページ・サービスというのは今もうあまりやってないみたいですね。
ちょっと気になって今のプロバイダを調べてみたら、
新規のホームページ・サービスの受付はやってないようでした。

先月、ウインドウズの再インストールを行ったんですが、
データの復元に失敗しまして、
ホームページもネットからファイルをダウンロードして、
アップロードをするということをしています。
なにかちょっと表示のおかしいところがあるんですけれど、
見つけられた方は教えていただけますとうれしいです。

今使ってるホームページ作成ソフトも昨年でサポートを終えてます。
ヴァージョンアップすればいいのでしょうが、
ウインドウズの新しいのもまだヴァージョンアップしてないし、
現状の更新ペースでは無駄な投資のように思えて。。
まぁ、ぼちぼちとやっていきますよ。

●「紅い月」 - 佐野元春&ザ・コヨーテ・バンド(DaisyMusic Official)
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Sunday Song Book #1193

2015年08月23日 | Sunday Song Book

2015年08月23日プレイリスト
「納涼夫婦放談(ゲスト:竹内まりや)」
1. SHOW (2015 REMIX) / SUGAR BABE
"ソングス 40TH ANNIVERSARY ULTIMATE EDITION" 8月5日発売
2. SWEETEST MUSIC / SUPERFLY "ホワイト" '15
3. ブルー・ホライズン / 竹内まりや "ユニヴァーシティ・ストリート" '79
4. 君のために / 竹内まりや "未発表音源" '15
5. DEVIL IN HER HEART / 竹内まりや with BOX "未発表音源" '15
6. NOWHERE MAN / 竹内まりや with BOX "未発表音源" '15
7. 夏のモンタージュ / 竹内まりや "トラッド" '14
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■内容の一部を抜粋
・近況
相変わらずのスタジオ暮らしだとか。今週がヤマで完パケしてミックス・ダウンにというながれ。

・納涼夫婦放談
毎年恒例の竹内まりやさんをゲストに迎えて「納涼夫婦放談」。
達 郎「ここんところずっとなりをひそめてましたがですね」
まりや「はい。でも、ちょくちょくスタジオ通いしていて、割と春からレコーディング、レコーディングしてました」

・SHOW
今年はシュガーベイブの『SONGS』40周年記念盤『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』が出たので2015年リミックスの「SHOW」。まりやさんの好きな曲だとか。

・SWEETEST MUSIC
5月に出たSUPERFLYのアルバム『WHITE』初回限定盤スペシャル・パッケージのボーナス・ディスクに収録された「SWEETEST MUSIC」。越智志帆さんが昨年のまりやさんの武道館公演を観に来ていて、たまたま「SWEETEST MUSIC」を聴いてカヴァーしたいなと思い、まりやさんに「是非、一緒に歌いましょう」と声をかけてレコーディングしたのだとか。
まりや「この人の歌のパワーってすごいですね。小柄なのにね。なんか気持ちよかったですね。自分よりも30歳以上、たぶん下だと思うんですけど、そういうミュージシャンの方と共演できるというのはなかなかありがたいことだなぁと...」
達 郎「空気が似てきてるんですよね、最近ね。我々のはじめた時代とちょっと」

・筆記用具
リスナーからの「先日、達郎さんへの質問でどんな筆記用具をお使いですか? というものがありました。そのときのお答えにこだわりを感じました。まりやさんはいかがですか?」という質問。
まりや「私は手紙書いたり、普通に書いたりするときはパイロットの筆まかせというの(笑)、それがすっごい書きやすいの。それのブルーブラック。こだわってます、そこは。普段ね、歌詞書いたりするときは鉛筆ですけれど」
達 郎「また違う会社が出てきました(笑)」
まりや「あはは。もらえるかな(笑)」

・SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-
リスナーから「まりやさんは『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』を聴いてどんなことをお感じになったのでしょうか? 当時、リアルタイムで聴いておられたまりやさんの感想をお訊きしたいのです」という質問。
まりや「あの... リミックスもリマスターもいいよね(笑)。ホントね。リミックスは昨日聴いてたら、楽器の粒だちがはっきり聞こえて目の前でシュガーベイブが演奏してる感じが...」
達 郎「デジタルですから。デジタル・ミックスだからそうなるんです」
まりや「あぁ、なるほどね。リマスターを聴くと、当時私たちが聴いていたとおりの『SONGS』がヴァージョン・アップされて聴けてるって感じで、ホントにね、懐かしいの。1975年でしょ? その当時の自分の周りの景色がバァーっとフラッシュバックして、ワーナーの特別サイトでも書いてますけれど、'75年の渋谷道玄坂、今は亡きヤマハ楽器店のインストア・ライヴにシュガーベイブがフリーで演奏するというのを聞いて、それで仲間と一緒に観に行ったんですけれど。そんときSHOWやらなかったんだね?」
達 郎「あのときはもうユカリになってたでしょ。で、ユカリになってからしばらくSHOWやってない」
まりや「私、SHOWはやったんじゃないかって、なんかおぼろげな印象があったんですけれど」
達 郎「アレ2回出たことあるのね。で、1回目はまだ『SONGS』の前だったので客パラパラだった」
まりや「私が行ったときはもう黒山の人だかりだった...」
達 郎「あれは2回目だからね。リリース後。前後でこんなに変わるのかってくらいにね動員が増えたの。ふふ」
まりや「あぁ、やっぱり。レコード出したなっていう実感がしたでしょ? たまたまサハリン、佐橋佳幸さんもそのときチャリンコでね。中学生だったっていう、同じ場所にいたっていうの聞いて、『SONGS』からSHOWやったよねって、いや、やってないんじゃないかな、そういう話を二人でしたんですけど」
達 郎「あの頃はライヴ志向になってきてるからね、曲調変わっていくときだからね、WINDY LADYとかそういうのになってるからね。だからそういう時期なんですよ」
まりや「でもなんであんなポップなバンドだったのに雰囲気暗かったんだろうな、達つぁんの...」
達 郎「うはは。世の中恨んでたからね」
まりや「目が怖いんだもん、歌ってるときの(笑)。それすごい印象に残ってて...」
達 郎「あのときハモンド使えなかったの、ヤマハだから。で、コンボオルガンがあって、ピピって、あんなの使えないですって(笑)。それ覚えてる」
まりや「ひねた青年だったわけだよね」
達 郎「アングラですもん」
まりや「その音楽が今、40年経っても新鮮に聴けるっていう...」
達 郎「いや、ありがたいことですね、ホントに」
まりや「すごいことだよね。ということは古くなってない曲なんだと思う」
達 郎「まぁミックス...っていうか録音が古くなってないということだよね。インディな」

・レコード屋さん
リスナーからの「まりやさんはどこのレコード屋さんで『SONGS』を買われたか覚えてますか?」という質問。
当時住んでた学芸大学の西口商店街のオダレコードだとか。

・ブルー・ホライズン
まりやさんの1979年のセカンド・アルバム『ユニヴァーシティ・ストリート』から「ブルー・ホライズン」。作詞は大貫妙子さんだが、まりやさんが最初にもらったデモ・テープはシャッフル・ビートでメロディが違っていたという。「あのね、スタジオ・ミュージシャンだと明るい曲調だと思った通りになんないの。だから少しダークな、こっちのほうがあのときのポンタと小原と松木さんと佐藤くん、だからドリーム・オブ・ユーと一緒に録ったんだよね」と達郎さん。

・君のために
まりやさんが岩谷時子賞受賞パーティーの席上で「何か歌ってくださいませんか?」というオファーを受けて、岩谷時子作品の中から「君のために」を選んだとか。1967年の加山雄三さんのシングルで、岩谷さんが書いた加山雄三さんの一連の作品の中で女性が歌っても似合いそうなのを探したのだという。岩谷時子作詞、弾厚作作曲。服部克久先生にリアレンジしてもらってパーティーの席上で歌ったのを、今回、レコーディングしたそうだ。仮ミックス。

・セットリスト
先週の放送でリスナーからの「2015年と2016年の日程ではセットリストは変わるのでしょうか?」という質問に、昨年のマニアック・ツアーと今回のツアーではセットリストが変わるのかと受け取って、「2/3ぐらい変わる」と答えていた。
「いただいた方は2015年、すなわち今年のツアーがはじまって、来年になったらセットリストは変わるのかってご質問だったんですけれども。それは変わりません。基本的にワンツアーは原則的には全て同じセットリストで行くのが僕の方針ですので。じゃあまた来年どっか行かなきゃって、そういう方がいらっしゃるといけないのでフォローしておきます」と達郎さん。

・PERFORMANCE 2015-2016
今年も全国ツアーが決定した。35都市64公演で半年に渡るロング・ツアー「PERFORMANCE 2015-2016」。10月9日の市川市文化会館が初日。ツアーに関する詳細は特設サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・ビートルズ
リスナーから「まりやさんはビートルズの中で一曲選曲するとしたら何を選びますか? またアルバムの中で一枚選んでください」という質問。
「NO REPLY」か「THIS BOY」だそうだ。アルバムは『FOR SALE』か『HELP!』。

・DEVIL IN HER HEART
6月にまりやさんとBOXのメンバーのスケジュールが揃ったので二日間でビートルズのカヴァーを6曲録音したそうだ。今週は2曲オンエア。最初は「DEVIL IN HER HEART」。もともとはドネーズというガール・グループが1962年に出した「DEVIL IN HIS HEART」のカヴァー。ビートルズの1963年のセカンド・アルバム『WITH THE BEATLES』に収録されている。ビートルズはジョージのソロ・ヴォーカルで、まりやさんはビートルズをカヴァーするときは絶対にオリジナルのキーとオリジナルの歌詞で歌うことにしてるとか。

・歌詞
リスナーから達郎さんは「砂の女」のカヴァー・ヴァージョン(LIVE)のように、他にもシャレで歌詞を変えて歌うことはありますか?
達郎さんはツアーで「新・東京ラプソディー」をご当地ソングにして歌ったことがあるけれど自分の曲の歌詞はいじらないそうだ。まりやさんはリハーサルで「SEPTEMBER」を歌うとき"辛子色のシャツ"を"辛子入りのシャツ"と歌うとか。

・NOWHERE MAN
1965年のアルバム『RUBBER SOUL』に入ってる「NOWHERE MAN」のカヴァー。まりやさんはビートルズ・カヴァーの他にジャズのレコーディングも並行してやってるそうだ。

・夏のモンタージュ
まりやさんのセルフカヴァーで「夏のモンタージュ」。S.E.は鎌倉の海の音で、達郎さんは人の声と犬の鳴き声が入ってるので気に入ってるとか。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係


08月30日は引き続き「納涼夫婦放談(ゲスト:竹内まりや)」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Song Book #1192

2015年08月16日 | Sunday Song Book

2015年08月16日プレイリスト
「納涼リクエスト大会」
1. SOUTHBOUND #9 / 山下達郎 "コージー" '98
2. (LOVE IS LIKE A) HEAT WAVE / MARTHA & THE VANDELLAS '63
3. HAPPY TOGETHER / THE TURTLES '67
4. YOU GAVE ME SOMETHING(AND EVERYTHING'S ALRIGHT) / THE FANTASTIC FOUR '67
5. YOU / RITA COOLIDGE "LOVE ME AGAIN" '78
6. ANYWHERE THE GIRLS ARE / THE FANTASTIC BAGGYS '64
7. FOREVER AND A DAY / THE DAVE CLARK FIVE "RETURN" '64
8. THE THEME FROM A SUMMER PLACE / PERCY FAITH & HIS ORCHESTRA '60
9. 過ぎ去りし日々 (2015 REMIX) / SUGAR BABE
"ソングス 40TH ANNIVERSARY ULTIMATE EDITION" 8月5日発売
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■内容の一部を抜粋
・近況
まりやさんのタイアップの仕事が入ってきて、そのオケを作ってるとか。レコーディングに勤しんでいて、2つ、3つ重なりつつやっていて、月末にかけて忙しくなってきたという。9月に入ればツアーのリハーサルがはじまるので、それまでにレコーディングを終えなければならないそうだ。

・納涼リクエスト大会
先週に引き続いてこの時期恒例の「納涼リクエスト大会」パート2。

・SOUTHBOUND #9
夏なので1998年のアルバム『COZY』から「SOUTHBOUND #9」。

・(LOVE IS LIKE A) HEAT WAVE
マーサ・リーヴス & ザ・ヴァンデラスの「(LOVE IS LIKE A) HEAT WAVE」は1963年、R&Bチャート4週連続1位、全米チャート4位。マーサ・リーヴス & ザ・ヴァンデラスの代表作でホーランド/ドジャー/ホーランドの代表作でもある。当時のモータウンはラジオのエアプレイに合わせたシングル・ミックスで、今聴くとひじょうに歪なミックスで、若干今の現代的なミックスに比べると見劣りがしてしまう。デジタル・プロセッシングで現代的に補正したとか。「なかなか満足いく音になんないですよ。今回思いきってCDじゃなくて45回転のオリジナル・シングルに戻りまして、そのほうがちょっとスクラッチは多いんですけど、ハイエンドの伸びが最近出てるCDと全然比べ物にならない。今までサンデー・ソングブックでかけた中でいちばんいい音でかかってるんじゃないかと自画自賛したりして(笑)」と達郎さん。

・HAPPY TOGETHER
ウォン・カーウァイの『ブエノスアイレス』の最後に流れる曲だというリクエスト。ザ・タートルズの「HAPPY TOGETHER」は1967年、全米チャートNO.1のミリオンセラー。3週連続1位。達郎さんは中学3年の頃にFENで聴いて死ぬほど感動したとか。作曲はゲイリー・ボナーとマーク・ゴードンという通好みのソングライター・コンビ。そのうち特集したいとか。

・SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-
8月5日に発売された『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』がオリコン初登場6位。

・YOU GAVE ME SOMETHING(AND EVERYTHING'S ALRIGHT)
デトロイトの4人組の黒人ヴォーカル・グループ、ファンタスティックスの「YOU GAVE ME SOMETHING(AND EVERYTHING'S ALRIGHT)」は1967年、R&Bチャート12位、全米55位のスマッシュ・ヒット。

・「パレード」が『SONGS』に入らなかった理由
リスナーからの質問で、「パレード」が『SONGS』に入らなかった理由は?
「パレード」はすごく初期の曲で、『SONGS』は達郎さんも大貫さんも新しい発想で曲を書きはじめた頃の作品を主に入れたため、最初期の「パレード」や「夏の終わりに」にというデモで録ったような作品は入ってないそうだ。でも「パレード」は好きな作品だったため『NAIGARA TRIANGLE VOL.1』でソロ作品としてやり直したとか。「バンドってそういうもんなんですよ。だからまぁ、ファースト・アルバムの作られた時期は勢いがあったと、そういうようなことでありますな」と達郎さん。

・YOU
リタ・クーリッジの「YOU」は1978年のアルバム『LOVE ME AGAIN』からシングル・カットされて全米25位。アルバムは32位だがゴールド・ディスクを獲得した。トム・スノウのペンになる曲。

・納涼夫婦放談(ゲスト:竹内まりや)
8月の終わりは毎年恒例の竹内まりやさんをゲストに「納涼夫婦放談」。8月23日・30日の二週間で今年は『SONGS』の発売後なのでそうした話題と新曲の情報が伝えられるかもしれないとか。「スタジオがだんだんお尻に火が着いてまいりますので、今年の納涼夫婦放談は若干前倒しで収録することになると思います」と達郎さん。今からならまだ間に合うので竹内まりやさんへのお便り・質問・リクエストを受け付けてるそうだ。

・PERFORMANCE 2015-2016
今年も全国ツアーが決定した。35都市64公演で半年に渡るロング・ツアー「PERFORMANCE 2015-2016」。10月9日の市川市文化会館が初日。ツアーに関する詳細は特設サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・セットリスト
リスナーからの質問で「2015年と2016年の日程ではセットリストは変わるのでしょうか?」という質問。
「変わります(笑)。2/3は変わりますね。ワンツアーでそれぐらいは変わります。定番というのがありますので、それはある程度は重複しますけれど。特に去年のマニアック・ツアーは全然いつもと違うのでですね(笑)、全く違うと言っていいですね。ええ。いつものほうに戻るという感じですね。まぁ、ええ。お待ち申し上げております」と達郎さん。

・ANYWHERE THE GIRLS ARE
P.F.スローンとスティーヴ・バリのコンビ、ファンタスティック・バギーズの初期のシングル「ANYWHERE THE GIRLS ARE」。

・FOREVER AND A DAY
デイヴ・クラーク・ファイブの1964年のアルバム『RETURN』に収録されてる「FOREVER AND A DAY」。

・THE THEME FROM A SUMMER PLACE
パーシー・フェイス & ヒズ・オーケストラの1960年、全米NO.1を9週続けた「THE THEME FROM A SUMMER PLACE」、邦題は「夏の日の恋」で映画『避暑地の恋』の主題歌。

・LPを聴くときのカートリッジ
リスナーからの質問で「日本でプレスされた達郎さんや大滝さんのLPを聴くときのカートリッジは何を選択すればいいですか?」。
「なんでもいいでしょ、あなた(笑)。ただ私はもう昔からマッキン、JBL、トーレンスのプレーヤーでシュアのV15のタイプ4かタイプ3という、それでしか聴いてませんのでですね。モニターも全部それでございます。サンソンでアナログ起こしするときも全部それ使ってやっておりますので。ご自由にどうぞ」と達郎さん。

・過ぎ去りし日々 (2015 REMIX)
『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』から「過ぎ去りし日々 (2015 REMIX)」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

08月23日・30日は「納涼夫婦放談(ゲスト:竹内まりや)」
http://www.tatsuro.co.jp
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Tatsuro Yamashita 40th Anniversaryサンデー・ソングブック増刊号~シュガー・ベイブ スペシャル~

2015年08月14日 | Sunday Song Book

2015年08月09日プレイリスト
「Tatsuro Yamashita 40th Anniversaryサンデー・ソングブック増刊号~シュガー・ベイブ スペシャル~」
1. SHOW / SUGAR BABE "ソングス" '75
2. すてきなメロディー(REMIX)/ SUGAR BABE "ソングス 40TH ANNIVERSARY ULTIMATE EDITION"
3. DOWNTOWN / SUGAR BABE "ソングス" '75
4. パレード(LIVE)/ SUGAR BABE 76/04/01 荻窪ロフト "ソングス 40TH ANNIVERSARY ULTIMATE EDITION"
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■内容の一部を抜粋
・Tatsuro Yamashita 40th Anniversaryサンデー・ソングブック増刊号~シュガー・ベイブ スペシャル~
『山下達郎のJXグループ サンデー・ソングブック』(毎週日曜14:00~14:55放送)の特別プログラムとして、8月9日(日)19時から山下達郎デビュー40周年記念特別番組として放送された。出演は山下達郎、鈴木万由香(聞き手)。

鈴 木 今日はいろいろとお話をこの短い時間にどうやって詰め込めばいいのかなとドキドキしておりますが...
達 郎 適当でいいですよ。もうだって40周年ですよ、あなた。40年経って何を言うかって、もう言い尽くしてるんですからね。 
鈴 木 でも30周年があって、また40周年があって、その前にもありますけれど、ということは今後50年、60年をやらないともう示しがつかないような状態ではないんですか?(笑)
達 郎 ないでしょ、それ。なんだかな~。日光の東照宮みたいになってきましたね、それ。
鈴 木 みんなお参りしちゃうぞっていう(笑)
達 郎 くくく(笑)

鈴 木 達郎さんのスタンスが変わらないから、時間に追い越されるとか、置いてけぼりになるとか、なんかそういうものがない...
達 郎 幸運な時代を生きたっていうかね。ポピュラー・ミュージックは特にそうなんですけれどビジネスと不可分じゃないですか。でもそういう商業音楽の世界って浮き沈みがものすごくあって、好むと好まざるとに関わらず路線変更を余儀なくされるとか、お客さんの質が変わってきちゃうとかさ、いろんなことがあるんですけれど私の場合は幸運なことに(笑)、シュガーベイブを聴いてた時代のお客さんがまだライヴにも来てくれるので、そういうところは本当にありがたいなっていう。
鈴 木 でも、それは時代とはあんまり関係ないんじゃないですか?
達 郎 あんまりがんばってこなかったんですけれどね(笑)。なまけものですからね(笑)。シュガーベイブだってレパートリー少なかったんですよ。解散するまで16,7曲しかなかったですからね。常にその16,7曲しかやる曲なくて。どこ行ってもそればかりやってるんですけれど、それでも、まぁ。

・SHOW

鈴 木 リマスターとリミックス、どう違うんだというところにぶつかったときにはリスナーには何を?
達 郎 こういう40年前のカタログをCDで再発する場合に、40年前のマスター・テープというのがあるんですよ、ステレオのね。それを、まぁCDの世の中になると、その当時の2トラックのマスターをそのままCD化すると、デジタルで録られた音に比べると、ちょっと聴き劣りがする。高音とか低音が不足してたり、デジタルでの音圧はアナログよりもちょっとデジタルの方が優れてるので、それをデジタルに寄せていく、それをデジタル・リマスターというんですよね。あくまでリマスターというのはアナログのステレオのマスターの音をどうやって加工するか。古い音源の音を今のラジオでかけると、例えばEXILEとかそういうのがかかると全然もう聴き劣りしちゃうんですよ。それを防ぐために古い音源は今のコンテンポラリーな音楽、例えばラジオとか有線とかダウンロードとか、そういうので聴いても、あんまり聴き劣りしないように作るのがリマスターというものなんですけれど。リミックスというのは、もともとレコードというのはマルチ・トラックっていって、ドラムとかベースとかを全部違うチャンネルに録って、それをバランスとってドラム、ベース、それにリバーヴ入れたりして、それにイコライザーかけて固くしたり甘くしたりして、それに歌乗っけて、そういう具合にして作るんですけど、そういうのをミックスダウンっていうんですけれど。ミックスダウンしてステレオの2トラックで聴かせてもらうんですね、僕らはね、ステレオでね。今回の場合はシュガーベイブの『SONGS』というアルバムを40年前のマルチ・トラックからもう一度リミックスして作ってんですけれど、ほとんど同じなんです。素人の人が聴いたらどっちがどっちだかよくわからない。ラジオで聴いてもあんまりわからない。で、何のためそんなことしたかというと今のハイレゾとか、これから先のストリーミングというのは48kHzとか96kHzとか、192kHzとかいわゆるハイサンプリングっていうんですけど、そういうのを総称してハイレゾっていうんです。ハイレゾの時代が来る場合、こうした古い音源はそのまま古いマスターを使ってるとやっぱり聴き劣りがする。今回、リミックス作った一番の目的はそのハイレゾに対応するソースがほしかった。オリジナルの『SONGS』のバランスとか歌の感じとかリバーブの感じとかを全く同じものにしようというのが目的なので、似れば似るほど成功したという、そういうものなんです。

鈴 木 なるほど。じゃあ、ここが違うねってわかってしまわないほうが...
達 郎 (わかってしまわないほうが)いいんです。それでも微妙に違いますけれど。
鈴 木 ここであえてリマスターとリミックス聴き比べてみたいなと思うんですが(笑)。
達 郎 「すてきなメロディー」という僕と大貫妙子さんのデュエットがあるんですけれど。実はこの曲の間奏というのがあるんですけれど、オリジナルは入ってないんですけれどね、リミックス・ヴァージョンというのはカズーの間奏が入ってるんですよね。実はカズーというのはもともとのやつに入れてあったんですけれど、大瀧(詠一)さん、間違ってそれ消しちゃって、カズーなしでオフィシャルは出てるんですけど。大瀧さんの持ってる仮ミックスというのがありましてね。それにカズーが入ってるんです。それを今回のリミックスに入れたんで、ようやくオリジナルでやるべきフォームになったという。重箱の隅ですいません。

・すてきなメロディー

達 郎 お聴きのように間奏部分にピアノだけが寂しく鳴ってるとこがあるんですけど、あそこは本当はカズーが入ってたんですよね。それを今回リミックス・ヴァージョンで加えることができましたので、リミックス・ヴァージョンの「すてきなメロディー」。

・すてきなメロディー(REMIX)

鈴 木 リマスターに引き続いてリミックスという聴き比べをしていただきましたけれどいかがでしたでしょうか。一度このカズーを味わってしまうと...
達 郎 元に戻ると物足りないでしょ。だから聴き込んでる人ほど喜んでもらえるんですよね。このリミックス・ヴァージョンはね。音の粒だちが微妙に違うんですよね。聴こえなかった音が聴こえて来る。

鈴 木 実際のレコーディングはかなりハードな状態だったんですか?
達 郎 もうちょっと、すごくいいスタジオでやるものだと思っていたのだけどエレック・レコードのスタジオに連れて行かれて、ビルの二階のすごい湿度むんむんのところで、練習スタジオに毛が生えたようなところで、「ここでやんの?」ってね(笑)。なので環境が結果的にインディだったので、大瀧さんがミキシングをやったっていうことによって普通のものじゃない、大瀧さんは完全に独学で自分でエンジニアリング学んだ人なので、インディな、いってみれば南部のマッスルショールズとかね、スタックスとかね、ああいうところと同じ。みんな独学でああいう人たちやってるから。完全なインディペンデントですよ。この劣悪な環境といわれたものが、例えば'90年代のオルタナとか、そういうものと同じような、要するにガレージ・パンクな、パンクな音だったんです。音はパンクなんだけれどメロディはメジャー7thのきれいなメロディだというこのアンバランスが『SONGS』のすべてだった。今から考えればね。
鈴 木 どうしようもない、そうしなければしょうがない環境だったんだけれど、逆に時代の先端をやっていたということになりますよね?(笑)
達 郎 要するにロックな音なんですよ。1994年に最初にCD出したときに、けっこう若い人が聴くようになってくれたのは、若いバンドの人なんかがきっとそういうのに感応したんですよね。だから商業主義的な音じゃないっていう。
鈴 木 感性で受け止めるアナーキズムというか、そういうものかなと思うんですけれど。
達 郎 そうとしか考えられない。

・サンボマスターの山口隆さんからのメッセージ
山口隆 どうも。サンボマスターの歌とギター山口隆です。山下達郎さん、音楽活動40周年ということでおめでとうございます。シュガーベイブはねぇ、僕好きでねぇ。僕、都会で育ってなかったものですから、街にくりだすみたいなところが、すごく自分の中ではドキドキするっていうか、街というか何か素敵なことが起こるんじゃないかっていう。原点はなんかこうキッズが街にくりだそうぜみたいな感じ、なんか起こってるぜちゅうか、そういう空気があったのが、僕はとってもすごい素晴らしいなぁと思うんですよねぇ。村松さんのギターもヒップだし。なんかこんなこと言うと怒られますけど(笑)、ロック・バンドっていう感じがね(笑)、あの、こういうこと言うと怒られますけど(笑)、上手い人たちじゃないっていう(笑)、これがまたこう、あの、いいですよね。技術的なアレじゃなくても、なんて言うかな、技術的に上手い下手よりもキッズの心に届くのが上手いというか、上手いつかそういう、それも上手い下手じゃないのか、うまいこと言えませんけれど。僕はとっても好きなロックンロール・バンドだと思ってるんですよねぇ。オルタナティブというのかねぇ、なんかうまく言えませんけれど。大好きなバンドです。達郎さんへの質問をお願いしますということなので、達郎さんのお家に一度バリー・マンのレコードを、聴かしていただくということを、一度どうぞって言っていただいたんですけれど。それ以来なってなくて住所が、行ってみたいんですけれど住所がよくわかりません。僕ラジオ聴いてますので、達郎さんここで住所教えていただいてよろしいでしょうかね(笑)。ふふ。すいません。これからますます、今度対バンしていただければうれしいです。また音楽の話教えてください。サンボマスターの山口でございました。

鈴 木 まさに達郎さんが今仰っていたロックなんだよね、オルタナティブなんだよねっていう、サンボマスターの山口隆さんからのメッセージでした。
達 郎 サンボマスターは(ライヴの)オープニングが「今日はなんだか」なんですよね。「なんで?」と思いましたけれど。ありがいことですけれど。
鈴 木 サンボマスターと山下達郎さんて何の接点もないような...
達 郎 ひゃははははは。いやいや僕好きですよ、CD持ってます、たくさん。サンボマスター。十年くらい前にね、対談したことがあるの一回。エネルギーの塊っていうか、ライヴもそうですけれど。でも全然変わってませんね(笑)。バリー・マンいつでも来てください。今、レコード室が汚れてますから。いらっしゃるときは整理して、片付けてお待ちしております。
鈴 木 まず住所をお伝えしないことには。
達 郎 放送で言ってどうすんだ。 
鈴 木 山口さん今、街っていうそういう観念がなかったって仰ってたんですけれど違うもんなんですかね?
達 郎 いや僕、ハッと気がついたことがあるんですけれど。僕の作る歌って基本的に池袋、渋谷と下北沢を結んだ三角形ぐらいのテリトリーの歌しか作ったことがないんですよね。だからそういう意味ではシンガー・ソングライター然としてるんですけれどね。どっちか言うと直木賞より芥川賞に近いというか私小説に近いものなんですね、きっと。
鈴 木 日常のサウンドトラックっていうそういう感じ...
達 郎 そうなんですよね。ハッとそういうことを思ったことが何年か前にあって。そうだったんだと思って、そうなるとシュガーベイブってまさにそういうものなんですよね。でも伊藤銀次と何曲か一緒に書いてた時代というのがあって、銀次は逆に大阪の人間なんで、銀次の描く詩の世界つうのは東京の街じゃなくて大阪の街なんです。だから「DOWNTOWN」という歌があってアレはどう考えても道頓堀のあの辺の色彩感なんですよね。七色の黄昏降りてきてってね。たぶんそうだって言うと思いますけれど。
鈴 木 池袋、渋谷っていうのはいわゆるダウンタウンじゃないですよね。下町じゃない...
達 郎 そうです。だからミナミだからDOWNTOWNなんでしょ、きっと。おそらくそういうセンスだと思いますよ、銀次の場合。

・DOWNTOWN

・OKAMOTO'Sのハマ・オカモトさんからのメッセージ
ハマ・オカモト 山下達郎さん、お久しぶりです。OKAMOTO'Sというバンドでベースを弾いておりますハマ・オカモトと申します。僕は今、24歳なんですけれども、はじめて『SONGS』を聴いたのは高校二年生のときなので17歳。だから約7年くらい前ですかね。とにかくジャケットだけは知っていて、ただどういう内容なのか知らず手に取ったのがきっかけでした。それこそ達郎さんがやってらっしゃるということも知らずに聴いたんです。初めて聴いた日から好きな曲ばかりのアルバムですが。僕は「雨は手のひらにいっぱい」がこのアルバムの中ではいちばん好きな達郎さんライティングの曲でございます。今の僕と同い年、少し若いぐらいの頃と思うんですけれどシュガーベイブをやられた頃。やはり3年くらいの活動期間、シュガーベイブ自体が。3年ってもうクリーム(笑)、クリーム2年くらいか、わずかな活動期間なので唯でも濃密な時間だったと思うんですけれど、シュガーベイブの活動期間のことを振り返ってくださいと言われると達郎さんは何を思い出すのかなという、シュガーベイブ山下達郎が思い出す何が痛烈な思い出だったのかなというのと、バンド自体どういう目標というのか、何かそういうものを持って活動されてたのかなというのがとても気になるところで、当時、日本はフォークとか勢いを持ってたりとか、日本の音楽のそういう流行的にいうと、だいぶシュガーベイブは特殊だったんじゃないかなと。『SONGS』って特殊なアルバムだったんじゃないかなと、とても思うのでその頃を是非振り返って話していただけると。そんなのもう何回も話したよってことだったら本当に申し訳ないですけれど(笑)。せっかくこういう機会をいただいたので是非お答えしていただけるとうれしいです。以上、OKAMOTO'Sのハマ・オカモトでした。

鈴 木 ハマ・オカモトさんとの関係というのは?
達 郎 夏フェスでよく会ったり、OKAMOTO'Sって変なバンドでね(笑)。さっきの山口くんにしてもオカモトくんにしても、当時の評論家とか音楽ライターとか、そういう差異とか是非を一言も言ってくれたことがなくて。音楽的な特色とかね。そういうことの指摘みたいなことを誰も言ってくれた奴いなくて。却ってこうこいう息子、娘より若い人たちの方が本質を見ているというのはすごく驚愕で。40年前に言ってほしかったね、本当にね(笑)。
鈴 木 なんの先入観もなく聴いたまま感じたままを語るからということなんでしょうかね?
達 郎 そうでしょうね。こんだけロックとかそういうものの歴史が積み上げられてきたところで、この人たちの年代だとどうやって差別化するかだとか、自分の個性をどうやって出すとか考えなきゃいけないので。昔は僕らの時代はロックやってりゃそれでいいっていう、そういうような時代だったから、そういうときの運動論と、今の音楽的な方法論と全く違うというか。むしろ純粋になってくる、純化してるというか。そんな感じがするな。意外とこっちがインパクトが。どんなアレでバンドやってたかって、とにかく食えなかったんですよ。どうやって食いつなごうかってんで、たまたまCMで拾ってくれる人がいて、それからコーラスのスタジオ・ミュージシャンになって、編曲して、CM作家やって、やれる仕事なんでもやりましたね。
鈴 木 ハマ・オカモトさん24歳って言ってらっしたけれど、この当時の達郎さん更にもっと若い...
達 郎 「雨は手のひらにいっぱい」を書いたのは21ですから。
鈴 木 そのときにもう作家としての技量持ってらっしゃったということになる...
達 郎 そんな自覚ないですけど。自分で曲を作ってそれを音楽にしたいっていうの。自分が中学高校で見ていたのグループサウンズで、そういう人たちはほぼ100パーセント洋楽のカヴァーだったんです。で、シングル盤だけ既成の作曲家に作曲してもらって、それだけなぜか歌謡曲なのに、やってる曲他はローリング・ストーンズとかそんなのばっかりで。そっから僕らの時代になったら自分で作って自分で歌うっていうシンガー・ソングライターっていうか、そういうものが音楽的に求められてるというか、僕らがそういうものじゃないとダメだと思ってた時代だから。歌いたいことがないかって言われたらないことはない。でもそれがヒット・ソングかどうかって全く考えてないから。今でもシングルがヒットするとかしないとかはっきり言って全くわかんない僕。なんでこっちの曲が売れて、こっちの曲がそれより売れなかったか理由全然わかんない。
鈴 木 それなのに売れてしまうというのがすごい...
達 郎 それは人が選ぶんだもんしょうがない。だって「クリスマス・イブ」だって別に偶然ですからね。「クリスマス・イブ」が30年近く人に聴かれる最大の理由はなんですかっていつも訊かれるけど、あれはね、ヒット狙ってないの。例えばクリスマス・ソングで一発当ててやろうとか、今の時代のクリスマス・ソングはこれだってそういうこと一切ないの。だから楽曲としての普遍性って、自分で普遍性っていうのもアレだけど、そういうものがたぶんあるんだろうなって自分ではそうやって思ってる。
鈴 木 それっていうのは最初のお話にあったシュガーベイブのレコーディングの劣悪な状況がというのと何か通じるものがありますよね。
達 郎 通じる。だから音楽を作りたかったんです。スターになりたかったわけでも金儲けしたかったわけでもないので、ただ音楽をその時代のオリジナリティーのある音楽が作りたかった。歌謡曲とは違う、新しいものを作りたかった。それは僕も大貫さんも全く同じで、当時の日本のロック・フォークっていわれる趨勢、その時代に僕らのやってる音楽が特にイベントとか、あと評論家の評判が悪いっていうか。当時の日本語のロックって大衆扇動というか、「のってるー!」最近もあるけれど僕らそういうのと全く違うフィールドでやってるから、リズム・チェンジも激しいし、そうすると踊れない。ノレない、踊れない音楽はロックじゃないそういう時代だったんですよ。
鈴 木 これだけ自分のスタンスであったり、音楽に対するポリシーとかを曲げない達郎さんが挫けるっていう...
達 郎 レコード評とか本当に挫けましたよ。これで歌がなきゃ最高だと書かれてね。それはやっぱり21,2ですから。へこみますよ、それ(笑)。でも、その頃にそれだけやられたから今へこまないです。若いうちの苦労は買ってでも... だから大貫さんとこないだ対談しましたけれどね、この『SONGS』で。「私たち打たれ強いよね」って(笑)。

鈴 木 プロデューサーの大瀧詠一さんはアルバム制作をするときに何かアドバイスとか、話し合いみたいなものはしたんですか?
達 郎 シュガーベイブに関してはですね、大瀧さんと僕の共同プロデュースなんですけど、この『SONGS』というアルバムに大瀧さんが最大に貢献しているのは何度でも言いますけれどエンジニアなんですね。ミキサーなんですよ。で、今回のシュガーベイブの40周年のこのライナーはミキサー、大瀧詠一、笛吹童子ってペンネームでやってんですけれど、ミキサー、大瀧詠一にスポットを当てたライナーでずーっと全面的にやってるんです。プロデューサーは本当に僕と彼で二人でディスカッションしてやったので、基本的にシュガーベイブってギター・バンドなんですね。なので村松くんとはひじょうに大瀧さんはコミュニケーションがよくて、例えば「DOWNTOWN」という曲があるんですけど、あれはイントロが左のチャンネルから出てくるんですけれど、チャーン、スチャ、チャと弾くと左から残響が真ん中でゆれるんです。ながれてゆくの。あれはリミッターを入れるギターと普通のプレーン・トーンのギターをパラって、それで右左に送ることによって、リミッターが入ってるやつは残響が伸びるのでプレーン・トーンが減衰してゆくと音が真ん中に寄ってゆくと、そういう効果ね。例えばそういうことはずいぶんみんなでディスカッションしてね、それはいちばん大瀧さんと村松くんが一生懸命やって、それはアルバムの全面的なギター・サウンドのところに反映されてる。なんですけれど、結局それをミキシングして具体的な形にするのは大瀧さんの仕事だったので、かなりだから彼はプロデュースというよりはエンジニアのほうに結構集中してやってた節が多いんですね。今から考えるとね(笑)。だから、まぁ、そういうことは僕はリミックスとかやりながらひじょうに感じたので今回は笛吹童子というものにスポットを当ててやりました。だからレコードというのはいろんなファクターでできてるので、気づくまでにすごく遅かったり。アルバム出たときなんかもう人の音なんか聴いてませんから。それが10年20年経つと「あぁ、ベースこんなことやってたんだ」とかね(笑)。で今回、リミックスしたから、それが更に細部まで明らかになって「こいつ、こんな(笑)」。
鈴 木 すごいですね、40年経ってもまだそこに新発見があるっていう。曲はもう数は限られてるわけじゃないですか。それなのに。
達 郎 普通のバンドでしたらそれまでやってるステージの曲をステージの演奏のままに記録して一丁あがりっていうやつアレだったんですけれど。僕らはちょっと変わってたんでね、ちょっと作家的なアレもあるし、大瀧さんがエンジニアだから、エンジニア的なそういうトライもやってみたいし。
鈴 木 レコードならではの音ということですね。
達 郎 そうですね。「蜃気楼の街」なんてそれまでステージでやってたアレンジと変えちゃったの、レコードでね。バンドのレコードじゃないですよ、これ。そういう意味ではね。でも、まぁこの頃はCMもはじめてたし、スタジオに習熟しかけてたときなので、そういうことが大瀧さんとスムーズに。何にも知らないとそんなのできないでしょ。マイクの立て方とか録り方とか、そういうの少し学習しかけてたときなのでそれはよかったですね。
鈴 木 達郎さんがこのレコーディングをしたときも大変な状況ではあったけれども、違った意味で今は今の大変さっていうのが...
達 郎 別の言い方をすればこの時代はやれることがそんなになかったの。トラックも16しかないから。入れられるものがないし、でも今は選択肢が無限なの。100トラック使っても200トラック使ってもやろうと思えばできちゃうしね。逆に時間がかかっちゃって予算が膨れ上がる? あの新国立(競技場)みたいなもんですね。そういう逆に不幸な時代っていうか。
鈴 木 そしてどんどんどんどん達郎さんがお籠りする時間が長くなってゆく(笑)。
達 郎 すいません。なんでそっちに話がゆくんでしょうね。
鈴 木 早く出してくださいよーという話があちこちでよく聞こえてくるんです。
達 郎 今は6年に一枚くらいでいいんです。
鈴 木 今度はボーナス・トラックがたくさん入ってるので、そこからも選んでいただこうかと思います。
達 郎 ボーナス・トラックってのはね、シュガーベイブは何度でも言いますけれど、マイナーなバンドだったんですよ。だからライヴ・レコーディングが正規なものってないんです、一個も。強いて言うなら解散ライヴのアレなんですけれど。それも一発録りなのでピアノが聞こえなかったりとかいろいろあるんですよね。で何よりも歌詞間違えてる、演奏間違えてる、すごいんです、間違い。今、シビアにアレするとね。昔、25年くらい前だったら、それでも、まぁいいかって、たぶん出したと思うんですけど。やっぱり自分だって演奏の、自分のライヴのね、クオリティーを上げようと40年間努力してきたわけですよ。その耳で聴くとですよ、こんなもんとても金取って売れるようなシロモンじゃないと、どんどんシビアになってゆくんです。
鈴 木 ファンにしてみれば逆にそれがちょっとお宝的な(笑)...
達 郎 嫌です。それでも今まで2回リマスターしてるので、それに入れたボーナス・トラックは全部やめて、全部初CD化の音源ばっかりなんですけど。そうすると更にすごいことになってオーディエンスからワンポイントのマイクで録ってるカセットのコピーとか、そんなのばっかりなってきて、エアチェック・テープとか。だから音質はもうご勘弁っていうアレですけど。一応そうやってね、レアだとか言って。
鈴 木 そのうちどんどんマニアックになってゆく...
達 郎 一応、演奏、歌、いろいろそういうもので許せるもの。1976年の4月の1日シュガーベイブの解散ライヴ、荻窪のロフトでのライヴです。「パレード」。

・パレード(LIVE)

・浜田省吾さんからのメッセージ
浜 省 山下くん、ご無沙汰しております。浜田省吾です。お元気ですか。シュガーベイブと俺のいた愛奴は1975年に同じ年にレコード・デビューしたわけですが、はじめてシュガーベイブのアルバムを聴いたとき、その素晴らしいソングライティングの力と、それからサウンド・プロデュースの凄さに驚かされました。まぁ、たくさんではないんですけれども、同じステージを一緒にやることがあって、その演奏力の凄さっていうのかな、高さにこれもまた感服したものです。あれからあっという間に40年が経って今もね、お互いこうして現役で音楽シーンの中に入られるっていうこと励まし合いたいというか、讃え合いたいと思います。これからもね、いつも連絡を取り合ってるわけじゃないですけれども、遠くから山下くんのこと応援していきたいと同志のような気持ちでおります。浜田省吾でした。
 
鈴 木 なんと浜田省吾さんからメッセージが届きました。
達 郎 浜田くんは本当にシーンとしていちばん近いというか、音楽じゃなくてね、スタンスとして近いというか。愛奴って広島のバンドなんですけど、ほぼ同時期にデビューして、ほぼ同時期に解散して、同時期にソロになって(笑)。
鈴 木 じゃあ愛奴も本当に短い時間だったんですか?
達 郎 短いですよ。愛奴は浜田くんドラマーだったんだけど、ドラマーで先に脱退してそれでソロになったんですよね。僕より先にソロになったんですけど。ほぼ同じ経緯を辿ってね、彼もメジャー・フィールドっていうか、そういうものじゃなくて、しこしことライヴで積み上げていってやった人なんで、本当に同志のようなものですね。年も同じですし。
鈴 木 浜省さんもバンドではじまって、ずーっと今はソロじゃないですか。達郎さんもソロでっていう。なんかその同じ地獄を見てしまった仲間とかそんなことを思ってしまって(笑)
達 郎 彼もドラマーでしょ、僕ももともとドラマーだから。でも僕はシュガーベイブ入るときにドラマーがリード・ヴォーカルはかっこ悪いなと思って。
鈴 木 ドラムをやってた人がヴォーカリストになったときっていうのはすごいことが起きるんじゃないかと。スティーヴン・タイラーとかもね、並外れたリズム感とか、歌だけしか歌ってこなかった人よりも、ものすごく魅力を感じるんですよね。
達 郎 ですか。浜田くんに言っときますよ。
鈴 木 達郎さんも「二人の夏」ライヴでカヴァーしたりとか、お互いにしょっちゅう連絡取り合ったりしてなくても、ジャンルは違っても同じ土壌でお互いの活躍を応援しあえるというのは本当に貴重ですし...
達 郎 スタンスとしてはいちばん似てますね。だからものの考え方とかそういう感じはね。
鈴 木 どうしても音楽から離れていってしまう方とかたくさんいる中で心強いのかなぁーなんてふうに想像しますけれど...
達 郎 全くね。だから一世代上のフォークの人たちの中で絆の強い人たちっているじゃない。それに似てますね、やっぱりね。男だっていうのもありますしね。
鈴 木 同じものを乗り越えてきたっていう、そういうものがあるのかもしれないですね...
達 郎 そうですね。同じ時代を生きてきたですし。ありがたいですね。

鈴 木 確か30周年のときでしたっけ? 自分の中にロックンロールはまだ鳴り続けているのか? ロックへの忠誠心というか。それは今でも変わらないものなんですか?
達 郎 ロックンロールが好きだから音楽をはじめたんでね。ロックンロールがなかったら僕絶対に音楽家なってないから。ロックンロールの何が好きかってね、ロックンロールという言葉は別に音楽の何を表してるわけじゃないんですよ。スピリットなんですよ。人生いろいろいいこともあるし悪いこともあるんだけど、それを音楽が助けてくれたっていうか、音楽だけは嘘を言わなかったんですよね。てかロックンロールだけは嘘を言わなかった。それが僕にとってのロックンロール。いわゆるロッカーの、いわゆるロックの音楽の人の言ってるロックンロールの意味と、僕の言ってるロックンロールはちょっと違うんです。でも同じなんですよ(笑)。カタチは違ってもね。そういうところが40年やってきて変わらないから、そういう音楽はこれからも付き合いられるだろうと思うんだけど。ロックンロールはね、もともとティーンネイジ・ミュージックなんですよ。ガキの財布からカネ搾り取る音楽なんだけど、だから故にモラトリアムだとか、ジュブナイルだとか、そういう色をすごく持ってるので、それのおかげで僕らはそんなに年取らずに、精神的に年を取らなくて済んだっていうのが、ロックンロールのいちばんの価値っていうかね(笑)、そういうものだと思いますけどね。
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Sunday Song Book #1191

2015年08月09日 | Sunday Song Book

2015年08月09日プレイリスト
「納涼リクエスト大会」
1. LOVELAND, ISLAND / 山下達郎 "フォー・ユー" '82
2. LIGHT MY FIRE / JOSE FELICIANO '68
3. HUSHABYE / THE BEACH BOYS "ALL SUMMER LONG" '64
4. MUSIC TO WATCH GIRLS BY / ANDY WILLIAMS '67
5. IS IT STILL GOOD TO YA / ASHFORD & SIMPSON '78
6. BRIDGESTONE 90 / THE PANTHERS '65
7. SUZUKI / THE SUDELLS '65
8. DOWNTOWN (LIVE BONUS TRACK) / SUGAR BABE
76/01/28 仙台電力ホール "ソングス 40TH ANNIVERSARY ULTIMATE EDITION" 8月5日発売
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■内容の一部を抜粋
・近況
連日暑い日が続いている。こんなときはスタミナをつけなければと思い肉を食べたりしてるとか。そうするとだんだん体重が増えてきて夏太りしてるそうだ。「ひっきりなしに水飲んで、ひっきりなしに食事に気をつけてなければへたってしまう。そういうアレですが、みなさんもくれぐれもお気をつけください」と達郎さん。

・納涼リクエスト大会
今週から二週間は毎年恒例の「納涼リクエスト大会」。

・LOVELAND, ISLAND
夏なので「LOVELAND, ISLAND」にリクエストが集まってるとか。1982年のアルバム『FOR YOU』に収録。

・LIGHT MY FIRE
ホセ・フェリシアーノはプエルト・リコ出身の盲目のシンガー。1968年のデビュー・ヒットで全米3位の「LIGHT MY FIRE」。ドアーズのカヴァー。この曲でグラミーの新人賞を獲った。

・緊張をまぎらすための行い
リスナーから「ステージの前に緊張をまぎらすために行ってることがありますか?」という質問。
特段何かやることはないというが、明日の二十四時間後の同じ時間に後悔しないように、あぁ二十四時間前はうまくいったなと思えるようにがんばるそうだ。それはデビューしてからはじめてステージに乗るときから思ってるとか。

・HUSHABYE
ビーチボーイズの1964年のアルバム『ALL SUMMER LONG』から「HUSHABYE」。1959年のニューヨークのドゥーワップ・グループ、ミスティックスのカヴァー曲。ビーチボーイズならではの素晴らしいカヴァー・ヴァージョン。

・MUSIC TO WATCH GIRLS BY
アンディ・ウィリアムスの1967年、全米34位の「MUSIC TO WATCH GIRLS BY」で邦題は「恋はリズムにのせて」。ボブ・クリュがボブ・クリュ・ジェネレーションのクレジットで同年全米15位。アンディ・ウィリアムスのヴァージョンはペプシのコマーシャルに使われた。アレンジド・バイ・ニック・デ・カロ。

・IS IT STILL GOOD TO YA
アシュフォード & シンプソンの「IS IT STILL GOOD TO YA」は1978年、全米ソウル・チャート12位。同名のアルバムからのシングル・カット。テディ・ペンタグラスのヴァージョンでも大変知られた曲。

・納涼夫婦放談(ゲスト:竹内まりや)
8月の終わりは毎年恒例の竹内まりやさんをゲストに「納涼夫婦放談」。今年は8月23日・30日の予定。「ちょっとその頃になりますとレコーディングが入ってきてますので、たぶん前倒しで録音することになります」と達郎さん。来週ならまだ間に合うので竹内まりやさんへのお便り・質問・リクエストを受け付ける。9月に入るとツアーのリハーサルがあるのでリクエストを引き続き募集。

・PERFORMANCE 2015-2016
今年も全国ツアーが決定した。35都市64公演で半年に渡るロング・ツアー「PERFORMANCE 2015-2016」。10月9日の市川市文化会館が初日。ツアーに関する詳細は特設サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

・Tatsuro Yamashita 40th Anniversaryサンデー・ソングブック増刊号~シュガー・ベイブ スペシャル~
8月9日よる7時からJFN系列38局ネットで『SONGS』の特別番組「Tatsuro Yamashita 40th Anniversaryサンデー・ソングブック増刊号~シュガー・ベイブ スペシャル~」が放送されることになった。出演は達郎さんと鈴木万由香さん。浜田省吾さん、サンボマスターの山口隆さん、OKAMOTO'Sのハマ・オカモトさんからのメッセージ、『SONGS』についてのコメントを交えてオンエア。AIR-G'は午後8時から、FMぐんま、広島、愛媛はよる9時、沖縄はよる10時、FM長崎は10日よる7時から。
詳しい情報はワーナーの山下達郎のサイトで。
http://wmg.jp/tatsuro/

・Web・新聞・雑誌
ウェブではナタリーとワーナーミュージック・ジャパンの山下達郎スペシャル・サイトでインタビューが掲載されている。8月8日土曜日には朝日新聞の土曜日の「be」というスペシャル・ページに「山下達郎インタビュー 逆風満帆」が掲載された。全三回の一回目で今後3週間にわたり掲載される。雑誌ではレコード・コレクターズ9月号「特集 山下達郎が語る1975年のナイアガラ」にインタビューが掲載されている。サウンド & レコーディング誌ではオーディオの雑誌なのでリミックスとリマスターの話が掲載される。
詳しい情報はワーナーの山下達郎のサイトで。
http://wmg.jp/tatsuro/

・BRIDGESTONE 90
タイヤ・メーカーのブリヂストンが'60年代にバイクを作っていたことがある。その頃のバイクでブリヂスン 90を題材にした曲「BRIDGESTONE 90」を1965年にニューヨーク北部のプラッツバーグというカナダの国境に近い街の出身のザ・パンサーズが出している。

・SUZUKI
ウェスト・コーストのバンド、ザ・サドルズの1965年の「SUZUKI」。マイク・カーブが曲を書いてるので幽霊グループかもしれない。

・『COME ALONG』の7曲目「LOVE SPACE」の冒頭で聴こえる曲
リスナーから「『COME ALONG』の7曲目LOVE SPACEの冒頭で聴こえる曲は何という曲ですか?」という質問。
曲ではなくてKIKIという当時のハワイのステーションのジングル。

・本
リスナーから「どんな内容の本を読んでるのですか?」という質問。
7月19日の放送で「本屋行って本買って、レコード買って、落語のCDなんか買ったりして、いろいろとですね。本屋さんは一旦行くとですね、居つづけてしまいますね。山のように本買ってしまいました...」と話してるので同じような質問が他にもあるそうだ。
「あたし、あの一言で言いますと読書コンプレックスの人間です。中学・高校、本買う金があったらレコードを買ってたのでですね、本を読むということに関しましてひじょうにコンプレックスを持っております。ですので傾向とかそういうのありません。もう多読乱読そういう感じでございます。今読んでるのは立川談志さんの『あなたも落語家になれる』という'80年代の本、読み直しですけれども。最近、読み直しが多いんですよね。その前がブラッドベリの『華氏451』の新訳で、その前がダグラス・ホフスタッター『ゲーデル、エッシャー、バッハ』というこれも'80年代に読んだんですけれども(笑)。全然脈絡がありません。どっちかというとフィクションよりノンフィクションの人間なんですが。あと最近は美術書というかそういうものがものすごく興味があって。最近はわかりやすい美術書がたくさん出ていますので、中野京子さんとか西岡文彦さんそういう方々のを読み漁ってるような毎日ですが。それでも本を読みながら音を聴きますと音に集中できませんので、だいたい視覚の方が聴覚より強いんですね。だからレコードを聴きながら本を読むと絶対本の方が勝つんです。ですのでレコードを聴くときはレコードに集中しなければなんないのですけれど、そうすると本を読む時間がないし、本ばっかり読んでるとレコードを聴く時間がない。少年老い易く学成り難し、老人ますます学成り難し、そういう感じでございますね。がんばりましょう」と達郎さん。

・作詞するときの筆記用具
リスナーから「作詞するときの筆記用具は何をお使いでしょうか?」という質問。
歌詞はレポート用紙に鉛筆で書くそうだ。清書するときはテキスト・エディタで字にして印刷するという。譜面は40年間、ぺんてるのボールペンテルという水性ポールペンを使い、手紙を書くときは万年筆を使うのだとか。昔はウォーターマンで今はモンブラン。

・SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-
1975年4月25日にナイアガラ・レーベル第一弾アルバムとして発売されたシュガーベイブの『SONGS』が40周年を迎えたので8月5日に『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』が発売された。DISC 1は『SONGS』の2015年最新リマスター。三度目のリマスターだが「なかなかいいリマスターができたと自負しております」と達郎さん。DISC 2はオリジナルの16トラックのアナログ・マルチテープからもう一度リミックスしたリミックス・ヴァージョン。この二枚組にボーナス・トラック、ライヴ、カラオケ、その他を入れるだけで入れて全37トラック、『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』として発売。二枚組になったのでライナー・ノーツを新規書き直して、写真、資料、トータル40ページ以上のブックレットを封入する。アナログ盤も同日8月5日発売。180g重量盤二枚組仕様。詳しい情報はワーナーの山下達郎のサイトで。
http://wmg.jp/tatsuro/

・DOWNTOWN (LIVE BONUS TRACK)
今日はボーナス・トラックから1976年11月28日に仙台電力ホールで行われた「DOWNTOWN」のライヴ・ヴァージョン。「音は良くないボーナス・トラックですけれど、勢いはじゅうぶん伝わります」と達郎さん。。

08月16日は引き続き「納涼リクエスト大会」
08月23日・30日は「納涼夫婦放談(ゲスト:竹内まりや)」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Song Book #1190

2015年08月02日 | Sunday Song Book

2015年08月02日プレイリスト
「SONGS-40TH ANNIVERSARY ULTIMATE EDITION- 特集」
1. いつも通り / シュガー・ベイブ "ソングス" '75
2. 今日はなんだか / シュガー・ベイブ "ソングス" '75
3. 雨は手のひらにいっぱい / シュガー・ベイブ "ソングス" '75
4. 過ぎ去りし日々 / シュガー・ベイブ "ソングス" '75
5. SUGAR / シュガー・ベイブ "ソングス" '75
6. 新春放談 with 大瀧詠一 06/01/01
7. ナショナルまきまきカール "山下達郎CM全集 Vol.1" '75
8. すてきなメロディー(REMIX)/ シュガー・ベイブ "ソングス" '75
9. パレード(LIVE)/ シュガー・ベイブ 76/04/01 荻窪ロフト
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■内容の一部を抜粋
・近況
先週は休みをもらって大阪の国立文楽劇場で文楽を鑑賞したそうだ。「『生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)』観てまいりました。桐竹勘十郎さんの萩の祐仙という医者の役が本当に素晴らしくて、人形が命を持つというか、そういう瞬間が。本当に感動いたしました。また、来月も行ければなと思っております。あまり仕事しないでそんなことばかりしてもしょうがないんですが」と達郎さん。ちょっとのんびりして今週もあまり忙しくないとか。
いよいよ今週はシュガーベイブの『SONGS』40周年記念盤『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』が8月5日に発売になる。今回は40周年なので取材はあまりしなくてもいいかなと思っていたそうだが、雑誌取材、最近はインターネット関係のウェブ・インタビューがあって、雑誌みたいに文字数の際限がないので「てにをは」を直す原稿直しにものすごく時間がかかるのだとか。インタビューは喋り言葉がそのまま記事になるので、そのままだとぞんざいなものにしかならず、思いつきのまま話した内容を直すのに時間がかかってヒイヒイ言ってるという。

・SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition- 特集
先週に引き続いて『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』特集。達郎さんは今年デビュー40周年。いちばん最初に所属したグループ、シュガーベイブのただ一枚だけのアルバム『SONGS』は1975年4月25日にリリース。ナイアガラ・レーベル第一弾アルバムとして発売された『SONGS』も今年で40周年を迎えた。先週は『SONGS』のアナログのA面を特集して、今週はアナログのB面とリミックス・ヴァージョン。できたらボーナス・トラックの紹介。

先日、natalieというウェブの取材を受けたときのこと。「戦後70年で『SONGS』が40周年ってすごいですねって、それかなりビビリましたね。そうか、そうだったのか!」と達郎さん。出たときは22歳だった。

・いつも通り
『SONGS』のアナログB面の一曲目は大貫妙子さんの「いつも通り」。シュガーベイブのメンバーとして曲を作っていくうちに曲作りに目覚めて大貫妙子調という独特の作風が開花した一作。メロディの進行とコードの転調のセンスがユニークで特にフックのところの展開が素晴らしいと達郎さん。生まれてはじめてストリングスを書いた曲で、このころはまだ慣れてなくて一所懸命やったそうだ。コーラスと同じでラインを考えることがそんなに苦じゃなかった、コーラスをやっていたのが幸いしたとか。

『SONGS』のリマスター、リミックスをやって感じたのはバンドのアルバムというよりかは作家的、編曲家的なアルバムで、レコーディング中にドラマーを変えて複数のドラマーで演奏、バンドでありながらストリングスが入ってるし、ブラス入ってる不思議な作品で、結果的に曲調が多岐にわたっていてワンパターンではないアルバムに仕上がってる。

B面の二曲目は「すてきなメロディー」。達郎さんと大貫さんの双頭ヴォーカル。男性ヴォーカルと女性ヴォーカルのバンドだったのでデュエットをやろうということになり、レコーディングがはじまってから作った曲。
リマスターは1975年に製作したステレオのマスター・テープを現代的なEQをかけたり、コンプをかけたり、いろいろな付帯機器で音質補正をするというもの。リミックスというのはオリジナルの16トラックのアナログ・マルチテープからもう一度バランスをとって、エコーをかけ直して新しいステレオ・マスターを作ることをいう。
今回はリミックス・ヴァージョンをオンエアするので後回し。

・今日はなんだか
B面の三曲目は「今日はなんだか」。ライヴをやってる中でバラード、ミッドテンポ、スローテンポの曲が多かったので、アップテンポというか賑やかな曲をやろうということで達郎さんが書いた曲。ライヴ向きに作ったのでレコーディングでは歌が硬い、態度が硬い感じがするとか。「これは今でもライヴでよくやります。結構好きな曲でライヴではもう大幅にもっとテンポ・アップします。今年もやりたいなとは思ったりしています」と達郎さん。

・雨は手のひらにいっぱい
四曲目は「雨は手のひらにいっぱい」。もともとは8ビートのサザン・ポップ、B.J.トーマスとかトニー・ジョー・ホワイトとかいう感じで作った曲。大滝詠一さんがこれをウォール・オブ・サウンドでやってみようというアイディアを出して、スタジオの中で急遽アレンジを変えて、ライヴでは達郎さんがギターを弾いて演奏していたがアコースティック・ピアノに回り、大貫さんがエレピを演奏した。『SONGS』の中では珍しいキーボード主体のアレンジになった。ストリングスまで入れてウォール・オブ・サウンド風に作った。下北沢あたりの狭いバス通りを歩いていて、バスが水をはねあげながら走っているのを見てインスパイアされて作った曲。『SONGS』は当時のロック・メディアにはあまりいい評価を受けなくて、いわれなき批判をずいぶん受けて、まだ21、22歳で若く落ち込んでいたところ、当時の事務所のマネージャーは浅川マキさんの元マネージャーで、浅川マキさんから「今時こんなバスなんて言葉使う子はなかなかめずらしいわよ。あなた頑張りなさい」と褒めてもらいすごく救われたとか。その浅川マキさんもお亡くなりになった。達郎さんは個人的にアルバム『SONGS』のベスト・トラックだと思ってるそうだ。

・過ぎ去りし日々
大貫妙子さんの曲は転調とメロディ・ラインの意外性を優先して作った。達郎さんは同じパターンを延々と繰り返すパターン・ミュージックが好きで「過ぎ去りし日々」はもともとギター一本ではじめて延々と続く典型的なパターン・ミュージック。これが高じてのちの「BOMBER」とか全部そういうパターンになってる。この時代からやっている。ニューヨーク・テイストの曲で、ちょっと60'sテイストの曲なので伊藤銀次さんが既成の曲のタイトルを織り込んで行く手法を取り入れてアメリカのヒット・ソングのタイトルを取り入れつつ歌詞を書いた。今回のリマスターは音が生々しいのでエレックのスタジオの情景が目に浮かぶという。「しかし声が尖ってますね、本当に。21歳の生意気盛りの声がしとりますね。だいぶ丸くなりましたが」と達郎さん。

・SUGAR
B面のラストは「SUGAR」。ライヴで映える曲として書いたがあまり受けなかった。この曲もパターン・ミュージック。インストゥルメンタルだがあいだに歌がちょっと入る。大滝さんはじめ布谷文夫さん、スタッフが騒ぎに騒いでクレイジーなテイクになった。発売当時はいろいろと物議を醸したが今となってはいい思い出。

・SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-
DISC 1は『SONGS』の2015年最新リマスター。DISC 2はオリジナルの16トラックのアナログ・マルチテープからもう一度リミックスしたリミックス・ヴァージョン。この二枚組にボーナス・トラック、ライヴ、カラオケ、その他を入れるだけで入れて全37トラック、『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』として発売。二枚組になったのでライナー・ノーツを新規書き直して、写真、資料、トータル40ページ以上のブックレットを封入する。アナログ盤も同日8月5日発売。180g重量盤二枚組仕様。

・SUGAR BABE 40周年記念
ワーナーの山下達郎スペシャル・サイトでは「竹内まりや 佐橋佳幸 スペシャル・アンケート」、1975年に渋谷のヤマハで行われたシュガーベイブ店頭ライヴを観たふたり。佐橋さんは中学生、まりやさんは大学生だった。それに引き続いて「山下達郎 × 大貫妙子スペシャル対談」が掲載されている。近々、達郎さんのインタビューがアップされる予定。
http://wmg.jp/tatsuro/

・Tatsuro Yamashita 40th Anniversaryサンデー・ソングブック増刊号~シュガー・ベイブ スペシャル~
8月9日よる7時からJFN系列38局ネットで『SONGS』の特別番組「Tatsuro Yamashita 40th Anniversaryサンデー・ソングブック増刊号~シュガー・ベイブ スペシャル~」が放送されることになった。出演は達郎さんと鈴木万由香さん。浜田省吾さん、サンボマスターの山口隆さん、OKAMOTO'Sのハマ・オカモトさんからのメッセージ、『SONGS』についてのコメントを交えてオンエア。AIR-G'は午後8時から、FMぐんま、広島、愛媛はよる9時、沖縄はよる10時、FM長崎は10日よる7時から。
詳しい情報はワーナーの山下達郎のサイトで。
http://wmg.jp/tatsuro/

『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』のDISC 2は『SONGS』のリミックス・ヴァージョン。オリジナルの16トラックのアナログ・マルチテープからミックス・ダウンして2トラックのステレオ・マスターを作る同じ作業をもう一度行った。リミックスは元のソースとは似て非なるものを作るのだが、今回はオリジナル・マスターとはほとんど違わない近似的なミックスを作ろうという目的ではじめた。いろいろと理由はあるが将来のハイレゾとかストリーミングというメディアに即応するためで、CDは44.1kHzの16bitだが今回のリミックスは48kHzの24bitという少しハイエンドなもので、これで来るべき事態に備えようというのがいちばんの目的。達郎さんがリミックスをそれほど好きじゃないのは同じソースとは違う聴感なものがあまり欲しくないということだった。リミックスはオリジナルのマルチトラックがなければできない。『SONGS』のオリジナル・マルチトラックは行方不明だったが、『SONGS』の30周年記念盤のときに大滝さんが新春放談でそのことに触れている。

・新春放談 with 大瀧詠一 06/01/01
達郎「こっちの16トラックのマスターは、僕はひところ紛失したって聞いてたんですよ。'70年代」

大滝「16? ありますよ」

達郎「だからいつ頃から... それははじめからずっとあったもの?」

大滝「いや一回どっかで無くなったっていう噂があって。今はちゃんとナイアガラ・エンタープライズが保管してあります」

達郎「なるほど。あの... 訊くまで知らなかった(笑)」

大滝「30周年が終わって、また更に山下くんのリミックスとかいうのが40年目にあってもいいんじゃないかなという意味合いで。今回は30周年でナイアガラ・レーベルの30周年ということでやらしていただきました。あのー、エンジニアの笛吹童子といたしましては僕を使ってくれたのは山下くんと大森さんだけなんですよ」

達郎「そうそう(笑)」

大滝「大森さんは僕がやるから仕方なくやったんだと思うんだけど(笑)。で要するにこれ以外でも使ってもらったのは山下くんだけなんですよ」

達郎「あぁ、そうなんだ」

大滝「あの、まきまきカールと、あの、電リク'75」

達郎「そういえばそうでしたね。電リク'75、200トンの雨のもと」

大滝「ふむ(笑)。電リク'80まで録ったんだけど'78年くらいで終わったんだよね、電リク。あれ持ってないんですか、音?」

達郎「あれ、マスターが紛失してるんですよ」

大滝「あっ、そう。あのター坊の、電リク...」

大滝・達郎「はちじゅう~」

達郎「よかったですよね(笑)」

大滝「ふふふ」

達郎「そうなんだ」

大滝「おかしい(笑)」

「テンポ間が同じだという。久しぶりに聴きますと」と達郎さん。今回の『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』ライナーでは大滝詠一さんのエンジニア笛吹童子としての側面をかなり掘り下げて書いてるという。CMのときに何回か大滝さんにエンジニアをお願いしたことがあるそうだ。

・ナショナルまきまきカール
1975年のナショナルのヘアドライヤー「まきまきカール」というCMソングを笛木童子さんにミックスしてもらった。ちゃんと『SONGS』と同じ音している。演奏は上原裕さん、寺尾次郎さん、村松邦男さんのギター、達郎さんがキーボード、ター坊がコーラス。

大滝詠一さんがミックスしたおかげで他の同時代のロックのレコードちょっと音が違うことがプラスに作用して『SONGS』というアルバムは特殊な響きをしている。

・すてきなメロディー(REMIX)
リミックス・ヴァージョン。ラジオで『SONGS』について何の知識もなく聴いたら、聴き比べたら一体どこが違うのかというぐらい似ている。間奏にもともとカズーが入ってたけれど本チャンでは消えてる。大滝さんが間違って消してしまったとか。それを大滝さんが持っていた仮ミックスのテープから抜き出してカズーを復活させた。『TASURO FROM NIAGARA』のボーナス・トラックに入ってた幻のカズー・ヴァージョンから抜き出して40年ぶりにカズー入りのリミックス・ヴァージョンが作ることができた。

・パレード(LIVE)
『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』のボーナス・トラックで「パレード(LIVE)」。1976年4月1日に荻窪ロフトで行われたシュガーベイブの解散ライヴから。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

08月09日は「納涼リクエスト大会」
http://www.tatsuro.co.jp
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