Sunday Song Book #1350

2018年08月26日 | Sunday Song Book

2018年08月26日プレイリスト
「『旅』で棚からひとつかみ」
1. うたのきしゃ / 山下達郎 07月11日発売 ニュー・シングル
2. JOURNEY TO THE CENTER OF THE MIND / THE AMBOY DUKES '68
3. TRAVELING / THE MAIN INGREDIENT "BITTER SWEET" '72
4. JOURNEY INTO LOVE / LONNIE LISTON SMITH "LOVELAND" '78
5. (CALL ME) THE TRAVELING MAN / THE MASQUERADERS "EVERYBODY WANNA LIVE ON" '76
6. TRAVELIN' PRAYER / BILLY JOEL "PIANO MAN" '73
7. TRAVELLER IN THE RAIN / DION "SUITE FOR LATE SUMMER" '72
8. TRUE LOVE TRAVELS ON A GRAVEL ROAD / ELVIS PRESLEY "IN MEMPHIS" '69
9. TRAVELIN' BAND / 村田和人 "ひとかけらの夏" '83
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・近況
先週に引き続いて番組は札幌のAIR-Gのスタジオで前倒し収録。8月18日の苫小牧市民会館、20日の北見市民会館、24日の大阪フェスティバルホールはうまく行ってるはず、と達郎さん。今週は8月29日(水)に新潟県民会館。今年は新潟一日公演のみ。ホールのスケジュールが抑えられず、ン十年ぶりの一日公演となる。6月23日(土)にスタートした今年のコンサート・ツアー「PERFORMANCE 2018」もそろそろ半分、折り返し地点なのだそうだ。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・『旅』で棚からひとつかみ
先週に引き続いて東京に帰られないので「『旅』で棚からひとつかみ」。今週はハガキもないという。

・うたのきしゃ
7月11日発売のニュー・シングルから「うたのきしゃ」。

・JOURNEY TO THE CENTER OF THE MIND
アンボイ・デュークスはデトロイトのヴォーカル・インストゥルメンタル・グループで、いわゆるガレージ・サイケの範疇。「JOURNEY TO THE CENTER OF THE MIND」は1968年、全米16位。ギターはテッド・ニュージェントで、アンボイ・デュークスはテッド・ニュージェントが最初に参加したグループ。調べたらテッド・ニュージェントは今年70歳になるという。

・TRAVELING
ザ・メイン・イングリーディエントはニューヨークの3人組の黒人ヴォーカル・グループ。1972年のアルバム『BITTER SWEET』から「TRAVELING」。

・JOURNEY INTO LOVE
お次はシャズ。ロニー・リストン・スミスはキーボード・プレーヤー。1978年のアルバム『LOVELAND』から「JOURNEY INTO LOVE」。歌ってるのはロニー・リストン・スミスの弟のドナルド・スミス。ベースはマーカス・ミラーだが、このとき20歳で、曲もマーカス・ミラーの作品。

・(CALL ME) THE TRAVELING MAN
南部のR&Bのヴォーカル・グループ、マスカレイダーズの1976年のアルバム『EVERYBODY WANNA LIVE ON』はアイザック・ヘイズがアルバムをプロデュースしている。そのアルバムの中から人気の高い一曲で「(CALL ME) THE TRAVELING MAN」。

・今後の予定
来週と再来週は毎夏恒例の竹内まりやさんをゲストに迎えて「納涼夫婦放談。まりやさん宛のリクエストやお便りを募集中。お便りを寄せてくれたリスナーの中から抽選で25名に、番組25周年で作った『FOR YOU』、『COME ALONG』、『COME ALONG 2』、『COME ALONG 3』、『BIG WAVE』、『MELODIES』のポスターにサインをしてプレゼント。各ポスターにサインをするのでどのポスターが当たるのかは届いてからのお楽しみとのこと。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

・竹内まりや FAN MEETING
竹内まりやさんが今年の11月25日でデビュー40周年を迎える。そこではじめての試みとなるファン・ミーティングとミニ・ライヴが11月16日(金)に大阪NHKホール、11月18日(日)は東京品川プリンス・ステラボールにて行われる。このファン・ミーティング&ミニ・ライヴに参加するには11月23日から期間限定公開される「souvenir the movie ~Mariya Takeuchi Theater Live~」のムビチケ・カードと10月17日発売予定のニュー・シングル両方の購入が必要になる。ムビチケ・カードに付属している応募券をシングルに封入されている応募ハガキに貼って応募すると、抽選で2500名にチケットが当選するとのこと。詳しい情報は竹内まりや40周年特設サイトにて。
https://www.mariya40th.com

・TRAVELIN' PRAYER
ビリー・ジョエルの1973年のアルバム『PIANO MAN』から「TRAVELIN' PRAYER」。

・TRAVELLER IN THE RAIN
ディオンの1972年のアルバム『SUITE FOR LATE SUMMER』から「TRAVELLER IN THE RAIN」。ラス・タイトルマンのプロデュースでマイアミでのレコーディング。ちょっとカントリー・フレーバーのアルバムで、達郎さんはこの時代によく聴いたという。

・TRUE LOVE TRAVELS ON A GRAVEL ROAD
エルヴィス・プレスリーの1969年のアルバム『IN MEMPHIS』から「TRUE LOVE TRAVELS ON A GRAVEL ROAD」。1968年にカントリー・シンガーのデュエン・ディーがヒットさせた曲のカヴァー。作曲はダラス・フレイザー。邦題は「恋はいばらの道を」。

・TRAVELIN' BAND
村田和人の1983年のアルバム『ひとかけらの夏』から「TRAVELIN' BAND」。『ひとかけらの夏』は達郎さんのプロデュース。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2018年09月02日・09日は、「納涼夫婦放談(ゲスト:竹内まりや)」
http://www.tatsuro.co.jp
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Sunday Song Book #1349

2018年08月19日 | Sunday Song Book

2018年08月19日プレイリスト
「『旅』で棚からひとつかみ」
1. ミライのテーマ / 山下達郎 07月11日発売 ニュー・シングル
2. LET'S GO TRIPPIN' / DICK DALE & HIS DEL-TONES '61
3. JOURNEY TO THE STARS / THE VENTURES '64
4. TRAVELLING MAN / FREE "AT LAST" '72
5. JOURNEY TO LOVE / TEDDY RANDAZZO '60
6. TRAVELING MOOD / DR.JOHN "IN THE RIGHT PLACE" '73
7. SENTIMENTAL JOURNEY / DORIS DAY WITH LES BROWN '65
8. TRAVELING RIVERSIDE BLUES / ROBERT JOHNSON '37
9. JOURNEY FROM EDEN / STEVE MILLER BAND "RECALL THE BEGINNING...JOURNEY FROM EDEN" '72
10. ONE NIGHT STAND / 竹内まりや "ヴァラエティー" '84
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・近況
全国ツアー「Performance 2018」続行中。現在、北海道公演の真っ只中で北海道に滞在中。東京に戻れないので番組は札幌市のAIR-Gのスタジオで前倒し収録しているそうだ。前回、番組を収録したのは8月6日(月)の長野、ホクト文化ホールより前になるとか。現時点で8月14日(火)、15日(水)のニトリ文化ホールが終わったところ。ニトリ文化ホールは9月17日に閉館となるため、「私もずいぶん長いことあそこでやってきましたけれども、最後のニトリ文化ホールでございました。お出でいただいたお客さま、どうもありがとうございました」と達郎さん。引き続いて18日(土)は苫小牧市民会館を行い、今週は20日(月)が北見市民会館。24日(金)は大阪のフェスティバルホール。何故か一日だけというスケジュール。札幌は涼しくて、先週はずっと雨が降っていたという。「でも、私はしのぎやすくてですね(笑)、楽しております」と達郎さん。札幌公演二連チャンで気張りすぎて声が少し低くなっているそうだ。

・『旅』で棚からひとつかみ
ツアー中に東京に帰れないときは公演先のラジオ・ステーションで収録することがある。番組のスタッフが全員来て収録するのだという。こういう場合はハガキとパソコンだけで、データなどの七つ道具が入った銀箱やギターが持ってこれないので、「『旅』で棚からひとつかみ」という企画をするそうだ。今週、来週の二週間はトラヴェリング・ソング、「旅」と名前がついた曲を集めて棚からひとつかみ。この企画自体、7,8年ぶりになるとか。

・ミライのテーマ
7月20日公開の細田守監督最新作『未来のミライ』のオープニング・テーマ。リスナーから「5小節目あたりに聞こえるキラキラした音がサビまでチラホラしています。一体何の楽器ですか?」という質問。「耳の鋭い方でございます(笑)。シンセサイザーでございます。よろしくお願いします」と達郎さん。

・細田守監督最新作『未来のミライ』
『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、そして『バケモノの子』に続く細田守監督最新作『未来のミライ』が7月20日から公開されている。
http://mirai-no-mirai.jp

・LET'S GO TRIPPIN'
まずはディック・デイル&ヒズ・デルトーンズの1961年、全米60位の「LET'S GO TRIPPIN'」。サーフ・ミュージックの草分けの一作。ディック・デイルはサーファーで、サーファーがギターを持ってサーフ・ミュージックのカリスマになった。サーフィンをやらないけれど音楽的には優れたブライアン・ウィルソンとの対比がおもしろいと達郎さん。

・JOURNEY TO THE STARS
毎年、夏はサマー・サウンドの特集のときにインストを番組でかけるのだが、今年はツアーのためチャンスがなかった。なのでもう一曲インストを続けて。ザ・ヴェンチャーズの1964年のアルバム『THE FABULOUS VENTURES』からシングル・カットされた「JOURNEY TO THE STARS」。邦題は「星への旅路」。

・TRAVELLING MAN
お次はイギリスに飛んでフリー。1972年のアルバム『AT LAST』から「TRAVELLING MAN」。『AT LAST』は実質的にオリジナル・メンバーの4人では最後になったアルバム。

モノの本によると「トラベル」は一般的な旅を指し、「ジャーニー」は比較的長距離の旅行、その行程に焦点が当てられるとか。「トリップ」は休暇とかビジネスといった目的があって、再び戻ってくる短めの旅行のことで、「ツアー」は各地を訪ね一巡してくる旅行のことだそうだ。

・JOURNEY TO LOVE
テディ・ランダッツォは作曲家、プロデューサーとして有名だけれど、もともとは歌手を目指してたくさん作品を残している。しかし目立ったヒットがなくて、そのうちに作曲家として大成した。1960年のテディ・ランダッツォのヴォーカル作品「JOURNEY TO LOVE」。テディ・ランダッツォはイタリア系なので完全にフランク・シナトラのクローン。

・TRAVELING MOOD
1973年のアルバム『IN THE RIGHT PLACE』に入ってる「TRAVELING MOOD」はもともとは1955年にウィ・ウィリー・ウィンが発表した作品のカヴァー。ウィ・ウィリー・ウィンのオリジナル・ヴァージョンは2011年のプレイリストでオンエアした記録が残ってるそうだ。

・今後の予定
来週8月26日は引き続き「『旅』で棚からひとつかみ」。毎年8月の最終二週間に竹内まりやさんをゲストに迎えて行ってる「納涼夫婦放談」は、スケジュールの都合で9月2日、9日にオンエア予定。まりやさん宛のリクエストやお便りを募集中。お便りを寄せたリスナーの中から抽選で25名に『FOR YOU』、『COME ALONG』、『COME ALONG 2』、『COME ALONG 3』、『BIG WAVE』、『MELODIES』のサイン入りポスターをプレゼント。各ポスターにサインをするのでどのポスターかは届いてからのお楽しみとのこと。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

・竹内まりや FAN MEETING
竹内まりやさんが今年の11月25日でデビュー40周年を迎える。そこではじめての試みとなるファン・ミーティングが11月16日(金)に大阪NHKホール、11月18日(日)は東京品川プリンス・ステラボールにて行われる。このファン・ミーティングに参加するには11月23日から期間限定公開される「souvenir the movie ~Mariya Takeuchi Theater Live~」のムビチケ・カードと10月17日発売予定のニュー・シングル両方の購入が必要になる。ムビチケ・カードに付属している応募券をシングルに封入されている応募ハガキに貼って応募すると、抽選で2500名にチケットが当選するとのこと。詳しい情報は竹内まりや40周年特設サイトにて。
https://www.mariya40th.com

・souvenir the movie ~Mariya Takeuchi Theater Live~
2000年のsouvenir LIVE、2010年のsouvenir again、2014年の久しぶりの全国ツアー、souvenir 2014のライヴの映像からチョイスして初映画化(ライヴ映像)。「souvenir the movie ~Mariya Takeuchi Theater Live~」は今年の11月23日から期間限定ロードーショー。

・ドゥー・ワップ・ナゲッツ
8月8日にワーナーから発売された「ドゥー・ワップ・ナゲッツ」VOL.1、VOL.2、VOL.3は売れ行きが好調で品切れしているそうだ。逐次補充するとのこと。
https://wmg.jp/feature/nuggets/doo-wop

・SENTIMENTAL JOURNEY
ドリス・デイがレス・ブラウン・オーケストラと一緒に歌っている1945年の「SENTIMENTAL JOURNEY」。森光子さんはこの歌が大好きだったという。戦後の米軍キャンプ回りで英語を覚えたとか。第二次世界大戦後、長い放浪の旅の末に我が家に帰るという内容でラヴ・ソングではない。「WHITE CHRISTMAS」と同じで兵士たちの望郷の念がヒットに繋がった感じだと達郎さん。

・TRAVELING RIVERSIDE BLUES
お次はブルース。ロバート・ジョンソンの1937年のレコーディングで「TRAVELING RIVERSIDE BLUES」。

・JOURNEY FROM EDEN
スティーヴ・ミラー・バンドの1972年のアルバム『RECALL THE BEGINNING...JOURNEY FROM EDEN』からタイトル・ソングの「JOURNEY FROM EDEN」。

・ライヴ録音
リスナーから「コンサートの最初から最後まで毎公演録音してるのでしょうか? 録音したものは全部聴いてチェックとかなさるのですか?」という質問。
P.A. OUTはすべて録音していて、全部聴いてチェックして、次の日に「あーせー、こーせー」という資料として聴くそうだ。途中で寝てしまうこともあるとか。あとはMCのタイミングが重要なので、そういうような細かいところはチェックしてやるという。P.A.のギターが大きいとかS.E.がちょっとアレだとかいうチェックするが、寝てしまうこともあり、あまり厳密ではないが録音は全部やっているそうだ。

・アカペラとドゥー・ワップの違いについて
リスナーから「アカペラとドゥー・ワップの違いがわかりません」というお便り。
アカペラは無伴奏のコーラスだが、達郎さんのアカペラは変態でひとり多重のアカペラ。本来は複数で楽器なしで演奏されることをアカペラという。ドゥー・ワップは1950年代のストリート・ミュージックから派生したリズム&ブルース。ストリート・ミュージックなので楽器を買う金銭的な余裕がないので、例えば地下鉄の階段とか、学校のロッカー・ルームなどでアカペラでコーラスをやって、ドゥー、ワップという言葉でロックンロールの時代なので、そういうふうにいったというもの。達郎さんの『ON THE STREET CORNER』はドゥー・ワップが主体だが全部ドゥー・ワップではなく、例えば「WHITE CHRISTMAS」なども入っている。リズム&ブルースのスタンダード「YOU MAKE ME BRANDNEW」とか「STAND BY ME」とかドゥー・ワップのジャンルに入らないものをアカペラでやるのを売りにしている。

・ONE NIGHT STAND
まりやさんの1984年のアルバム『VARIETY』から「ONE NIGHT STAND」。

2018年08月26日は、引き続き「『旅』で棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Sunday Song Book #1348

2018年08月12日 | Sunday Song Book

2018年08月12日プレイリスト
「ドゥー・ワップ・ナゲッツ 特集」
ON THE STREET CORNER 3 / 山下達郎 (CD)
1. DEDICATED TO THE ONE I LOVE / 山下達郎 "ON THE STREET CORNER 3" '99
2. DESERIE / THE CHARTS '57
3. I'M SPINNING / KRIPP JOHNSON '57
4. AT TIME LIKE THIS / THE ORIGINALS '61
5. I WANNA CHANCE / THE VOWS '62
6. YOU CAN'T EVEN BE MY FRIEND / THE ESCORTS '63
7. PLEASE BE MY LOVE TONIGHT / THE CHARADES '64
8. C'EST LA VIE / THE WRENS '56
9. TO MAKE A LONG STORY SHORT / EDDIE & THE STARLITES '58
10. PUPPY LOVE / LITTLE JIMMY & THE TOPS '60
11. CAN I COME OVER TONIGHT / THE VELOURS '60
12. TRUE TRUE LOVE / THE CORVAIRS '62
13. CONNIE ISLAND BABY / THE EXCELLENTS '56
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・近況
番組は前倒しで収録しているそうだ。今週から怒涛の北海道ツアーに突入。14日(火)と15日(水)はニトリ文化ホール。閉鎖が決まってるので達郎さんにとっては最後のニトリ文化ホール。18日(土)は昨年に続いて二度目の苫小牧市民会館。

・ドゥー・ワップ・ナゲッツ 特集
先週8月8日にワーナーから「ドゥー・ワップ・ナゲッツ」VOL.1、VOL.2、VOL.3が発売された。達郎さんのライヴで開演前にかかってる、業界用語で「客入れBGM」と呼んでるBGMは38年間ずっとドゥー・ワップ。昔はカセットだったからありもののLPをかけていたそうだが、21世紀に入るぐらいから達郎さんの個人的なオリジナル・シングルのコレクションをデジタル・リマスタリングしてかけているとか。2008年にライヴを再開して10年が経ち、延べ250曲くらいかけてきたが、昔からCD化の要望があって、ドゥーワップはインディーがほとんどなので、権利のクリア、誰が権利を持ってるかわからないことが多くて、なかなか踏み出せなかったそうだ。この度、ワーナーの、達郎さんの友だちの宮治淳一さんが「客入れBGM」のCD-Rを聴いてハマってしまい許諾を取ることになったという。250曲くらいあった中で50数曲許諾が降りてCD化することになった。VOL.1、VOL.2は「客入れBGM」から、VOL.3は達郎さんの『ON THE STREET CORNER』に収録しているカヴァー・ソングのオリジナル・ヴァージョンの中から、全曲クリアできなかったので、クリアできたものを全部入れた全22曲。詳しくはワーナーの特設サイトにて。
https://wmg.jp/feature/nuggets/doo-wop

マスターライツがわからないので現在流通しているドゥー・ワップもののCDはほとんどがブート。マスターライツを調査しても法外なギャランティや、どういう訳かわからないが出さないという理由不明がたくさんあり、血と涙と汗の結晶が今回の50数曲になる。その中から厳選して『DOO WOP NUGGETS VOL.1』と『DOO WOP NUGGETS VOL.2』からピックアップ。

・DEDICATED TO THE ONE I LOVE
1999年の『ON THE STREET CORNER 3』に収録された「DEDICATED TO THE ONE I LOVE」。もともとはファイヴ・ロイヤルズの作品で、それをシュレルズがカヴァーして、さらにママス&パパスがカヴァー、それをまた達郎さんがカヴァーするという重層的な構造になっている。ファイヴ・ロイヤルズ、シュレルズ、ママス&パパスのアレンジのいいとこ取りをしたと達郎さん。

・DESERIE
ニューヨークの黒人ヴォーカル・グループ、ザ・チャーツの1957年の全米88位「DESERIE」。当時は黒人のR&Bがチャートに入ることすら珍しかったので88位でもヒットといえるとか。達郎さんの生涯のドゥー・ワップのベスト・ソングのひとつ。『DOO WOP NUGGETS VOL.1』のタイトル・ソング。

・ I'M SPINNING
歌っているのはクリップ・ジョンソン。デルヴァイキングスのリード・ヴォーカルで名義はクリップ・ジョンソンになってるが実質的にはデルヴァイキングスの1957年の「 I'M SPINNING」。

ドゥー・ワップにはふたつの側面があり、最初は1940年代終わりから1950年代にかけてのリズム&ブルース。ハーレムでのストリート・ミュージックから派生した。それが1960年代になって白人の子どもたちがそれを真似しだして、ホワイト・ドゥー・ワップという運動になった。そのふたつがあり、ひじょうに広範に渡っているのでドゥー・ワップの定義はロックと同じ感じでなかなか広いのだという。

・AT TIME LIKE THIS
ジ・オリジナルズは同名のグループがたくさんある。こちらのオリジナルズはニューヨークのグループで1961年の「AT TIME LIKE THIS」。

「ドゥー・アップ」という言葉は造語で、それは「ロックンロール」と同じ。だから「ドゥー・ワップ」と呼べばそれはドゥー・ワップになってしまう。むかしはプラターズをドゥー・ワップと言わずカタログに入れてもらえなかったが、今は立派なドゥー・ワップ・ミュージックとして知られている。それが世の中の趨勢というもの。

・I WANNA CHANCE
これまでかけてきたのはイースト・コーストのドゥー・ワップ・グループだったが、ザ・バウズはウエスト・コースト、もしくは中西部だと考えられる。1962年の達郎さんの大好きな作品で「I WANNA CHANCE」。

今回のDOO WOP NUGGETSは鈴木啓志(すずきひろし)さんが入魂のライナー・ノーツを書いている。

・YOU CAN'T EVEN BE MY FRIEND
エスコーツは達郎さん世代だとニュー・ジャージーのR&Bグループとして知られているが、今回のDOO WOP NUGGETSに収録されているのは同名異グループ。1963年の「YOU CAN'T EVEN BE MY FRIEND」。達郎さんは白人だと思っていたそうだが、鈴木啓志さんのライナーによると黒人の可能性もあるとか。'60年代初期のホワイト・ドゥー・ワップのにおいがする、その筋では人気の高い曲。プロデュースド・バイ・アル・シュミット、アレンジはジャック・ニッチェ。

・PLEASE BE MY LOVE TONIGHT
シャレーズも同名のグループがたくさんあるけれどウエスト・コーストのグループ。1964年の素晴らしい一作「PLEASE BE MY LOVE TONIGHT」。1964年だとドゥー・ワップも下火になっていたが最後の輝き。
ここまですべて『DOO WOP NUGGETS VOL.1』からの選曲。後半は『DOO WOP NUGGETS VOL.2』から。

・今後の予定
北海道ツアーが長くて東京に帰ってこられないので、毎年8月最後の二週間にやっているプログラム「納涼夫婦放談」は9月に順延。録音の関係なのだそうだ。来週は北海道で番組を収録することになっており、「旅」に関する歌の棚つか、「『旅』で棚からひとつかみ」の予定。

・C'EST LA VIE
後半は『DOO WOP NUGGETS VOL.2』から。レンズはニューヨークのドゥー・ワップ・グループ。'50年代中期のひじょうにうまいグループ。1956年の「C'EST LA VIE」。

'50年代中期のドゥー・ワップをもっと入れたかったが許諾が取れなかったという。

・TO MAKE A LONG STORY SHORT
エディ&ザ・スターライツの1958年の「TO MAKE A LONG STORY SHORT」。彼らもイースト・コーストのグループ。

・PUPPY LOVE
次はキッズ・グループ。リトル・ジミー&ザ・トップスを達郎さんはフィラデルフィアのグループだと思っていたそうだが、鈴木啓志さんのライナー・ノーツによるとニューヨークのグループで、フィラデルフィアからリリースされてるとのこと。1960年の「PUPPY LOVE」。作曲はロニー・マック。

・CAN I COME OVER TONIGHT
ザ・ベロアーズもニューヨークのグループ。ベースの人が達郎さんの好み。1960年、全米83位の「CAN I COME OVER TONIGHT」。後にファンタスティックスと名前を変えて1972年にヒットが出るとか。

・TRUE TRUE LOVE
やはりベースがいい曲。今度はアップ・テンポ。ザ・コルベアーズの1962年の「TRUE TRUE LOVE」。
曲をかけ終えて。「マーセルズの影響がありますかね」と達郎さん。

・メジャー・コード
中2のリスナーから「どうして達郎さんの歌のギターのコードはメジャーが多いのですか? 教えてください」という質問。
「どうしてメジャーが多いのか(笑)。哀しいコード嫌いなんです。(ギターを鳴らして)こういうの駄目なんです。(再びギターでコードを弾いて)こうですね。ドゥー・ワップというのは循環コードと言いまして(ギターで循環コードを弾く)こういうのですね。これで明日の朝までやっててもずっと続くのを循環コードっていうんですがね。これをじぶんの曲だともっとモダンに。今はモダンなんて言いませんけど、もっとおしゃれに。(ギターでまた循環コードを弾く)こんなような感じですね。こうすると明るいな、楽しいな、幸せだなとそういうふうになりますので。死んでも(哀しげな循環コードを弾く)こういうのは絶対使いません。おわかりいただけましたでしょうか」と達郎さん。

他にも入れたい曲があったけれど許諾が取れなかったり、なしのつぶてだったり、法外なギャランティ、その他で割愛したという。仮に許諾が取れたとしても当時の音源が残ってないので、結局は板起こし、アナログから起こした音を送ってくるのが関の山。だったら達郎さんが所有しているオリジナル・シングルからデジタル・プロセッシングしたほうが音がいいのだという。

・CONNIE ISLAND BABY
ザ・エクセレンツはブロンクスのホワイト・ドゥー・ワップ・グループ。「CONNIE ISLAND BABY」は1962年の全米51位で、今回のDOO WOP NUGGETSの収録曲の中ではいちばんチャート・アクションがいい。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2018年08月19日は、「『旅』で棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Sunday Song Book #1347

2018年08月05日 | Sunday Song Book

2018年08月05日プレイリスト
「山下達郎の夏の歌」
1. ミライのテーマ / 山下達郎 07月11日発売 ニュー・シングル
2. THE THEME FROM BIG WAVE / 山下達郎 '84
3. LOVELAND,ISLAND / 山下達郎 '82
4. 踊ろよ、フィッシュ / 山下達郎 '87
5. 高気圧ガール / 山下達郎 '83
6. CHEER UP! THE SUMMER / 山下達郎 '16
7. MAGIC WAYS / 山下達郎 "BIG WAVE" '84
8. 僕らの夏の夢 / 山下達郎 '09
9. 夏の陽 (Live) / 山下達郎 "99/02/11 大阪フェスティバルホール"
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・近況
「8月最初の日曜日でございますが。全国的な猛暑、凄いことになっておりますが。全国的というよりは全世界的な猛暑のようですねぇ。ドイツも40度とか韓国もなんか史上最高とか、そういうような情報が入ってきてますが。大変でございます。みなさま、熱中症その他、くれぐれも気をつけて、水分こまめに補給して健康にお気をつけください」と達郎さん。
ツアーは順調にスケジュールを消化していて3分の1が終わったそうだ。7月の下旬から先週にかけての神戸、大阪の4公演は台風が迫っていたが、ちょうど公演の間にすり抜け、「今年はもう幸運に恵まれておりまして順調にお陰さまでこなしております」と達郎さん。今週は8月6日(月)が長野のホクト文化ホール大ホール、8月11日(土)は北海道のRISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO。そのまま札幌、苫小牧、北見と北海道に長逗留。また台風が来ているのでどうなるかというところだが、「でも今年はついてるので大丈夫だとじぶんでは思っております」と達郎さん。

・RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO
8月10日と11日に北海道で開催されるRISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO。達郎さんは8月11日(土・祝日)に出演。4年ぶり3回目。前回は2014年、その前は2010年。今年はSUN STAGEにて18時10分スタート。イベントの詳細など詳しくはRISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZOのオフィシャル・サイトにて。
http://rsr.wess.co.jp/2018/

・山下達郎の夏の歌
今週は聴取率週間。とにかく暑いので涼しいプログラムがいいと思ったそうだ。達郎さんは35,6年前は夏男として知られていて"夏だ! 海だ! 達郎だ!"と言われていた時代があり、実際にたくさん夏の歌を作ってきたので、今週は「山下達郎の夏の歌」で涼んでいただこうという企画。

・ミライのテーマ
7月11日発売のニュー・シングル「ミライのテーマ / うたのきしゃ」からオープニング・テーマの「ミライのテーマ」。

・夏のツアーを乗り切るための食事
リスナーから「夏をまたぐツアーを乗り切るために食事面でなにか意識されてることはありますか?」という質問。
「がっつり食わなきゃ駄目ですね。だからちょっと体重が増えるのが心配ですけれども、それでも背に腹は代えられません」と達郎さん。

・THE THEME FROM BIG WAVE
1984年の映画のサウンドトラックのテーマ・ソングで「THE THEME FROM BIG WAVE」。

・LOVELAND, ISLAND
1982年のアルバム『FOR YOU』から「LOVELAND, ISLAND」。正確にいえば1981年の作品でリリースが1982年になる。

・サブスクリプション音楽サービス
リスナーから「達郎さんはSpotifyやApple Musicなどのサブスクリプション音楽サービスをお使いになられてますか?」という質問。
「もちろん使ってますよ、それは。だってたくさん聴けますもんね(笑)。時代の趨勢にはかないませんから。今の人たちは本当にそういうもので無尽蔵に聴けますから。でもあんまりこう逆に無尽蔵に聴けるので選択肢がありすぎて迷うとか、そういうこともあるでしょうが。まぁ活用してください」と達郎さん。

・.踊ろよ、フィッシュ
1987年のシングルで「.踊ろよ、フィッシュ」。

・ウォーキング
リスナーから「この暑い中でウォーキングするのに何か工夫されてることはありますか?」という質問。
「わたしゃ、こんな暑いとき昼間はウォーキングしません(笑)。夜です夜」と達郎さん。

・「うたのきしゃ」の汽笛のSEは何系の汽車?
リスナーから「[うたのきしゃ]で汽笛のSEが使われてますがこれは何系の汽車ですか?」という質問。
アメリカのSEの音源だからアメリカの汽車だそうだ。

・高気圧ガール
1983年のシングルで「高気圧ガール」。達郎さんがちょうど30歳のときなんだとか。

・CHEER UP! THE SUMMER
2016年のシングル「CHEER UP! THE SUMMER」。

・MAGIC WAYS
1984年のアルバム『BIG WAVE』から「MAGIC WAYS」。

・ドゥーワップ・ナゲッツ
達郎さんのライヴで開演前にかかってる、業界用語で「客入れBGM」と呼んでるBGMは38年間ずっとドゥーワップ。昔はカセットだったからありもののLPをかけていたそうだが、21世紀に入るぐらいから達郎さんの個人的なオリジナル・シングルのコレクションをデジタル・リマスタリングしてかけているとか。2008年にライヴを再開して10年が経ち、延べ250曲くらいかけてきたが、昔からCD化の要望があって、ドゥーワップはインディーがほとんどなので、権利のクリア、誰が権利を持ってるかわからないことが多くて、なかなか踏み出せなかったそうだ。この度、ワーナーの、達郎さんの友だちの宮治淳一さんが「客入れBGM」のCD-Rを聴いてハマってしまい許諾を取ることになったという。250曲くらいあった中で50数曲許諾が降りてCD化することになった。今週、8月8日にワーナーから「ドゥーワップ・ナゲッツ」VOL.1、VOL.2、VOL.3が発売され、VOL.1、VOL.2は「客入れBGM」から、VOL.3は達郎さんの『ON THE STREET CORNER』に収録しているカヴァー・ソングのオリジナル・ヴァージョンの中から、全曲クリアできなかったので、クリアできたものを全部入れた全22曲。詳しくはワーナーの特設サイトにて。
https://wmg.jp/feature/nuggets/doo-wop

・今後の予定
来週12日は「ドゥーワップ・ナゲッツ」VOL.1、VOL.2、VOL.3の特集。

・僕らの夏の夢
「山下達郎の夏の歌」後半はスロー・ダウンして「僕らの夏の夢」。2009年の映画『サマーウォーズ』のテーマ・ソング。

・PERFORMANCE 2018
10月3日の大阪フェスティバルホールから11月8日の福岡サンパレスまでのチケット一般発売が7月28日からはじまっている。受付の締切は8月5日午後6時まで。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・イヤモニ
リスナーから「達郎さん、ライヴのときイヤモニしてますか? オーダーメイドで作るそうですが、どんな感じなんですか?」という質問。
達郎さんはイヤモニを使わないそうだ。いわゆる「転がし」といわれるフット・モニターを使ってるとか。一回オーダーメイドで作ったことがあり、リハーサルでそのイヤモニをしながら一曲歌ってみたら、バンドのメンバー全員が変な顔をしたという。「どうたしの?」と訊いたら「歌が違う」と言われて即やめたそうだ。「メンバーの耳はひじょうに鋭い。で使わなくてよかったなと思うのはお客さんの声が聞こえないんですよね。ですのでそういうところで即応性がないので、私はそれこそ40何年ずっと転がしでやってますからね(笑)。困りませんので」と達郎さん。

・夏の陽(LIVE)
1999年2月11日、大阪フェスティバルホールのライヴから「夏の陽」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2018年08月12日は、「ドゥー・ワップ・ナゲッツ 特集」
http://www.tatsuro.co.jp
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする