Super J-Hits Radio

2007年06月25日 | 佐野元春 Radio Days

Super J-Hits Radio
2007年6月24日(日) FM802 19:00-22:00
DJ:加藤美樹
GUEST:佐野元春

Playlist
君が気高い孤独なら
折れた翼
黄金色の天使
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■内容の一部を抜粋
・米
かとみき「雨はお好きですか?」
元春「雨はね、小さい頃は嫌だったんですけれども、大人になってから嫌じゃなくなりました」
かとみき「それはなぜ?」
元春「やっぱり、この雨で日本のお米ができてるんだなぁと思うと、文句言ってられないなって感じです」
かとみき「うふふふ。大切ですよね~。お米、お好きなんですか?」
元春「米は好きですよ。ええ。力つけようって時には米に頼りますね」
かとみき「うん。佐野さんがお食事をなさる姿をあまり拝見したことがないので(笑)...」
元春「あははは。ちゃんと食べてます(笑)」
かとみき「ちなみに何が今、お好きですか?」
元春「そうですね。米繋がりでいうと、ホント、単純なんですけれど、おにぎりはいつでもいただきたいですね」
かとみき「おいしいですよね~」
元春「はい」

・山下久美子、マンハッタン、掃除機
先月、番組の「Super J-Hits Selection」というコーナーに山下久美子が出演した。アーティストたち自身の心に色褪せることなく響き続けている「Super J-Hits」を選曲してもらうというコーナーだが、山下久美子が選曲したのは佐野元春の「SOMEDAY」だった(記事をアップしています)。
かとみき「[80年代を越えてきた仲間、この曲を聴くとあの時を思い出す]なんていうメッセージをくれたんですけれども」
元春「うれしいですよね」
かとみき「なんかニューヨークの道端でばったり会ったことも...」
元春「そうですね。'83年、'84年くらいの話だったと思います。彼女も、レコーディングか観光か忘れましたけれども、マンハッタンに来ていて、僕は向こうに住んでましたからね、で偶然会って、お茶飲んだりしました」
かとみき「ほうー」
元春「東京でもあんまり会わないのに、なんでニューヨークで会うかなって感じだよね」
かとみき「うふふふ。その頃のニューヨークっていうのもいろいろと思い出があるかと思いますけれども」
元春「まぁ、とにかく僕は、24歳、25歳ぐらいの時でしょ。ものすごく多感な頃にあの街の文化に触れ、何よりもびっくりしたのが、今に続くヒップホップ、ラップのその最初のアート運動というかね、あの時代にあった。だからファー・イーストから来た僕なんかも、そのヒップホップ、ラップの運動の中に巻き込まれるようなかっこうでね、スペインから来た友達、またヨーロッパから来た友達、同じ東アジアから来た友達がみんなマンハッタンに集まって、それぞれの言葉でラップ音楽を作りはじめて、で友達なんかは[モトは日本人なんだから日本語でラップやってみろよ。まだ誰も世界中でやってないから、モトがやれば世界でいちばん最初だぜ]なんて言われてね、[確かにそうだな]と思って、それで作ったのがアルバム『VISITORS』ですね」
かとみき「『VISITORS』、[Complication Shakedown]。あれが日本ではじめてヒップホップ、ラップを取り入れた作品になったわけですけれどもね。で、日本で誰より早くプロモーション・ビデオを作ったり、あとはアーティスト・ホームページを立ち上げたり、最近ではもう当たり前になってきましたけれど、iTunesへの曲配信への試みもいち早く取り組んでらっしゃる。それが佐野元春さんなんですけれど...」
元春「新しいものを求めているわけではないんですけれども、自然と[なんかやりたいな]と思うと、そこに新しいものが待ってるという感じですね」
かとみき「日常生活はどうですか? なんか今、いちばーん興味があるものとか、欲しい電化製品とか...」
元春「日常のこと、よく聞かれるんですけれどもね、ホントに僕は何も考えてないです、日常は。電化製品もこの前、掃除機を買ったばかりですしね」
かとみき「それ、最新式の掃除機ですか?」
元春「はい。あの、吸引力抜群のを買いました」
かとみき「はぁ、けっこう音ウルサイですよね(笑)」
元春「ウルサイですね(笑)。よく知ってますね」
かとみき「ウチも使っておりますけれども。ご自身でかけられるわけではないですもんね」
元春「いや、僕は掃除します。自分のアトリエというかスタジオもありますから、そこはキレイにしておかないとダメだということでよく掃除します」
かとみき「ふうん。お料理は?」
元春「料理はホントにたまにしますね。めちゃくちゃ料理を作ります」
かとみき「なんかお料理をすることと、アレンジをすることっていうのは似ているって仰る方がいらっしゃいますけどね」
元春「それも表現ですからね。どっかで繋がってると思います」
かとみき「おにぎりがいいかなって感じですね」
元春「はい」

・君が気高い孤独なら
かとみき「6月13日にリリースされた『COYOTE』から[君が気高い孤独なら Sweet Soul Blue Beat]をお送りいたしました。とっても美しい曲ですよね。
元春「ありがとうございます」
かとみき「力強くも、優雅で。この[気高い]という言葉はね、[品格がある]とか[上品]、[高貴である]ということですけれど、この言葉がけっこう最近使われなくなってるなって思うんですよね」
元春「あぁ、そうかもしれないね。ふん。やっぱり若ければ若いほど魂は気高く持っていていいし、若い時こそ気高くあるべきだと僕は思うんだよね。だからこの曲もコヨーテと呼ばれる男が道行き、ある若い男と会った。で、その若い男の瞳の奥を見てみると自分と同じ孤独を抱えている若い男だと気づく。で、コヨーテ男はその若い男がこれから旅に出ることも知ってる。その旅の先にはどしゃ降りが待ってることも知ってる。で、コヨーテ男はその若い男にこれから旅立つ前に、[ちょっと1曲、君に聴いてもらいたい曲があるんだよ]なんて、そういう歌ですね」
かとみき「今の話を聞くとこのジャケットがわかるなと思うんですが。コヨーテ男がテーブルについて、佐野さんはちょっと離れたところで遠くを見ている。その遠くを見ている佐野さんをコヨーテが見つめている。正にこれは象徴したジャケットですね」
元春「アルバム・アート・ワーク、今回とても評判がいいです」
かとみき「すごいかっこいいですけどね」
元春「うん。ありがとう」

・バンド
深沼元昭、高桑圭、小松シゲル、そして佐野元春。元春は自分が何者であるかは説明しないでもいいので楽だったが、たまには「ピシッとしたところを見せなきゃな」という気持ちがどこかにあり、「オレのこと、ちゃんと見てろよ」という気持ちがあったと話す。でも、実際スタジオに入ってクリエイティブな時間になると、4人のやんちゃ坊主という感じだったそうだ。
かとみき「なんか音にすごく楽しいのが現れてるのと同時に、その中で歌う佐野さんもいつも以上に自由に歌われてる感じがしました。楽しかったですか?」
元春「楽しかったです。僕は僕の音楽の聴き手のみんなに曲を書いて喜んでもらうわけだけれども、その前に一緒にやるバンドの連中たちに、僕が書いた曲を喜んで聴いてほしいんだよね。で、喜んで聴いてくれると、いい演奏がその先に出てくるから。だから彼らの世代はどんなことを考えているんだろう、彼らの喜びは何だろう、彼らの怒りは何だろう、悲しみは何だろうということを少ーし心に思いながら今回曲を書きました」
かとみき「音がストレートで、そして言葉がすごく深いメッセージがあると感じたんですけれどね」
元春「僕自身も前作『THE SUN』、これを越えて全く自分の中から新しい何かが出てきたなと思ってます」

・折れた翼
かとみき「最後の"リボン"というのが響きますね」
元春「はい。"Live On"ですね。あの女の子がつけるリボンじゃなくてね、"Live On"-生き続けるということですね」
かとみき「曲の最中にお話して下さったんですけど、なんか若手のメンバーは...」
元春「男の子たちねぇ、これ聴いて泣いてましたね。なんだか、うーん...」
かとみき「歌の力がね...」
元春「うーん、どうなんだろうね。なんかあったのかな(笑)」
かとみき「うふふふ。でも心にものすごく響く歌だし、曲だなと感じます」
元春「ありがとうございます」
かとみき「佐野さんは曲ができた時点でタイトルはもう大体できてるんですか?」
元春「今回はね、これは全部後でつけました。今回、作品の統一性というのかな、出したかったので、曲ができた後、全部つけなおしました」
かとみき「仮タイトルとかは?」
元春「仮タイトルとかはついてるけど、全然曲とは関係ないタイトルがついてることがありますね」
かとみき「えっ、変なのあったりします?(笑)」
元春「変なのあったりします(笑)。そうね、[グラスノスチ]だとか」
かとみき「えっ、グラノ、えっ?」
元春「[グラスノスチ]とかね(笑)」
かとみき「それはどういう意味?」
元春「たまたまニュースでながれたりすると、それを仮題にしちゃうことがあって。で、後で整理する時に[何だっけ、このグラスノスチっていう曲は]って自分でわかんなくなります」
かとみき「[グラスノスチ]ってもの自体が、わたしわからないので(笑)」
元春「そうだよね(笑)。いいんです。忘れてください」
かとみき「ふふふ。後で調べてみます」

・今後の予定
かとみき「夏はどうされるんですか?」
元春「夏はね、この秋から僕は母校の立教大学で講座に立つことになるので、その前準備をしないといけないですね。ある時、立教大学の文学部の教授が僕のところに手紙を寄越してきて、[言葉と音楽]いうことをテーマに立大生に教えてほしいって、なんか講座を持ってほしいって。僕もポップ・アルバムとは別に、自分でいうところの[スポークンワーズ]なんていった、いってみれば詩の朗読、まぁ、詩の朗読とも違うんですけれどもね、言葉の音楽化ということを、'80年代『Electric Garden』以降ずっとやってる。僕もそろそろ自分の考えをまとめたいなと思っていたので引き受けました」
かとみき「ほう~。それ一般の方も参加できるのかしら?」
元春「ううん。立教の大学生だけ」
かとみき「くやしい。それがまた何か形になることを望みますけれどもね」
元春「何か考えます」

・札幌市民会館最後の日
かとみきちゃんは1月31日に行われた「札幌市民会館最後の日」のライヴを聴きに行ったそうだ。その後、様々なアーティストから「佐野さんとステージに立った」、「佐野さんとコンビニに行った」(笑)というすごい喜びの声を聞いたそうだ。
かとみき「CHARAとかCHABO(仲井戸"CHABO"麗市)さんもね、コンビニ、行らしたそうですね、ライヴの後」
元春「ははは。そうそう、コンビニ行った。僕はアイスクリーム買いましたけれどもね」
かとみき「アイスクリームを? CHARAが[アイスクリームのケースにすーっと行かれました]って。ふふふ。みんなちゃんと見てましたよ」
元春「ホントにね、CHARAも世代でいうと妹の世代ですからね。うん、もーよく見られちゃうんですよね。しっかりしないとね」
かとみき「うふふ。CHABOさんはね、[佐野くんはコンビニなんて行かないかと思ったんだけれども、行ってくれてうれしかったー]って仰ってましたけれど」
元春「ふふふ。楽しかったですよ、あの夜はね。あんなメンツが集まるなんてことは東京ではあり得ないでしょ?」
かとみき「そうですね。ライヴとしては山崎まさよしさん、奥田民生さん、LEYONA、CHARA、それから土屋公平さん、CHABOさん、そして清志郎さんもいましたよね。清志郎さんとステージで抱き合う姿はちょっと涙だったんですけれどね。で、清志郎さんとコンビニにも行かれた(笑)」
元春「行きました(笑)。ふふふ」
かとみき「コンビニの店員は一体どんな感じだったんでしょうね」
元春「あぁ、わかんない」
かとみき「びっくりしたと思いますけどね。そんな楽しいお話も様々なアーティストから聞きました。またいろんな方ともね、共演なさるのも楽しみにしてます」

・思春期
昨年12月にリリースされた『The Essetial Cafe Bohemia』では1986年当時の自分を振り返り「気取っていて落ち着きのない見栄っ張りの若い東洋人だ]と言ってる。
かとみき「ご自身で仰ってたんですけれど」
元春「当時29歳。僕はニューヨーク、ロンドンにいましたからね。その時の映像を後になって見て[あぁ、ずいぶん気取った奴だな]と思いました」
かとみき「2007年、気取ったり見栄を張ったりは、もうないんでしょうね」
元春「いや、そんなことはないと思うよ。男はね、何度でも思春期が来るからね、うん、ビシッと気取っていたい自分もいますね」
かとみき「はぁ、それは必要なことなんですね」
元春「そうです」

コメント (2)
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