Sunday Song Book #1094

2013年09月30日 | Sunday Song Book

2013年09月29日プレイリスト
「棚からひとつかみ」
1. 光と君へのレクイエム / 山下達郎 10月09日発売ニューシングル
2. STOP BY AND LOVE ME SOMETIME / Z.Z.HILL "LET'S MAKE A DEAL" '78
3. PORTRAIT OF MY LOVE / THE TOKENS '67
4. I JUST CAN'T HELP BELIEVING / B.J.THOMAS "THE LIVING ROOM SESSIONS" '13
5. LOVE AIN'T GONNA RUN ME AWAY / LUTHER INGRAM '73
6. BLACK COFFEE / IKE & TINA TURNER "FEEL GOOD" '73
7. LOVING TOUCH / QUINCY PATRICK '89
8. コンポジション / 山下達郎 10月09日発売ニューシングル
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■内容の一部を抜粋
・近況
全国ツアー「PERFORMANCE 2013」のため番組は前倒しで収録している。今週は先週と同じ日に収録、二本録りしたとか。28日(土)、29日(日)は大阪フェスティバルホール。今週は10月3日(木)が長崎、4日(金)が佐賀。10月になれば直近で収録できるので来週の放送日の6日は長崎、佐賀公演について喋れるそうだ。ツアー中なので自分の仕事は嫌だと断ってるがまりやさんの仕事が入ってきているという。声を出さない、アレンジメントだけなのだが、それでもパッツンパッツンで、東京とツアー先の行ったり来たりの生活だとか。

・PERFORMANCE 2013
8月27日(火)、埼玉県戸田市文化会館を皮切りに12月24日(火)、クリスマスイブの中野サンプラザまで全国26都市49公演のホール・ツアー。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・棚からひとつかみ
そんなわけで、ライヴが終わると東京に帰ってレコーディングなので、今週も日本の放送ではかからない、番組でもあんまりかけてないものの中から選んで「棚からひとつかみ」。

・光と君へのレクイエム
10月9日発売のシングル「光と君へのレクイエム」。10月12日公開の映画『陽だまりの彼女』の主題歌。主演は上野樹里さん、松本潤さん。監督は『ソラニン』や『僕等がいた』の三木孝浩さん。
http://hidamari-movie.com

「光と君へのレクイエム」は達郎さんが全ての楽器を演奏している。言ってみればヒップホップ版のサーフィン・ホットロッドみたいな曲。ピアノなども自分で弾いて割とインディーな感じを目指したとか。

・STOP BY AND LOVE ME SOMETIME
達郎さんの好きなシンガー、ジー・ジー・ヒル。どちらかというとサザン・ソウル系でディープなナンバーに味わいがある。早くに亡くなったとか。1978年のアルバム『LET'S MAKE A DEAL』に入ってるフレデリック・ナイトのワンコード・ミュージックで「STOP BY AND LOVE ME SOMETIME」。

・PORTRAIT OF MY LOVE
ザ・トーケンズの「PORTRAIT OF MY LOVE」。フランキー・ヴァリ、フォー・シーズンズも大事だがトーケンズもドゥーワップ時代からニューヨーク・シーンの重要なヴォーカル・グループ。プロデューサーとしても優秀でハプニングス、その他いろんなグループを手掛けた。ワーナーに移籍して1967年にヒットしたのが「PORTRAIT OF MY LOVE」。1967年の全米36位。
「マスター・オブ・ベスト・コレクション1000」の1枚として9月4日発売されている。「マスター・オブ・ベスト・コレクション1000」は日本独自の企画で全て2013年デジタル・リマスター。

・I JUST CAN'T HELP BELIEVING
B.J.トーマスが今年出したセルフカヴァー・アルバム『THE LIVING ROOM SESSIONS』から「I JUST CAN'T HELP BELIEVING」。声がとてもよくて、今年71歳になるそうだが全然変わっておらず、自分のヒット曲をいろんな人とデュエットしている企画アルバム。1970年のヒット曲「I JUST CAN'T HELP BELIEVING」をヴィンス・ギルとやっている。ナッシュビル・レコーディング。

・LOVE AIN'T GONNA RUN ME AWAY
ルーサー・イングラムの「LOVE AIN'T GONNA RUN ME AWAY」。1973年、全米ソウル・チャート23位。

・Mariya's Songbook
竹内まりやさんは11月25日にデビュー35周年を迎える。アニバーサリー・イヤーの記念企画盤『Mariya's Songbook』が発売される。まりやさん自身が選曲、監修、楽曲解説で、これまでいろいろな人に提供してきた楽曲のコンピレーション。ソングライター、竹内まりやの企画盤。代表的なものはアン・ルイスさんの「リンダ」、河合奈保子さんの「けんかをやめて」、中森明菜さんの「駅」、中山美穂さんの「色・ホワイトブレンド」、牧瀬里穂さんの「Miracle Love」、薬師丸ひろ子さんの「元気を出して」、広末涼子さんの「MajiでKoiする5秒前」など錚々たるラインナップ。2枚組仕様で初回盤にはボーナス・ディスクとして本人のデモ音源、達郎さんがホーム・レコーディングしたデモテープからセレクトして収録。12月上旬の発売予定。詳しくはまりやさんのスペシャル・サイトにて。
http://wmg.jp/mariya/

・邦画ベスト3
リスナーからの質問で「達郎さんのお気に入りの邦画ベスト3を教えてください」。
達郎さんの「人生この一本」は戦前の作品で昭和12年の山本貞夫の『人情紙風船』という映画。ベスト3だとそれに伊藤大輔さんの『大江戸五人男』、'80年代の『竜二』、川島透監督だが実際は主演してシナリオを書いた金子正次さんの実質的な映画。あとは小津安二郎の『麦秋』だとか。

・BLACK COFFEE
ここ数年、アイク & ティナ・ターナーの作品がリマスターされてCDで再発されている。達郎さんはそれをこつこつと集めてるうちに、いかにティナ・ターナーがすごいかということを思い知らされるどころではないので、コンプリート・コレクションしようと思ってアナログ盤まで手を出しているらしい。1972年のアルバム『FEEL GOOD』に入ってる「BLACK COFFEE」は、のちにハンブルパイがカヴァーして有名になった曲のオリジナル。

・LOVING TOUCH
ニュージャージーのクインシー・パトリックは黒人ヴォーカルのシンガー。1989年の作品で「LOVING TOUCH」。プロデューサーはポール・カイザー。ヒットしなかったが日本では大変人気のある曲。'90年前後のマシーン・ミュージックにスイート・ソウルといういかにもインディーな音。

・マツモトキヨシのCM
9月15日の放送でリスナーからマツモトキヨシのCMでかかってるスイート・ソウルの曲について質問があった。イギリスの黒人アーティスト、マイケル・デュークがCMのために作った作品だということが判明したそうだ。マイケル・デュークは『スリラーライブ』でマイケル・ジャクソン役をやった人だとか。

・眠れない
リスナーから「8月の中旬から夜、眠れなくなり悩んでいたが、達郎さんのライヴに行った日から少しずつ眠れるようになった」というお便り。
無理して寝ないで疲れたら寝るようにしたらどうか、長い人生だからそういうときもあるので、あまり深刻に考えないほうがいい、と達郎さん。達郎さんも一頃眠れないときがあったそうだ。そういうときは高をくくって朝のニュースを見て眠くなったら寝るようにしたという。

・コンポジション
NHKドラマ10「第二楽章」の主題歌「コンポジション」。10月9日発売のシングル「光と君へのレクイエム」のカップリング曲。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

10月06日は、レギュラープログラム「棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
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あまちゃん最終回と三条ダマシンと海文堂書店と大坊珈琲店

2013年09月28日 | 神戸、兵庫

今日はNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の最終回でしたね。
三部構成のいちばん最後震災復興編は
現実感が乏しくもどかしいものがありました。
けれども、最後のアキの台詞

「明日も明後日も・・・来年もある。
 今はここまでだけど。来年はこっから先に行けるんだ」

そしてラストの
暗いトンネルを突き抜けるアキとユイの場面にはグッと来るものがありました。

このまえの連休は京都と神戸で過ごしました。
京都ではまだ台風18号の爪痕が残っており、
鴨川の河川敷は一部通行止めになっておりました。

先月、夏休みにも京都に行っていて、
河原町筋を歩いていましたら、
坂本龍馬・中岡慎太郎遭難の地で知られる近江屋の跡地ですが、
リニューアル工事のようなことが行われていました。



僕が知ってるだけでも旅行代理店、コンビニと変遷しましたが、
次に前を通りかかるときは何ができてるのでしょうか。

2010年の春。



三条通の三条ダマシンのことは以前にも書いたことがあります。
もともとは旧家辺徳時計店(やべとくとけいてん)といって
三条通のレトロ建築の中でも異彩を放つ赤煉瓦建築。
1890年(明治23年)に建てられた京都最古の民間建築。
ここもしばらく前からこのような状態。



向かいのポールスミスが入ってくれたらいいのになぁ。

神戸にはまたライヴを観に行ってたのですが、
連休中でしたのでのんびりと開演まで過ごしました。
元町商店街の海文堂書店が今月末で閉店するそうです。
何年かぶりに立ち寄りました。



広い店内をゆっくりと見て回り、
帰りにヘミングウェイの「日はまた昇る」の文庫本を購入しました。

最後になりましたが東京青山通りの大坊珈琲店が閉店するそうです。
http://cafe-mania.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-8944.html

最後に訪れたのは今年の春。一階はコインロッカーになっていました。
大坊さんにブレンドの2番を淹れてもらって飲みました。
次の予定が迫っていたので5分くらいしかいられなかった。
年内はもう東京に行く予定がないので、たぶん最後ですね。

大切な場所が消えてゆくのは寂しい。
僕らが何かできることがあるとすれば
できる限り足を運んでよい時間を過ごすことだけなんでしょうか...
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高橋幸宏 with In Phase Live Tour 2013 @ なんばhatch

2013年09月25日 | Live

9月16日は台風18号による豪雨で京都や滋賀はたいへんな災害に見舞われました。
大阪市でも朝から緊急災害速報が携帯電話に何回も入りました。
雨は昼前には止み、天候は回復しましたが、交通は混乱したまま。

そんな大変な災害の中でしたが、
夜に高橋幸宏のライヴを聴きに行きました。
会場までの道のりでJRの車中から淀川を見ましたが、
水かさが高く、濁流がものすごい勢いでながれていて、
河川敷まで押し寄せていました。
堤防のそばには草野球のグラウンドがあるのですが水没してたと思います。

高橋幸宏のライヴは無事に開催されました。
メンバーは前乗りしてたそうです。
ツアーの楽器車は前の晩の午後6時に東京を出て、大阪に到着したのは朝の6時だったとか。
ただ公共交通の一部は運休していたので遠方からのお客さんは来られなかったようです。

大阪で高橋幸宏のソロ公演が行われるのは
2006年の「4 MOONS' LIVE “Something Blue”」以来、実に7年ぶりでした。
http://blog.goo.ne.jp/sitedoi/e/8eee25989ad428e35b0d472132e563bf

オープニングは革靴の足音が会場に鳴り響き、
ステージの後方のドアからメンバーが入ってくるという演出でした。
In Phaseはドラム&ヴォーカルの高橋幸宏を中心に、
ギターにJames Iha、ベースに高桑圭(Curly Giraffe)、
キーボードに堀江博久、管楽器にゴンドウトモヒコという
アルバム『LIFE ANEW』のレコーディング・メンバーに加え、
もうひとりのギタリストとしてBE THE VOICEの鈴木俊治が参加してます。

今回は全編に渡り高橋幸宏自身がドラムを叩いて唄うことが話題になってました。
YMO以来30年ぶりだという話。
もしかしたら、そのようなパフォーマンスはこれで最後になるかもしれないとのこと。
In Phaseは'60年代、'70年代のサウンドをベースにした、
音楽の初期衝動に立ち返ったサウンドを繰り広げました。

バンド編成は高桑圭がいることもそうですし、
ソングライターが何人もいて、メンバーも歌うということも
佐野元春 and The Coyote Bandと共通しています。

現在を生きる人たちのための血の通った音楽。
それがとても素晴らしかった。
最後は高橋幸宏と堀江博久、ゴンドウトモヒコの3人だけ残り、
バート・バカラックの「The April Fools」を披露しました。
高橋幸宏ヴァージョンはレコーディングもされていますが、
この夜の演奏には心が揺さぶられました。

■高橋幸宏 with In Phase Live Tour 2013
2013年9月16日(月・祝) なんばhatch
1階F列13番

高橋幸宏 / Drum, Vocal
James Iha / Guitar
高桑圭(Curly Giraffe) / Bass
堀江博久 / Keyboard
ゴンドウトモヒコ / Euphonium
鈴木俊治 / Guitar

Set List
01.Another Door
02.Looking For Words
03.Time To Go
04.Last Summer
05.That's Alright (It Will Be Alright)
06.The Old Friends Cottage
07.Ghost Behind My Bac
08.The Price To Pay 
09.Blue Moon Blue
10.Where Are You Heading To?
11.To Who Knows Where
12.End Of An Error
13.Shadow
14.All That We Know
15.World In A Maze
16.Follow You Down
Encore
17.Something In The Air
18.The April Fools

●All That We Know

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Sunday Song Book #1093

2013年09月22日 | Sunday Song Book

2013年09月22日プレイリスト
「棚からひとつかみ」
1. 光と君へのレクイエム / 山下達郎 10月09日発売ニューシングル
2. LOVE YOU FOREVER / CASH McCALL '77
3. DO YOU WANT ME / EL CHICANO '83
4. DA DOO RON RON / THE BELMONTS "CIGARS, ACAPPELLA, CANDY" '72
5. WHO LOVES YOU BETTER / THE ISLEY BROTHERS "HARVEST FOR THE WORLD" '76
6. THE LONELIEST HOUSE ON THE BLOCK / LITTLE ANTHONY & THE IMPERIALS "ON A NEW STREET" '73
7. コンポジション / 山下達郎 10月09日発売ニューシングル
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■内容の一部を抜粋
・近況
全国ツアー「PERFORMANCE 2013」がスタートして3週間が経った。ツアー中だがまりやさんの仕事が入ってきて休みがほとんど潰れてる状態だとか。そうなると番組にしわ寄せがでて、大幅に前倒しで収録しているという。スケジュール相当立て込んでいて前例がないほど前倒しで収録しているとか。現時点で10日、11日の広島公演が終わった段階で収録しているそうだ。今回のツアー7本終わった段階だが例年にも増して順調に消化していて、毎回毎回素晴らしいお客さんでいいライヴができてるという。本日、明日は神戸国際会館こくさいホール。
「明日は祝日、三連休ですのでのんびりいらしてください。神戸のお客さんはいつもながら素敵なお客さんなので、またお楽しみいただきたいと思います。今週は大阪フェスティバルホールです。土日、9月28日、29日とフェスティバルホール。5月のフェスのこけら落とし以来ですね、今回はツアーの一環でうかがいます。また大阪、今年二度目でございます。よくうかがいますが、だいぶライヴ活動も充実してまいりました。コンスタントにできるようになってまいりました。お陰さまで。神戸、大阪とこゆいところがですね、今週は続きます。お待ち申し上げております」と達郎さん。

・PERFORMANCE 2013
8月27日(火)、埼玉県戸田市文化会館を皮切りに12月24日(火)、クリスマスイブの中野サンプラザまで全国26都市49公演のホール・ツアー。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・棚からひとつかみ
そんなわけで、ライヴが終わると東京に帰ってレコーディングなので、今週は日本の放送ではかからない、番組でもあんまりかけてないものの中から選んで「棚からひとつかみ」。

・光と君へのレクイエム
10月9日発売のシングル「光と君へのレクイエム」。

・映画『陽だまりの彼女』
10月12日公開の映画『陽だまりの彼女』は越谷オサムさんの同名小説の映画化。主演は上野樹里さん、松本潤さん。監督は『ソラニン』や『僕等がいた』の三木孝浩さん。達郎さんがこの映画に主題歌を書き下ろした。
http://hidamari-movie.com

・LOVE YOU FOREVER
ミズーリー出身だがシカゴを中心に活動しているギタリスト。ブルース、ゴスペル系の人で、セッション・ミュージシャンでソングライターのキャッシュ・マッコール。1977年のシングルで「LOVE YOU FOREVER」。プロデュースはチャールス・ステップリー。

・DO YOU WANT ME
歴史の古いL.A.のヒスパニックのラテン・ロックのグループ、エル・チカノの1983年のシングル「DO YOU WANT ME」。

・DA DOO RON RON
ワーナーの「新・名盤探険隊」のシリーズから1972年のベルモンツのアカペラのアルバム『CIGARS, ACAPPELLA, CANDY』が復刻された。達郎さんが19歳ぐらいの頃に出たアルバムだが、当時日本盤は出ず洋盤をさがして買ったそうだ。『オンスト』の「THAT'S MY DESIRE」はベルモンツのような白人アカペラ、ドゥーワップ・グループが得意にしていたレパートリーで、本当に影響を受けたという。ベルモンツはディオンと並び語られるドゥーワップの世界では大変有名なグループ。ベルモンツ自体は3人編成で単独のヒットもたくさんある。アルバム『CIGARS, ACAPPELLA, CANDY』の中からクリスタルズのカヴァーで「DA DOO RON RON」。

・WHO LOVES YOU BETTER
ツアー中に番組をやってると景気いい曲が聴きたくなるそうだ。景気いい曲と言えばアイズリー・ブラザーズ。彼らの1976年のアルバム『HARVEST FOR THE WORLD』からのシングル・カット「WHO LOVES YOU BETTER」。全米ソウル・チャート3位、全米チャート47位。

・『MELODIES』と『SEASON'S GREETINGS』のリマスター盤
Melodies 30th Anniversary Edition』はオリコン・チャート初登場6位、『Season's Greetings 20th Anniversary Edition』は初登場11位。「ぶったまげました。リスナーのみなさまに、この場を借りまして心より御礼申し上げます。30年も経ったヤツがですね、そんな好調な滑り出しだとは思いませんでした。引き続き何卒よろしくお願い申し上げます」と達郎さん。

・光と君へのレクイエムのPV
10月9日発売のシングル「光と君へのレクイエム」。「光と君へのレクイエム」にはプロモーション・ビデオがあって、主演の二人、松本潤さんと上野樹里さんの十代の頃を演じる北村匠海さんと葵わかなさんが出演しているそうだ。

・ライヴ一筋のアーティスト
リスナーからの質問で「達郎さんが自分以外でライヴ一筋だと思うアーティストは誰でしょうか?」という質問。
むかしだと子供バンドとかハウンドドックなんだそうだ。達郎さんのツアー連泊の最高記録は14泊15日だが、ハウンドドックは36泊37日なんだという。洋楽だとB.B.キング。達郎さんはライヴを再開して4シーズン目だが、いつも一緒になるのがいきものがかり。彼らは精力的にホール・コンサートをやっている。あとは安室奈美恵さん。このあいだ広島で安室奈美恵さんのコンサートを観たとか。あとは天童よしみさん、氷川きよしさん。自分がツアーをやってるとホールのスケジュールを見て、コンスタントにホール・コンサートをやってる人がよくわかるという。

・THE LONELIEST HOUSE ON THE BLOCK
フィラデルフィアのヴォーカル・グループ、リトル・アンソニーとインペリアルズ。リード・ヴォーカルのリトル・アンソニーのヴォーカルが魅力的で長いキャリアを誇っている。彼らの1973年のアルバム『ON A NEW STREET』はA面がトム・ベルのプロデュースで、B面がテディ・ランダッツォのプロデュース。そのアルバムの中から「THE LONELIEST HOUSE ON THE BLOCK」。

・「踊ろよ、フィッシュ」の歌詞違いについて
リスナーからの質問で、「踊ろよ、フィッシュ」はアルバムとシングルでは歌詞が違うのはなぜか、という質問。
「踊ろよ、フィッシュ」はシングル・ヴァージョンとアルバム・ヴァージョンで歌詞を変えているそうだ。ノリを変えたくて、もう少しきれいに言葉をメロディに乗せようと試行錯誤したが、結局はシングル・ヴァージョンに戻しているそうで、『トレジャーズ』も『オーパス』もシングル・ヴァージョンで収録しているという。正確にいうとオリジナル・シングルとミックスは違うとか。

・コンポジション
NHKドラマ10「第二楽章」の主題歌「コンポジション」。10月9日発売のシングル「光と君へのレクイエム」のカップリング曲。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

09月29日は、レギュラープログラム「棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
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Motoharu Radio Show #162

2013年09月18日 | Motoharu Radio Show

2013/09/17 OnAir - 3rd. Week - 特集:ライブ・フロム・ダリルズハウス
01.Diane Birch:Nothing But a Miracle
02.Allen Stone:Celebrate Tonight
03.Rumer:Take Me As I Am
04.Van Dyke Parks:Wedding in Madagascar (Faranaina)
05.Van Dyke Parks:Dreaming of Paris
06.Nick Waterhouse:(If) You Want Trouble
07.Fitz & The Tantrums:Pickin' Up the Pieces
08.Smokey Robinson:Being With You
09.Nikki Jean:My Love
10.KT Tunstall:If Only
11.Butch Walker & The Black Widows:Sweethearts
12.佐野元春:君が気高い孤独なら
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■内容の一部を抜粋
・特集:ライブ・フロム・ダリルズハウス
今週はホール & オーツのひとり、ダリル・ホールが主催する音楽番組「ライブ・フロム・ダリルズハウス」に出演したアーティストの曲を特集する。

・Nothing But a Miracle
ダイアン・バーチの「Nothing But a Miracle」。

・Celebrate Tonight
アレン・ストーンの「Celebrate Tonight」。

・Take Me As I Am
ルマーの「Take Me As I Am」。

・3PICKS!
「Motoharu Radio Show」では毎月番組推薦盤3枚のCDをピックアップしている。今月9月の「3PICKS!」はテデスキ・トラックス・バンド『Made Up Mind』、ブッカー・T・ジョーンズ『Sound The Alarm』、そしてヴァン・ダイク・パークス『Songs Cycled』。どのレコードも心に響くよいソングライティングと素晴らしいサウンドがあると元春。この中から今週はヴァン・ダイク・パークス『Songs Cycled』。

・ヴァン・ダイク・パークス
米国、ミシシッピー州出身のミュージシャン、現在70歳。作曲家、編曲家そしてプロデューサーとして素晴らしい作品を残している。特にビーチボーイズ、ブライアン・ウィルソンと以前から音楽的な繋がりがあってビーチボーイズの傑作アルバムと言われている『SMiLE』の制作に深く関わった。ソロ・アーティストとして知られるようになったのは1968年のレコード『Song Cycle』。このアルバムが高く評価された。このアルバムでは米国の伝統的な音楽、例えばラグタイム、ニューオリンズのジャズ、そしてフォーク音楽、そうした米国の古き良き時代の音楽を現代的な解釈で表現した。実際、商業的にヒットしたレコードではなかったがポップ音楽の可能性を広げたという点で高く評価された。ヴァン・ダイク・パークス、その後はカリブ海の音楽、東洋の音楽といった自分の文化とは違う音楽に興味を持ってとても独特のサウンドを作っていく。そのヴァン・ダイク・パークスが新しいレコードを出した。アルバムのタイトルは『Songs Cycled』。自分のデビュー・アルバムのタイトルをもじったようなタイトルが付いている。このアルバムはそれまで7インチ・シングルとして出してきた6枚のシングル曲をまとめたものになっている。古いアメリカ映画のテーマ・ソングのような、そんなちょっとしたノスタルジーを感じる。でもよく聴くと何か奥深いものも感じる。ヴァン・タイク・パークスの新しいレコード『Songs Cycled』からインストゥルメンタル曲の「Wedding in Madagasca」と「Dreaming of Paris」の2曲。

・特集:ライブ・フロム・ダリルズハウス
佐野元春 : 「ライブ・フロム・ダリルズハウス」、素晴らしい音楽番組です。音楽番組といってもテレビやラジオではなく、これはインターネットの番組、ウェブ・キャスティングです。2007年からはじまって毎月一回ゲストのミュージシャンを迎えて一緒にセッションするという番組です。この番組ははじまって以来、とても話題になりました。特にダリル・ホールが招くそのゲストの素晴らしさ。有名無名に関わらずダリル・ホールが自分の音楽性と響き合うアーティストを招いてセッションするという内容です。そして素晴らしいのは番組のタイトル「ライブ・フロム・ダリルズハウス」ということからわかるとおり、このライヴ中継はダリル・ホールの自宅で行われているということです。正にリビング・ルーム・セッションといっていいリラックスしたいい雰囲気があります。これまでここに出演したアーティストをざっと見てみると、スモーキー・ロビンスン、ニック・ロウ、トッド・ラングレン、そうしたベテランをはじめとして、ダンアン・バーチ、エリック・ハッチンソンといった若手のミュージシャンまで幅広いゲストが出演しています。

・(If) You Want Trouble
元春が今、個人的にちょっと気になってるアーティスト、ニック・ウォーターハウスの「(If) You Want Trouble」。

・GreenPeople
環境問題に取り組むユースたちを紹介するレポート「GreenPeople」。毎週このコーナーでは環境を巡る社会活動を通じて様々なアクションを起こしている人たちを紹介。このコーナーの協力はNHKの環境特集番組「エコチャンネル」。
http://www.nhk.or.jp/eco-channel/

今週はNPO法人「表浜ネットワーク」。愛知県の渥美半島で産卵するアカウミガメの保護を目的に砂浜や海岸の保全活動を行っている。

・Pickin' Up the Pieces
フィッツ & ザ・タンタームズの「Pickin' Up the Pieces」。

佐野元春 : 「ライブ・フロム・ダリルズハウス」、僕もこの番組をYouTubeで見ましたけれども、特に印象に残ってるのはスモーキー・ロビンソンがゲストのときです。スモーキー・ロビンソンと言えばダリル・ホールが最も尊敬するミュージシャンのひとり。フィラデルフィアで生まれて幼い頃からソウル・ミュージックに影響を受けて育ったダリル・ホール。彼にとってモータウンの代表といっていいスモーキー・ロビンソンは、正にヒーローといっていい存在だと思います。そのスモーキー・ロビンソンをゲストに迎えて歌った曲はミラクルズ時代のヒット曲。そしてホール & オーツのヒット曲をスモーキー・ロビンソンがカヴァーするという、正に見てるこちらのほうも楽しいんですが、いちばんうれしかったのはなんといってもダリル・ホール、彼自身だったのではないのかと思います。ではこの
「ライブ・フロム・ダリルズハウス」でも歌ったスモーキー・ロビンソンのレコードを一曲聴いてみたいと思います。曲は「Being With You」。

・My Love
現在28歳、新しいシンガー、ニッキー・ジーンの「My Love」。

佐野元春 : 「ライブ・フロム・ダリルズハウス」はCNN、BBC、Yahoo!などいろいろなメディアで高く評価されました。ダリル・ホールと言えばベテランと言っていい世代のミュージシャンです。そうした世代のミュージシャンが現在のデジタル時代にインターネットを使ってこうした価値ある音楽番組をやったということ。その点が評価されたのだと思います。番組を見てみるとこれをやってるダリル・ホールも楽しんでやってる様子が伝わってきます。そこがいいですよね。自分が影響を受けた先輩のアーティストに対してはリスペクトを込めて、また才能ある若いアーティストに対しては紹介者の立場として、ダリル・ホールはとてもいい仕事をしていると思います。番組は残念ながら一旦終わってるようですが、また新たなシーズンに期待したいと思います。

・If Only
KT タンストゥールノ「If Only」。

・Sweethearts
ブッチ・ウォーカーノ「Sweethearts」。

・BEATCHILD
リスナーからの「BEATCHILDの公開が決まりましたね」というコメントを読んで。
佐野元春 : そうですね。ドキュメンタリー『BEATCHILD』、これは1987年に熊本県の野外劇場アスペクタで開催された野外フェスの模様をドキュメントした映画です。僕もこのライヴに出演しました。とにかくひどい雨に祟られて「見ているお客さんは大丈夫かな?」と心配になったライヴでした。ハウンドドック、ボウイ、尾崎豊、ストリート・スライダーズ、そうしたグループが出演して、主催者の発表では約7万人の人たちが集まったということ。このイベントではヘッドライナーとして僕とハートランドが出て行ったんですけれども、夜明けの朝、5時頃だったと思います。ようやく雨が止んで山の向こうから朝日が昇ってきました。オーディエンスのほうにも光が当たって、何か本当によかったなとホッとしたのを覚えています。その後は僕は全力で演奏して歌いました。この秋には'80年代前半の自分のライヴの記録『No Damage』ですね、そして'80年代後半はこの『BEATCHILD』。それぞれ記録の映画として公開されるということ。偶然だと思いますけれどもなんとなく'80年代懐古といった雰囲気になってきました。当時ここに参加していたという方、また当時のことを知りたいという新しい世代の人たち、興味のある方は是非ふたつのフィルムご覧になってください。

・君が気高い孤独なら
佐野元春 and The Coyote Bandのアルバム『Coyote』から「君が気高い孤独なら」。

・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/

・次回放送
10月1日火曜日、夜11時。
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Sunday Song Book #1092

2013年09月15日 | Sunday Song Book

2013年09月15日プレイリスト
「棚からひとつかみ」
1. 光と君へのレクイエム / 山下達郎 10月09日発売ニューシングル
2. HAPPY TOGETHER / THE TURTLES '67
3. JUST TO BE GOOD TO ME / S.O.S. BAND '83
4. TRAPPED BY A THING CALLED LOVE / DENISE LaSALLE '71
5. MARRIED, BUT NOT TO EACH OTHER / DENISE LaSALLE '76
6. INSPIRATION INFORMATION / SHUGGIE OTIS "INSPIRATION INFORMATION" '75
7. SITTING HERE IN LIMBO / DINO MARTIN '72
8. コンポジション / 山下達郎 10月09日発売ニューシングル
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・近況
全国ツアー「PERFORMANCE 2013」がはじまった。8月27日(火)、埼玉県戸田市文化会館を皮切りに12月24日(火)、クリスマスイブの中野サンプラザまで全国26都市49公演のホール・ツアー。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

番組は前倒しで収録していて、先週は広島から倉敷。今週は広島・福山、島根・松江。
来週は神戸、フェスティバルホール。

・棚からひとつかみ
まりやさんの仕事が入ってきてスタジオに入ってるそうだ。ライヴが終わると東京に帰りスタジオで仕事、そしてまたツアーに戻るという強行スケジュール。その合間に番組の収録なんだという。9月いっぱいはこの状態が続くが、10月に入れば少し落ち着くだろうとのこと。そんなわけで今週は最近出た新着オールディーズものの中から「棚からひとつかみ」。

・光と君へのレクイエム
10月9日発売のシングル「光と君へのレクイエム」。10月12日公開の映画『陽だまりの彼女』は越谷オサムさんの同名小説の映画化。主演は上野樹里さん、松本潤さん。監督は『ソラニン』や『僕等がいた』の三木孝浩さん。達郎さんがこの映画に主題歌を書き下ろした。タイトルは「光と君へのレクイエム」。若い人の話なので曲に陰影がないといけないかなと思い、アップテンポだがちょっと影がある、もの哀しい内容のテーマ曲を作ったとか。
http://hidamari-movie.com

・HAPPY TOGETHER
タートルズの1967年の全米NO.1の「HAPPY TOGETHER」。ゲイリー・ボーナーとマーク・ゴードンのコンビによる作品。

・レコードの二度買い
リスナーからの質問で「すでに所有しているレコードを間違って二度買いしたことはありませんか?」。
レコードの二度買いは数限りなくあるそうだ。達郎さんの仲間のあいだでは「疑わしきは買え」という鉄則があるのだそうだ。中古屋でシングルを買うときに100ドルのアイテムは無理だが2,3ドルぐらいなら買うのだとか。最近は気をつけているそうだが二十年くらい前は大変だったという。何枚もあるのはトレードするので決して無駄にはならないそうだ。

・JUST TO BE GOOD TO ME
アトランタ出身の8人組のヴォーカル・インストゥルメンタル・グループ、SOSバンド。1983年のアルバム『ON THE RISE』から「JUST TO BE GOOD TO ME」。邦題は「気分はジャスト・フィット」。全米ソウル・チャート2位。作曲とプロデュースはジミー・ジャム & テリー・ルイスの名コンビ。

・TRAPPED BY A THING CALLED LOVE
最近、達郎さんが寝しなに聴いてるレディ・ソウル、デニス・ラサール。彼女の初期のディープ・ソウルの「TRAPPED BY A THING CALLED LOVE」。1971年、ウィリー・ミッチェルのプロデュース。全米ソウル・チャートNO.1、全米チャート13位。小説家になりたかった人。シンガーよりソングライターを目指していた不思議な人だとか。曲のほとんどは自作で、歌をはじめたのは遅かったが、素晴らしい表現力を持ってる。

・MARRIED, BUT NOT TO EACH OTHER
デニス・ラサールをもう一曲。彼女はミシシッピー生まれのシカゴ育ち。「MARRIED, BUT NOT TO EACH OTHER」は不倫ソングの名作。1976年全米ソウル・チャート16位。デトロイトのデヴッド・ヴァン・ピッドのアレンジ。

・「光と君へのレクイエム」のオリジナル特典プレゼント
10月9日発売のシングル「光と君へのレクイエム」。初回盤にはオリジナル特典が当たる応募ハガキが封入されている。A賞は「光と君へのレクイエム」のアナログ盤で100名にプレゼント。B賞は「光と君へのレクイエム」のプロモーション・ビデオDVDを100名にプレゼント。シングル「光と君へのレクイエム」の詳しい情報はワーナーのスペシャル・サイトにて。
http://wmg.jp/tatsuro/

・プレゼント
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」プレゼント係
http://www.tatsuro.co.jp

・INSPIRATION INFORMATION
ジョニー・オーティスの息子でシュギー・オーティス。マルチミュージシャンとして天才肌の人。1975年の3枚目のアルバム『INSPIRATION INFORMATION』は一人多重録音の名盤。そのアルバムの中からタイトル・ソング「INSPIRATION INFORMATION」。

・○○の秋
リスナーからの質問で「達郎さんは"○○の秋"と言えばどんな秋ですか?」。
今は「ツアーの秋」、暇なときは「夜更かしの秋」なんだとか。年を取ると「食欲の秋」だと太ります。と達郎さん。

・SITTING HERE IN LIMBO
ヴァン・ダイク・パークス自選の編曲集から「SITTING HERE IN LIMBO」。ディーン・マーチンの息子でディノ・マーチンが1972年に出したシングルで、ジミー・クリフの「SITTING HERE IN LIMBO」のカヴァー。ヴァン・ダイク・パークスらしい奇妙きてれつなアレンジ。

・コンポジション
NHKドラマ10「第二楽章」の主題歌「コンポジション」。10月9日発売のシングル「光と君へのレクイエム」のカップリング曲。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

09月22日は、レギュラープログラム「棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
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Motoharu Radio Show #161

2013年09月13日 | Motoharu Radio Show

2013/09/10 OnAir - 2nd. Week - ブルース・ロック特集~萩原健太氏を迎えて~ 第二回
01.Stevie Ray Vaughan & Double Trouble:Pride and Joy
02.The Georgia Satellites:Keep Your Hands to Yourself
03.The Jeff Healey Band:Confidence Man
04.Booker T. Jones:Broken Heart (feat. Jay James)
05.G. Love & Special Sauce:Shooting Hoops
06.The White Stripes:Stop Breaking Down
07.The Derek Trucks Band:Home In Your Heart
08.Gregg Allman:Floating Bridge
09.佐野元春 & The Coyote Band:Zooey
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・ブルース・ロック特集~萩原健太氏を迎えて~ 第二回
音楽評論家の萩原健太さんを迎え先週に引き続いてブルース・ロックを特集する。今夜はその第二回目。'80年代以降のブルース・ロック特集。

・Pride and Joy
'80年代に入ってデジタルの波が押し寄せて音楽が変わってきたところに出てきたのがスティーヴィー・レイ・ヴォーン。「こんなアナログなヤツが今でもいるんだ」と健太さんは思ったという。元春は'83年から'84年にかけてのニューヨーク滞在中にデイヴッド・ボウイがスティーヴィー・レイ・ヴォーンをレコーディングやライヴに起用してハプニングした瞬間を見てるそうだ。1984年の「Couldn't Stand The Weather」のビデオ・クリップでは嵐に向かってギターを弾いている。どんどんデジタルの方にながれてゆく中で生の手触りを教えてくれたのがスティーヴィー・レイ・ヴォーンだと健太さん。元春もスティーヴィー・レイ・ヴォーンの演奏が好きでもニューヨークのダウンタウンのクラヴでよく見たという。実際に話もしたことがあり無骨なテキサス州の男という感じがしたとか。バンドは3人編成だがギターのサウンドがいろんなふうに聴こえたそうだ。ギターはフェンダーのストラトキャスター1本で演奏していたという。

・Keep Your Hands to Yourself
1986年に登場したのがジョージア・サテライツ。アトランタ出身でダン・ベアードというリード・ギターとシンガーの男がやっていたバンド。アルバム全部スリー・コードのブルース進行でブギをやっていた。「Keep Your Hands to Yourself」は当時全米2位を記録した。

・Confidence Man
カナダ出身のジェフ・ヒーリーは一歳のときに失明したという盲目の男。ひざの上にギターを置いて、ネックを左で上から押さえる鍵盤を弾くようなスタイルの演奏法。その演奏スタイルは手に汗を握るような、持って行かれる、精神的に高い次元にあるギター演奏で、元春の中では特別なブルース・ギタリスト。ルーツ音楽の目線も確かでCCRをカヴァーしたりして音楽の幅を見せてくれると健太さん。ジャズのカヴァーもやっていたが2008年にガンのため41歳で亡くなった。「Confidence Man」はジョン・ハイアットの作品。

・3PICKS!
「Motoharu Radio Show」では毎月番組推薦盤3枚のCDをピックアップしている。今月9月の「3PICKS!」はテデスキ・トラックス・バンド『Made Up Mind』、ブッカー・T・ジョーンズ『Sound The Alarm』、そしてヴァン・ダイク・パークス『Songs Cycled』。どのレコードも心に響くよいソングライティングと素晴らしいサウンドがあると元春。この中から今週はブッカー・T・ジョーンズ『Sound The Alarm』。

・ブッカー・T・ジョーンズ
'60年代、スタックス・レコード専属のスタジオ・バンド、ブッカー・T & MG'Sのオルガン・プレーヤーがブッカー・T・ジョーンズ。ギター、スティーヴ・クロッパー、ベースがドナルド "DUCK" ダン、ドラムス、アル・ジャクソン。このグループはオーティス・レディングをはじめとしてウィルソン・ピケット、サム & デイヴ、エディ・フロイドといったR & Bシンガーのバッキング・バンドとして数々のレコーディングを行った。その功績は計り知れないものがある。そのグループでオルガンを担当していたブッカー・T・ジョーンズが久し振りに古巣と言っていいスタックス・レーベルに戻って新しいレコードを作った。通算10作目に当たるソロ・アルバムでアルバム・タイトルは『Sound The Alarm』。メイヤー・ホソーン、アンソニー・ハミルトン、そして自分の息子のテッド・ジョーンズ。そうしたゲスト・ミュージシャンを迎えている。アルバムのほうはゲストを迎えたヴォーカル・チューンも素晴らしいが何曲か入ってるインストゥルメンタル・チューンでブッカー・T・ジョーンズの素晴らしいオルガン・プレーが聴ける。
「自分もこのハモンド・オルガンの音色がとても好きで自分のバンドでは欠かせない楽器のひとつとなっています。ちなみに自分の中で3大オルガン・プレーヤーというとジミー・スミス、ジョージィ・フェイム、そしてブッカー・T・ジョーンズ。この3人ですね。それぞれ独特の素晴らしいオルガン・サウンドを持っています」と元春。
ブッカー・T・ジョーンズの新しいアルバム『Sound The Alarm』から「Broken Heart」。

・Shooting Hoops
ここからは'90年代以降のブルース・ロック。
G. ラブ & スペシャル・ソースの1994年のデビュー・アルバムから「Shooting Hoops」。この時代はブルースをやるときにどういう切り口でやるのかというアプローチが重要になっていたと健太さん。フィラデルフィアを拠点にした白人のブルース・トリオのG. ラブ & スペシャル・ソースは生演奏ながらヒップホップの感覚を持ってるという。同じような時代に出てきたベックもブルースやカントリーのルーツ・ミュージックをその時代の新しいヒップホップのビートに乗せていたが、G. ラブ & スペシャル・ソースは生身の楽器でヒップホップ感覚を表現するというところがめちゃくちゃかっこよかったのだとか。「その時代に呼吸してるブルースを歌えたという感じがしますねぇ」と健太さん。

・Stop Breaking Down
ホワイト・ストライプスはポスト・パンク以降のオルタナティヴの感覚でブルースやカントリーにアプローチを仕掛けていた。ロックンロール・ホール・オブ・フェイムのニューヨーク支部が一瞬だけできたことがあり、健太さんが観に行ったときにブルース・ロックの歴史を掲示している場所があり、ヤードバーズからはじまり、レッド・ツェッペリンなどもあって、いちばん最後に飾られていたのがホワイト・ストライプスだったという。1999年のデビュー・アルバムから「Stop Breaking Down」。この曲は1937年のロバート・ジョンソンの曲のカヴァー。

・Home In Your Heart
2000年代のブルース・ロック。先週の「3PICKS!」で取り上げたテデスキ・トラックス・バンドの前身でデレク・トラックス・バンド。「独特のスモーキーなサウンド。あまりトレブリンじゃない、ちょっと鼻に詰まったような、くぐもった、それがまたなにか情感を表現しているような、僕はこのギタリストの音、すごく好きですね」と元春。「この人抜きでは今後のブルース・ロックは語れないだろうなというふうに思いました」と健太さん。2002年の『Joyful Noise』からソロモン・バークが1963年にリリースしたオーティス・ブラックウェルの曲を、ソロモン・バークをヴォーカルに迎え入れてレコーディングした「Home In Your Heart」。

・Floating Bridge
デレク・トラックスとも関係の深いグレッグ・オールマンの2011年のアルバム『Low Country Blues』から「Floating Bridge」。1960年代の後半にオールマン・ブラザーズ・バンドでデビューして、サザン・ロックといわれたが、ブルース・フィーリングやカントリー・フィーリングを下敷きにして、少しジャズの方向に発展したような独自のサザン・ロック・サウンドで人気を博した人。ソロ・アルバム『Low Country Blues』ではルーツに戻ってただのブルースをやっている。

・Zooey
日本のブルース・ロック・バンドで健太さんが好きだったのは1960年代の後半のブルース・クリエーション。竹田和夫さんのギターと布谷文夫さんのヴォーカルで混沌としたところも含めてブルースを感じさせてくれるバンドだったと健太さん。
十代の頃は元春も健太さんもそれぞれバンドでブルース・セッションをやっていたという。元春はキーボードで、オルガンやピアノでセッションに入ってやっていたとか。言葉を交わすよりブルース・セッションをしたほうがどんな音楽を聴いてきたかわかるのだという。
新しい世代ではアメリカのゲーリー・クラーク・ジュニアが素晴らしいと元春。「僕の世代では米国の'60年代、'70年代の音楽を聴いて育ちましたから、どんなポップ・ロックにも根底にブルースがある。この感覚はどうしても否めないですね」と元春。
「自分もソングライターとしてブルース音楽というのはとても大事に考えていて、ブルースの感覚というのは僕なりにあるわけですよね。決して米国のものだけではなく、今やユニバーサルな感覚ではないかなと思うんですよね、ブルース音楽というのは」と元春。
佐野元春 and The Coyote Bandの2013年のアルバム『ZOOEY』から「Zooey」。

・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/
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Sunday Song Book #1091

2013年09月08日 | Sunday Song Book

2013年09月08日プレイリスト
「棚からひとつかみ」
1. 光と君へのレクイエム / 山下達郎 10月09日発売ニューシングル
2. ACTION / FREDDY CANNON '65
3. THE LAST LEAF / THE CASCADES '63
4. THEN / THE VOGUES "TURN AROUND, LOOK AT ME" '68
5. NATIVE NEW YORKER / FRANKIE VALLI "LADY PUT THE LIGHT OUT" '77
6. QUIET KIND OF LOVE / SHELBY FLINT "SHELBY FLINT" '60
7. WINDY(DEMO) / RUTHANN FRIEDMAN '68
8. コンポジション / 山下達郎 10月09日発売ニューシングル
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・近況
全国ツアー「PERFORMANCE 2013」がはじまった。8月27日(火)、埼玉県戸田市文化会館を皮切りに12月24日(火)、クリスマスイブの中野サンプラザまで全国26都市49公演のホール・ツアー。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

番組は前倒しで収録していて、初日の戸田と宇都宮が終わった段階で収録しているという。今週は中国地方で明後日10日(火)、11日(水)は広島・上野学園ホール(旧郵便貯金)、14日(土)は岡山の倉敷市民会館。来週は広島・福山、島根・松江。
「今年は2008年にライヴ(ツアー)を再開してから4シーズン目になりますが、今年はちょっと変わったセットリストで責めております。ご期待いただきたいと思います。戸田・宇都宮終わった段階ではお客様にご好評いただいてですね、がんばっていきたいと思います。声もお陰さまで出ております。よろしくお願いします」と達郎さん。

・棚からひとつかみ
ハガキもろくにチェックしきれてない状態なので今週はレギュラー・プログラム「棚からひとつかみ」。今回はワーナーミュージック・ジャパンから出た旧譜の再発を中心に、片っ端からお勧め商品を取り上げてゆく。
昨年10月にスタートしたアトランタ創設65周年を記念して1,000円でアトランティック・レーベルのカタログ200枚が買える企画に続いて、今度はその白人版で「マスター・オブ・ベスト・コレクション1000」。そして1,200円のシリーズで「新・名盤探険隊」。

・光と君へのレクイエム
10月9日発売のシングル「光と君へのレクイエム」。カップリングはNHKドラマ10「第二楽章」の主題歌「コンポジション」。初回盤にはオリジナル特典が当たる応募ハガキが封入されている。A賞は「光と君へのレクイエム」のアナログ盤で100名にプレゼント。B賞は「光と君へのレクイエム」のプロモーション・ビデオDVDを100名にプレゼント。シングル「光と君へのレクイエム」の詳しい情報はワーナーのスペシャル・サイトにて。
http://wmg.jp/tatsuro/

「光と君へのレクイエム」は10月12日公開の映画『陽だまりの彼女』の主題歌。越谷オサムさんの同名小説の映画化で主演は上野樹里さん、松本潤さん。
http://hidamari-movie.com

・ACTION
マサチューセッツ出身のロックンロール・シンガー、フレディ・キャノンの1965年全米チャート13位の「ACTION」。テレビ番組の主題歌で日本ではヴェンチャーズのカヴァーで知られている。アルバム『ACTION』は「マスター・オブ・ベスト・コレクション1000」の1枚として9月4日発売されている。「マスター・オブ・ベスト・コレクション1000」は日本独自の企画で全て2013年デジタル・リマスター。

・THE LAST LEAF
8月7日に「マスター・オブ・ベスト・コレクション1000」の第一弾が発売されたが、その中に入ってるカスケーズのアルバムから。1963年の「悲しき雨音」に続いて発売されたシングルで「THE LAST LEAF」。全米60位。達郎さんのお気に入りで邦題は「悲しき北風」。

・THEN
ザ・ヴォーグスのアルバムがオリジナル仕様で復刻された。「マスター・オブ・ベスト・コレクション1000」として9月4日発売されている。ザ・ヴォーグスの1968年のファースト・アルバム『TURN AROUND, LOOK AT ME』のタイトル曲で、ミリオンセラーのシングル「TURN AROUND, LOOK AT ME」のカップリング曲の「THEN」。ジム・ウェブの作品。

・NATIVE NEW YORKER
新・名盤探険隊」のシリーズでフランキー・ヴァリのプライヴェート・ストック・レーベルのカタログが復刻された。こちらもデジタル・リマスタリング盤。1977年のアルバム『LADY PUT THE LIGHT OUT』から「NATIVE NEW YORKER」。アルバムのプロデュースはチャーリー・カレロ。達郎さんのアルバム『CIRCUS TOWN』とほぼ同じミュージシャンで展開されている。ミックスがボブ・クリアマウンテン。

・『MELODIES』と『SEASON'S GREETINGS』のアナログ盤
Melodies 30th Anniversary Edition』と『Season's Greetings 20th Anniversary Edition』の二枚をアナログ盤で発売する。収録時間、カッティングの都合でボーナス・トラックは入らないそうだ。ともに発売日は10月23日。180グラムの重量盤で価格はそれぞれ3,150円。販売はワーナーミュージック・ダイレクトとコンサート会場のみ。会場販売は10月22日の大宮ソニックシティから販売する。詳細はワーナーの山下達郎スペシャル・サイトにて。
http://wmg.jp/tatsuro/

・QUIET KIND OF LOVE
カリフォルニア生まれの白人女性シンガー、シェルビー・フリントの1960年のアルバム『SHELBY FLINT』から「QUIET KIND OF LOVE」。「マスター・オブ・ベスト・コレクション1000」として9月4日発売。

・WINDY(DEMO)
女性シンガー・ソングライター、ルーサン・フリードマンの1969年の作品。アソシエイションのNO.1ヒット「WINDY」の作者。女性ソングライターが作品が全米NO.1になったのはローラ・ニーロ含めて4,5人。その中のひとりで好事家のあいだではこの「WINDY」のデモ・ヴァージョンが数年前に出て話題になっている。ワーナーの「新・名盤探険隊」シリーズから出たアルバムは機会があればとのこと。

・コンポジション
NHKドラマ10「第二楽章」の主題歌「コンポジション」。10月9日発売のシングル「光と君へのレクイエム」のカップリング曲。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

09月15日は、レギュラープログラム「棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
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Motoharu Radio Show #160

2013年09月04日 | Motoharu Radio Show

2013/09/03 OnAir - 1st. Week - ブルース・ロック特集~萩原健太氏を迎えて~ 第一回
John Mayall & The Bluesbreakers:All Your Love
The Paul Butterfield Blues Band:Born In Chicago
The Electric Flag:Killing Floor
Tedeschi Trucks Band:Part of Me
Fleetwood Mac:Shake Your Moneymaker
Jeff Beck & Rod Stewart:You Shook Me
Led Zeppelin:Since I've Been Loving You
The J. Geils Band:Cruisin' for a Love (Live)
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・ブルース・ロック特集~萩原健太氏を迎えて~ 第一回
音楽評論家の萩原健太さんを迎えてブルース・ロックを特集する。二週に渡っての特集で今夜はその第一回目。'60年代、'70年代のブルース・ロック特集。

ブルース・ロックという括りで年代を追って体系的に聴いてみたいと元春。
いろんなものが集約されてロックンロールという音楽ができたのに、そこから細分化がはじまり、'60年代に入ってひじょうに混乱した時代になってきたときに、もう一度ルーツを見直そうという動きがある中で生まれてきたのがブルース・ロックという捉え方でいいんじゃないかと健太さん。

・All Your Love
ジョン・メイオール & ブルース・ブレイカーズの1966年の「All Your Love」。ジョン・メイオール & ブルース・ブレイカーズはとても重要なバンドで、彼らのアルバム『John Mayall & The Blues Breakers with Eric Clapton』はクリーム結成以前のエリック・クラプトンのプレーが聴ける。もともとはオーティス・ラッシュが1958年にリリースした「All Your Love」はブルースの世界でマンボやルンバなどのアフロ・キューバン・ビートを取り上げるのが流行った時期にできた曲。それをジョン・メイオールやエリック・クラプトンのイギリス人が取り上げるとちょっと哀愁が加わってくる、と健太さん。サンタナの「Black Magic Woman」はサンタナのオリジナルではなくて、フリートウッドマックのピーター・グリーンが「All Your Love」にインスパイアされて作った曲だと元春。ボブ・ディランも近年、「All Your Love」に触発された曲をやってるので探してみていただきたいと健太さん。

・Born In Chicago
健太さんが選曲した'60年代の米国のブルース・ロックの中からポール・バターフィールド・ブルース・バンド。ポール・バターフィールドは白人だけれどシカゴの黒人コミュニティの中で暮らしていたということもあってイギリスとはまた違った現場感覚があると健太さん。ポール・バターフィールド・ブルース・バンドはバンドに二人のギタリスト、エルビン・ビショップとマイケル・ブルームフィールドがいた。ニック・グレイブナイツというヴォーカリストが作った1965年の「Born In Chicago」はアメリカの最初のブルース・ロックの傑作。聴きどころはポール・バターフィールドのブルース・ハープだと元春。

・Killing Floor
健太さんが選曲した'60年代の米国のブルース・ロックの中からエレクトリック・フラッグ。マイケル・ブルームフィールドが作ったバンド。1968年の「Killing Floor」はハウリン・ウルフのカヴァー。1965年のジョンソン大統領の有名な公民権を巡る投票権法の演説が冒頭に入る。白人ならではの政治にコミットした内容の曲は都市部のリベラル層にアピールしていたのかと元春。黒人からも認められていたが、当時の社会状況の中でいろいろと考えながら聴かなきゃいけない音楽で、白人のリベラル層が理論武装しながらサポートしていたところはあったと健太さん。

・3PICKS!
「Motoharu Radio Show」では毎月番組推薦盤3枚のCDをピックアップしている。今月9月の「3PICKS!」はテデスキ・トラックス・バンド『Made Up Mind』、ブッカー・T・ジョーンズ『Sound The Alarm』、そしてヴァン・ダイク・パークス『Songs Cycled』。どのレコードも心に響くよいソングライティングと素晴らしいサウンドがあると元春。この中から今週はテデスキ・トラックス・バンド『Made Up Mind』。

・テデスキ・トラックス・バンド
米国フロリダ州からのブルース・ロック・バンド。ギタリスト、デレク・トラックスと歌手のスーザン・テデスキの夫婦が中心となったバンド。結成は2010年で現在まで2枚のスタジオ盤を出している。2011年のバンドにとって最初のレコード『Revelator』が高く評価されてグラミー賞において最優秀ブルース・アルバム賞を獲得している。そのテデスキ・トラックス・バンドが新しいアルバム『Made Up Mind』を出した。レコーディングは自分たちの自宅に作ったスタジオで録音している。このアルバムについてデレク・トラックスはこんなふうに言っている。「この一年間、バンドと一緒にツアーに出ていた。バンド全員、お互いに理解しながら自由に演奏できるようになった。とても自然にレコーディングできた」。テデスキ・トラックス・バンドが新しいアルバム『Made Up Mind』の中から「Part of Me」。

デレク・トラックスはオールマン・ブラザーズ・バンドのオリジナル・メンバーのドラムのブッチ・トラックスの甥っ子。「こういう感覚を演奏するのは世襲制になってるのかな(笑)」と健太さん。マッコイ・タイナーとジャズの曲をやっていたりと新しい可能性を感じるそうだ。

・Shake Your Moneymaker
健太さんが選曲した'60年代のイギリスのブルース・ロックの中からフリートウッドマック。ピーター・グリーンがやっていたブルース・ロック時代のフリートウッドマックはアメリカのブルースへの憧れを前面に押し出していた。大瀧詠一さんがよく仰ってた差異。差なのか違う異なるものなのか、この違いがアメリカのブルース・ロックとイギリスのブルース・ロックにはあるような気がすると健太さん。差だったら追いかけていけばもしかしたら追い越せるかもしれないが、違うものとして認識してしまうと違うものとして別のブルースに仕立てるしかない。'60年代のイギリスのブルース・ロックには追いつけ追い越せという若い突進力があるような気がするそうだ。「Shake Your Moneymaker」はミシシッピー出身のエルモア・ジョーンズの曲。ポール・バターフィールド・ブルース・バンドもカヴァーしていて、そのヴァージョンを聴いてドアーズが「Break On Through」を作ったりしたというとても重要な曲。フリートウッドマックは1968年にカヴァーしたが、このヴァージョンを聴いたダウンタウン・ブギウギ・バンドが「スモーキン・ブギ」を作った。

・You Shook Me
健太さんが選曲した'60年代のイギリスのブルース・ロックの中から第一期ジェフ・ベック・グループ。ヴォーカルはロッド・スチュワート、ベースはロン・ウッド、キーボードはニッキー・ホプキンス、ドラムはミック・ウォーラー、オルガンはジョン・ポール・ジョーンズ。曲は1968年の「You Shook Me」。マディー・ウォーターズのヴァージョンが有名。ジェフ・ベックはオリジナルに敬意を表しつつ換骨奪胎したギターを聴かせる。このあとエリック・クラプトンが抜けたヤードバーズにジェフ・ベックが参加。それからジミー・ペイジが入り、二人で一緒にいた時期があってジェフ・ベックが辞めたあと、そのバンドをベースにしてジミー・ペイジがレッド・ツェッペリンを作るという流れ。
ジェフ・ベックのギターはアバンギャルドだと元春。ただ壊すだけだったら誰でもできるんだけれども、それを続けるんだったら基礎的なスケッチ力とかが重要になると健太さん。

・Since I've Been Loving You
健太さんが選曲した'60年代のイギリスのブルース・ロックの中からレッド・ツェッペリン。当時の三大ギタリスト、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジの中ではクラプトンが好きなのだという元春。聴いていて安心、気持ちいいっていうところ。健太さんはジェフ・ベックが当時好きだったとか。ジミー・ペイジはギターのソロでは少し落ちると言われるがリフ作りの上手さは絶妙。レッド・ツェッペリンのブルース・マナーの曲で最高峰と言われる「Since I've Been Loving You」。ある種、ブリティッシュ・ブルース・ロックの集大成みたいなところがツェッペリンにはある。ハード・ロックとしての魅力の頂点に輝いていた。1970年の「Since I've Been Loving You」は全体の構成とか歌詞がモビー・グレープの「Never」と類似しているという説が根強い。このあとツェッペリンはトラッド・フォークの要素を取り入れて独自のトラッド・エレクトリック・ブルースの世界を作り出してゆく。

ほかにはマウンテン、フリーというバンドがブルース・ロックとしては有名。1970年代になるとブルース・ロックも派生系が出てくるようになる。ハード・ロックが出来上がってゆく過程にブルース・ロックの在り方がこの時期に固まってきた感じがすると健太さん。フリートウッドマックはクラブでブルース・ロックを演奏するバンドだったが、ツェッペリンの頃は音がラウドになり、会場もスタジアムで行うようになってきた。「タイトなテンポだとスモール・プレイスでいいかもしれないけれど、すごく広いところだとレッド・ツェッペリンみたいな、雄大な向こうにホライズンが見えるような、ブルース・ロックのほうが... だからね、空間と演奏表現というのは密接に関係しているんじゃないかなと思うんですよね」と元春。

・Cruisin' for a Love (Live)
J. ガイルズ・バンドは1969年にアトランティックと契約するが、ウッドストックに出ないかという話があったという。「そんなでかいところで泥にまみれてやるのは嫌だ。俺たちはもっとコンパクトなハウスでブルースをやるんだ」とウッドストックの話を断ったとか。クラブギグの美学を貫こうとしていたところがある。1970年代の米国を代表するバンド。マジック・ディックのブルース・ハープと、J. ガイルズの朴訥としたブルース・ギターとピーター・ウルフの切迫したヴォーカルの骨っぽい演奏がよかったと健太さん。

・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/

・次回放送
来週も音楽評論家の萩原健太さんを迎えてブルース・ロックを特集する。
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Sunday Song Book #1090

2013年09月01日 | Sunday Song Book

2013年09月01日プレイリスト
「納涼夫婦放談(ゲスト:竹内まりや)」
1. SUMMER VACATION / 竹内まりや & 山下達郎 Home Recording 未発売
2. SEPTEMBER / 竹内まりや "ラブ・ソングス" "エクスプレッションズ" '79
3. WALK RIGHT BACK / 竹内まりや & 山下達郎 "ロングタイム・フェイヴァリッツ" '03
4. BE MY LOVE / 山下達郎 "シーズンズ・グリーティングス" '93
4. SMOKE GETS IN YOUR EYES / 山下達郎 "シーズンズ・グリーティングス" '93
6. たそがれダイアリー / 竹内まりや '13
7. さよなら夏の日 / 山下達郎 "アルチザン" "オーパス" '91
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・近況
番組は前倒しで収録している。全国ツアー「PERFORMANCE 2013」がはじまり、今週9月2日(月)、3日(火)は宮城県仙台市の東京エレクトロンホール宮城(旧宮城県民会館)。前回は震災で損傷を受けたためできなかったので2009年以来4年ぶり。6日(金)は郡山市民文化センター。福島県も前回は磐城で行ったとか。「福島、相変わらず大変な状況でございますが、少しでも、お出でいただいたみなさまの、少しでもお慰めしを」と達郎さん。

・PERFORMANCE 2013
8月27日(火)、埼玉県戸田市文化会館を皮切りに12月24日(火)、クリスマスイブの中野サンプラザまで全国26都市49公演のホール・ツアー。詳しいスケジュールは山下達郎のオフィシャル・ホームページの「Live」にアップしている。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・納涼夫婦放談
先週に引き続いて夏の終わりは毎年お馴染みのプログラム「納涼夫婦放談」。

・SUMMER VACATION
「納涼夫婦放談」ではすでに定番化した「SUMMER VACATION」。もともとはまりやさんと村田和人さんのデュエットで1984年の村田さんのアルバム『MY CREW』に収められていた。達郎さんとまりやさんのデュオ・ヴァージョンはオリジナル・カラオケを使ってホーム・レコーディング。15年くらい前に録音したものとか。

・SEPTEMBER
今年は9月1日に「納涼夫婦放談」があるので「SEPTEMBER」にリクエストが殺到した。1979年のまりやさんのアルバム『LOVE SONGS』に収録。

・一日のはじまりに自分にスイッチを入れるためすること
リスナーからまりやさんへの質問で「一日のはじまりに自分にスイッチを入れるためすることはありますか?」。
スイッチを入れるためにしっかりと起きて着替えてメイクすることはまりやさんもあるそうだ。達郎さんは「体重計に乗る(笑)。減ったーと言って喜ぶ」とか。

・WALK RIGHT BACK
まりやさんの2003年のカヴァー・アルバム『LONGTIME FAVORITES』から「WALK RIGHT BACK」。オリジナルはエヴァリー・ブラザーズだが、達郎さんとのデュオ・ヴァージョンはグレン・キャンベルとボビー・ジェントリーのヴァージョンに近いそうだ。達郎さんは自分のキャラに合ってない、暗い、カントリーはもっと明るく歌わなければと思ってるとか。まりやさんは佐橋さんのカントリー・タッチのギターが気に入ってるという。

・マイクロプラズマ肺炎
まりやさんは咳が止まらず病院に行ったらマイクロプラズマ肺炎と診断されてヘコんだとか。抗生物質を飲んで直したそうだが、普段は健康そのものなので病気がいちばんストレスなんだという。ちょっと具合が悪いと世界の終わりのような顔をするのだとか。

・『MELODIES』と『SEASON'S GREETINGS』のリマスター再発
今年は『MELODIES』が30周年になる。そして1993年に発売された『SEASON'S GREETINGS』が20周年。アニバーサリーということでこの二枚のアルバムを最新のリマスター・ヴァージョンで再発することになった。『Melodies 30th Anniversary Edition』と『Season's Greetings 20th Anniversary Edition』二枚とも発売日は8月28日。2013年のリマスターでボーナス・トラック・自筆ライナー付き。『MELODIES』は5曲、『SEASON'S GREETINGS』には7曲のボーナス・トラックが付いている。値段は現行2957円が2310円に。詳細はワーナーの山下達郎スペシャル・サイトにて。
http://wmg.jp/tatsuro/

・BE MY LOVE
Season's Greetings 20th Anniversary Edition』の中からまりやさんのリクエストで「BE MY LOVE」。まりやさんがコーラスで参加している。マリオ・ランツァの作品。達郎さんは最後の歌い上げの部分を15回やったそうだ。ライヴでは無理とか。
『SEASON'S GREETINGS』は外人の友だちにプレゼントするとすごく喜ばれるとまりやさん。達郎さんによるとリマスタリングは20年経ったがいかに古くさせないかということに注意したのだとか。考えたのはドラムが入ってないので、リズム・セクションをあんまり目立たせない、シンフォニックにやる、そうすると意外に時の試練に耐えるんじゃないかということ。
「PERFORMANCE 2013」のパンフレットには達郎さんと服部克久さんの対談が掲載されているそうだ。「BE MY LOVE」についてのくだりもあるという。

・SMOKE GETS IN YOUR EYES
Season's Greetings 20th Anniversary Edition』の中からまりやさんのリクエストで「SMOKE GETS IN YOUR EYES」。

・プレゼント
まりやさんが出雲で購入した打ち出の小槌のストラップを20名にプレゼント。

・プレゼント
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」プレゼント係
http://www.tatsuro.co.jp

・アナログ盤
10月の下旬に『Melodies 30th Anniversary Edition』と『Season's Greetings 20th Anniversary Edition』をアナログで発売する予定。収録時間、カッティングの都合でボーナス・トラックは入らないそうだ。

・ムーン・レーベルのリマスター
来年は『BIG WAVE』と『POCKET MUSIC』の予定。平行してまりやさんのアルバムのリマスターも考えているそうだ。

・たそがれダイアリー
まりやさんのニュー・シングル「Dear Angie ~あなたは負けない」のカップリング曲で、3月まで「NEWS23 クロス」のエンディング・テーマだった「それぞれの夜」。達郎さんによるとここ1,2年でいちばん上手くアレンジできた一作だとか。まりやさんは冬にかけてリリースの予定があるものの、まだ発表できる段階ではないとのこと。

・シングル「愛しきわが出雲」
今年出雲大社は60年に一度の平成の大遷宮という大改修が行われて、それにちなんで出雲出身のまりやさんが出雲市から依頼を受けて故郷への思いを綴った歌を書いた。「愛しきわが出雲」という曲を書き下ろし提供した。竹内まりや本人のプロデュース。これを出雲市が販売するCDということで8月10日に発売。まりやさんと市内の中高生・社会人合唱団総勢100名による「合唱団ヴァージョン」が収録されている。
出雲市役所、観光協会のほか通販のワーナーミュージック・ダイレクトでも販売する。
http://shop.wmg.jp/items/IZCD-17322?icid=bnr_topmainM/

「PERFORMANCE 2013」の会場での販売も考慮中とのこと。

・さよなら夏の日
「納涼夫婦放談」ではすでに定番化した「さよなら夏の日」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

09月08日は、レギュラープログラム「棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
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