Sunday Song Book #1237

2016年06月26日 | Sunday Song Book

2016年06月26日プレイリスト
「『WARNER POP MUSIC NUGGETS』特集」
1. 希望という名の光 / 山下達郎 "レイ・オブ・ホープ"、"オーパス"
2. HIPPY HIPPY SHAKE / CHAN ROMERO "WARNER POP ROCK NUGGETS VOL.1" '59
3. LONELY GUY / THE GALLAHADS "WARNER POP ROCK NUGGETS VOL.1" '60
4. THIS BOUQUET / DAVID JONES "WARNER POP ROCK NUGGETS VOL.1" '65
5. SPANISH ARMADA / MEL TAYLOR "WARNER POP ROCK NUGGETS VOL.1" '66
6. MY BABY MADE ME CRY / JIMMY GRIFFIN "WARNER POP ROCK NUGGETS VOL.2" '64
7. CAN'T HELP LOVIN' THAT GIRL OF MINE / DANNY AND THE MEMORIES "WARNER POP ROCK NUGGETS VOL.2" '64
8. HE DON'T LOVE YOU (AND HE'LL BREAK YOUR HEART) / LEVON AND THE HAWKS "WARNER POP ROCK NUGGETS VOL.2" '65
9. GOOD LOVIN'/ THE OLYMPICS "WARNER POP ROCK NUGGETS VOL.2" '65
10. COME BACK BABY / THE STOPPERS "WARNER POP ROCK NUGGETS VOL.2" '66
11. GO AWAY LITTLE GIRL / THE HAPPENINGS "WARNER POP ROCK NUGGETS VOL.2" '66
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■内容の一部を抜粋
・近況
先週、達郎さんは風邪を引いてしまったのだという。珍しく熱が出て一週間棒に振ってしまったそうだ。そのあいだ歌詞を書いていたとか。薬を飲んで安静にしていたおかげで良くなって、今週からまたスタジオに復帰するとのこと。締め切りが迫っているという。

・「WARNER POP MUSIC NUGGET」特集
今週来週はワーナーのコンピレーションの特集。6月22日に『WARNER GIRL GROUP NUGGET』がVOL.6とVOL.7、『WARNER POP ROCK NUGGET』がVOL.1からVOL.4、計6枚リリースされた。特に「WARNER POP ROCK NUGGET」はワーナーに最近転がり込んできたブリティッシュものなどいろんなカタログを網羅していて、かなり濃いコンピレーションになっているという。イギリスのエース・レーベルに勝るとも劣らない濃い内容になってるそうだ。今週来週の二週間でできうるかぎりやるとか。今週は『WARNER POP ROCK NUGGET』のVOL.1から、できるならVOL.3のあたままで。

・希望という名の光
病気と闘っている奥様のためにご主人から「希望という名の光」のリクエスト。

・HIPPY HIPPY SHAKE
「WARNER POP ROCK NUGGET」VOL.1のタイトルは『Magic Town』で、バリー・マンが書いたザ・ヴォーグスの名作が収録されているのでタイトルになっている。この中から「HIPPY HIPPY SHAKE」。1964年、スウィンギング・ブルージーンズのヒット曲で知られているが、そのオリジナル・ヴァージョンでヒスパニック系のチャン・ロミオ。モンタナ生まれでリッチー・ヴァレンスにかわいがられてデビューした。彼の1959年の自作。ヒットしなかったが今ではスタンダードになった。ドラムはアール・パーマー、ギターはバニー・ケッセル。

・LONELY GUY
「WARNER POP ROCK NUGGET」VOL.1のあたまのところはデルファイ・レーベルがずらりと並んでいる。デルファイといえばドゥーワップ。シアトル出身の4人組の黒人ヴォーカル・グループ、ガラハッズの1960年の「LONELY GUY」。達郎さんが高校生の18歳くらいのときに、ラジオのジム・ピューターズ・ショウ(達郎さんをドゥー・ワップの泥沼にのめり込ませたラジオ番組)でこの曲がかかっていて、「なんていい曲なんだろう」と思って、その頃はレコードなんて絶対手に入らないから、オープンリールで録ったテープを聴いていたという。ガラハッズにはワッツ・103丁目ストリート・リズム・バンドのメンバーになるチャールス・ライトが在籍していた。このレコーディングはバリー・ホワイトがドラムを叩いているという説がある。

・THIS BOUQUET
「WARNER POP ROCK NUGGET」は皆川勝さんが詳細な解説を書いているそうだ。1965年、モンキーズのデイビー・ジョーンズが、アメリカに渡る前にイギリスのコルピックス・レーベルからデイヴッド・ジョーンズ名義の作品を出している。「THIS BOUQUET」はウェスト・コーストのグループ、パレードのスモーキー・ロバーズとマレー・マクレオドの作品。アレンジとプロデュースはハンク・レヴィン。

・SPANISH ARMADA
達郎さんの好きなメル・テイラーの1966年のソロ・シングル「SPANISH ARMADA」(邦題「無敵艦隊」)。達郎さんは中学3年のときにこのシングルを買ったそうだ。もともとはレス・リード・コンボが1964年にリリース。皆川さんの解説によるとイギリスのニュース番組のテーマ・ソングだったとか。

「WARNER POP ROCK NUGGET」VOL.1には世界初CD化の作品が何曲か収録されている。ジャズ・コーラス・グループのハイロウズの「SILLY BOY」、ジェームス・ダーレンがトニー・ハッチの曲を歌った「IF I COULD ONLY TELL YOU」など4分の3以上が日本初CD化。「作ってるA&Rの宮治淳一さんのですね、高笑いが聞こえてきそうであります。どうだ!」と達郎さん。

・MY BABY MADE ME CRY
「WARNER POP ROCK NUGGET」VOL.2は『Go Away Little Girl』というタイトル。11曲目に入ってるジミー・グリフィン。デヴィッド・ゲイツと共にブレッドをやっていたジェームス・グリフィンが、ブレッドの前に出した1964年のソロ・シングル「MY BABY MADE ME CRY」。5枚目のシングルのB面。皆川さんの解説によるとオハイオ生まれでメンフィスに引っ越したら、近所に住んでたジョニー・バーネットとドーシー・バーネットの兄弟と幼馴染になって、その縁でリプリーズのデビューにこぎつけたという。

・CAN'T HELP LOVIN' THAT GIRL OF MINE
ドゥーワップのダニー&ザ・メモリーズの1964年の「CAN'T HELP LOVIN' THAT GIRL OF MINE」。このグループはクレイジー・ホースの前身として知られている。「CAN'T HELP LOVIN' THAT GIRL OF MINE」はスタンダード・ナンバー。皆川さんの解説によるとリーダーズの1956年のシングルが最初のドゥーワップ・ヴァージョンではないかと書かれている。ダニー&ザ・メモリーズの「CAN'T HELP LOVIN' THAT GIRL OF MINE」にはニール・ヤングが入ってるという噂があるけれど、皆川さんの解説ではニール・ヤングは入っていないとか。この後、ダニー&ザ・メモリーズからロケッツ、サイクルと名前を変えてクレイジー・ホースになってゆく。

・『WARNER POP ROCK NUGGET』特集
今週は時間の関係で『WARNER POP ROCK NUGGET』VOL.1とVOL.2まで。来週3と4。3週間の特集になるそうだ。

・アカペラのジングル
リスナーから「以前はCM前のジングルが数タイプありましたが、最近はアカペラのタイプしか使われてません。もしかして誤って消してしまったとか? 謎は深まるばかりです。あるようならリクエストしたいです」というお便り。
「あるそうです。そのうち使ってくれるでしょう。あのその裁量は僕にはないのでスイマセン。(番組の)ディレクターのヤマギシ女史が全部掌握しておりますので」と達郎さん。

・HE DON'T LOVE YOU (AND HE'LL BREAK YOUR HEART)
日本初CD化。リボン&ザ・ホークスは後のザ・バンド。ザ・バンドがロニー・ホーキンスと別れたあとでアトコから数枚シングルを出している。1964年のシングル「HE DON'T LOVE YOU (AND HE'LL BREAK YOUR HEART)」はロビー・ロバートソンの作品。「これライナーにはフィリップ・サイド、B面だとなってますが、1968年に再発されるんですね、アトコから。バンドの「THE WEIGHT」のヒットを受けてですね。そのときにこの曲を書いてますが、こっちがA面じゃないかというふうに僕は思いますが。いずれにせよ、これ誰が歌ってるんでしょうね。リボン&ザ・ホークスですからリボン・ヘルムなんでしょうけれど、なんかリチャード・マニュエルのように聴こえますがね(笑)。この掠れた感じ。まだバンドがいろいろと探ってる時代の作品でございます」と達郎さん。

・GOOD LOVIN'
オリンピックスの「GOOD LOVIN'」はラスカルズの1966年のNO.1ソング。ラスカルズがウェスト・コーストでライヴをやってるときにラジオからこの曲がかかってきて、それをカヴァーしたらラスカルズのヴァージョンがヒットしたという。オリンピックスのヴァージョンは1965年、全米81位。実はこの曲には更に前があって、アラバマ出身のR&Bシンガーのリミー・スネルがLemme B. Goodという変名でリリースしたのが「GOOD LOVIN'」の本当のオリジナル・ヴァージョン。

・COME BACK BABY
『Go Away Little Girl - Warner Pop Rock Nuggets Vol. 2』に入ってる世界初CD化の作品。歌っているのはザ・ストッパーズという黒人ヴォーカル・グループ。「COME BACK BABY」は1966年の作品で、イギリスのノーザン・ソウルではめちゃくちゃ高い一枚。オリジナルはニューヨークの女性黒人シンガーのロディ・ジョイ。レッド・バード・レーベルで1965年にリリースされた。どちらもヒットはしていない。ザ・ストッパーズのレコードは何回もオークションで落とし損ねて達郎さんはまだ持ってないのだという。「ザ・ストッパーズの作品はこれ一枚でありますが。1番から2番に移ると1番のメロディがファルセット、オクターブ上がるというのがなかなか渋いアレでございます。レーベルがジュビリーなのでたぶんニューヨーク近辺のグループだと思われますが全くわかりません」と達郎さん。

・ポップコーン
リスナーから「ジェームス・ブラウンが1969年から1970年にかけてリリースした曲に"POPCORN"を含むタイトルが複数あるのは何故なんでしょうか? この頃"POPCORN"というダンスがあったと聞いたことがありますが、JBはそのダンスがお気に入りだったのでしょうか?」という質問。
「あの"POPCORN"というダンスです。で"POPCORN"という曲が流行ったら、もうそれで二番煎じといいましょうかですね。そういうの好きなんです、あの人。"HOT PANTS"とかですね。あのダンス・ミュージックです。ドッグとかバードとかですね、ペンギンとかモンキーとかですね、いろんなものがあります。ハッスル、ランバダ、今でも変わりません。ダンス、なんか流行ったらもう全部それになります。驚くには値しません」と達郎さん。

・GO AWAY LITTLE GIRL
達郎さんの青春の一曲。先ほどのメル・テイラーの「無敵艦隊」と同時期の1966年の作品。ハプニングスの「SEE YOU IN SEPTEMBER」に続くセカンド・ヒットが「GO AWAY LITTLE GIRL」で全米12位。スティーブ・ローレンスの1966年の全米NO.1「GO AWAY LITTLE GIRL」をカヴァー。キャロル・キングとジェリー・ゴフィンの名作。この時期いわゆる8ビート・ミュージックがミドル・オブ・ザ・ロードにどっと流れ込んできた時代で、それまでのスウィングしたもの、それからハチロク、そういうものからロッケンロールな8ビートでミドル・オブ・ザ・ロードを展開する西の雄がリック・グラッサーがプロデュースしたザ・ヴォーグス。メル・テイラーもリック・グラッサーがプロデースした。そして東の雄がトーケンズがプロデュースしたハプニングス。スティーブ・ローレンスの「GO AWAY LITTLE GIRL」はのんびりしたものだったが、8ビートでハーブ・バーンスティンのアレンジする展開するロッケンロールなヴァージョンに変身させている。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2016年07月03日は、引き続き「『WARNER POP MUSIC NUGGETS』特集」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Song Book #1236

2016年06月19日 | Sunday Song Book

2016年06月19日プレイリスト
「『父の日』で棚からひとつかみ」
1. いのちの歌 / 竹内まりや "6月25日封切り 映画「嫌な女」主題歌"
2. ROCKIN' DADDY / HOWLIN' WOLF "LONDON HOWLIN' WOLF SESSIONS" '68
3. パパの歌 / 忌野清志郎 '91
4. I'M HER DADDY / BILL WITHERS "JUST AS I AM" '71
5. SUNDAY FATHER / BARRY MANILOW "ONE VOICE" '79
6. MY HEART BELONGS TO MY DADDY / MARILYN MONROE "映画「恋をしましょう」" '60
7. LET ME BE THE MAN MY DADDY WAS / THE CHI-LITES "GIVE IT AWAY" '69
8. 父親の悲哀 / 矢野顕子 "映画「ホーホケキョ となりの山田くん」" '99
9. DANCE WITH MY FATHER / LUTHER VANDROSS "DANCE WITH MY FATHER" '03
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■内容の一部を抜粋
・近況
梅雨だというものの関東地方は利根川が渇水していて取水制限がはじまったとか。「このまま行くと給水制限なんて。なんか観測史上最低の貯水率とか言ってますが。最近、だけど、メディアの言ってる観測史上というのはですね、'90年代くらいからのカウントでありまして。40年、50年のアレじゃないんですよね。だから70年住んで最低だと言うとビビリますけれどもね。最近はどうも、そういうのが気になって仕方がありません。3日ぶりに株価が下がったとかですね。一月ぶりの円高だとかですね。もっとなんかロングスパンで話しろ。まぁ、そんなことどうでもいいんですけれど(笑)」と達郎さん。

レコーディングがはじまって毎日夜中過ぎまでウンウンやってるという。いろいろあっち行ったりこっち行ったりして、曲が変わったりしているのだという。具体的に話せるようになったら、またお知らせしたいと思います、と達郎さん。

・『父の日』で棚からひとつかみ
今週は二月に一度の恐怖の聴取率週間だが、レコーディングでテンパってて、あまり関係ないそうだ。しょっちゅうライヴ音源をかけてるわけにもいかないし、それだってけっこう作業が必要なので、プロデューサーから助け舟が出て、6月の第3日曜日が「父の日」なので何かやることになったという。「父の日になんかやったって、聴取率週間がうまくいくかどうかわかりませんが、まぁ助け舟ですので」と達郎さん。2000年前後に『父の日』絡みで何かやったことがあるので15,6年ぶり。今週は『父の日』で棚からひとつかみ。テーマ優先だと曲の質が落ちるので、なるべく曲優先に。そうなると「父の日」なのにテーマにそぐわない暗い曲というか、歌の内容が辛気臭くなるので、その辺りはご容赦をとのこと。あくまでシャレということで。

・いのちの歌
女優の黒木瞳さんが初監督した映画『嫌な女』。桂望実さん原作の作品の映画化で主演が吉田羊さんと木村佳乃さん。吉田羊さんは映画初主演の作品になるという。この作品が今週土曜日6月25日から全国ロードショウになる。この映画の主題歌に竹内まりやさんの「いのちの歌」が起用される。もともとはNHKの連続朝ドラ「だんだん」の劇中歌で、まりやさんがMIYABIのペンネームで作詞。作曲・編曲は村松崇継さん。シングルにもなった。この曲を黒木瞳さんが是非とも主題歌に使いたいとご要望で、この程、映画の主題歌として使われることになった。映画の詳細は『嫌な女』オフィシャル・サイトにて。
http://iyanaonna.jp

・ROCKIN' DADDY
シカゴ・ブルースを代表する存在、ハウリン・ウルフの1971年のアルバム『LONDON HOWLIN' WOLF SESSIONS』から「ROCKIN' DADDY」。ロンドン・レコーディングでハウリン・ウルフのレパートリーを、エリック・クラプトン、スティーヴィー・ウィンウッド、ビル・ワイマン、チャーリー・ワッツのメンバーがリスペクト溢れる演奏をしている。

・パパの歌
お父さんの歌で達郎さんがいちばんいい歌だと思うのが2000年前後のときにもかけた忌野清志郎さんの「パパの歌」(1991年)。「傑作です」と達郎さん。糸井重里さん作詞。

・I'M HER DADDY
今回選曲していて、いい曲だと思うのはどれも哀しい歌だったという。曲が説得力あるので「父の日」なのでしみじみとしていただこう、と達郎さん。ビル・ウィザースのデビュー・アルバム1971年の名盤『JUST AS I AM』から「I'M HER DADDY」。別れた女の人がじぶんのこどもを産んでて、6年経ってから女の人に会って、6歳の女の子がいることを僕になぜ話してくれないんだ、という切ない歌。プロデュースド・バイ・ブッカーT.ジョーンズ。ギターが珍しくスティーブン・スティルス。

・SUNDAY FATHER
バリー・マニロウの1979年のアルバム『ONE VOICE』から「SUNDAY FATHER」。離婚した父親が日曜日だけ子どもと会わせてもらえるという父親と息子の交流を描いた歌。作詞はイノック・アンダーソン。

・今と違う場所に住むとしたら
リスナーから「もし今と違う場所に住むとしたらどこに住むのがいいですか?」という質問。
「私、東北がいいですね。仙台あたり、いいなと思いますが。まぁ、母の実家が仙台なものでしたから。でも、年取ってきますと寒いのが苦手になってきますと、そういうのもどうかなって(笑)。青森、岩手、宮城、山形、秋田、ああいうところはすごく人情が好きであります。べつに南が悪いというわけじゃないですよ」と達郎さん。

・MY HEART BELONGS TO MY DADDY
リスナーから「MY HEART BELONGS TO MY DADDY」を達郎さんの好きなヴァージョンでというリクエスト。
この歌のダディはいわゆるお水の人が言うパパのこと。1938年のコール・ポーターの作詞作曲。もともとミュージカルで歌われたもので、この歌の白眉はマリリン・モンローの1960年の主演映画『LET'S MAKE LOVE』(邦題は「恋をしましょう」)。イブ・モンタンとマリリン・モンローが共演して交際がはじまってしまった作品。映画はおもしろいものではないが、モンローが「MY HEART BELONGS TO MY DADDY」(邦題「私の心はパパのもの」)を踊りながら歌う場面が輝くような美しさで、この曲はモンローのためにあるようなものではないかというくらい。

・LET ME BE THE MAN MY DADDY WAS
シカゴを代表するヴォーカル・グループ、チャイライツの1969年のアルバム『GIVE IT AWAY』に入ってる「LET ME BE THE MAN MY DADDY WAS」。お父さんみたいな男にさせて、という歌。バーバラ・アクリンとユージン・レコードの共作。

・父親の悲哀
1999年の映画『ホーホケキョ となりの山田くん』はいしいひさいちさん原作で高畑勲さんが監督した作品。このサントラに矢野顕子さんのインスト「父親の悲哀」が入ってる。

・「WARNER POP MUSIC NUGGET」特集
来週はワーナーのコンピレーションの特集。6月22日に『WARNER GIRL GROUP NUGGET』がVOL.6とVOL.7、『WARNER POP ROCK NUGGET』がVOL.1からVOL.4、計6枚リリースになる。だんだんカルトになってきて、ものすごい内容だとか。コレクターにはたまらない内容でイギリスのエース・レーベルに勝るとも劣らないコンピになってるそうだ。来週はいけるところまで。その間にレコーディングをシコシコやるとのこと。

・豊漁
今年は台風が少なくて鰻やスッポンが豊漁だという情報がありますと達郎さん。だから養殖より天然のほうが値崩れしていて安いとか。「そろそろスッポンの季節なので、がんばってスッポンでも食いながらスタジオ仕事に励みたいと思います(笑)」と達郎さん。

・DANCE WITH MY FATHER
今日の最後は達郎さんが父の歌でいちばん好きな曲の一曲。ルーサー・ヴァンドロスの2003年のアルバム『DANCE WITH MY FATHER』のタイトル・ソング「DANCE WITH MY FATHER」。シングル・カットされて全米38位のスマッシュ・ヒットだが、その後、2004年のグラミーのソング・オブ・ジ・イヤーを獲得した。セリーヌ・ディオンのカヴァーがあり、今はスタンダードでたいへん有名な曲となった名作。今は亡きお父さんへの思い出と、それを悲しむお母さんに、もう一度お父さんに会わせてくれと神に祈るというひじょうに清廉で、かつルーサー・ヴァンドロスの素晴らしいヴォーカルで展開されると思わずグッとくる名作中の名作。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
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2016年06月26日は、「『WARNER POP MUSIC NUGGET』特集」
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Sunday Song Book #1235

2016年06月12日 | Sunday Song Book

2016年06月12日プレイリスト
「リクエスト特集」
1. LOVE TALKIN' / 山下達郎 "フォー・ユー" '82
2. TIN SOLDIER / THE SMALL FACES '68
3. TEAR DROPS / LEE ANDREWS & THE HEARTS '58
4. AIN'T GONNA KISS YA / SUZIE CLARK '62
5. I'M GONNA PROVE IT / THE SOFTONES "THE SOFTONES" '73
6. WAIT A MINUTE / THE LOST GENERATION "THE SLY,SLICKED & THE WICKED" '70
7. PIANGI CON ME / THE ROKES '66
8. 十字路 / 山下達郎 "ポケット・ミュージック" '86
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■内容の一部を抜粋
・近況
家で曲書きしていて声を出してるので、今週は声が嗄れ気味だという。今週も番組は前倒しで収録しているそうだ。

・リクエスト特集
そんなわけで今週はリクエスト特集。そのあいだに曲をレコーディングするスケジュール。

・LOVE TALKIN'
1982年のアルバム『FOR YOU』から「LOVE TALKIN'」。「この当時のトレンドでありましたファンクものでございますが。アナログ・レコーディングで今この空気感とかですね、こういう奥行感は今デジタルでは出ないんですよ。何回かトライしたんですけれど、デジタルになってからなかなかできませんが」と達郎さん。

・TIN SOLDIER
CM明けは大体UKロック。今日はスモール・フェイセズの1968年、全英9位、全米73位の「TIN SOLDIER」。アメリカではスモール・フェイセズの曲はなかなかヒットが出なかったけれど、曲は大変に人気のある曲でトッド・ラングレンがカヴァーしたり、達郎さんもオリジナル・シングルを日本盤で買って聴いていたという。

・TEAR DROPS
先々週の訃報中心のプログラムでかからなかったものから、ドゥーワップのリー・アンドリュース&ザ・ハーツ。セカンド・ヒットの「TEAR DROPS」。リー・アンドリュースはドゥーワップの世界で最も優れたヴォーカリストのひとりに挙げられる。先日、亡くなった。1958年、R&Bチャート4位、全米チャート20位。

・AIN'T GONNA KISS YA
スージー・クラークは日本では全く無名の女性シンガー。「AIN'T GONNA KISS YA」は1962年の作品だが、1年後にリボンズという黒人ガール・グループが全米81位。作曲はジェームス・マーカス・スミス、後のP.J.プロビーだということで知られている。スージー・クラークのヴァージョンのプロデュースはゲイリー・パクストン。5月22日放送でオンエアしたフォー・フレッシュメンのシングル「NOWHERE TO GO」と同じ。ヒットしたリボンズのヴァージョンはもう少し遅いテンポでやっていて、そちらもなかなかいい。「機会があれば」と達郎さん。

・I'M GONNA PROVE IT
ザ・ソフトーンズは'70年代初期を彩ったスウィート・ソウルのグループ。彼らのデビュー・ヒットで1973年、全米ソウル・チャート44位の「I'M GONNA PROVE IT」。「リード・ヴォーカルのマーヴィン・ブラウンの素晴らしくきれいなファルセットが魅力的な曲ですが、でも僕これ出た頃は甘くて、ソフトーンズなんて甘くてヤだぁなぁとか思ってたんですが、この歳になると沁みるもんですね、やはり。寄る年波といいましょうか」と達郎さん。曲を書いているのはマーク・バーカン。共作しているのはドン・オリオロ。

・『父の日』で棚からひとつかみ
来週は聴取率週間。ちょうど父の日なので「父の日特集」。「それで聴取率が取れるのか? いいんです。それでやれと言われてるので。助け舟が来ました。これでいいです。ありがたい。でもけっこう仕込むの大変なんですよ。父親のやつというのは。邦楽のほうがおもしろいと思うんですけれどね、なかなか大変ですね(笑)。邦楽になりますと全部なんでもあるというやつでもないんです。取り寄せなきゃなんないので。仕込まなきゃなんないので。レコーディングやってて、そんなことやってていのかっていう(笑)。そういう感じでございますが」と達郎さん。

・ボブ・クリューとボブ・ゴーディオ
高校一年生のリスナーから「フォー・シーズンズの曲でボブ・クリューとボブ・ゴーディオとクレジットがあるのは、主にどちらが作曲しているのでしょうか?」という質問。
ボブ・ゴーディオが作曲していて、ボブ・クリューが作詞だけれど、ボブ・クリューはプロデューサーなので、こういうコンビのソングライターだったら作曲に口を出すそうだ。ボブ・クリューはシンガーだったのでメロディに対するセンスでディスカッションをするのだという。なのでボブ・クリュー / ボブ・ゴーディオというクレジットになっているとか。基本的にはボブ・ゴーディオが作曲、ボブ・クリューが作詞という解釈をしてください、と達郎さん。

・WAIT A MINUTE
チャイライツのユージン・レコードがプロデュースしているロスト・ジェネレーションの「WAIT A MINUTE」にリクエスト。ロスト・ジェネレーションはシカゴのヴォーカル・グループ。リード・ヴォーカルのローレル・サイモンはとっても才能のある人で曲も書くという。1970年、全米ソウル・チャート25位。同年のアルバム『THE SLY,SLICKED & THE WICKED』に収録されている。

・PIANGI CON ME
先週の「1234 (ワン・ツー・スリー・フォー) で棚からひとつかみ!」のオンエア前に番組は収録していて、どのようなリスナーの反響かまだわからないけれど、リクエストがいちばん多かったのはビートルズの「I SAW HER STANDING THERE」だったとか。「かけませんね、それは。さすがに(笑)。I SAW HER STANDING THEREって実はあんまり好きな曲じゃないんですよ(笑)。ポールの初期の曲ってあんまりなんか... 僕ジョン・レノン派なんで。すいませんね」と達郎さん。次に多かったのがグラス・ルーツの「LET'S LIVE FOR TODAY」なんだという。こっちをかけてみようかと思ったそうだが、達郎さんはへそ曲がりなので、今日は「LET'S LIVE FOR TODAY」のオリジナル。ザ・ロークスというイギリスのヴォーカル・インストゥルメンタル・グループがイタリアに渡って、イギリスの曲をイタリア語で歌っていたりしたが、そのうちにオリジナルを作った。「PIANGI CON ME」は英語で「CRY WITH ME」という意味でこれが大ヒット。この曲がヨーロッパでは違う歌詞で歌われるようになり、それが「LET'S LIVE FOR TODAY」。まわりまわってカリフォルニアのP.F.スローンの目に止まって、グラス・ルーツがカヴァーして1967年、全米8位のヒットになった。今日はそのオリジナルで1966年のザ・ロークス「PIANGI CON ME」。メンバーの作曲となっているがこの曲にも元ネタがあってドリフターズの1961年の作品「I COUNT THE TEARS」のフックと全く同じメロディ。作曲したドク・ポーマスとモート・シューマンは訴訟も考えたが、あまり争いを好まないということで訴訟しなかったという。

・夜型
リスナーから「達郎さんは作曲するときは朝型夜型どちらですか?」という質問。
「私は圧倒的に夜です。夜中です」と達郎さん。

・十字路
達郎さんの1986年のアルバム『POCKET MUSIC』の「十字路」にたくさんリクエストが集まったそうだ。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2016年06月19日は、「『父の日』で棚からひとつかみ」
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Sunday Song Book #1234

2016年06月05日 | Sunday Song Book

2016年06月05日プレイリスト
通算1234回記念
「1234 (ワン・ツー・スリー・フォー) で棚からひとつかみ!」
1. アトムの子 / 山下達郎 "アルチザン" '91
2. 1-2-3 / GLORIA ESTEFAN & MIAMI SOUND MACHINE '88
3. 1234 / FEIST "THE REMINDER" '07
4. 1,2,3,4 GIMME SOME MORE / D.D.SOUND '77
5. 1234 / RONNIE WOOD "1234" '81
6. 1234 GET ON THE DANCE FLOOR / VISHAL DADLANI,
HAMSIKA IYER & SRICHARAN KASTURIRANGAN "CHENNAI EXPRESS OST" '13
7. I KNOW YOU WANT ME (CALLE OCHO) / PITBULL "REBELUTION" '09
8. 1-2-3 / THE CHIMES "THE CHIMES" '89
9. 幸せのものさし / 竹内まりや "エクスプレッションズ" '08
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■内容の一部を抜粋
・近況
新曲のレコーディングがそろそろはじまるので、今週は番組を前倒しで収録しているそうだ。

・1234 (ワン・ツー・スリー・フォー) で棚からひとつかみ!
番組は1992年に「サタデー・ソングブック」として土曜日の午後にスタートしてから今年の10月でいよいよ24周年を迎えるという。今回で番組は通算1234回め。1111回めは「1」の特集をしたこともあり、今回は並びがいいので「1234 (ワン・ツー・スリー・フォー) で棚からひとつかみ!」。実はツアー中からこの日のためにいろいろとリサーチをしていたのだとか。こういうようにテーマを優先すると曲がついていかなくて、55分間オールディーズで間に合わずに、2000年代の曲を入れてようやく曲数が揃ったという。チャラチャラしていてJ-WAVEやINTER FMみたいな感じになって、いつもの落ち着きがないそうだ。「そのへんはひとつ、太く鷹揚にですね、ご容赦願いまして」と達郎さん。

・アトムの子
1991年のアルバム『ARTISAN』から「アトムの子」。1,2,3,4! のカウントではじまるのでリクエストが集まったという。

・1-2-3
グロリア・エステファン&マイアミ・サウンド・マシーンの「1-2-3」。達郎さんはグロリア・エステファンの声が好きなのだそうだ。グロリア・エステファンはキューバ生まれでマイアミに移民してきた。1987年のアルバム『LET IT LOOSE』はトリプル・ミリオンに輝いた大ヒット・アルバム。ここからシングル・カットされて全米3位。

・1234
ファイストはカナダ人の女性シンガー。今回選曲していて見つけたそうだ。2007年のセカンド・アルバム『THE REMINDER』から「1234」。カナダ人だがフランスでも人気があるらしい。

・ONE TIME, TWO TIME
リスナーから「PERFORMANCE 2013で演奏した GROOVIN' はジェームズ・ブラウンの I FEEL ALRIGHT (The Little Groove Maker, Me)をベースにしたものですか?」という質問。
「ONE TIME, TWO TIMEはもうね、星の数ほどパフォーマンスがありますから、アフリカ・アメリカンのですね。そういうライヴでしたら。昔からあるやり方です。のでひとつだけ聴いて、あぁこれだと思わないでくださいね。そういうのあんまり執着すると、あぁこれパクリだとすぐはじまる人になってしまいますからね」と達郎さん。

・1,2,3,4 GIMME SOME MORE
今回いちばん最初に思い出した曲が1970年代のディスコ・ブームのときに日本でもちょっとヒットしたD.D.サウンド。どこの誰だかわからないものの、達郎さんはシングルを持っているという。調べたらD.D.サウンドはイタリアで最初にディスコをはじめた人たちが結成した幽霊グループだとわかったそうだ。「1,2,3,4 GIMME SOME MORE」は未CD化なのでオリジナル・シングルからデジタル・プロセッシング。

・1234
ロニー・ウッドの1981年のソロ・アルバムのタイトルが『1234』。このアルバムのタイトル・ソング「1234」はロックンロール。

・1234 GET ON THE DANCE FLOOR
達郎さんは2013年のインド映画『チェンナイ・エクスプレス』に出てくる歌に、確か1,2,3,4と歌ってる曲があったという記憶があって、調べたら「1234 GET ON THE DANCE FLOOR」という曲だった。『チェンナイ・エクスプレス』は当時、インドで空前の大ヒットを記録したので達郎さんは映画を観に行ったとか。今回サントラを仕入れて映画のDVDも購入したそうだ。曲だけ聴くとチープだが映画のダンス・シーンと一緒に観るととてもいいそうだ。

・I KNOW YOU WANT ME (CALLE OCHO)
マイアミに戻ってこの人もキューバの2世、ピットブルの2009年のアルバム『REBELUTION』。全米8位、カナダではゴールド・レコード。そのアルバムから「I KNOW YOU WANT ME (CALLE OCHO)」。ピットブルはいい男でラップも上手い。英語なので日本では日中にかけても問題ないと思われるが、アメリカだと叩かれるので、曲の途中で終わり。そういうこと言ったらR.ケリーやアイズリー・ブラザーズ、プリンスもこの時間にはオンエアできない内容。

・1-2-3
スコットランド出身の3人組のユニット、ザ・チャイムスの1989年のアルバム『THE CHIMES』からデビュー・ヒットの「1-2-3」。プロデュースはジャジー・Bとネリー・フーパー。

・ディズニーランド
リスナーから「達郎さんやご家族が好きなアトラクションは何ですか? エレクトリカル・パレードはやっぱり歩道に座ってご覧になるのでしょうか?」という質問。
山下家ではティーカップに乗って、スモールワールドに行って、ダンボに行って、最後はトム・ソーヤ島で上がるのがコースになっていたそうだ。エレクトリカル・パレードは歩道に座って見るという。

・続蕎麦屋
リスナーから「以前の放送で蕎麦屋でお酒を飲むときの話がありましたが、ひとりで行くことはあるのですか? またお店の方は達郎さんと気づいているのでしょうか?」という質問。
蕎麦屋はいつもひとりで行くのだとか。二十代の頃から40年近く行ってるので、そのときのお姉さんが今でも働いてて顔なじみなので、今更グズグス言ったりしないそうだ。「そういう店が2,3軒あれば大丈夫なんですよ」と達郎さん。

・ジョン・コルトレーン
リスナーから「CD、レコードはネット等で自分でご購入されてるのでしょうか? セロニアス・モンク、マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーンの中で達郎さんがいちばん好きなのは? 同じ価格でボロボロのオリジナル盤と盤質がいい再発盤ではどちらを買いますか?」という質問。
CDは全部自分の意志で買うそうだ。人任せには絶対にしないとか。ジョン・コルトレーン。音優先なので盤質のいい再発盤。

・幸せのものさし
1,2,3&4というカウントではじまるまりやさんの「幸せのものさし」。狙ったリスナーのリクエストが採用された。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2016年06月12日は、「リクエスト特集」
http://www.tatsuro.co.jp
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