Sunday Song Book #1046

2012年10月28日 | Sunday Song Book

2012年10月28日プレイリスト
「棚からひとつかみ」
1. ターナーの汽罐車 / 山下達郎 "アルチザン" "オーパス" '91
2. LET'S HANG ON / THE 4 SEASONS '65
3. AIN'T NOTHING WRONG/ RONNIE DYSON "LOVE IN ALL FLAVOURS" '77
4. RISING COST OF LOVE / DARROW FLETCHER '79
5. NO LIMIT / DARROW FLETCHER '7?
6. IN YOUR NAME / GRAHAM NASH "REFLECTIONS" '09
7. おやすみ、ロージー / 山下達郎 "オーパス" '12('89)
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■内容の一部を抜粋
・近況
先々週から先週にかけてニューヨークへ行って来たそうだ。5年ぶりで今回はプライヴェートの旅行。気温は東京と変わらず20度前後で夜は東京より寒かったとか。それでも昔のニューヨークに比べて暖かったと達郎さん。11月からはまりやさんが曲をレコーディングするのでプロデュースとアレンジを達郎さんが行う。それを前にしてまりやさんが曲を書いてるので、達郎さんはそのあいだにいろいろと用足し、家の片付けとレコードの整理をしつつ準備を行ってるそうだ。

・棚からひとつかみ
今週はニューヨーク旅行の話を絡めながら、新着オールディーズのCDを中心にレギュラー・プログラムの「棚からひとつかみ」。

・ターナーの汽罐車
季節柄この曲にリクエストが集まった。1991年のアルバム『ARTISAN』収録曲。今回のベスト・アルバム『OPUS』にも収録されている。

・LET'S HANG ON
先々週から先週にかけて一週間ほどニューヨークへ旅行。プライヴェートの旅行なので食べまくって飲みまくったとか。フィラデルフィアまで足を伸ばして念願のバーンズ美術館を観たりいろいろしたという。運がいいことにブロードウェイのブロードウェイ・シアターでフランキー・ヴァリがライヴをやっていたそうだ。ただ75歳という年齢、最近のYouTubeを見るかぎり声が出てないようだったのであまり期待してなかったけれど、とんでもなく声が出ていて2時間半もやったのだとか。ライヴは一週間公演の初日、バンドは4人のコーラスと6人のブラス隊、総勢15人のリズム・セクションで本当に素晴らしかったという。「GREASE」からはじまってアンコールの最後は「LET'S HANG ON」、お客さん全員の大合唱で終わる感動のライヴだったとか。「LET'S HANG ON」は1965年の全米3位、フォー・シーズンズの代表作。

達郎さん自身がまもなく還暦。そうした意味でベテランのステージを研究しようと思っていただけに、ちょうどいいライヴだったそうだ。あとはクロスビー、スティルス&ナッシュもライヴをやっていて、こちらもいいお客さんで、デヴィッド・クロスビーが信じられないくらい声が出ていたので、なかなか拾いものだったという。

・AIN'T NOTHING WRONG
ロニー・ダイソンはワシントンD.C.生まれのニューヨークで活躍していたソロ・シンガーで、1990年に亡くなった。1970年代の終りにシカゴのプロデューサー、チャック・ジャクソンと、インデペンデンツのメンバーでナタリー・コールの旦那さん、マーヴィン・ヤンシーのふたりのプロデューサーによる2枚のアルバムが、最近イギリスのエクスパンションからCDが出た。とりわけ1977年のアルバム『LOVE IN ALL FLAVOURS』は当時、達郎さんが聴きまくった一枚。その中から1978年にシングル・カットされて全米ソウル・チャート77位のスマッシュ・ヒット「AIN'T NOTHING WRONG」は数あるR&Bのハチロク(8分6拍子)のバラードでは出色の出来。

・RISING COST OF LOVE
ダロウ・フレッチャーはシカゴで長く活動しているソウル・シンガー。1975年から1979年にかけてのシングルがイギリスのケントでCD化された。この時期のダロウ・フレッチャーはシカゴのグレー&ハンクスというソングライター・コンビと組んでたくさん作品を出している。この中から1979年にアトランティック・レーベルからシングルとして発売された「RISING COST OF LOVE」。

・NO LIMIT
イギリスのケントはダロウ・フレッチャーのCD未収録曲を7インチでリリースした。「NO LIMIT」という曲は1978年にフィラデルフィアの8人組のヴォーカル・インストゥルメンタル・グループ、ブレイク・ウォーターがレコーディングした曲。ダロウ・フレッチャーも同時期にレコーディングしたようだが発売されなかった。グレー&ハンクスの作品。

・プレゼント
「サンデー・ソングブック」20周年を記念してオリジナルの切手シートとリクエスト専用ハガキのセット。
切手シートはとり・みきさんの「タツローくん」のイラストを切手にしたもの。50円切手20枚が1シートになっている。
リクエスト専用ハガキもとり・みきさんのデザインで「タツローくん」のイラスト入り。宛先は印刷済みで名前のふりがなを書く欄も付いてる。このハガキは来年9月30日まで一年間受取人払いで切手を貼らずに投函できる。こちらも20枚。
切手シートとハガキをセットで100名にプレゼント。応募締め切りは10月末日。

・佐藤博 追悼プログラム
達郎さんのとっても身近なミュージシャンだったピアニストの佐藤博さんが一昨日10月26日に亡くなった。
「急死でありまして65歳。私が考える日本の最高のピアノ・プレーヤーのひとりであります。私とたくさん仕事していただきました。当然の訃報でみんな驚いております。まだみんな実感がわかないんですが。佐藤くんがいなくなるとホントに困りますね。ひじょうに残念なんですが。もう30年以上、佐藤くんには付き合っていただいておりますがですね、ぜひとも佐藤博追悼特集を来週はしたいと思います。私の作品と、それからまりやの作品だけでもう55分埋まってしまいますので、来週はぜひとも佐藤博追悼特集をしたいと思っております。彼の素晴らしいピアノを聴きながら業績を偲びたいと思っております」と達郎さん。

・IN YOUR NAME
ニューヨークで観たクロスビー、スティルス&ナッシュのほうもバックのミュージシャンの演奏が上手くて、スティーヴン・スティルスはちょっと声が怪しくなっていたが、それでもギターはバリバリだったとか。グラハム・ナッシュとデヴィッド・クロスビーはまだ全然声が伸びやかで、特にデヴィッド・クロスビーは生体肝移植をしたとは思えないような声の伸びで素晴らしかったそうだ。デヴィッド・クロスビーの息子がキーボードを弾いていて、いろいろと盛り上がり、「CARRY ON」ではじまり「TEACH YOUR CHILDREN」で終わるライヴ。とにかくお客さんが素晴らしかったという。ニューヨークのお客は素晴らしいと痛感して帰ってきたとか。
その中でいろいろとグラハム・ナッシュが政治的な発言をして一曲自分のオリジナルを歌ったそうだ。それはライノからグラハム・ナッシュが2009年にソロ活動を集大成したボックス・セット『REFLECTIONS』を発売して、その中に入ってる未発表の曲で今回初公開したとか。2007年のレコーディングで「IN YOUR NAME」。世界中で自分の神様を信じて、それで殺し合いをするということに疑問を感じて作った曲。「神様、私を助けてほしい/あなたの名前のもとに/人が殺されるのを/どうぞやめてほしい」というひじょうに印象が強い曲。

・おやすみ、ロージー
もともとは鈴木雅之さんに提供した曲のセルフ・カヴァー。
今回のベスト・アルバム『OPUS』ではDISC 2の最後に収録されている。

■リクエスト・お便り・プレゼントの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

■今後の予定
11月04日は、「佐藤博 追悼プログラム」
http://www.tatsuro.co.jp
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OPUS ~ALL TIME BEST 1975 - 2012~

2012年10月26日 | 山下達郎

個人サイトに『OPUS ~ALL TIME BEST 1975 - 2012~』のレビューをアップしました。
よろしくお願いします。

9月2日に放送されたNHK-FM「Sound Creators File」(山下達郎)で、
第一回ゲストのクリス松村さんの話を聞いてると、
どうも年齢が近そうな気がした。
ウイキペディアで調べると年齢不詳ということだった。
でも弟さんが秋篠宮と同級生ということなので(僕は秋篠宮と同い年)、
クリス松村さんのほうが年上だと判明した。
世代的には近いみたいですね。

クリス松村さんの1979年の話を聞いてて思い出したことがある。
小学校の頃、1977年か78年、父に連れられて近所の喫茶店に入った。
クリーム・ソーダかなんか飲みながら、
店内のマガジン・ラックから少年ジャンプを読んで、
江口寿史の「すすめ!! パイレーツ」と運命的な出合いをした。
以後、コミックが出たら買うようになった。
その中で、まっ、当時から江口寿史は楽屋落ちがあって(苦笑)、
達郎さんの『Circus Town』とか『Spacy』を聴いてると言ってた(描いてた)。

コミックは大体連載から一年とか二年とか遅れるわけだから、
1979年頃には僕は山下達郎という名前に触れてたんだなということを思い出した。
1979年の景色がサァーっと広がってきて、
その中で「Funky Flushin'」を聴いてると、なんかとても懐かしく感じた。

それ以前の自らの音楽体験に思いを馳せると。
小学生の頃は歌謡曲しか聴いてなかったように思う。

シュガーベイブがデビューした1975年、昭和50年のヒット曲って何だったのだろうと、
ふと気になり検索してみると以下のサイトがヒットした。
http://showa.pj39.com/00/1975.html

上位の曲をざっと挙げてみると
「昭和枯れすすき」、「シクラメンのかほり」、「時の過ぎゆくままに」、
「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」、「ロマンス」、「心のこり」、、、
意外に今でも覚えてるものだなぁ。僕は小学校四年生だった。
この時代に「Down Town」を聴いていたらどんなふうに思ったのだろう。
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Motoharu Radio Show #130

2012年10月24日 | Motoharu Radio Show

2012/10/23 OnAir - Extra Week - リスナーからのリクエスト特集
01.Andy Lewis with Paul Weller:Are You Trying to Be Lonely
02.Pretenders:Sense of Purpose
03.Jeff Lynne:She
04.The Finn Brothers:Part of Me, Part of You
05.Michael Kiwanuka:I'm Getting Ready
06.Eric Hutchinson:Watching You Watch Him
07.佐野元春:観覧車の夜
08.佐野元春:恋人たちの曳航
09.佐野元春:君を待っている
10.佐野元春:月夜を往け
11.佐野元春 with The Heartland:ビッグタイム
12.佐野元春:コヨーテ、海へ
13.佐野元春:すべてうまくはいかなくても
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■内容の一部を抜粋
・「夜」という言葉出てくる元春の曲
エクストラ・ウィークということでリスナーからのリクエスト特集。番組後半は秋の夜長にちなんで「夜」という言葉出てくる元春の曲を集める。

・Are You Trying to Be Lonely
アンディ・ルイスの2007年のレコード。ポール・ウェラーをゲスト・ヴォーカルに迎えている。

・Sense of Purpose
プリテンダーズの「Sense of Purpose」。

・She
エレクトリック・ライト・オーケストラのリーダー、ジェフ・リンはジョージ・ハリスンやトラヴェリング・ウィルベリーズのプロデューサーとしても知られている。つい最近、自分が好きな曲を集めたカヴァー・アルバムを出した。そのアルバムから「She」。オリジナルはフランスのシンガー、シャルル・アズナーブル。この曲はジュリア・ロバーツが主演した映画『ノッティングヒルの恋人』の主題歌としてエルヴィス・コステロがカヴァーしたレコードがヒットした。

佐野元春 : そういえば思い出しました。以前、民放のあるテレビ番組でエルヴィス・コステロと共演しました。僕はホーボーキングバンドのメンバーと、そしてコステロ氏はキーボード・プレーヤーのスティーヴ・ナイーヴと一緒でした。番組は僕とコステロ氏と交互に自分の曲を披露しあうという構成で、まぁ、いい感じで進んでいました。そして収録も後半に差し掛かって、いよいよ最後の曲、コステロ氏が歌うのはこの「She」という曲でした。そのとき何かコステロ氏と番組スタッフが揉めてる様子がありました。なんだろうと思って訊いてみるとコステロ氏が急にストリングスがほしいと言い出したということ。たしかにこの「She」という曲、レコードではストリングスの編曲でできた曲なのでキーボード・プレーヤーとふたりだけではちょっと再現するのは難しいだろうなという見方がありました。しかし、収録当日、しかも歌う直前にストリングスを用意しろというのは、なんとも無謀な話だなと思って見ていました。結局、スタッフが急遽あちこち電話をかけまくって、とりあえず10人くらいのストリングス・プレーヤーが集まりました。しかしその間、時間にして5時間。僕とバンドはもう待ちくたびれてしまって、ほんとうにもう帰ろうかと思いました。そんなこともあってミュージシャンというのはホントにわがままだな、他山の石ですよね。これはちょっと自戒も込めて自分の身を振り直そうと、そう思った出来事でした。

・Part of Me, Part of You
ニール・フィンと彼のお兄さんと組んだデュオ・グループ、フィン・ブラザーズの「Part of Me, Part of You」。

・I'm Getting Ready
マイケル・キアヌーカの「I'm Getting Ready」。

・Watching You Watch Him
ニューヨークのソングライター、エリック・ハチィンソンは新世代の中ではよくジェイソン・ムラーツと比較して語られている。今年出た新しいアルバムから「Watching You Watch Him」。

・GreenPeople
環境問題に取り組むユースたちを紹介するレポート「GreenPeople」。毎週このコーナーでは環境を巡る社会活動を通じて様々なアクションを起こしている人たちを紹介。このコーナーの協力はNHKの環境特集番組「エコチャンネル」。
http://www.nhk.or.jp/eco-channel/

今週は「森林ウォーカーズゆとり」。森林の力で人の心や体を癒す森林セラピーの普及に努めている。

・観覧車の夜
番組後半は秋の夜長にちなんで「夜」という言葉出てくる元春の曲を集める。

佐野元春 : ポピュラー音楽の中で「夜」をテーマにした曲、もしくは「夜」という言葉が使われてる曲、たくさんあります。ソングライターにとってこの「夜」というのは古今東西大変魅力的なテーマだといっていいと思います。夜というのは昼間の喧騒から離れて自分というものを見つめる時間があります。物思いにふける時間ということですよね。本当の自分が何を感じて何を考えているのか、ソングライターであればこのあたりのことにとても関心が深いはずです。また夜というものを象徴するのは闇ですね。光の対局にある闇。理屈ではわからない神秘が闇の中に潜んでいます。それを暴いてみたい。ソングライターであれば誰もがそう思ってるはずです。今夜はそんな「夜」という言葉が使われている曲、僕のレコードの中から何曲か選んで聴いてもらってます。

・恋人たちの曳航
・君を待っている

佐野元春 : ソングライターとして僕自身も「夜」という言葉はよく使いますね。僕の'80年代の初期3枚のアルバムはそのほとんどが夜の街の景色を歌ったものです。試しに自分の曲の中で「夜」という言葉が歌詞に出てくる曲を数えてみたら、なんと120曲近くありました。まぁ、そんなに使ったかなという感想ですね。ちなみに「朝」という言葉で調べてみると35曲でした。「昼」という言葉に至ってはたった2曲しかありません。圧倒的にソングライターとしての僕の関心は「夜」にあるということなんだと思います。きっと今後もこの傾向は変わらないと思います。

・月夜を往け
・ビッグタイム
・コヨーテ、海へ

・すべてうまくはいかなくても

・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/

・次回放送
11月6日火曜日午後11時
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Sunday Song Book #1045

2012年10月21日 | Sunday Song Book

2012年10月21日プレイリスト
「ライブで『OPUS』!」
1. パレード(LIVE)/ SUGAR BABE "'76/04/01 荻窪ロフト"
2. I LOVE YOU(LIVE)/ 山下達郎 "84/02/24 神奈川県民ホール"
3. ENDLESS GAME(LIVE)/ 山下達郎 "92/03/15 中野サンプラザ"
4. 硝子の少年~ヘロン(LIVE)/ 山下達郎 "00/01/31 高田馬場ESPホール"
5. FOREVER MINE(LIVE)/ 山下達郎 "09/04/04 東京エレクトロンホール宮城"
6. 風の回廊(LIVE)/ 山下達郎 "'99/02/04 NHKホール"
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■内容の一部を抜粋
・近況
仕事が立て込んできたので番組は前倒しで収録しているそうだ。

・ライブで『OPUS』!
今週は聴取率週間。実はふた月に一度聴取率週間が来るのだという。一年に六回、二十年で百二十回。その度に何かやるとなるとネタがなくなる。『OPUS ~ALL TIME BEST 1975 - 2012~』リリースから一ヶ月余り。このところライヴ・ソースをあまりオンエアしてないので今週は「ライブで『OPUS』!」。『OPUS』に収録されてる曲のライヴ・ヴァージョンを聴いてもらおうという企画。

・パレード(LIVE)
1976年4月1日に荻窪ロフトで行われたシュガーベイブの解散ライヴから。ニュー・リマスター・ヴァージョン。

・I LOVE YOU(LIVE)
1984年2月24日に行われた神奈川県民ホールでのライヴから「I LOVE YOU...PART.II」。アルバム『BIG WAVE』のツアーでカラオケをバックにしたひとりアカペラ。

・ENDLESS GAME(LIVE)
この季節に合った曲ということで「ENDLESS GAME」。「ENDLESS GAME」はアルバム『ARTISAN』のツアーで一回きり演奏しただけ。次のツアーで演奏したいそうで練習もやってるとか。でも曲が多くオーバーフローしてるのだそうだ。いつかまたやりたいという。1992年3月15日に行われた中野サンプラザでのライヴから。
「今聴くとずいぶん重い演奏してますね(笑)。もうちょっと軽くたっていいじゃねえかと思いますがですね(笑)。もう一回ライヴ録ろうかな。まだ三十代ですからね、四十代直前」と達郎さん。

・「僕らの夏の夢」のエンディング
『OPUS』を聴いたリスナーから「僕らの夏の夢」のエンディングがきれいに減衰せずにカットオフになってしまうのはなぜ?という質問。
「気分です。あれでフェイドアウトしてもよかったんですけれど、オルガンの音がピーと鳴ってパッと切れるのがいいかなと思って、ただそれだけですね(笑)」と達郎さん。

・硝子の少年~ヘロン(LIVE)
アルバム『ON THE STREET CORNER 3』を出したときの、いわゆるインストア・ライヴから。高田馬場のESPホールというスタジオを借りて、『ON THE STREET CORNER 3』購入者を抽選で招待して行ったインストア・ライヴ。そのときのアンコールでカラオケをバックに「硝子の少年」と「ヘロン」をメドレーを歌った。「硝子の少年」はテレビ・サイズ、「ヘロン」は一箇所間違ってる。2000年1月30日に高田馬場のESPホールで行われたインストア・ライヴから。
「なにしろヘロンも硝子の少年も録音に残ってるライヴ・ソースはこれしかないので(笑)。ヘロンは歌詞、途中で間違えておりますが、ご愛嬌でございます(笑)。普通のライヴでなんでやらないのかと言われますが、これ一曲で、一曲、二曲だったら何とか歌えるのですけれど、三時間のライヴの中でやると声が終わってしまうという(笑)。ですから、まぁ、ちょっとしたところで一曲やったやつをライヴで録ろうかな、そんなことを思ってますが、いつになりますか」と達郎さん。

・プレゼント
「サンデー・ソングブック」20周年を記念してオリジナルの切手シートとリクエスト専用ハガキのセット。
切手シートはとり・みきさんの「タツローくん」のイラストを切手にしたもの。50円切手20枚が1シートになっている。
リクエスト専用ハガキもとり・みきさんのデザインで「タツローくん」のイラスト入り。宛先は印刷済みで名前のふりがなを書く欄も付いてる。このハガキは来年9月30日まで一年間受取人払いで切手を貼らずに投函できる。こちらも20枚。
切手シートとハガキをセットで100名にプレゼント。応募締め切りは10月末日。

・FOREVER MINE(LIVE)
この季節に合わせてしっとりと。これもPAアウトなので今後製品化されないとのこと。2009年4月4日の仙台、東京エレクトロンホール宮城(旧宮城県民会館)でのライヴ。
「まだライヴ再開したばかりのアレなりで歌がもうちょっと。今歌うともうちょっといけますが。これ、ちょっと演奏が重いですが。JOY2出したときには違うテイクで。もうちょっといいのがあると思います(笑)。ちゃんとしたマルチからミックスダウンする暇がないので」と達郎さん。

・ビブラート
リスナーから「ビブラートが上手くなる方法、訓練等などありましたら教えて下さい」というお便り。
「ビブラートは自然とかかるもんなんですね。でもノンビブラートもまたひとつの味なので、それもプロだったらいいんですけど。でもビブラートをかけたいというアレなので。いちばん簡単な方法は、あー、と出してお腹を自分で揺するんです。あ~~~、とビブラートかかります。それの感覚を覚えるとなります。諸説あります。横隔膜を使うという説と、使わなくていいという説と。でもいろんなやり方が多分あると思います。僕はノンビブラートとビブラート、意識してやる人間なので、なんにもやらないで、あ~~~、とやるやつと、はあ~~~、とやるやつと、そういういろんなことを、まぁ、コーラスでスタジオ・ミュージシャンやってた人間なので、ちりめんからノンビブまでいろんなやり方をアレしますが。それを理論的に説明しろと言われましても、はたと困ってしまいます。このお便りをいただきましてですね。でも、いちばん簡単なのはさっき申しましたように声出しながらお腹を、べぇぇぇと自分の手で揺するやつですね。これがいちばん楽勝でいけます。ご検討を」と達郎さん。

・風の回廊(LIVE)
この季節なのでこの曲を。アルバム『COZY』のツアーで演奏した「風の回廊(LIVE)」。1999年2月4日、達郎さんの誕生にNHKホールで行われたライヴから。

■リクエスト・お便り・プレゼントの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

■今後の予定
10月28日は、レギュラープログラム「棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
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Motoharu Radio Show #129

2012年10月19日 | Motoharu Radio Show

2012/10/16 OnAir - 2nd. Week - カントリーロック特集 萩原健太氏を迎えて 2
01.The Rolling Stones:Dead Flowers
02.Elvis Costello & The Attractions:I'm Your Toy
03.Donald Fagen:I'm Not the Same Without You
04.はっぴいえんど:空いろのくれよん
05.佐野元春 and The Hobo King Band:ロックンロール・ハート
06.Wilco:Far, Far Away
07.Whiskeytown:Excuse Me While I Break My Own Heart Tonight
08.Yo-Yo Ma, Stuart Duncan, Edgar Meyer & Chris Thile:Attaboy
09.Mumford & Sons:I Will Wait
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■内容の一部を抜粋
・カントリーロック特集 萩原健太氏を迎えて 2
先週に引き続いて音楽評論家の萩原健太氏を迎えての「カントリーロック特集」。

・Dead Flowers
1971年のローリング・ストーンズのアルバム『Sticky Fingers』からの曲で「Dead Flowers」。メンバーの中のキース・リチャーズがグラム・パーソンズとひじょうに仲が良かった。ふたりで古いカントリーの曲を歌って楽しんでいたらしく、そういうようなノリがストーンズにも伝染した。イギリス人の目をもって独自のアプローチを仕掛けて、それがまたアメリカにも影響を与えて新しいカントリー・ミュージックが生まれはじめた。

・I'm Your Toy
ストーンズ以外にイギリスでカントリーロック的なサウンドを作っていたのがエルヴィス・コステロ。1980年代に入り1981年に全編カントリー、カントリーロックのアルバム『Almost Blue』を作った。グラム・パーソンズのフライング・ブリトー・ブラザーズがやってた「Hot Burrito #1」に付いてた副題でカヴァーしたのが「I'm Your Toy」。これでもう一度グラム・パーソンズにスポットを当てた。

・3PICKS!
「Motoharu Radio Show」では毎月番組推薦盤3枚のCDをピックアップしている。今月10月の「3PICKS!」はデイブ・マシューズ・バンド『Away From The World』、エイミー・マン『Charmer』、そしてドナルド・フェイゲン『Sunken Condos』。どのレコードも心に響くよいソングライティングと素晴らしいサウンドがあると元春。この中から今週はドナルド・フェイゲン『Sunken Condos』。

・ドナルド・フェイゲン
米国、ニュージャージー州出身のミュージシャン、ソングライターで、1948年生まれ、現在64歳。バンド、スティーリー・ダンのメンバー。パートナーのウォルター・ベッカーと一緒にこれまでとてもユニークで洗練されたサウンドを作ってきた。スティーリー・ダンのサウンド、ブルース、ジャズをベースにしたとても知的で現代的なサウンド。そしてよく言われるのがそのサウンドの緻密さ。ドナルド・フェイゲン、ウォルター・ベッカー、ふたりともミュージシャンとして相当な完璧主義者ということ。これまで出してきたレコードはどれも文句のつけようがない完成度がある。スティーリー・ダンのレコード、ソングライティング、演奏、アレンジ、そしてレコーディングの技術、それらがとても高いレベルで合わさって総合的な音楽アートになっている。そのスティーリー・ダンのメンバーのひとり、ドナルド・フェイゲン。つい最近ソロ・アルバムを出した。ソロとしては4枚目に当たる。スティーリー・ダンのときもそうだが、ドナルド・フェイゲンはキーボードを弾きながらヴォーカルを取っている。このアルバムでもスティーリー・ダンのレコードと同じように独特のブルージィーで落ち着いたサウンドが聴ける。そしてドナルド・フェイゲンは近々来日コンサートもある。単独ではなくジョイント・コンサートでマイケル・マクドナルド、ボズ・スキャッグス、そしてドナルド・フェイゲンという三人。正にアダルト・オリエンテッド音楽の代表的なミュージシャンたち。名古屋、大阪、東京でコンサートがある。ドナルド・フェイゲンの新しいアルバム『Sunken Condos』から「I'm Not the Same Without You」。

・空いろのくれよん
日本ではポップミュージックの原点として取り上げられるはっぴいえんどが、多分にバッファロー・スプリングフィールドを意識していたところもあって、バッファロー・スプリングフィールドが持っていたいろんな音楽性のうちのひとつであるカントリーロックみたいなものも受け継いでいる。1971年のセカンド・アルバム『風街ろまん』の「空いろのくれよん」では大滝詠一さんがヨーデルを披露している。アルバムのクレジットには「イエロー・ヨーデル」と明記されていて、これはカントリー・ミュージックの礎を作ったジミー・ロジャースがヨーデルを得意としていて寂しげなヨーデルということで「ブルー・ヨーデル」と呼ばれていた。それに対して大滝さんは日本人だからということで自ら「イエロー・ヨーデル」と呼んでいた。

・ロックンロール・ハート
1997年には元春はホーボーキングバンドと渡米してウッドストックでジョン・サイモンのプロデュースのもとで『The Barn』というアルバムをレコーディングした。このアルバムは元春のキャリアの中で最もカントリーロックに接近したアルバムだった。バンドのDr.kyOn、佐橋佳幸をはじめとしたメンバーはアーリー70'sの米国音楽に多感な頃に触れてきてたこともあって、その聖地といっていいウッドストックに行ってクリエイトしようということで、楽器を全部持ってアンプなども空輸してレコーディングした。
「ロックンロール・ハート」、途中のブルース・ハープはジョン・セバスチャン。このセッションのエピソードとしてジョン・セバスチャンは声がだいぶ変わったこともあり、歌うことに積極的ではなかった。でもジョン・セバスチャンはジョン・サイモンに「ロックンロール・ハート」のリフがすごく好きなので一緒に歌いたいと言ったそうだ。ジョン・サイモンは感激してジョン・セバスチャンに「じゃあ、やってみるかい?」と言ったという。ジョン・セバスチャンはすごくナイーヴな性格だったけれどマイクロフォンの前に立って静かに歌い出したそうだ。バンドもスタッフもみんな感動したという。
Dr.kyOnはセッションに参加したガース・ハドソンにザ・バンドの初期のピアノ・プレーについてどういうふうに弾いたのかを訊いていたそうだ。ガース・ハドソンはバッハの譜面を出してきて左手のベースの対旋律はバッハからヒントを得たと話していたという。ふたりの姿を後ろから見ていた元春はまるで親子のように会話していたので涙が出たそうだ。

・Far, Far Away
'90年代にはカントリーロックはオルタナティブ・カントリーという新しいジャンルを生み出した。'80年代というなんかちょっと特殊な時代を経て、デジタルからアナログに戻ってゆくことになる。'80年代の終りにトラヴェリング・ウィルベリーズのように生ギターを中心にグルーヴを作るグループが出てきて、昔ながらのカントリーロックとはちょっと違う、ロック的な視点で再構築したオルタナティブ・カントリーと呼ばれる動きが出てきた。健太さんが当時注目していたのはアンクル・ティペロというグループ。このグループにはジェフ・トゥイーディとジェイ・ファーラーのふたりの男がいて、このふたりはやがてそれぞれ別のバンドをやるようになって、ひとりはサン・ヴォルト、ひとりはウィルコというバンドを結成した。このバンドは途中シカゴの音響系のサウンドをやったりしながらも、現在はバンド全体で一人のシンガー・ソングライター的な感じでブリティッシュの影響も取り入れるようなバンドになっている。でも最初の頃はオルタナティブ・カントリーと呼ばれる音楽をやっていて当時は刺激を受けたそうだ。1996年のセカンド・アルバムから「Far, Far Away」。この曲は現在のジェフ・トゥイーディに近いニュアンスを感じさせる。

・Excuse Me While I Break My Own Heart Tonight
もうひとり健太さんがオルタナティブ・カントリーと呼ばれる音楽で刺激を受けたのはライアン・アダムス。ニール・ヤングばりの繊細な詩を書くソングライターと言われている。彼がソロとしてデビューする前にやっていたのがウィスキー・タウンというバンド。1997年のアルバムから「Excuse Me While I Break My Own Heart Tonight」。

・Attaboy
カントリー・ミュージックの流れの中でブルーグラスは現在もいろんな音楽と合流している。最近はクラシックの中で面白い動きがある。エドガー・マイヤーというコントラバスのミュージシャンがいて、もともとはブルーグラス出身だが今はクラシックで活躍している。彼がチェロのヨー・ヨー・マと組んでアパラチア系のカントリー・ミュージックを今の時代に再現するプロジェクトをやっている。その最新のものが昨年の暮に出た。スチュワート・ダンカンのフィドル、マンドリンやバンジョーのクリス・シーリーを加えた「Attaboy」。

・I Will Wait
最近はフリー・フォークの流れの中で新しい世代が新しい表現をやっている。カントリーロックの進行形でいちばん新しいのはイギリスのマムフォード&サンズ。今年の2月にはグラミー賞でディランと共演したことでも知られている。マーカス・マムフォードというギタリストが中心になってバンジョー、ベース、キーボードという編成でドラムがいない。マーカス・マムフォードが右足でベース・ドラムを叩いて左足でタンバリンを演奏するというジャグ・バンド的なニュアンスを取り入れながら物凄いグルーヴを作っている。新しいアルバムから「I Will Wait」。

・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/

・次回放送
エクストラ・ウィーク。10月23日火曜日午後11時から。
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Sunday Song Book #1044

2012年10月14日 | Sunday Song Book

2012年10月14日プレイリスト
「お便り・質問中心の棚からひとつかみ」
1. 家に帰ろう / 竹内まりや "QUIET LIFE" '92 "EXPRESSIONS" '08
2. GIRL WATCHER / THE O'KAYSIONS '68
3. CRACK UP / THE ROUTERS "SURF PARTY" '64
4. POINCIANA / THE FOUR FRESHMEN "FRESHMEN FAVORITES" '56
5. TELL ME WHERE IT HURTS / WALTER JACKSON '81
6. JUNGLE SWING / 山下達郎 '93
----------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・お便り・質問中心の棚からひとつかみ
今週もバタバタしているという。オールタイム・ベスト『OPUS ~ALL TIME BEST 1975 - 2012~』、シアター・ライヴといろいろな行事が重なって活動が活発になり、番組には20年の歴史の中で未だかつてないほどハガキ、お便りが寄せられているという。ハガキを読むスピードに番組の構成が追いつかないのだそうだ。そんなわけで今週は「お便り・質問中心の棚からひとつかみ」。

・家に帰ろう
番組第二回目(1992年10月10日放送)の最初の曲にリクエスト。1992年10月22日に竹内まりやさんのアルバム『QUIET LIFE』が発売、アルバム後発シングルとして「家に帰ろう」がリリースされることになり、番組ではプロモーションのため10月10日以降は「家に帰ろう」がしばらく最初の曲としてオンエアされた。

・GIRL WATCHER
ジ・オケージョンズはワンヒット・ワンダー、いわゆる一発屋。ノースカロライナ出身の6人組のヴォーカル・インストゥルメンタル・グループ。彼らの唯一のヒット曲「GIRL WATCHER」は1968年の全米5位のミリオンセラー。ほとんどCD化されてない。

・CRACK UP
ルーターズの「CRACK UP」は1964年の映画『SURF PARTY』のサントラと所属レコード会社ワーナーから発売されたものはキーも演奏も違う別ヴァージョン。今回はオリジナル・サウンドトラックから。

・WINDY LADYの出だし
リスナーから「WINDY LADYの出だしで人の息遣いが聴こえてきたのですが、これは狙いですか?」という質問。
咳き込んだのをミックスで活かしたそうだ。咳払いなのだとか。
「デジタル・リマスタリングで上りますとそういうちまちましたものが聴こえるようになります」と達郎さん。

・フラゲ
『OPUS ~ALL TIME BEST 1975 - 2012~』をフライングゲットしたリスナーから「入荷しているとはいえ発売日前日に消費者に(CDを)売ってもよいものなのでしょうか?」という質問。
レコードや本、週刊誌などは前日入荷して翌日の発売日に備えるので販売してもいいのだそうだ。

・POINCIANA
フォー・フレッシュメンの1956年のアルバム『FRESHMEN FAVORITES』をイギリスのジャスミンが初CD化して発売した。1955年から1957年にかけてのアルバム4枚をCD2枚に収めているそうだ。達郎さんが好きなフォー・フレッシュメンの「POINCIANA」。フォー・フレッシュメンはヴォーカル・インストゥルメンタル・グループなので演奏しながらコーラスも一発録音している。

・ライブで『OPUS』!
来週は聴取率週間なので上から何かやれというお達しが来たそうだ。「わがままリクエスト」をしようにも忙しくて時間がないので「ライブで『OPUS』!」、『OPUS ~ALL TIME BEST 1975 - 2012~』に収録されてる曲のライヴ・ヴァージョンを聴いてもらおうという企画をすることになったとか。

・プレゼント
「サンデー・ソングブック」20周年を記念してオリジナルの切手シートとリクエスト専用ハガキのセット。
切手シートはとり・みきさんの「タツローくん」のイラストを切手にしたもの。50円切手20枚が1シートになっている。
リクエスト専用ハガキもとり・みきさんのデザインで「タツローくん」のイラスト入り。宛先は印刷済みで名前のふりがなを書く欄も付いてる。このハガキは来年9月30日まで一年間受取人払いで切手を貼らずに投函できる。こちらも20枚。
切手シートとハガキをセットで100名にプレゼント。応募締め切りは10月末日。

・テレキャスター
リスナーから「テレキャスターは常にリア・ピックアップを使用ですか? セレクターのノブが取り外されてるので写真を見てもライヴでもよくわかりません」というお便り。
達郎さんはセンター・ピックアップかフロント・ピックアップでテレキャスを使ってるそうだ。リア・ピックアップは使わないという。ストロークが荒いのでノブを付けるとピックアップが動いてしまうのでノブは外してるとか。

・ハンドベル
リスナーから「さよなら夏の日のハンドベルは以前ヨーロッパ旅行に行ったとき買ってこられたものですか? サンプリングした後はピッチの調整とかするのですか?」という質問。
ハンドベルは5オクターブ分全部揃えてあるそうだ。演奏方法は学生のハンドベル部に行って教わったとか。「さよなら夏の日」はサンプリングじゃなくてハンドベルをちゃんと弾いてるという。

・フェイスブック、ツイッター、ブログをやらない理由
リスナーから「フェイスブック、ツイッター、ブログをやらない理由を教えて下さい」というお便り。
基本的に人間対人間の付き合いしか信用しないから、文章だけの付き合いは本当の意味で正確なのかと思っていて、そういうやり取りよりはフェイス・トゥ・フェイスで付き合いたいと思ってるのだそうだ。伝記も信用してないし、生身で生きてる人の背中で学ぼうと心がけて生きてきたので、そういうことになる。フェイスブック、ツイッター、ブログ、また新しいソーシャル・ネットワークのシステムが出てきても人間のコミュニケーションが貫徹できないという考え方で、決してアナログ人間ではないと達郎さん。

・TELL ME WHERE IT HURTS
ウォルター・ジャクソンはシカゴを代表するR&Bのシンガー。1981年のアルバム『TELL ME WHERE IT HURTS』からのシングル・カット「TELL ME WHERE IT HURTS」は全米ソウル・チャート23位。チャイライツのユージン・レコードのペンなる曲。プロデューサーはカール・デイヴィス、先日亡くなったそうだ。

・曲と曲の無音の秒数
リスナーから「曲と曲の無音の秒数はどの部分でも一定の秒数ですか?」という質問。
今回のベストはどの曲間も一定の秒数だが、オリジナル・アルバムでは微妙に変えるそうだ。

同じリスナーから「今回のプロモーションでお会いした中でいちばん印象に残ってる方はどなたでしょうか?」という質問。
クリス松村さんと吉田拓郎さんなのだとか。クリス松村さんはテレビとは違ってひじょうに知的で品格のある、音楽に対して素晴らしく知識のある方で、個人的にお目にかかりたいぐらいの方だったという。吉田拓郎さんは最高で、一時代築いた人なのでひじょうにパワーのある方。お身体大事にしていつまでもがんばってほしい、と達郎さん。

・JUNGLE SWING
オールタイム・ベスト『OPUS ~ALL TIME BEST 1975 - 2012~』に入ってる1993年のシングル。

■リクエスト・お便り・プレゼントの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

■今後の予定
10月21日は、「ライブで『OPUS』!」
http://www.tatsuro.co.jp
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Motoharu Radio Show #128

2012年10月11日 | Motoharu Radio Show

2012/10/09 OnAir - 2nd. Week - カントリーロック特集 萩原健太氏を迎えて 1
01.The Flying Burrito Brothers:Christine's Tune (A.K.A. Devil in Disguise)
02.The Byrds:You Ain't Goin' Nowhere
03.Aimee Mann:Charmer
04.Aimee Mann:Soon Enough
05.The Band:Long Black Veil
06.Borderline:Don't Know Where I'm Going
07.Poco:You Better Think Twice
08.Eagles:Saturday Night
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■内容の一部を抜粋
・カントリーロック特集 萩原健太氏を迎えて 1
今週、来週の二週は音楽評論家の萩原健太氏を迎えての「カントリーロック特集」。

・Christine's Tune
1969年のフライング・ブリトー・ブラザーズのファースト・アルバムから。
「このコンプのかかり具合を聴くと佐野さんの番組だなぁという感じがしますね。いい感じですよ」と健太さん。
ペダルスチールにファズをかけるという狼藉を働いてると健太さん。

・1960年代以前のカントリー・ミュージック
アイルランドのウィル・ミュージックが移民とともにアメリカに入ってきて、アパラチア山脈のあたりでマウンテン・ミュージックとして18世紀に盛り上がっていた。1920年代ぐらいまでマウンテン・ミュージックとして盛り上がっていたが、徐々にその音楽がヒルビリーとなり形作られるようになった。ただヒルビリーという言葉が差別的なニュアンスを含んでいたため、アメリカの業界紙ビルボードがチャートを作るにあたってカントリー・ミュージックと呼ぶようになった。それが1930年代。
その頃になるとカーター・ファミリーといったグループやジミー・ロジャースといった鉄道員たちによるシンギング・ブレークマン・シンガーが出てくる。ジミー・ロジャースはジャズやブルースやハワイアンのミュージシャンと交流し、そこでハワイアンのスチール・ギターとカントリー・ミュージックが出合うことになった。カントリーは決して保守的な音楽ではなく、ものすごく貪欲に他の音楽と折衷して出来上がった音楽といえる。
ただもともとのアパラチアン・ミュージックからだんだん変わってきたので、それに対して異を唱える人たちも出てきた。カントリー・ミュージックは歌う内容も内省的であったり、自虐的であったり、大不況の時代を憂うものであったり、人間の内面の闇の部分まで入ってゆくものが多かった。でも、もともとはハッピーで、音楽的にももっとピュアなものだったんじゃないか、そう言い出したビル・モンローが1940年代辺りに、もう一度原点に戻ろうとアパラチアン・ミュージック的なニュアンスを強めたのがブルーグラスという音楽。
また、より大衆向けにストリングスを入れたりコーラスを入れたりして、歌の内容も甘いラヴ・バラードになってきたりしたので、こんなのでいいのかとカントリーのもともとあったワイルドさを忘れてるんじゃないか、と言い出した人たちがバック・オーエンスやマール・ハガード。彼らの音楽はホンキートンク・カントリーと呼ばれて、1960年代に話題になった。ある種、'70年代のパンクと同じムーブメントといえる。それに触発されたのがフライング・ブリトー・ブラザーズのグラム・パーソンズ。カントリー・ロックといえばグラム・パーソンズがひとつの形を作ったと言われている。

・カントリーロック
グラム・パーソンズはローリング・ストーンズがハンク・スノウの「I'm Movig On」という曲をライヴで演奏したレコードを聴いて、ロックンロール・コンボでカントリーをやるとこんなにかっこいいのかと気が付いた。あるいはビートルズがアルバム『For Sale』でカントリーっぽいことやロカビリーをやっているのを聴いて、これはいいんじゃないかと思ったのがカントリーロックの最初だったという。これと同じことがカナダ人のメンバーが多いザ・バンドがアメリカの南部の音楽のよさを思い起こさせてくれたりと、こういうことは常に起こる。
バーズは最初フォークロックで出てきた。ロックンロールはハイスクールをベースにして盛り上がった文化だったが'50年代の終わりに一旦下火になった。'60年代に入るとカレッジでモダンフォーク・リヴィヴァルといったムーブメントが起こる。フォークとロックが結びついたのがフォークロックだが、フォークロックは先に行くためのひとつの方法論として出来上がった折衷ジャンルといえる。カントリーロックはもう一度立ち止まって自分たちの足元を見つめようと折衷した音楽。サイケデリックロック、ブルースロック、ラーガロックと'60年代の終りにはいろいろんな音楽が出てきたが、そうした浮ついたものではなく立ち止まって足元を見つめ直した音楽だといえる。

・You Ain't Goin' Nowhere
グラム・パースンズが参加したバーズの1968年のアルバム『Sweetheart Of The Rodeo』(ロデオの恋人)。ナッシュビルで一流カントリー・ミュージシャンとレコーディングした作品で、当時ははあまり評価されなかったが'70年代に入って高く評価されるようになった。バーズのカントリーロック作品「You Ain't Goin' Nowhere」。この曲はディランのライティング。
ディランは1966年にオートバイ事故で怪我をしてしばらくウッドストックで隠遁生活を送っていた。そのときにバンドと一緒にアメリカの古い音楽をセッションする、いわゆる「ベースメント・テープ・セッション」があって、そのときに古い音楽に混じって新曲もセッションしていた。それがアセテート盤になって音楽出版社がいろんなところに配った。だからディランが「You Ain't Goin' Nowhere」をレコーディングする前に、このバーズのヴァージョンがあった。
ディランはバイク事故の前までフォークロックで激烈な疾走を繰り広げていた。「裏切り者」呼ばわりまでされて相当なストレスを抱えていた。しかし事故により一旦小休止してアメリカの音楽を振り返ることになった。バンドと試行錯誤する中で生まれたのが「You Ain't Goin' Nowhere」という曲。
アルバム『John Wesley Harding』ではナッシュビルに行ってカントリーを意識的にレコーディングするという動きがあり、グラム・パーソンズだけじゃなくてディランも足元を見つめ直そうとしていた。エルヴィス・プレスリーも1968年にメンフィスに戻って自分の原点である音楽のR&Bとカントリーを取り戻そうとしていたし、サンフランシスコからはCCR(クリアデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル)が南部の音楽を取り戻そうとしていた。いろんな人たちが昔のアメリカが持っていた大事な宝みたいなものをもう一度認識しようとしていた。

・3PICKS!
「Motoharu Radio Show」では毎月番組推薦盤3枚のCDをピックアップしている。今月10月の「3PICKS!」はデイブ・マシューズ・バンド『Away From The World』、エイミー・マン『Charmer』、そしてドナルド・フェイゲン『Sunken Condos』。どのレコードも心に響くよいソングライティングと素晴らしいサウンドがあると元春。この中から今週はエイミー・マン『Charmer』。

・エイミー・マン
米国ヴァージニア州出身のソングライター、現在52歳。'80年代にティル・チューズディというバンドでベースとヴォーカルを担当していた。その後ソロとして現在まで活動を続けている。ソングライターは子どもの頃に聴いた音楽がその後のクリエイティブ・ライティングに影響する。エイミー・マンの場合は父親がピーター、ポール&マリー、叔母さんがグレン・キャンベル、お兄さんはビートルズ、そしてベイビーシッターがニール・ヤングを好んでいたということ。かなりしっかりとしたポップ音楽環境に恵まれていたといっていい。自分で曲を書きはじめたのが14歳のとき。二十歳の頃にはソングライターとして自立していた。エイミー・マンの音楽はソングライティングが素晴らしい。ある映画監督が彼女の音楽を聴いてとてもインスパイアされて映画を作った。1999年公開、ポール・トーマス・アンダーソン監督の映画『マグノリア』。トム・クルーズがいかがわしい新興宗教の詐欺師を演じているというちょっとしたカルト・ムービー。エイミー・マンはこの映画のサウンドトラックに曲を提供してグラミー賞にノミネートされた。
「エイミー・マンの音楽、僕は好きですね。シニカルで知的なストーリーテリング。とても個性的なソングライターだと思います」と元春。
最近のニューヨーク・タイムスでは「この世代で最も優れたソングライターのひとり」と評している。エイミー・マンの新しいレコード『Charmer』から「Charmer」と「Soon Enough」の2曲。

・Long Black Veil
ザ・バンドは5人組で4人がカナダ出身、ひとりだけ南部出身のメンバーがいる。日本でもそうだけど、自分の国のことはよくわかってないことが多い。あえて意識することもないわけだから。でも異邦人の目から見ると「こんなにいいものがあるのに、なんでお前たちわからないの」という気づきがある。ザ・バンドは正にそこをついてきたバンド。カナダ人たちが、アメリカの南部にカントリーとかブルースとかゴスペルとか素晴らしい音楽があるのに、なんでサイケデリックロックとかやってるんだよ、これをもう一回ちゃんと見直したほうがいいんじゃないのという動きを1968年にした。『Music From Big Pink』というアルバム、ビッグ・ピンクというのはディランとベースメント・テープを録っていたウッドストックにある家の名前。ウッドストックは世の中の時代のスピード感みたいなものごとから切り離された空気感がある街。その中で思う存分、アメリカの南部に眠っていたたくさんの音楽性みたいなものをザ・バンドは自分たちで蘇らせた。
元春によるとウッドストックはマンハッタンからクルマで北上して大体3時間半ぐらい。東京からだと長野の先に行くような感じで、都会の喧騒から離れた、ちょっと肌寒い別荘地のような感じ。コミュニティとしてはアーティスト・コミュニティ、いろいろなクラフトワーカーとかミュージシャンとか、いろんなアーティストたちが集まってるアーティスト・ヴィレッジ的な雰囲気で、ひじょうにボヘミアン的なムードがあるそうだ。
1968年の『Music From Big Pink』というアルバムから「Long Black Veil」はカントリーのカヴァー・ソング。レフティ・フリーゼルというカントリー・シンガーが'50年代にヒットさせた曲。この曲はある殺人事件が起こって、犯人にされた男は親友の奥さんと不倫をしていたので、親友のためにもその奥さんのためにも不倫のことは言えなくて、結局それを言い出せなくて殺人の冤罪を受け入れて死刑になる。その彼の墓に向かってときどき黒い長いヴェールを身にまとった女性がやってくる。そのことを淡々と歌った曲。いいか悪いかは別にしてそれを淡々と歌うというのがカントリー・ミュージックの姿勢。
『Music From Big Pink』は'60年代の傑作。プロデューサーはジョン・サイモン。元春はヘッドフォンで聴いていて独特のウッドストックの空気感を感じたそうだ。それは'90年代に同じウッドストックでレコーディングしたときに感じた空気感とほとんどかわらないという。
マーダー・バラードという殺人をテーマにしたカントリーのジャンルがある。カントリーはひじょうにハッピーなものである反面で、人間の心の奥にある闇みたいなものにアクセスしている音楽でもある。日本にいるとその部分があまり伝わってこない。ジョニー・キャッシュはフォルサム刑務所を舞台にした犯罪者の歌を歌っている。

・Don't Know Where I'm Going
マンハッタンで活躍していたモンゴメリーズというグループのデヴィッド・ガーシェン、ジョン・ガーシェンというふたりの兄弟が、ザ・バンドに憧れてウッドストックへ行き、そこで結成したバンドがボーダーライン。当時、ウッドストックにはヴァン・モリソンやボビー・チャールズがやって来ていて、ウッドストックがホットなスポットになっていた。ボーダーラインはザ・バンドのリチャード・マニュエルとガース・ハドソンをゲストに迎えて1973年にアルバム『Sweet Dreams and Quiet Desires』をリリース。このアルバムのCD化の動きに健太さんがレコード会社と話し合い2000年に日本でCD化が実現した。アルバム『Sweet Dreams and Quiet Desires』から「Don't Know Where I'm Going」。
'90年代の終りに健太さんは「カントリーロックの逆襲」と銘打ってコンピレーションの監修を行なっていた。'90年代の半ばぐらいから新しい世代によるオルタナティブ・カントリーの動きがあり、それと'70年代のカントリーロックをシンクロさせてシーンに提示しようという気持ちがあったのだと健太さん。元春もカントリーロックのコンピレーションは「すごくうれしい企画」だったそうだ。その後、「カントリーロックの逆襲」のイベントに元春は出演してディランのカヴァー「I'll Be Your Baby Tonight」を歌った。

・You Better Think Twice
西海岸ではバッファロー・スプリングフィールドを起点にしているバンドがたくさんいた。バッファロー・スプリングフィールドのリッチー・フィーレーはギタリストのジム・メッシーナとポコというグループを結成してデビュー。西海岸の陽気なカントリーロックの代表だった。バッファロー・スプリングフィールドからCSN&Y、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングが生まれたが若干内省的だった。西海岸のビーチボーイズからバーズを経てアソシエイションやママス&パパスへと連なるハーモニー・サウンドが特徴。ポコの1970年に出たセカンド・アルバム『POCO』に収録された「You Better Think Twice」はジム・メッシーナが作った曲。ごきげんなカントリーロックのギターを聴かせる。ジム・メッシーナはテレキャスターを使用しているがカントリーロックのミュージシャンはテレキャスターをよく使っている。源流を遡るとジェームス・バートンになるようだ。ジェームス・バートンはギターにエフェクターを使わないという。その話を健太さんが訊いたところ、「エルヴィスだって声はひとつだろ。どんな曲だって彼はあの声で歌う。俺はどんな曲だってこの音で弾く」と言ったそうだ。

・Saturday Night
西海岸のカントリーロック、ハーモニーポップの頂点はイーグルス。イーグルスで完成して、イーグルスが内部崩壊して終わる。歯切れの悪い終焉となってしまうが、これが'70年代中盤ぐらいまでの動きとしてカントリーロックが、でもそれまでは時代の最先端を行くポップミュージックとして'70年代前半は君臨した。イーグルスは'70年代半ばのサード・アルバム『On The Border』から少しサウンドが大きくなる。それまでの2枚のアルバムまではロサンゼルスのローカルバンドで、この時期がカントリーロック・バンドとしてイーグルスのいいところをとらえている。1973年のセカンド・アルバム名盤『Desperado』からメンバー4人で作った「Saturday Night」。

・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/

・次回放送
来週も引き続いて萩原健太さんを迎えてカントリーロックの特集 Part.2。
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Sunday Song Book #1043

2012年10月07日 | Sunday Song Book

2012年10月07日プレイリスト
「20周年の棚からひとつかみ」
1. DOWNTOWN / SUGAR BABE "OPUS ALL TIME BEST 1975-2012" 09月26日発売 '75
2. TURN AROUND LOOK AT ME / THE VOGUES '68
3. KNOCK ON WOOD / EDDIE FLOYD '66
4. SWEET SOUL MUSIC / ARTHUR CONLEY '67
5. I BEEN DOWN / MARGIE JOSEPH "MARGIE JOSEPH" '73
6. ALL THIS / ANITA KERR '68
7. NOW THAT YOU'VE GONE / CONNIE STEVENS '65
8. 風の回廊 / 山下達郎 "OPUS ALL TIME BEST 1975-2012" 09月26日発売 '85
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■内容の一部を抜粋
・近況
「わたくし、このサンデー・ソングブック、1992年の10月3日に土曜日の番組、サタデー・ソングブックとしてスタート致しまして、以来本日を持ちまして満20周年を迎えることになりました。ホントに長い間応援してくださるリスナーのみなさまのおかげでございます。本当にありがとうございます。また20年超えましてですね、一層いい番組作りに精出して行きたいと思います」と達郎さん。
この20年で一回、年末にTokyo FMの特番で番組がなくなったことと、3.11の地震でなくなったことだけで、それ以外、自分のことで休んだことはないそうだ。

・20周年の棚からひとつかみ
ベスト・アルバムのプロモーション、その他で20周年特番の準備ができないので今日は「20周年の棚からひとつかみ」。ワーナーミュージック・ジャパンのストラテジック、いわゆる旧譜の再発が凄まじいので、今回はそれをまとめてオンエア。

・DOWNTOWN
20年前「サタデー・ソングブック」一回目の記念すべき一曲目は「DOWNTOWN」だった。

・TURN AROUND LOOK AT ME
ヴォーグスはイーストコースト出身の4人組のヴォーカル・グループ。リプリーズ・レーベルに移ってたくさんヒット曲が出た。その中の代表的な一曲で「TURN AROUND LOOK AT ME」。1968年、全米チャート7位のミリオンセラー。もともとはグレン・キャンベルのヒット曲。
今から十数年前に達郎さんはヴォーグスのベスト・アルバムの選曲をした。この度そのベスト・アルバム『VERY BEST OF VOGUES』が7月に再発された。今回、リマスタリングをやり直して2012年リマスター盤となっている。

・KNOCK ON WOOD
パッケージ・メディアの存亡が怪しくなってきてレコード会社各社リイシューを盛んに行なっている。特にワーナーミュージックはここ数ヶ月間精力的にやっている。
10月3日に「アトランティックR&Bベストコレクション1000」がスタートした。千円でアトランティック・レーベルのカタログが買える企画で100タイトル発売される。第一回が10月3日、第二回が11月7日でそれぞれ50タイトルずつ発売。全作品が2012年リマスター盤。
その中からエディ・フロイドのスタックスのファースト・アルバム『KNOCK ON WOOD』に収録された「KNOCK ON WOOD」。1966年、全米R&BチャートNO.1、全米チャート28位。ちょっとベタだがこのアルバム『KNOCK ON WOOD』はレアで、リマスター盤となると世界初かもしれないそうだ。
エディ・フロイドは南部生まれ。デトロイトに出てウィルソン・ピケットも在籍したファルコンズに加入。その後、ソロになってスタックスと契約。ブッカーT & MG'Sをバックにレコーディングした「KNOCK ON WOOD」がデビュー・ヒット。ミリオンセラーとなった。曲はスティーブ・クロッパーとエディ・フロイドの共作。1979年にエイミー・スチュワートがリヴィヴァル・ヒットさせた。

・SWEET SOUL MUSIC
もう一枚「アトランティックR&Bベストコレクション1000」から。アーサー・コンレイはアトランタ生まれ。オーティス・レディングに見出されてデビュー。デビュー作「SWEET SOUL MUSIC」は名盤。達郎さんの「ジャングル・スウィング」に出てくる「SWEET SOUL MUSIC」はこの曲のこと。1967年、全米ソウル・チャート2位、全米チャートも2位のミリオンセラー・シングル。もともとはサム・クックの「YEAH MAN」をベースに歌詞を変えて歌われたもの。

・I BEEN DOWN
アトランティックR&Bベストコレクション1000」から達郎さんのお気に入りの一枚。
マージー・ジョセフの1973年のアルバム『MARGIE JOSEPH』から。マージー・ジョセフは南部の女性R&Bシンガー。スタックスで活動した後アトランティックへ。アリフ・マーディンのプロデュース、アレンジでデビュー・アルバム『MARGIE JOSEPH』が出た。アル・グリーンの「LET'S GET TOGETHER」がシングル・カットされた。今日はアルバムの一曲目「I BEEN DOWN」。コーネル・デュプリーとデヴィッド・スピノザのギター、チャック・レイニーのベース、リチャード・ティーのキーボード、バーナード・パーディのドラムスに、ラルフ・マクドナルドのパーカッション。途中のフルート・ソロはデヴィッド・ニューマン。ストリングスはジーン・オルフのニューヨーク・サウンド。

・オールタイム・ベスト・アルバム
達郎さんのすべてのキャリアを俯瞰したオールタイム・ベスト『OPUS ~ALL TIME BEST 1975 - 2012~』が9月26日に発売された。売れ行き好調で初回限定盤はメーカー出荷が全て終了して店頭在庫のみとなっているそうだ。ソロ・デビュー以前のシュガーベイブ時代まで遡ってすべての活動、レーベルを集大成したオールタイム・ベスト。ボーナス・トラックとして新曲の「愛を教えて」を収録。
http://wmg.jp/tatsuro/

・オリコンチャート
10月8日付けのオリコン・チャートで『OPUS ~ALL TIME BEST 1975 - 2012~』が初登場1位になったそうだ。

・シアター・ライヴ
シネコンで山下達郎のライヴをご覧いただこうという企画、山下達郎シアター・ライヴ「PERFORMNCE 1984 -2012」。1984年頃のライヴから最新ライヴまで取り揃えている。全国13ヶ所のシネコンで8月25日から約一週間の予定で上映された。追加上映の要望が多く10月6日から一週間再上映されている。今回は19ヶ所。山形市、宇都宮市、群馬県の高崎市、埼玉県久喜市、千葉浦安、東京は立川シネマシティ、音がいいそうだ。川崎市のチネチッタ、長野市、松本市、富山市、愛知は西春日井郡ミッドランドシネマ名古屋空港、浜松市、岐阜県本巣市、兵庫は西宮市、島根は出雲市T・ジョイ出雲、広島福山市、長崎市、佐賀市、熊本は菊池郡の光の森。
http://wmg.jp/tatsuro/
http://wmg.jp/tatsuro/movie.html

・プレゼント
「サンデー・ソングブック」20周年を記念してオリジナルの切手シートとリクエスト専用ハガキのセット。
切手シートはとり・みきさんの「タツローくん」のイラストを切手にしたもの。50円切手20枚が1シートになっている。
ハガキもトリ・みきさんのデザインで「タツローくん」のイラスト入り。宛先は印刷済みで名前のふりがなを書く欄も付いてる。
このハガキは来年9月まで一年間受取人払いで切手を貼らずに投函できる。
応募締め切りは10月末日。

・田島貴男さんに関する記事について
どこかのメディアが発したオリジナル・ラブの田島貴男さんと達郎さんが一緒に食事して、達郎さんが会話の中で不機嫌になって、田島さんをフェイスブックの友達から削除したという記事は全くの事実無根だそうだ。そもそも達郎さんはフェイスブックに入ってないとか。ツイッターもブログもやってないので不可能だ、と達郎さん。田島さんとはもう20年近くお目にかかってないそうで、一回お目にかかったときは家に来てもらってレコードを聴きながら楽しく話をしたとか。田島さんとは食事する機会はなかったが仲良くやってるという。

・ALL THIS
アニタ・カーは女性の作曲家、編曲家。特にコーラスの分野で業績が大きい人。アニタ・カー・シンガーズというイージー・リスニングのコーラス・グループを作り、ワーナーから優れた作品をたくさん出している。今日はアニタ・カーの作品の中から1968年のディック・グラッサーのプロデュースのシングル「ALL THIS」。2012年リマスター盤。

・NOW THAT YOU'VE GONE
コニー・スティーヴンスの1965年、ワーナーでのラスト・シングル「NOW THAT YOU'VE GONE」。全米53位。2012年リマスター盤。ペトラ・クラークのカヴァーで、もともとはシャンソンに英詩をつけたもの。

・風の回廊
1985年のシングル。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

■今後の予定
10月14日は、「お便り・質問中心の棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
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Motoharu Radio Show #127

2012年10月03日 | Motoharu Radio Show

2012/10/02 OnAir - 1st. Week - カントリーロック特集
Drive-By Truckers:Santa Fe
Wilco:Forget the Flowers
Ryan Adams & The Cardinals:Blossom
Dave Matthews Band:Broken Things
Dave Matthews Band:Mercy
Buffalo Springfield:Pay the Price
Bob Dylan:You Ain't Goin' Nowhere
The Byrds:One Hundred Years from Now
The Flying Burrito Brothers:Lazy Days
Crosby, Stills, Nash & Young:Teach Your Children
Stephen Stills & Neil Young:Long May You Run
佐野元春 and The Hobo King Band:誰も気にしちゃいない
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■内容の一部を抜粋
・カントリーロック特集
番組後半はカントリーロック特集。

・Santa Fe
ドライヴ・バイ・タッカーズはニール・ヤングと共演してグラミー賞にノミネートされた。

・Forget the Flowers
・Blossom

・3PICKS!
「Motoharu Radio Show」では毎月番組推薦盤3枚のCDをピックアップしている。今月10月の「3PICKS!」はデイブ・マシューズ・バンド『Away From The World』、エイミー・マン『Charmer』、そしてドナルド・フェイゲン『Sunken Condos』。どのレコードも心に響くよいソングライティングと素晴らしいサウンドがあると元春。この中から今週はデイブ・マシューズ・バンド『Away From The World』。

・デイブ・マシューズ・バンド
ソングライター、デイブ・マシューズを中心にした7人編成のバンド。バンドの結成は1991年。デイブ・マシューズ・バンドの素晴らしいところはバンドの演奏力、そしてデイブ・マシューズの歌に尽きる。バンドの編成はドラム、ベース、ギターに加えてヴァイオリンとサキソフォンを加えた7人編成。かなり音楽的なアンサンブルを組んでいる。演奏も結構縦横無尽でジャズ、ファンク、ブルース、フォークなどとても自由な表現をしているところが素晴らしい。米国ではジャム・バンドというジャンルがある。演奏を重視したバンドのこと。デイブ・マシューズ・バンドもジャム・バンドのひとつといっていい。デイブ・マシューズ・バンドのリスナーというと年齢も性別も様々だが純粋に音楽を楽しむファンが主流。ライヴで叩き上げてきたバンド、現在米国で最大規模の観客動員を誇るバンドになっている。そのデイブ・マシューズ・バンドの新しいレコードが出た。タイトルは『Away From The World』。プロデュースはベテランのスティーヴ・リリー・ホワイト。アルバム・リリース後、全米でチャート1位になっている。これで5作連続チャート1位ということで彼らの人気がわかる。実は4年前、バンドの仲間を一人亡くしている。現在は新しいメンバーを加えて再出発しているデイブ・マシューズ・バンド。新しいアルバム『Away From The World』から「Broken Things」と「Mercy」の2曲。

・Pay the Price

佐野元春 : Motoharu Radio Show、番組後半は僕の好きなカントリー・ロックのレコードを集めてみます。よくカントリー・ロックというと'70年代、バーズ、グラム・パースンズ、その辺りをキーワードにして語られることが多いです。しかし、カントリー・ロックというジャンルがポピュラーになる以前、このバンドがいました。バッファロー・スプリングフィールド。ニール・ヤング、スティーヴン・スティルス、リッチー・フューレーという後の伝説となるミュージシャンたちが集まっていたバンドです。1966年のレコード、曲は「Pay the Price」。

・トゥイッター
「さて、Motoharu Radio Showでは今番組を聴いてくれている全国リスナーのみなさんがインターネット上で楽しくコミュニケーションできるトゥイッターという仕組みを採用しています。ここに参加したいという方は今からURLをお知らせするので是非書き取ってください。番組からトゥイッターのお知らせでした」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/

・GreenPeople
環境問題に取り組むユースたちを紹介するレポート「GreenPeople」。毎週このコーナーでは環境を巡る社会活動を通じて様々なアクションを起こしている人たちを紹介。このコーナーの協力はNHKの環境特集番組「エコチャンネル」。
http://www.nhk.or.jp/eco-channel/

今週はNPO法人「信州フォレストワーク」。活動をはじめて15年目となる森林ボランティア団体。森を作り森に学び森で楽しむを合言葉に長野県の小川村を拠点に活動している。

・You Ain't Goin' Nowhere
ボブ・ディランとザ・バンドのレコード。
10月9日放送でゲストに迎えた萩原健太さんによると、この夜かけたヴァージョンはディランとハッピー・トラウムが1971年に再録音したヴァージョンなんだそうだ。

佐野元春 : Motoharu Radio Show、今夜はカントリー・ロックのレコードを集めてます。僕が十代の時、このカントリー・ロックを聴いて、なんて古臭い音楽なんだろうと思いました。その頃流行っていたのはサイケデリックなロックやプログレッシブな音楽。どう聴いても米国の保守的な音楽としか聴こえない、このカントリー・ロックと言われる音楽、あまり好きになれませんでした。しかしそんな印象を変えたのがこのバンドです。ザ・バーズ。バーズは初期の頃、よくボブ・ディランの曲をカヴァーしていました。知的なリリック、そして12弦のエレクトリック・ギターを使ったちょっと風変わりなバンド・サウンド。バーズはそれまでアコースティックな楽器で演奏していたカントリー・ロックをエレクトリックに変えて新しい音楽を作りました。そしてそのバーズに途中から加わったミュージシャンがグラム・パースンズです。このグラム・パースンズこそがカントリー・ロックというジャンルを完成へと導いたアーティストだと言われています。そのグラム・パースンズが参加したバーズのアルバム『Sweetheart Of The Rodeo』(ロデオの恋人)。バーズの歴史においてもカントリー・ロックの歴史においてもターニング・ポイントとなった重要なアルバムです。グラム・パースンズはその後、バーズのクリス・ヒルマンと一緒にフライング・ブリトー・ブラザーズというバンドを結成します。ローリング・ストーンズをはじめ多くのバンドがこのフライング・ブリトー・ブラザーズのカントリー・ロック・サウンドに影響されました。カントリー・ロックの分野で大きな功績を残したミュージシャン、グラム・パースンズ。悲しいことに26歳のとき事故でなくなっています。

・One Hundred Years from Now
・Lazy Days

・フィードバック
「Motoharu Radio Show。番組ではみなさんからの楽しいフィードバックを待ってます。番組専用のウェブサイトを用意しているので、是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのコメントを送ってください。みなさんからの楽しいフィードバックを待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/

佐野元春 : カントリー・ロックのサウンドで特徴的なのはペダル・スチールという楽器です。ギターの一種なんですけれども水平に置いて演奏する楽器です。とても甘い音色でよくカントリー・ミュージックで使われています。この楽器は使いこなすのが相当難しい楽器です。指、手のひら、足を使っての複雑な演奏のようです。僕が一緒にやってるホーボーキングバンドの佐橋佳幸くん。ギターのテクニックでは国内でも有数なギタリスト。彼が時々ペダル・スチールを弾いてますが、やっぱり一筋縄ではいかない楽器だといってました。海外ではバディ・エモンズ、ラスティーン・ヤングといったペダル・スチールの名手がいます。僕が初めてこのペダル・スチールの音を意識したのはクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングのレコードでした。曲は「Teach Your Children」という曲。とても効果的にこのペダル・スチールが使われていました。誰が弾いてるのかとクレジットを見てみると、グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアの名前がありました。ジェリー・ガルシアといえばバンド、グレイトフル・デッドのフロントマン。素晴らしいギタリストですよね。'70年代ヒッピー・カルチャーの重要なアイコンでもありました。ジェリー・ガルシアのペダル・スチール。これはなんとも独特の魅力があって僕は好きです。ではそのジェリー・カルシアのペダル・スチールをフィーチャーしたレコード、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング、曲は「Teach Your Children」。そしてスティルス、ヤングふたりによるレコードでこれもまたカントリー・ロックの魅力溢れる曲「Long May You Run」。2曲続きます。

・Teach Your Children
・Long May You Run

佐野元春 : さて、カントリー・ロックの特集。僕は'90年代に仲間のホーボーキングバンドと一緒にウッドストックにレコーディングしに行きました。プロデュースはジョン・サイモン。僕のキャリアの中で最もカントリー・ロックに近づいたアルバム『The Barn』。ザ・バンドのガース・ハドソン、ラヴィン・スプーンフルのジョン・セバスチャン。そうしたミュージシャンとセッションしていろいろな発見があったレコーディングでした。このアルバムから一曲。先程から話題に出てるペダル・スチール・ギターをフィーチャーしたレコードです。ミュージシャンはエリック・ワイズバーグ。これまで多くのカントリー・ロックのセッションに参加しています。僕とホーボーキングバンドのレコード、アルバム『The Barn』から曲は「誰も気にしちゃいない」。

・誰も気にしちゃいない

・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/
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