THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show #05

2020年07月31日 | Motoharu Radio Show

第5回:「BLUESが聴きたい」
M1. The Black Crowes / Come On
M2. The Allman Brothers Band / Wasted Words
M3. Tedeschi Trucks Band / Midnight in Harlem
M4. John Lee Hooker / I Want to Hug You
M5. Tim Hardin / Soft Summer Breeze
M6. The Staple Singers / I Want to Thank You
M7. Keb' Mo'/ The Worst Is Yet To Come
M8. Taj Mahal & Keb' Mo / Shake Me In Your Arms
M9. 佐野元春 & THE COYOTE BAND / あつさのせい
M10. Janis Joplin / Maybe
M11. The Edgar Winter Group / Free Ride
M12. Al Kooper / Fly On
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは佐野元春です。今夜のテーマ、ブルースが聴きたい。毎日の生活の中でやりきれない気持ちあると思います。色にたとえればブルー。今夜はそんなブルーな音楽を集めてみたいと思います。「THE MUSIC OF NOTE -Motoharu Radio Show」。DJ、佐野元春でお送りします。

・Come On
ブラック・クロウズの2001年のレコード「Come On」。ヴォーカルのクリス・ロビンソンとギターのリッチー・ロビンソンの二人の兄弟を中心としたバンド。「バンドは一時活動休止中でしたが、再結成して今年10月からツアーが予定されてるとのこと。無事開催できるといいですね」と元春。

・Wasted Words
ブラック・クロウズのロビンソン兄弟が尊敬するバンド、オールマン・ブラザーズ・バンドの「Wasted Words」。ツイン・リード・ギター、ツイン・ドラムスというダイナミックなバンド編成で、サザン・ロックの代表的なバンドのひとつ。何度か解散と再結成を繰り返して現在に至っている。

・Midnight in Harlem
オールマン・ブラザーズ・バンドにギタリストとして参加していたデレク・トラックスのレコード。テデスキ・トラックス・バンドの「Midnight in Harlem」。

佐野元春 : テデスキ・トラックス・バンド、「Midnight in Harlem」。演奏素晴らしいですね。デレク・トラックスとスーザン・テデスキ。この夫婦を中心としたバンド。二人ともいいシンガーであり、素晴らしいブルース・ギタリストです。僕からもお勧めのバンドですね。興味のある方は是非、ネットでDigしてみてください。Motoharu Radio Show、今夜のテーマはブルースが聴きたい。この後はジョン・リー・フッカーのレコードに続きます。

・I Want to Hug You
・Soft Summer Breeze

佐野元春 : Motoharu Radio Show、ジョン・リー・フッカーのレコードに続いて聴いたのはティム・ハーディン。'60年代、コンテンポラリー・フォークのムーブメントの中でも一際音楽性が高いミュージシャンのひとりです。ジョン・リー・フッカーのブルースをジャズ的に解釈したという素晴らしいレコード。アルバム『Bird On A Wire』からティム・ハーディン、曲は「Soft Summer Breeze」。聴いてみました。今夜はブルースを聴きたい気分ですね。僕はまぁはっきり言ってブルースのない音楽には興味がありません。前から思っていましたけれども、いつだったか西アフリカに旅行したときにそれを確信しました。アフリカ。それはブルースが生まれた場所です。そこで出会ったミュージシャンたちが教えてくれました。歌いたい理由があるから歌う。それが音楽を続ける理由。うん。ジャズ、R&B、ロックンロール、ヒップホップ。ジャンルはいろいろありますが、ブルース音楽、それは今あるポピュラー音楽全ての源。そういっていいと思います。次に聴いてみたいレコードはザ・ステイプル・シンガーズ、曲は「I Want To Thank You」に続きます。

・I Want To Thank You

佐野元春 : Motoharu Radio Show、今夜のテーマ、ブルースが聴きたい。一言でブルースといっても、いろいろなスタイルがあるようです。古くはアメリカの南部からはじまって、セントルイス、シカゴ、ニューヨーク、そうした街の中でいろいろなジャンルの音楽と混じりあいながら、だんだんと洗練されてきたということです。そうですね。聴きたいブルースのレコードいろいろとありますけれども、個人的に好きなブルース・シンガーといえばこの二人ですね。タジ・マハール、そしてケヴ・モ。二人とも素晴らしいソングライター、そして素晴らしいギタリストです。タジ・マハールは60年代から活躍しているミュージシャン。ブルースをベースにレゲエやカリプソといったいろいろなジャンルの音楽をミックスしています。もう一人はケヴ・モ。彼もまたブルースをベースにしてロックやソウル、ジャズ、フォーク。そうした音楽をミックスした個性的な音楽を作っています。ではここで彼らの曲2曲聴いてみたいと思います。まずケヴ・モ。「The Worst Is Yet Come」。まだ最悪ってわけじゃないよ、そんなふうに歌ってますけれども。このパンデミックの中ケヴ・モのこの曲リスナーのみなさんと分かち合いたいと思います。もう一曲はちょっと珍しいレコード。タジ・マハールとそのケヴ・モが一緒に作ったアルバムがあります。3年前に出たアルバム『TAJMO』つうんですけれども。この『TAJMO』から二人の素晴らしいセッションですね。曲は「Shake Me In Your Arms」2曲続きます。

・The Worst Is Yet Come
・Shake Me In Your Arms

・あつさのせい

佐野元春 : Motoharu Radio Show、僕のレコード。ちょっと珍しい曲ですね。大瀧詠一さんのカヴァー。佐野元春&ザ・コヨーテバンドで曲は「あつさのせい」。聴いてもらいました。
季節柄ちょっとこの曲聴きたくなって紹介させてもらいました。「あつさのせい」。オリジナルはドラムス林立夫、ベース細野晴臣、ギター鈴木茂、そしてキーボード松任谷正隆ですね。できるだけオリジナルに忠実にカヴァーしてみました。佐野元春&ザ・コヨーテバンド「あつさのせい」。
さて、Motoharu Radio Show、今夜は、ブルースを感じたい夜ということで何曲かレコードを持ってきています。僕がはじめてブルースという音楽を意識したのは十代の頃でした。その頃は海外のポップ音楽に興味を持つようになって、ラジオのチャート番組なんかもよく聴いていました。そんな中、ラジオから聴こえてきたあるシンガーの歌声に心が奪われます。それは米国の女性シンガー、ジャニス・ジョップリンでした。その声はしわがれていて、ちょっと苦しそうに聴こえるんですが、とても力強い歌声でした。よくある女性シンガーの歌とは全然違う、何か訴えかける力のある声でした。そのジャニス・ジョップリンのレコード、69年のレコードですね、聴いてみたいと思います。曲は「Maybe」、ジャニス・ジョップリン。

・Maybe
「ブルースを歌うのに年齢は関係ないですね。当時、ジャニス・ジョップリン27歳くらいだったと思います。残念ながらこの後に続くアルバム『Pearl』ですね、このアルバムの収録中にオーバードーズで亡くなっています」と元春。

・Free Ride
エドガー・ウインター・グループの'70年代のレコードから曲は「Free Ride」。

佐野元春 : Motoharu Radio Show、今夜はブルースを感じたい夜、そんな気分でやってます。ここでちょっと僕からのお知らせです。インターネットに新しいサイトを立ち上げました。テーマは「Save It For A Sunny Day」。Save It For A Sunny Day。新しい日のために今ある夢や計画を大事にしておこうという、そんなテーマでやってます。ここでは映像の配信があったり、Tシャツとかマーチャンダイジングですね、そんなのもあってみなさんが楽しく集えるようなそんな工夫をしています。いま音楽関係の仲間たち、みんな仕事がなくて困ってます。どうにかみんなでがんばっていこうということで、このイベントの収益は音楽制作者支援の基金として役立てたいと思ってます。イベントは今年いっぱいですね、12月までやってるので、もしよかったらSave It For A Sunny Day。どっかで検索して、みなさんも是非立ち寄ってみてください。
https://ms40th.moto.co.jp/Save-it-for-a-Sunny-Day

さて、残りの時間も少なくなってきました。今夜のラストはアル・クーパーのレコード。この曲、実はフォー・トップスに書いた曲だったんですが、採用されなかったという、そんな裏話があります。曲の中ではこんなふうに歌っています。僕らきっと以前みたいにうまくできるよ、最初に飛び立とう。アル・クーパー、「Fly On」。

・Fly On

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show。楽しんでいただけましたか? 来週のテーマなんですけどね、「ジャパニーズ・ポップスの夜明け」と題して、日本の50年代、60年代のポップスを特集します。まぁ自分で言うのも何なんですけれども、かなりおもしろい特集になります。お聴き逃しなく。「THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show」。次回の放送は来週8月7日、よる9時から。同じステーション、同じ時間でみなさんとお会いしたいと思います。DJ、佐野元春。ではまた来週。
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Sunday Song Book #1450

2020年07月26日 | Sunday Song Book

2020年07月26日プレイリスト「ストリングスで棚からひとつかみ」
1. 十字路 / 山下達郎 "ポケット・ミュージック" '86
2. [ DON PEAKE? ]LET THE MUSIC PLAY / BARRY WHITE '75
3. [ THOM BELL ]GHETTO CHILD / THE SPINNERS '73
4. [ JIMMIE HASKELL ]LADY HONEY / PAN "PAN" '73
5. [ BOBBY MARTIN ]ME & MRS.JONES / BILLY PAUL '72
6. [ DON SEBESKY ]SHE WAS TOO GOOD TO ME / CHET BAKER "SHE WAS TOO GOOD TO ME" '74
7. [ 服部克久 ]BE MY LOVE / 山下達郎 "SEASON'S GREETINGS" '93
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■内容の一部を抜粋
・近況
世情は相変わらず混沌としている。また騒然としている。天候もまだ梅雨明けしない。東京もよく降って、その割に温度があまり下がらず、湿度が高いので身体を壊しやすい梅雨。それに加えてウイルス。もっと身体壊しやすいやつがいる。「くれぐれもみなさん、引き続きお気をつけくださいませ」と達郎さん。
今週木曜日に行われる「TATSURO YAMASHITA SUPER STREAMING」のミックスダウン、マスタリング、MAが終わって、いろいろとバタバタとしたけれど準備が整いつつあるとか。

・ストリングスで棚からひとつかみ
番組はスタジオで元のように行えているそうだ。先週に引き続き「ストリングスで棚からひとつかみ」。先週はアカデミックなストリングスものだったが、今週は歌もののバック、特にR&Bの歌もののバックの流麗なものを持ってきたとか。先週と同じようにストリングスでも甘く優しいようなやつだけじゃなく、景気のいいのも含めつつ、ストリングス主体の曲でなるべく歌ものを選んで。

・十字路
雨がしつこいので雨の歌。「九州地区、特に熊本のみなさんはまた水の被害がまたたくさん出ています。心よりお見舞い申し上げます。くれぐれもお身体お大事に。それでも雨の歌」と達郎さん。もうすぐリマスター再発される1986年のアルバム『POCKET MUSIC』に収録されている「十字路」。「こんなような情緒の雨の歌が普通に歌える、そういうような気候に戻ってほしいなという願いを込めまして」と達郎さん。

・LET THE MUSIC PLAY
ストリングスといえばまずはバリー・ホワイト。バリー・ホワイトの全作品の中で達郎さんのNO.1は「LET THE MUSIC PLAY」。1976年、全米ソウル・チャート4位。珍しくブラスが入ってない。達郎さんはジーン・ペイジのオーケストレーションだと思っていたが、シングルのクレジットはアレンジ&コンダクトはバリー・ホワイト単独だったとか。それでアルバムの方を見てみると、スペシャル・サンクスとしてドン・ピークのクレジット。ドン・ピークはギタリストでレッキング・クルーのメンバー。「たぶんドン・ピークに頼んで、このバリー・ホワイト風にですね、仕上げたというのが大体。でも素晴らしいストリングスのアレンジメントでございます。躍動感あふれる」と達郎さん。

・GHETTO CHILD
今日の前半はR&B関係のアレンジャー。となるとなんといってもトム・ベル。スピナーズの「GHETTO CHILD」もブラスの役割が少ない、弦の顔立ちがはっきりしている曲。1973年、全米ソウル・チャート4位。ゲットーで疎外感を味わっている少年たちへの応援ソングとして有名な曲。トム・ベルの作曲、プロデュース、アレンジ。シグマ・サウンドでのレコーディング。エンジニアがジョー・ターシャ。ヴァッキングは最全盛期のMFSB。

・LADY HONEY
続いてジミー・ハスケル。パンの1枚だけのアルバム『PAN』(1973年)はアコースティックのサウンドがすごくきれいな一枚。日本で大変な人気があるけれど、アメリカでは全くでかすりもしなかった。その中から「LADY HONEY」。「間奏のストリングスの美しさ」と達郎さん。

・ME & MRS.JONES
またフィラデルフィアに戻って。フィラデルフィアといえばストリングスのオーケストレーションはトム・ベルと並んで大アレンジャー、ボビー・マーティン。2013年に惜しくも亡くなっている。1972年にフィラデルフィア・サウンドが一世を風靡するとば口の大ヒット曲。ビリー・ポールの「ME & MRS.JONES」。1972年、全米ソウル・チャートNO.1、全米NO.1のミリオンセラー。不倫の歌として大変に有名。

・今後の予定
来週は「珍盤・奇盤特集」を予定していて二週間くらいやってみようかなと思ってるそうだ。もしかしたらちょっとズレるかもしれないが、その場合は「納涼リクエスト大会」。

・メール
リクエスト、お便りはハガキとメールで受付。
TFMのウェブサイトに番組のリクエスト・フォームを開設。
https://www.tfm.co.jp/ssb/

・TATSURO YAMASHITA SUPER STREAMING
「さて、いよいよ今週7月30日木曜日ですね、私の初めての映像配信ライヴ、TATSURO YAMASHITA SUPER STREAMING。7月30日の木曜日20時にスタートになります。たくさんのご応募本当にありがとうございます。みなさまのご期待に応えるべくスタッフ一同努力しておりますが。チケットお買い求めいただきましたみなさまに、繰り返し申し上げておりますが、いわゆる普通の配信と違いまして、見逃し配信、それからアーカイヴの設定はございません。本当のリアル・ライヴとおんなじようにですね、一期一会の設定でございます。ですので、お一人お一人開演時間に合わせましてご準備よろしくお願いします。19時からログインできますので、お早めにログインいただきますとうれしいです。私のいつものライヴとおんなじようにですね、開演前のBGMちゃんと流れておりますので、それでもお聴きになりながらお願いします。ただいろいろ従来と違いまして配信ですと権利関係がうるさいんです(笑)、音のね。ですのでそういうものがちゃんとクリアできてる音源があんまりないので(笑)、気持ちですけれども、でも十分にいつものライヴの雰囲気ではありますので。
このMUSIC/SLASHという私のライヴを配信してくれてる会社は最高音質に拘っておりますので、視聴者のみなさまに多くご負担をおかけしているようです。ですが最高音質と、それからセキュリティの確保という、そういうものの趣旨をご理解いただきまして、何卒よろしくお願い申し上げます。視聴環境、視聴方法など詳しくはMUSIC/SLASHのツイッター、オフィシャル・アカウントに細かな情報アップされております。いわゆるFAQですね、がございますので、そこに詳しく具体的に書かれております。私の山下達郎オフィシャルサイト、ここからMUSIC/SLASHのリンク貼ってございますので、もしくはGoogleとかでMUSIC/SLASH入れていただければ一発で入れますので、そちらを何卒併せてご確認ください。
で、今回は初めての試みなので配信用に計画されたライヴではございません。ですがミックスダウン、リマスター、そういうような作業を完璧を期してやっておりますので、満足いただける音質を目指して目下やっておりますのでご期待ください。
これは私の個人的な意見なんですけれど、ネットでのリアル・ライヴというのはあまり意味がないんです。例えばNHKの紅白歌合戦みたいな、膨大なインフラの中で、テレビの歴史に裏打ちされた膨大なインフラの中でしたら、事故がありませんけれど、ネットというのはかなり不安定なメディアなので、やっぱり無修正のそれ用に設定されたライヴを、であればそれをミックスダウンちゃんとしまして、リマスターして、ネットで配信されるクオリティに沿ったですね、音質向上を努めるのが今のネット配信のですね、僕はベストなウェイだと思いますので、修正とかそういうのしなければ(笑)、いいので一発勝負でガチンコですけれども、でもバランスとかミックスのそうしたクオリティは必ず確保しなきゃなんないという、そういうような意図でこれからやっていきますので、この先一発勝負、いつものライヴのセットでやれるように、ここから先計画していきたいと思いますので、まずは取っ掛かりでございますので、全ては初めてなのでよろしくお願いします。というわけで長くなりました。今週木曜日の配信当日楽しんでいただければと思っとります。何卒よろしくお願い申し上げます。お待ち申し上げております」と達郎さん。
内容など詳しくは山下達郎オフィシャルサイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp/news/#news-000118
https://musicslash.jp

・SHE WAS TOO GOOD TO ME
後半はちょっとまったりとしていきたいとのこと。先週はクラウス・オーガマンの仕事を聴いてもらったが、今週はドン・セベスキー。この人も大御所でジャズの方が圧倒的に多い。CTIとかウェス・モンゴメリーとか。歌ものだったらなんといってもドン・セベスキーだったらチェット・ベイカー。チェット・ベイカーが長いドラッグのダメージから復帰した1974年にCTIから出したアルバム『SHE WAS TOO GOOD TO ME』のアレンジとコンダクトがドン・セベスキー。リチャード・ロジャース、ロレンツ・ハートの「SHE WAS TOO GOOD TO ME」。

・BE MY LOVE
もともと服部克久さんの追悼からアイディアを得たので最後は服部先生のアレンジの曲。1993年のクリスマス・アルバム『SEASONS GREETINGS』から「BE MY LOVE」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
メール
https://www.tfm.co.jp/ssb/
2020年08月02日は「珍盤・奇盤特集」
http://www.tatsuro.co.jp
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THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show #04

2020年07月24日 | Motoharu Radio Show

第4回: 「Nothing But Pop ~何はともあれポップ~」
M1: Stevie Wonder/ My Cherie Amour
M2: The Bangles/ Manic Monday
M3: Prince/ Take Me with U
M4: Bette Midler/ Teach Me Tonight
M5: Bette Midler/ Mr. Sandman
M6: Wonder Girls/ Nobody (English Ver.)
M7: Bananarama/ Shy Boy
M8: Fine Young Cannibals/ She Drives Me Crazy
M9: 佐野元春/ 君がいなくちゃ
M10: Jamie Cullum/ These Are The Days
M11: Ben Sidran/ Song For A Sucker Like You
M12: The Blow Monkeys/ It Doesn't Have To Be This Way
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは佐野元春です。そろそろ梅雨が明けて夏。楽しく行きたいですね。今夜のテーマはNothing But Pop。何はともあれポップ。この夏に向けてみなさんの体温がちょっぴり上昇する、そんなポップ・チューンを集めてみます。「THE MUSIC OF NOTE -Motoharu Radio Show」。DJ、佐野元春でお送りします。

・My Cherie Amour
スティービー・ワンダーの60年代の名曲「My Cherie Amour」。「泣く子も黙る名曲というのはこんな曲のことを言うんじゃないでしょうか」と元春。

・Manic Monday
80年代のガール・グループ、バングルス。1986年の「Manic Monday」。"月曜日の朝起きて、あぁ、まだ日曜日の朝だったらいいのになぁ"、と歌っている。

・Take Me With U
バングルスの「Manic Monday」を書いたのはプリンスで同時期にヒットしていたのが「Take Me With U」。

佐野元春 : 僕は実を言うとカヴァー曲というのはあまり興味がないんです。やはりオリジナルを超えるというのは相当大変なことではないかと思うんですね。ただこのシンガーのカヴァー・レコードはちょっとまいってしまいました。ベッド・ミドラー。歌のうまさには定評のある実力派のシンガーです。そのベッド・ミドラーが往年のガール・グループのヒット曲だけを集めたカヴァー・レコードを出しました。タイトルが『It's The Girls』。「これが女の子というものよ」、そんなニュアンスでしょうか。アルバムではロネッツ、シュレルズ、エクサイターズ、そしてシュープリームスといった50年代、60年代に活躍したガール・グループのヒット曲がたくさんカヴァーされています。正にNothing But Pop。今夜のテーマにぴったりのレコード。ベッド・ミドラーの歌声、さっそくここで2曲聴いてみたいと思います。この曲はスタンダード・ナンバーですね。これまで何人ものシンガーが歌ってきました。50年代の曲です。「Teach Me Tonight」。そしてこの曲オリジナルは50年代のガール・グループ、ザ・コーデッツ。1954年のヒット。曲は「Mr.Sandman」。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の中で使われていました。あっこの曲知ってるという人もいると思います。ベッド・ミドラーのレコード、2曲続きます。

・Teach Me Tonight
・Mr.Sandman

佐野元春 : Motoharu Radio Show、今夜のテーマはNothing But Pop。いつ聴いても心が舞い上がる、そんなポップ・ヒッツを集めています。そうですね、今夜こうして特集して感じるのは女の子たちの歌、ガール・ポップですね。時代に関係なくこれまで多くのガール・グループが活躍しました。ガール・ポップの凄いところ、それは男性だけでなく同性の女性をも元気にさせるパワーがあるところです。そうなんですよね、大半の男性アーティストは男性にしかアピールしないんですが、女性アーティストは全員に語りかけます。そうして見てみると、ポップ・ソングの歴史を支えてきたのはガールズ・グループ。僕はそんなふうに感じます。これまで多くのガールズ・グループが活躍してきました。男の子たちが求めるイメージを演じるようなグループ、それとか女性のパワーを最高にアピールするようなグループ、みんなそれぞれにメッセージを持っています。いずれにしても男性アーティストにはできない感情が豊かな表現ですよね、それがガールズ・グループの魅力だと思います。今夜の特集、Nothing But Pop。ここでガールズ・グループが歌う最高にポップなレコードを2曲用意しました。韓国5人組のガールズ・グループ、ワンダー・ガールズ。彼らがアメリカで活躍するようになったそのときのデビュー曲ですね、「Nobody」。そして当時とても人気のあったイギリスのガールズ・グループ、バナナラマ。日本でも80年代の後半、よくディスコ、クラブでこの曲がかかっていました。ワンダー・ガールズ「Nobody」、そしてバナナラマ「Shy Boy」、2曲続きます。

・Nobody
・Shy Boy
曲をかけ終えて。「2曲とも60年代モータウン・ヒッツを意識したリズムとメロディですね。いい感じです」と元春。

・She Drives Me Crazy
1989年のファイン・ヤング・キャニバルズの「She Drives Me Crazy」。"もうどうしようもないくらい彼女に夢中"そんなふうに歌ってる。

・君がいなくちゃ

佐野元春 : 今聴いてもらったのは僕の曲です。「君がいなくちゃ」。自分の曲の中でもポップかなぁと思って聴いていただきました。去年出した『或る秋の日』というアルバムに入ってます。この曲なんですけれども作曲してレコードになるまで随分時間がかかりました。この曲を書いたのは僕が16歳のときだったのでレコードになるまでなんと47年という、時間がかかるにも程があるという感じですね。当時僕は高校生で学校の中に学生寮があったんですけれど、そこの放送研究部の友だちがこの曲のデモテープをガンガンかけて、終いには寮の中で大ヒットするという、そんな出来事がありました。その後、自分はこの曲のことをすっかり忘れていたんですが、当時の同級生が地元でこの曲をずっと歌い続けてくれて、その街ではちょっとした人気曲になっていたということ。そしてある日、その友だちから連絡をもらって久しぶりにこの曲を聴いてみたんですが、なんかとてもいい曲だなと思ったんですよね。まぁそんなことからレコーディングしてみようという気になった曲、それが「君がいなくちゃ」ですよね。自分で書いて40年以上忘れていた曲ということなんですけれども、本当にね、この曲の存在を教えてくれた友だちに感謝しています。
「THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show」。今夜のテーマはNothing But Pop。何はともあれポップ。続いてます。さてこの後はちょっと気分を変えたいですね。ちょっと気分を変えてポップというよりどっちかというとジャズ・オリエンテッドな音楽。僕が好きなピアノマンのレコードを紹介します。ジェイミー・カラム「These Are The Days」、そしてベン・シドラン「Song For a Sucker Like You」。2曲続きます。

・These Are The Days
・Song For a Sucker Like You
曲をかけ終えて。「今聴いたのがベン・シドランですよね。歌ってる内容はかなり辛辣、皮肉な歌です。ポップでシニカルという感じ。洒落てますね」と元春。

佐野元春 : 今夜のテーマはNothing But Pop。何はともあれポップ。思わず楽しくなってスマイルしてしまう、そんなポップ・チューンを集めてみました。そうですね、自分の場合は、自分が演奏するときはフォークやブルース、そしてR&Bに近いロックなんか好きなんですけれども、ラジオから音楽を聴くというときには、やはりポップ・チューンですね。クルマの中で聴いたりしてると思わず体が揺れてくるような、そんな楽しい曲を聴くのが好きです。Motoharu Radio Show、今夜、ラストの曲もポップ・チューンでお別れしたいと思います。リスナーのみなさんとはまた次回、お会いできるのを楽しみにしています。この曲、ちょっと歌詞が複雑ですね。僕もわからないんですけれども、何かイギリス人らしい皮肉、ユーモアを感じます。一見ラヴ・ソングに聴こえるんだけれども実はかなりポリティカルな意味にも取れます。ブロウ・モンキーズ「It Doesn’t Have To Be This Way」。

・It Doesn’t Have To Be This Way

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show。楽しんでいただけましたか? さて来週のテーマは「ブルーズが聴きたい」。今日のテーマ、ポップとは真逆ですけれどもブルーズ音楽の魅力、みなさんと分かち合いたいと思います。「THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show」。次回の放送は来週7月31日、よる9時から。同じステーション、同じ時間でみなさんとお会いしたいと思います。DJ、佐野元春。ではまた来週。
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Sunday Song Book #1449

2020年07月19日 | Sunday Song Book

2020年07月19日プレイリスト「ストリングスで棚からひとつかみ」
1. THE WAR SONG (LIVE) / 山下達郎 "17/07/09 中野サンプラザ"
2. [ ARIF MARDIN ] I'M EVERY WOMAN / CHAKA KHAN '78
3. [ NICK DE CARO ] CHANCES ARE / BEN SIDRAN "I LEAD A LIFE" '72
4. [ CLAUS OGERMAN ] VIVALDI'S SONG / MARK-ALMOND "OTHER PEOPLES ROOMS" '78
5. [ ENNIO MORRICONE ] ONCE UPON A TIME IN AMERICA / ORIGINAL SOUNDTRACK '84
6. [ JOHNNY MANDEL ] UNFORGETTABLE / NATALIE COLE '91
7. [ 山下達郎 ] プラスティック・ラヴ / 竹内まりや "ヴァラエティ" '84
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■内容の一部を抜粋
・近況
今年は長梅雨の気配。週間予報を見ても雨がちの日が続いてるそうだ。東京はじとじと蒸し暑いとか。
「相変わらずウイルス、水害、それに伴うご商売の不安、会社経営の不安、いろいろな不安をみなさん抱えてらっしゃることだと思います。私の業界もなかなか大変な状態であります。えぇ〜本当に、大変なんですけれども、こういうとき、毎週毎週おんなじこと申し上げておりますけれども、自分の身は自分で守るしかありません。いつの時代でもころころ変わる政治や行政のそういうあたふたが、いつの時代にもありますので、情報の氾濫に戸惑わされないで、落ち着いて仲間内で助け合って、こういうグッと踏ん張って、がんばってまいりましょう」と達郎さん。

・ストリングスで棚からひとつかみ
「本日は先日、服部克久先生が、追悼のときに申し上げましたけれども、ストリングスの特集をしてみようかと思います。こういうわさわさした時代ですので、少しでも心の癒しになればという感じで、甘く優しく、そうしたたゆたうようなストリングスの編曲をお聴きいただこうと思いまして、ストリングスで棚からひとつかみ。で、はじめてみたのはいいんですけれども、あんまり、ぬぁあああっばっかりですと眠くなりますので(笑)、ちょっと景気のいいやつも入れまして、緩急取り混ぜてお届けしたいと思います」と達郎さん。

・THE WAR SONG
「私もひとりの人間としていろいろ考えておりますが、私は音楽家なので口はばったいアジテーションとかそういうのよりも、自分の作品で意思表示をしてきましたし、これからもそのつもりでおります。今日の頭はもうすぐリマスター発売になります私の1986年のアルバム『POCKET MUSIC』からTHE WAR SONG。とか言って今日はライヴ・ヴァージョンでどうぞ」と達郎さん。

・I'M EVERY WOMAN
最初は甘く優しくメロウな選曲を考えていたそうだが、景気がいいのもいいなと思いだして、そういう感じのからはじめることにしたとか。達郎さんが十代の頃いちばん好きなグループはヤング・ラスカルズで、彼らのオーケストレーションをやっていたのがアリフ・マーディン。「アリフ・マーディンの弦の音で育ったと言っても過言ではございません」と達郎さん。1978年、チャカ・カーンの全米ソウル・チャートNO.1で、アシュフォード&シンプソンの名曲「I'M EVERY WOMAN」。この曲はアリフ・マーディンのオーケストレーション。ドラムがスティーヴ・フェロン、ギターがフィル・アップチャーチとヘイミッシュ・スチュアート(アベレージ・ホワイト・バンド)、ベースがウィル・リー、キーボードがリチャード・ティーという5人のリズム・セクションにストリングス。

・CHANCES ARE
ジャズ・ピアニスト兼シンガー・ソングライターのベン・シドラン。枠にはまらないクロスオーバーなスタイルで、日本ではとても人気がある人。1972年のセカンド・アルバム『I LEAD A LIFE』の1曲め「CHANCES ARE」。ストリングスはニック・デ・カロ。達郎さんは久しぶりにアルバムを開いてクレジットを見て驚いたという。ドラムがジェームズ・ブラウンのクライド・スタブルフィールド、ベースはフィル・アップチャーチ、コーラスにはギャビン・クリストファーが、マーク=アーモンドのジョン・アーモンドも入ってるという。
曲をかけ終えて。「ベン・シドラン。1972年のアルバム『I LEAD A LIFE』からCHANCES ARE。不思議ぃーなミュージシャンでありまして。スタイルがなかなか特定できない、スティーブ・ミラーあたりからはじまって、いろんな人とやっておりますけれども。でもベン・シドランのインタビューというのを見ましたら、モーズ・アリスンに影響を受けたという。あっ、なるほどなという(笑)、そういう感じであります。モーズ・アリスン最近ハマってるので、今度機会がありましたら」と達郎さん。

・子どもの運転
千葉県のリスナーから「達郎さんのお子さんは運転免許取られましたか? 取っていらっしゃったらお子さんの運転で初めて隣に乗ったときの思い出で何かありますか?」という質問。
「取り立てのときすごい怖い思いをして(笑)。みんなそうですよね。初心者で、あの私の父がですね、私が取り立てのときにもう乗らないつって怖がって。みんなそうです。そうやってだんだん経験積んで上手くなってゆくというものでございます」と達郎さん。

・VIVALDI'S SONG
次はストリングスのオーケストレーションといえば筆頭に上がる大御所、クラウス・オガーマン。イギリス人のジョン・マークとジョニー・アーモンドの二人組のグループ、マーク=アーモンド。アメリカに渡りトミー・リピューマのプロデュースで作品を作り、日本では大変な人気があるけれど、アメリカでは全くヒットしなかった。「でもヒットしなかったのが信じられないくらいメロウで、素晴らしい作品なんですけれども。そんなもんなんですね。時代がディスコ全盛の時代なので仕方がありません」と達郎さん。1978年の名盤『OTHER PEOPLES ROOMS』からマイケル・フランクスの作品で「VIVALDI'S SONG」。
曲をかけ終えて。「これはまたニューヨークのリズム・セクションでございますが。ジョン・トロペイのギターで、リオン・ペンダーヴィスのキーボード、ウィル・リーのベースにスティーヴ・ガッドのドラムという。ですけど、ひじょうに抑制的な演奏でございますが、素晴らしいトラックでございます」と達郎さん。

・今後の予定
ストリングスの名曲は数限りなくあるので、とても一週間では間に合わないので、来週もやることにしたとのこと。ボビー・マーティンとかトム・ベルとかジーン・ペイジを予定しているそうだ。「ようやくサンデー・ソングブックが普通のノリになってきたと思ったのに、またいつテレワークになるかもわからないというような状態でございます。なんとかしてくれという」と達郎さん。
7月はもう一週あるが、そんなわけで引き続き「ストリングスで棚からひとつかみ」。珍盤奇盤は8月の予定。

・リクエスト
ハガキが復活したけれど、メールでも引き続き受付をしている。TFMのウェブサイトに番組のリクエスト・フォームを開設。
「年齢とかありますけれどご無理なさらずに。秘密にしたい方はご遠慮なく」と達郎さん。
https://www.tfm.co.jp/ssb/

・TATSURO YAMASHITA SUPER STREAMING
今月末7月30日午後8時から予定している達郎さんの初めての配信ライヴ「TATSURO YAMASHITA SUPER STREAMING」。チケットの購入、最終受付は7月24日(金)午後6時まで。
「こういう時代で配信プラットフォームいろいろとできましたけれども、様々な配信プラットフォームございますけれど、私が今回一緒にやっておりますMUSIC/SLASH。ここではチケットの販売数に合わせて、配信環境を最適に構築準備するために、前売りのみの販売で、受付期間も短く設定されております。当日券の発売等ございませんのでご注意ください。いろいろなお問い合わせはいただいておりますけれども、何しろこちらも初めてのことですので、いろいろと不都合ございますけれども、未来に向けて少しずつ改善していきたいと思っております。視聴方法など詳しくは山下達郎オフィシャルサイト、ここでMUSIC/SLASHのリンク貼ってございますので、そちらでご確認ください。お申し込みお忘れなく、奮ってご参加、何卒よろしくお願い申し上げます」と達郎さん。
https://www.tatsuro.co.jp
https://musicslash.jp

・好きな交響楽団や指揮者
中野区の質問魔のリスナーから「達郎さんはオーケストラのコンサートは観に行かれたりするのでしょうか? 好きな交響楽団や指揮者はいらっしゃいますか?」という質問。
割とコンサートには行くそうだ。どちらかというと室内楽の方が好きなんだとか。セルゲイ・チェリビダッケのミューヘン・フィル、ロリン・マゼール、指揮者だとアシュケナージ。こういうのは話し出すと長いので、また次の機会に。

・ONCE UPON A TIME IN AMERICA
エンニオ・モリコーネの作品は好きなものがたくさんあると達郎さん。1980年代の映画でいちばん好きなのが『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』だという達郎さん。その中の「デボラのテーマ」は番組で何度もかけているので、今日は短めのやつで「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」というメイン・テーマ。1984年の『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』のオリジナル・サウンドトラックからエンニオ・モリコーネのオーケストラ。

・人情紙風船
愛知県岡崎市のリスナーから「生涯ベストの映画は?」という質問。
1937年、昭和12年の山中貞雄という監督が作った『人情紙風船』。何十回観たかわからないがフィルムで映画館にかかると必ず観に行くそうだ。

・UNFORGETTABLE
エンニオ・モリコーネの訃報に続いてジョニー・マンデルが逝去したというニュースが入ってきた。享年94歳。エンニオ・モリコーネは享年91歳。ジョニー・マンデルといえば「THE SHADOW OF YOUR SMILE」だけどサントラのCDがどこかに入っちゃって出てこないとか。今日はジョニー・マンデルといえば、比較的近いところではナタリー・コールのアルバム『UNFORGETTABLE』。ナタリー・コールとナット・キング・コールがデュエットした「UNFORGETTABLE」のオーケストレーションがジョニー・マンデル。オリジナルのナット・キング・コールのヴァージョンは1951年、チャート12位。ネルソン・リドルのアレンジだった。ジョニー・マンデルはネルソン・リドルのアレンジを踏襲しつつも、ジョニー・マンデルの雰囲気を醸し出している。1991年のナタリー・コールのアルバムはメガヒットでグラミーも獲った。
曲をかけ終えて。「ナタリー・コールも2015年に亡くなってしまいました。だんだんだんだん、時代が移ってゆくという感じでございます」と達郎さん。

・プラスティック・ラヴ
今日の最後は達郎さんのストリングス・アレンジ。独学でストリングス・アレンジをしていたし、時間がかかることもって、また年なので、最近はやらなくなったという。若い頃は一所懸命やっていて、いちばん自分で気に入ってる一曲が、まりやさんの1984年の「プラスティック・ラヴ」だとか。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
メール
https://www.tfm.co.jp/ssb/
2020年07月26日は、引き続き「ストリングスで棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
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THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show #03

2020年07月17日 | Motoharu Radio Show

第三回:日本のポップ・ロック1976年
伊藤銀次 - 日射病
鈴木慶一とムーンライダーズ - あの娘のラブレター
吉田美奈子 - ラムはお好き?
憂歌団 - お政治オバチャン
高田渡 - 魚つりブルース
細野晴臣 - 北京ダック
久保田麻琴と夕焼け楽団 - ディキシー・フィーバー
小坂忠 - ふうらい坊
山下達郎 - CIRCUS TOWN
大貫妙子 - 時の始まり
矢野顕子 - 電話線
佐野元春 - ふたりの理由、その後
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは佐野元春です。さて、今夜のテーマはこれです。「日本のポップ・ロック1976年」。'70年代の中でも特に1976年、この年は日本のロック&ポップスにとって貴重な年になりました。この年には今聴いてもいいなと思える素晴らしいレコードが続々とリリースされました。今夜のMotoharu Radio Showは、1976年、国内でリリースされたクリエイティブなロック&ポップスを特集します。「THE MUSIC OF NOTE -Motoharu Radio Show」。DJ、佐野元春でお送りします。

佐野元春 : 今夜の一曲目は僕の友人のレコードですね。1976年、大瀧詠一、山下達郎、伊藤銀次の3人で作った『Niagara Triangle Vol.1』からの曲、「日射病」。

・日射病

佐野元春 : 伊藤銀次、曲は「日射病」。銀次らしいチャンキーなギターが楽しい曲ですね。1976年、大瀧詠一、山下達郎、伊藤銀次の3人で作った『Niagara Triangle Vol.1』からの曲でした。このあとは鈴木慶一とムーンライダーズ。ファースト・アルバム『火の玉ボーイ』から一曲聴いてみます。

・あの娘のラブレター

佐野元春 : 鈴木慶一とムーンライダーズ。曲は「あの娘のラブレター」。1976年に出た彼らのファースト・アルバム『火の玉ボーイ』からの曲です。バンドはムーンライダーズの前ははちみつぱいと名乗ってました。はっぴいえんどと並んで日本のロックの先駆者です。さて、ここまで聴いて気づいた方もいると思います。今夜のMotoharu Radio Showは'70年代の日本のミュージシャンを特集してみます。'70年代の中でも特に1976年。この年は日本のロック&ポップスにとって貴重な年となりました。この年には今聴いてもいいなと思える素晴らしいレコードが続々とリリースされています。今夜のMotoharu Radio Showは1976年、国内でリリースされたクリエイティブなロック&ポップスを特集しています。

・ラムはお好き?

佐野元春 : う~ん、いいですね。ラム・アンド・コカ・コーラとか言ってます。吉田美奈子、曲は「ラムはお好き?」。1976年に出たファースト・アルバム『FLAPPER』からの曲。今でこそ国内のR&Bの女性ヴォーカリスト、歌の上手なディーバはたくさんいます。その先駆的な存在といっていいのが吉田美奈子さんですね。もちろん今でも活躍なさっています。以前、コンサート(風街レジェンド2015)の楽屋で久しぶりにお会いしましたけれども、とても元気、そしてステージでは相変わらず素晴らしいパフォーマンスをやられていました。

佐野元春 : さて、Motoharu Radio Show。今夜は1976年、国内でリリースされたロック&ポップスを特集しています。'70年代に入ると日本ではシンガー・ソングライターの時代になります。自分で作った歌を欧米のロック音楽のスタイルで表現するという新しい音楽が出てきました。ジャンルでいうとブルース、フォーク、ロック、そしてR&B。特に米国のルーツ音楽を研究するミュージシャンたちが多くいました。では1976年のレコードから米国のブルースやフォーク音楽に影響を受けたミュージシャンたちのレコードを聴いてみます。憂歌団「お政治オバチャン」、そして高田渡「魚つりブルース」。2曲続きます。

・お政治オバチャン
・魚つりブルース

佐野元春 : 憂歌団「お政治オバチャン」、そして今聴いたのは高田渡。ごめんなさい。曲紹介のとき僕は「うおつりブルース」なんて言ってしまいました。「魚(さかな)つりブルース」でした。憂歌団の内田勘太郎さん、そして高田渡さん。ギター演奏の技術がとても素晴らしい尊敬できるミュージシャンです。またリリックがおもしろいですよね。憂歌団「お政治オバチャン」。実は彼らのレパートリーに「お掃除オバチャン」という曲があるんですが、これが職業差別だということで放送禁止になります。そこで面白く切り返したのがこの「お政治オバチャン」ですね。これには誰も文句は言えなかったんじゃないかと思います。ユーモアのセンスも抜群です。DJ、佐野元春、続いてます。

佐野元春 : Motoharu Radio Show、今夜は1976年、国内でリリースされたロック&ポップスを特集しています。 今夜こうして特集して感じるのは、音楽がとてもいい感じでゆるいですよね。当時、レイドバックなんていう言葉もありました。この時代、外国ではどうだったかというと、ちょうどこの頃、セックス・ピストルズがデビューしています。そろそろ世界的にパンク、ニュー・ウェイブのムーブメントがはじまろうとしていた時期でした。そうして見てみると、この日本の'70年代レイドバックの音楽というのはエアポケットにいるような状態? 嵐の前の穏やかな時代の音楽。そんなふうに聞えます。もうひとつ聴いて面白いなぁと思うのはリズムのバリエーションが多国籍なんですよね。例えばニューオリンズやカリブの音楽、そしてハワイ、ポリネシア、沖縄といった非欧米のリズムなんかも取り入れてユニークなサウンドになっていました。ではここでそうした試みをすごく洗練したかたちでやってた二組ですね、細野晴臣、そして久保田麻琴。彼らのレコードを聴いてみます。「北京ダック」、細野晴臣。そして「ディキシー・フィーバー」、久保田麻琴と夕焼け楽団。2曲続きます。

・北京ダック
・ディキシー・フィーバー

佐野元春 : 一曲目は細野晴臣、ヴァン・ダイク・パークスの音楽を思い出す、そんな音の風景ですね。「北京ダック」。そして今聴いたのは久保田麻琴と夕焼け楽団。曲は「ディキシー・フィーバー」、2曲聴いてみました。
「THE MUSIC OF NOTE -Motoharu Radio Show」。1976年の日本のロック&ポップス特集しています。 細野晴臣、久保田麻琴に続いて聴いてみたいのは小坂忠ですね。自分の若いころ、ちょっとお世話になったということもあって、今でもときどき声をかけてもらっています。そうですね、思い出深いのは先日、自分のアルバム『Cafe Bohemia』というのがあるんですけれども、このアルバムのセッション・コンサートがありました。いろいろなシンガーが僕の曲をカヴァーしてくれたんですけれども、中でも特に小坂忠さんですね、彼が僕の「Rock'n'Roll Heart」という曲をカヴァーしてくれて、それが本当に素晴らしく、また光栄に思って、僕はとても感動しました。この後は小坂忠のレコード、アルバム『ほうろう』からの曲、プロデュースそして作詞作曲は細野晴臣、曲は「ふうらい坊」に続きます。

・ふうらい坊

佐野元春 : 小坂忠、曲は「ふうらい坊」。ヴァッキング・コーラスは吉田美奈子さんですね。ソングライターとしても素晴らしいアーティストです。山下達郎の初期の曲でもリリックを書いていました。「THE MUSIC OF NOTE -Motoharu Radio Show」。この後は山下達郎、そして吉田美奈子の曲に続きます。

・CIRCUS TOWN

佐野元春 : 山下達郎、1976年のリリース、シュガーベイブを解散した後の初のスタジオ・アルバムですね。この曲のリリックは吉田美奈子。プロデュースはチャーリー・カレロ。ニューヨークのミュージシャンとレコーデングしています。曲は「CIRCUS TOWN」を聴いてみました。
「THE MUSIC OF NOTE -Motoharu Radio Show」。今夜は1976年、国内でリリースされたロック&ポップスを特集しています。 1976年、ちょっと調べてみるとこの年は女性シンガー・ソングライターの曲が結構ヒットしています。イルカ「なごり雪」、丸山圭子「どうぞこのまま」、そして荒井由実「あの日に帰りたい」あたりですね。海外ではキャロル・キング、ジョニ・ミッチェル、マリア・マルダー、そしてローラ・二―ロ。そうした女性シンガー・ソングライターが活躍していました。それまで女性シンガーというと自分で曲を書いて歌う人というと、それほど多くはなかったんですけれども、'70年代中盤になると、そうした海外の影響もあって日本でも素晴らしい女性シンガー・ソングライターが出てきました。ではここで1976年にデビューした二人の素晴らしい女性シンガー・ソングライターの曲を聴いてみたいと思います。大貫妙子「時の始まり」、そして矢野顕子「電話線」。2曲続きます。

・時の始まり
・電話線

佐野元春 : 山下達郎シュガーベイブのメンバーだった大貫妙子。曲は「時の始まり」。続いて聴いたのは矢野顕子「電話線」ですね。二人とも今日特集している1976年のデビューです。そうですね、矢野顕子さん。彼女とはこれまでレコードやライヴで何回かご一緒しました。とてもクリエイティブで、ユーモアのセンスが抜群の女性です。ここのところちょっとご無沙汰していますけれど、またどっかでご一緒できたらいいなと思っています。
さて、「THE MUSIC OF NOTE -Motoharu Radio Show」。今夜は日本のポップ・ロック、1976年のレコードを特集してきました。番組の中では最初に紹介した僕も'80年代に参加したんですけれども大瀧詠一プロデュース『Niagara Triangle』ですね。山下達郎、伊藤銀次、そして大瀧詠一。この3人で作った『Niagara Triangle Vol.1』。このレコードも1976年この年に出ていました。今日特集した音楽はちょうど自分でいうと、僕が十代の頃でしたね、中学生高校生の頃聴いていた音楽です。まぁ、今自分がこうして歌っているのも彼らの音楽を聴いてきたおかげだと思っています。今日特集できてよかったと思います。改めて感謝したいですね。ということで番組、残り時間も少なくなってきました。今夜最後は僕の曲を聴いてください。アルバム『自由の岸辺』から曲は「ふたりの理由、その後」。

・ふたりの理由、その後

佐野元春 : Motoharu Radio Show。今夜は「日本のポップ・ロック1976年」と題して1976年に国内でリリースされたロック&ポップスを特集してみました。楽しんでもらえましたか? 来週は「Nothing But Pop!」、何はともあれポップ、みなさんの体温がちょっと上昇するそんなポップ・チューンを集めてみます。お楽しみに。「THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show」。次回の放送は来週7月24日、よる9時から。同じステーション、同じ時間でみなさんとお会いしたいと思います。DJ、佐野元春。ではまた来週。
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Sunday Song Book #1448

2020年07月12日 | Sunday Song Book

2020年07月12日プレイリスト
「続・初代ジャニーズの洋楽アプローチとアメリカ進出計画+フォー・リーブス」
1. THAT'S WHEN IT HAPPENS / THE JOHNNYS '66
2. TELL HER I LOVE HER / THE JOHNNYS '66
3. LOVE'S BREAKIN' THRU / THE JOHNNYS '66
4. YOU'RE NEAR ME / THE JOHNNYS '66
5. NEVER MY LOVE (LIVE) / あおい輝彦 "76/10/04 中野サンプラザ"
6. ちょと待て下さい / フォー・リーブス '71
7. はじめての世界で / フォー・リーブス '71
8. YOU'VE GOT WHAT IT TAKES / THE SYLVERS '73
9. DON'T LET THE SUN CATCH YOU CRYING / FOUR LEAVES '72
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・近況
雨の被害、水害が九州地区、岐阜、長野といった中部地区にも被害が出ている。番組は最近、直近で収録しているが、それでも1日2日で情勢が変わってしまう。「被災されたみなさま心よりお見舞い申し上げます」と達郎さん。こういうときはラジオがテレビやネットよりも有効なメディアなのだが、この番組は音楽番組なので少しでも心の癒しになればとのこと。「ウイルス騒ぎの中で、またこの水害騒ぎ、大変でございます。自分で自分の身を守るという、移さない、移されない。そんで親類、友人、隣近所で助け合ってみんなでがんばっていきましょう」と達郎さん。

・続・初代ジャニーズの洋楽アプローチとアメリカ進出計画+フォー・リーブス
先週の「初代ジャニーズの洋楽アプローチとアメリカ進出計画」は達郎さんが想定していたよりもかなり大きな反響があったそうだ。今週はその続編で「続・初代ジャニーズの洋楽アプローチとアメリカ進出計画+フォー・リーブス」。先週かけたジャニーズの5曲は作曲者、データ、その後の経緯がはっきりしている曲だったけれど、今週の4曲は達郎さんが二十数年間調べてるが版権が全くはっきりとしないとか。誰が書いたかという作曲者のクレジット、ジャニーズだけのレコーディングで終わったのか、他に流れたのか一切はっきりしないそうだ。でも作品的には優れている。おそらく日本初、いや史上初のオンエアになるかと思われる。前半は初代ジャニーズの1966年のレコーディング、後半はその後、ジャニーズが解散した後に、フォーリーブスが同じようにアメリカ進出をしているので、その音源をかける。

・THAT'S WHEN IT HAPPENS
ザ・ジャニーズの1966年のロサンゼルス・レコーディングから「THAT'S WHEN IT HAPPENS」。ミックスダウン前の音源だと思われる。当時の新しい音作りのアプローチ、ミドル・オブ・ザ・ロードのサウンドやソフトロックにジャニー喜多川さんはカルチャー・ショックを受けたかもしれない。ジャニー喜多川さん自身はロカビリー以前のビング・クロスビーとかフランク・シナトラとかフレッド・アステアといった人たちが憧れの一世代前の方で、ジャニーズの4人を歌って踊れるグループとして、最終的にはラスベガス進出を目論んでたようだが、そういう音楽とは全く違う、新しいアプローチが行われた。そのことを達郎さんがジャニー喜多川さんに質問しても、いつも話を濁されたそうだ。

・TELL HER I LOVE HER
ザ・ジャニーズの「TELL HER I LOVE HER」。おそらく4トラック・レコーディングだと想像できる。4トラックなのでダビングがそんなにできない。「よくハモってるのでちゃんと歌のトレーニングがされてるという感じ」と達郎さん。フォー・シーズンズも最終的にはラスベガスを目指して、1962年くらいから活動していたが、ロックンロールが生きながらえたので、そのままの路線で活動を続けた。フランキー・ヴァリという名前もお母さんがフランク・シナトラのファンだったので、フランクという芸名にしたという時代。

・LOVE'S BREAKIN' THRU
ザ・ジャニーズの「LOVE'S BREAKIN' THRU」。アメリカでジャニーズが受けなかった最大の理由は人種差別。レコード会社は当時、白人の音楽は白人のルートで販売し、黒人音楽は黒人のルートで販売し、ヒスパニックとかスパニッシュはまた別のルートで販売していた。ジャパニーズ、日系の音楽はハワイしかマーケットがなく、国内発売はほぼない時代だった。今でも海外進出する人はいるが、昔は金だけ取って逃げられて、プロモ盤だけあるという話が結構あった。坂本九さんの「SUKIYAKI」は偶然の、奇跡のような産物で、それを夢見てトライしても'60年代はなかなかうまくいかなかった。「でも作品だけでもこれだけのものができたというのは歴史に残る成果だと私は思いますけれども」と達郎さん。

・YOU'RE NEAR ME
ザ・ジャニーズの「YOU'RE NEAR ME」。これで先週の5曲と合わせて全9曲。達郎さんは1967年にラジオの「ハロー・ポップス」という電リクの生番組にハガキを書いて応募して、オブザーバーとして視聴者参加に当選。番組終了後にゲスト質問の時間があって、ちょうどその日のゲストがジャニーズだったので、当時、テレビのジャニーズの番組で歌った「愛しちゃだめ」がシングルにならないのか質問したことがあるそうだ。「あぁ、あれは出ないんだよ」という答えてもらったとか。達郎さんが中学3年生の夏の話で、たぶん、そのときにはもう解散が決まってたんじゃないかという印象だったと達郎さん。

・NEVER MY LOVE (LIVE)
あおい輝彦さんが1974年10月4日に中野サンプラザのリサイタルで歌った「NEVER MY LOVE」。

・TATSURO YAMASHITA SUPER STREAMING
「この度、私も初めて動画配信サービスを使ってライヴ映像をストリーミング配信することになりました。以前からいろいろと計画はしていたんですけれど、こうした時代になりましたので、ちょっと早く実現することになりました。私、この番組をお聴きのみなさまでしたらよくご存知の通り、自分のライヴ映像をですね、映画館とライヴハウス以外で公開したことありません。テレビにも乗っけたことがありません。ですが、まぁ、今回のウイルス騒ぎでですね、エンターテイメント業界が深刻な危機であります。ライヴどんなにやりたくてもやれない。そしてそれが今のところいつまで続くのかわからないという。ですので再びライヴができるようになるまでの間に、違う可能性模索しなければなりません。ですので、それならばインターネットを介してバーチャル・ライヴ、いわゆる動画配信サービス使って、リアル・ライヴ体験にどういう具合に肉薄できるか、どこまで再現できるかっていうようなことを、やらなければならない。私も挑戦してみようと思い立ちまして、はじめることにいたしました。題して山下達郎 SUPER STREAMING。えへへ。すごいなこれ(笑)。バーチャル・ライヴというのはですね、いろいろなファクターがあるんですけれど、いちばん私が重要視したのは音質のクオリティーです。あとは配信に関してセキュリティーですね。ダビングをされてまたそれをユーチューブに上げられるとか、そういうことがすごく僕は疑問があるので。そういうことがなるべくできないようなシステムはないのかと、そういうようなことを、ずっと模索してまいりまして。ちょうど私のライヴのプロジェクションをやってもらってますミュージックスラッシュというプロジェクトがありまして。この人たちがちょうどそうした音質向上とセキュリティーが強固なシステムというのを構築してくれまして。そこの力を借りてやってみたいと思います」と達郎さん。
配信日時は7月30日(木)午後8時から70分のライヴを配信する計画で、チケットは本日番組終了後、午後3時から開始。内容など詳しくは山下達郎オフィシャルサイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp/news/#news-000118

なお、ミュージックスラッシュの方針として、見逃し配信はしない、アーカイヴも残さない。リアル・ライヴに近づけるという思想で、そのための高音質になってる。チケット販売実数に合わせて最適な音質を構築する必要があるとのことで、前売り券のみ7月24日(金)午後6時までの受付で当日券の販売はしない。ネットでの視聴のためご自身の視聴環境を必ず確認してチケットをお求めくださいとのこと。
https://musicslash.jp

・ちょと待て下さい
フォーリーブスは1971年に渡米してロサンジェルスでレコーディング。ハワイのサム・カプーが1969年に発表した「CHOTTO MATTE KUDASAI」が、1971年にアメリカで発売され、日本でも発売されてヒットしたので、フォーリーブスがカヴァーした。日本語のタイトルは「ちょと待て下さい」。フォーリーブスは1968年に「オリビアの調べ」でデビュー。ジャニーズと同じ男の子の4人組。ステージ上でバック宙をやった最初のグループ。洋楽カヴァーを積極的にやってきたグループ。アメリカで発売されたシングルは鈴木邦彦さんが作曲した「夏の誘惑」がA面。「ちょと待て下さい」はB面だった。プロデュースはマイク・カーブ。「夏の誘惑」は日本で先にシングルが出ているがアレンジは全然違う。日本語で歌ってるため、今回は洋楽アプローチなのでかけないとのこと。

・はじめての世界で
1959年のマーブ・ジョンソンのヒット曲「YOU GOT WHAT IT TAKES」。作曲は後にモータウンを作るベリー・ゴーディ。1967年にはデイヴ・クラーク・ファイブがカヴァーしてベスト10ヒット、日本でも発売されてかなりヒットした。フォーリーブスはデイヴ・クラーク・ファイブのヴァージョンにインスパイアされたと思われる。1971年に「ちょと待て下さい」をA面にして、B面に「はじめての世界で」というタイトルでカヴァー。前半は日本語で後半は英語で歌っていて、作詞は北公次さん。全部英語で歌ったヴァージョンもあり、フォーリーブスのシングル・ボックスのボーナス・トラックとして収録されていた。

・YOU'VE GOT WHAT IT TAKES
マーク・カーブはザ・シルバーズに「はじめての世界で」のオケを流用する。ザ・シルバーズはメンフィス出身の黒人のファミリー・グループ。1973年のシルバーズの「YOU'VE GOT WHAT IT TAKES」。プロデュースはマーク・カーブ。こういうことは実に多くあって1970年代前半の状況はこんなものだった。フォーリーブスの海外レコーディングは謎が多くて、達郎さんがジャニー喜多川さんに聞いても答えてくれなかったという。

初代ジャニーズ、フォーリーブスの時代は洋楽志向というものが明確にあった。それがはっきり変わったのは1970年代初頭に郷ひろみさんが出てきたときに、作曲に筒美京平さん、作詞に都倉俊一さんという新しい世代の歌謡作家が出てきて、歌謡曲の様式がガラッと変わることになる。ここからフォーリーブスも1977年の「ブルドック」(都倉俊一さんの作詞)が代表作として語られることになる。

・DON'T LET THE SUN CATCH YOU CRYING
1972年に再びマーク・カーブのプロデュースでジェリー&ザ・ペースメイカーズのカヴァー「DON'T LET THE SUN CATCH YOU CRYING」を発売。もしかしたら1971年のレコーディングかもしれないとのこと。

・メール
リクエスト、お便りはメールのみの受付。TFMのウェブサイトに番組のメッセージ・フォームを開設。
https://www.tfm.co.jp/ssb/

・今後の予定
来週は服部克久さんが亡くなったときに話した「ストリングスで棚からひとつかみ」。エンニオ・モリコーネが亡くなったこともあるし、こういう時代なので、ストリングスのオーケストレーションで柔らかいプログラムの予定。

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2020年07月19日は、「ストリングスで棚からひとつかみ」
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THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show #02

2020年07月10日 | Motoharu Radio Show

第二回:Middle of 60' -1966年のヒットレコード
The Monkeys - Last Train to Clarksville
The Beatles - Paperback Writer
The Byrds - Eight Mails High
The Supremes- My World Is Empty Without You
Jimmy Ruffin- What Becomes Of The Brokenhearted
The Four Seasons- I've Got You Under My Skin
The Beach Boy - God Only Knows
The Beatles - Rain
Bob Dylan - Rainy Day Women #12 & 35
The Temptations - Ain't Too Proud to Beg
Martha and The Vandellas - My Baby Loves Me
The Walker brothers - The Sun Ain't Gonna Shine Anymore
佐野元春 with The Heartland - Someday
Simon & Garfunkle - I Am a Rock
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは佐野元春です。さて、今夜のMotoharu Radio Show、ポップ音楽の歴史の中で僕が個人的にいちばん気になってる時代。それは'60年代です。特にミドル・オブ・シックスティーズといわれる'60年代中盤のヒット・レコード。それはまるで魔法がかかったかのようにきらめいてます。番組今夜の特集はミドル・オブ・シックスティーズ。1966年のヒット・レコードを集めてみます。「THE MUSIC OF NOTE -Motoharu Radio Show」。DJ、佐野元春でお送りします。

・Last Train to Clarksville
ザ・モンキーズの「Last Train to Clarksville」。「恋の終列車」という邦題がついていた。当時人気絶頂だったビートルズに対抗しようということでオーディションによって作られたグループ。ザ・モンキーズ・ショーというテレビ番組もはじまってたちまち全米で人気ものになった。

・Paperback Writer
「Last Train to Clarksville」を作るときに参考にしたというビートルズの「Paperback Writer」。

佐野元春 : 確かにギターのリフの感じとか似てますよね。この曲を参考にしたというモンキーズの「Last Train to Clarksville」という曲。作詞作曲はソングライター・チーム、ボイス&ハート。モンキーズのスタッフ・ライターです。どうにかビートルズの人気を超えたいということで当時このモンキーズには一流のソングライターたちが曲を提供していました。

・Eight Miles High
ザ・バーズの「Eight Miles High」。日本では「霧の8マイル」という邦題がついていた。1966年、ザ・バーズの3枚目のスタジオ・アルバム『Fifth Dimension』からの曲。「それにしてもロジャー・マッギンの弾くリッケンバッカーの12弦ギターの音ですよね。このレコード、僕は何回も聴いていますけれども、このギター・サウンドいつ聴いても魅力的です」と元春。

・My World Is Empty Without You
モータウン・レーベルといえばシュープリームス。1966年の「My World Is Empty Without You」。

・What Becomes of the Brokenhearted
モータウン・レーベルの1966年のヒット曲からもう1曲、ジミー・ラフィン「What Becomes of the Brokenhearted」。

・I've Got You Under My Skin
以前、クリント・イーストウッドが監督した映画『ジャージー・ボーイズ』という映画も公開されたフランキー・ヴァリ & フォー・シーズンズ。「僕も観ましたけれども、とっても感動的ないい映画でした」と元春。フォー・シーズンズの1966年の「I've Got You Under My Skin」。曲をかけ終えて。「う~ん、最高にロマンティックな曲。フォー・シーズンズ、I've Got You Under My Skin」と元春。

佐野元春 : 今夜の特集はミドル・オブ・シックスティーズ。1966年のヒット・レコードを集めています。ポップ音楽の歴史の中で僕が個人的にいちばん気になってる時代、それは'60年代ですね。特にミドル・オブ・シックスティーズと呼ばれる'60年代中盤のヒット・レコード。素晴らしいレコードがたくさんあります。ロックンロール音楽を人間の成長に例えるとしたら、'50年代に生まれたロックンロール音楽が、'60年代の中盤になってちょうど思春期を迎えたという感じです。とにかく音楽が今聴いても新鮮なんですね。そして何よりもなにか新しいことをやってみようという実験の精神に溢れていた時代だったと思います。ではそんな自由でハッピーな時代に革命を起こした三組のアーティストです。ビートルズ、ビーチボーイズ、そしてボブ・ディラン。それぞれが1966年に出したレコードを聴いてみたいと思います。ビーチボーイズ、アルバム『Pet Sounds』から「God Only Knows」。ビートルズ、『Revolver』から「Rain」。そしてボブ・ディラン。アルバム『Blonde On Blonde』から「Rainy Day Women」。3曲続きます。

・God Only Knows
・Rain
・Rainy Day Women #12 & 35

佐野元春 : 今夜特集している'60年代中盤のポップ音楽。個人的に僕が魅力的に感じるのは米国デトロイトに本拠地があったモータウン・レコードですね。マイケル・ジャクソンがいたジャクソン5、ダイアナ・ロスとシュープリームス、テンプテーションズ、フォー・トップス、そしてスティービー・ワンダー。すごいスターが揃っていました。ベリー・ゴーディー・ジュニアという腕利きのプロデューサーのもとに、レーベルには専属の作詞作曲家、ミュージシャン、そしてアレンジャーがいました。このモータウン・レーベルが成功して'60年代中盤以降、R&Bが注目されます。ではここで'66年のR&Bヒット聴いてみたいと思います。テンプテーションズ、「Ain't Too Proud to Beg」。そしてマーサ & ヴァンデラス、「My Baby Loves Me」。2曲続きます。

・Ain't Too Proud to Beg
・My Baby Loves Me

・The Sun Ain't Gonna Shine Anymore
ザ・ウォーカー・ブラザーズの「The Sun Ain't Gonna Shine Anymore」。曲をかけ終えて。「 "君を失くしてしまった。太陽はもう輝いていないよ"そんなふうに歌ってます。すごくスケール感を感じる曲ですよね」と元春。

佐野元春 : '60年代には音楽プロデューサー、フィル・スペクターがウォール・オブ・サウンドといって、まるでオーケストラのようなスケールの大きいポップ・サウンドを発明しました。今聴いたこのザ・ウォーカー・ブラザーズの太陽はもう輝かない。この曲もたぶん、このフィル・スペクターのサウンドを意識していたと思います。日本では今は亡き大瀧詠一さんですね。大瀧さんがフィル・スペクター・サウンドについては本当によく研究していました。そうですね、これは名盤ですね。大瀧さんのアルバム『ロング・バケーション』。このアルバムが正に大瀧さん流のウォール・オブ・サウンドの完成形ではないかと思います。大瀧さん、天国で楽しくやってるんでしょうか。ときどき会いたいなって思います。そしてこの曲。この曲のサウンドも大瀧さんなくしては生まれませんでした。自分の曲でSomedayですね。あれは大瀧さんの『ロング・バケーション』のレコーディングだったと思います。伊藤銀次と二人、大瀧さんのスタジオに行ってレコーディングの様子を見ました。ドラム、ベースのほかにピアノが2台、ギターが4台、そしてパーカッション4人という、かなり多人数のレコーディングでしたね。それらの楽器がいっぺんに鳴ることによって独特のウォール・オブ・サウンドができたわけです。これは僕自身もかなりヒントになりました。さっそく僕もそれを参考にしてレコーディングしました。その曲がSomedayです。

・Someday
曲をかけ終えて。「この9月にソニーと僕のレーベルから二組のベスト盤が出ます。この曲、Somedayはソニーからのベスト盤に入ります。今夜は2020年最新リマスタリングの音で聴いていただきました」と元春。

佐野元春 : Motoharu Radio Show。この番組は大阪のFMステーション、FM COCOLOから放送しています。レコードのキャンペーンなどで僕もこちらFM802そしてFM COCOLO、よく来ますけれども、いつも活気があって素敵なステーションですね。しかし便利になりました。最近ではradikoというアプリケーションを使って日本全国どこでもこの番組が聴けるようになっています。そうなんですよね、まぁ、有料なんですけれどもradiko premium というオプションに登録すれば、関西以外の方でも番組が聴けます。是非、音楽好きの友だちや仲間にも知らせてください。
さて、そろそろお別れの時間が来てしまいました。今夜は'60年代中盤のヒット・レコードを特集してきました。僕が好きなソングライターのひとりにポール・サイモンがいます。そうですね、ポール・サイモンの曲、今夜特集している1966年のレコード何かないか探してみたらありました。正確にはサイモン&ガーファンクルのレコードですね。「I Am a Rock」という曲。歌の中ではこんなこと言ってます。"僕には本がある 僕にはポエトリーがある それが僕を守ってくれる たとえ僕が岩のように孤独だとしても" 今夜最後の曲はサイモン&ガーファンクルのレコードから「I Am a Rock」。この曲を聴いてお別れです。

・I Am a Rock

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show。「Middle of 60'」と題して1966年のヒット・レコードを集めてみました。楽しんでもらえましたか? 来週は70年代の日本のロックを特集します。ムーンライダーズ、吉田美奈子、細野晴臣ほか、素晴らしい70年代国内アーティストたちのレコードを用意します。お楽しみに。「THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show」。次回の放送は来週7月17日、よる9時から。同じステーション、同じ時間でみなさんとお会いしたいと思います。DJ、佐野元春。ではまた来週。
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Sunday Song Book #1447

2020年07月05日 | Sunday Song Book

2020年07月05日プレイリスト
「ジャニー喜多川さん一周忌 初代ジャニーズの洋楽アプローチとアメリカ進出計画」
1. リトル・ホンダ / ザ・ジャニーズ '64
2. AUTUMN AFTERNOON / THE JOHNNYS '66
3. AUTUMN AFTERNOON / TEDDY NEELEY '67
4. AUTUMN AFTERNOON / THE ASSOCIATION '11('67)
5. NEVER MY LOVE / THE JOHNNYS '66
6. NEVER MY LOVE / THE ASSOCIATION '67
7. I REMEMBER / THE JOHNNYS '67('66)
8. NOTHING SACRED / THE JOHNNYS '67('66)
9. THE VISIT / THE JOHNNYS '66
10. THE VISIT (SHE WAS HERE) / THE CYRKLE "NEON" '67
11. バットマン / ザ・ジャニーズ '66
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■内容の一部を抜粋
・近況
豪雨で熊本県の球磨川が氾濫したことに触れて。「被災された方が出てまいりまして、本当にお見舞い申し上げます」と達郎さん。そして新型コロナウイルスの感染者がまたじわじわと増えてきている。時節に関して山のように申し上げることが出てくるという。「みなさん、考えてること、おそらく同じなので(笑)、ですので、もう申し上げません。でこうなったらもう、ですけど、まぁ、毎週申し上げておりますけれど、ワクチンできるまでの我慢なので。ファイザーがワクチンの治験はじまったとか、前向きなニュースも入ってきております。一人ひとりがですね、手洗い、うがい、マスク、自衛するしかありません。で、やばいとこ行かないという。そういうかたちでですね、いくしかないので。隣近所の人たちで助け合っていくしかない。そういう感じでございます。みなさんで引き続きですね、感染お気をつけください」と達郎さん。
スタジオに戻ってきて音の調整も技術の丸山くんと結論が出てテレワークと同等の音質でやれるようになったという。

・ジャニー喜多川さん一周忌 初代ジャニーズの洋楽アプローチとアメリカ進出計画
今週7月9日はジャニー喜多川さんの一周忌。ジャニーさんがいちばん最初にジャニーズ事務所をスタートさせたのが1962年。初代ジャニーズの結成でジャニーズ事務所が設立された。達郎さんは当時、ジャニーズをよく聴いていたという。1966年に初代ジャニーズがアメリカに行って、ダンスのレッスン、ミュージカルの鑑賞が目的だったが、レコーディングをする機会に恵まれて何曲か作品を録音したが、残念なことに日本では発売するチャンスがなかった。その後、マスターが紛失したり、いろいろなことがあって、現存するマスターがない。でも、その中の曲が、後に他の人にカヴァーされてヒットしたり、先に枝葉が分かれた。そのような当時のジャニーズのレコーディングの歴史を一度特集してみたいと達郎さんは思っていて、いろいろと音源を集めたり、カヴァーの作品を検証したり、資料を集めたりしていたそうだ。ちょうどジャニーさんの一周忌なのでその機会がきたということで、今週は追悼特集「ジャニー喜多川さん一周忌 初代ジャニーズの洋楽アプローチとアメリカ進出計画」と題して、初代ジャニーズの海外レコーディングのソースをオンエア。

初代ジャニーズは真家ひろみさん、飯野おさみさん、中谷良さん、あおい輝彦さんの4人。ジャニー喜多川さんはアメリカで生まれて朝鮮戦争のときに日本にやって来た。今の代々木公園とNHKのところにあったワシントン・ハイツという旧陸軍の施設で子どもたちを集めて野球チームを作っていた。そこから選ばれた4人が、ウエストサイドストーリーを観に行って感化されて、そういうのを自分たちもやりたいとなった。その4人のマネージャーになって事務所を設立したのがジャニーズ事務所の最初。その当時は歌いながら踊る若い子がそんなにおらず、それのいちばん最初のアプローチだった。当時の歌謡曲、例えば御三家と呼ばれた橋幸夫さん、舟木一夫さん、西郷輝彦さん、そういうような既成の歌謡曲ではなくて、洋楽アプローチの和製ポップスを中心に活動していた。

・リトル・ホンダ
ビーチボーイズの「LITTLE HONDA」は1964年にホンデルズのヒット曲として有名になった。本田技研工業はプロモーション用の「LITTLE HONDA」のソノシートを作った。1曲目がビーチボーイズで、2曲目がジャニーズの日本語歌詞の「リトル・ホンダ」。作詞(日本語詞)は安井かずみさん、作曲はブライアン・ウィルソン、演奏は寺内タケシとブルー・ジーンズ。裏の解説は高崎一郎さんが書いている。1964年の販促物。

ジャニーズは1964年に「若い涙」でレコード・デビュー。邦楽作品の紹介をすべきなのだが、時間がないのと初代ジャニーズの作品はほとんどCD化されてない。そういった芸能の裏面史には興味がないので今回は割愛。テレビのバラエティー・ショーの時代で、たくさん出演したことにより、だんだん人気が出てくるようになった。1965年に紅白歌合戦に出場して「マック・ザ・ナイフ」を歌った。1965年8月に勉強のため渡米。ダンスのレッスン、ミュージカルの鑑賞が目的だったが、偶然にもバリアント・レーベルのオーナーのバリー・デ・ヴォーゾンと出会いレコーディングすることになった。全部で16曲と言われているが現存するのは9曲。そのうちの5曲を今回オンエア。すべてアメリカ・ロサンジェルスでのレコーディング。

・AUTUMN AFTERNOON
初代ジャニーズの1966年の「AUTUMN AFTERNOON」。曲を作ってるのはドン・アドリシとディック・アドリシのアドリシ・ブラザーズ。ジャニーズのヴァージョンが発売されなかったので曲が売られて、後に他の人がカヴァーしているヴァージョンが出た。俳優、シンガーのテディ・ニーリーは映画の『ジーザス・クライスト・スーパースター』の主演で知られているが、この人が翌年1967年にカヴァー。プロデュースがスティーヴ・ダグラスでアレンジがペリー・ボトキン・ジュニア。アレンジはジャニーズのヴァージョンとほぼ同じ。もしかしたらジャニーズのヴァージョンもペリー・ボトキン・ジュニアがアレンジしたのかもしれないが、資料が全くないのでわからない。2011年に発売されたアソシエーションのアルバムにボーナス・トラックとして、1967年にレコーディングされた「AUTUMN AFTERNOON」が収録されていて、アソシエーションのヴァージョンも発掘されている。このヴァージョンはリマスターされた音源が出たときに番組でオンエアしたとか。

・NEVER MY LOVE
ジャニーズの1966年の海外レコーディングで、最も達郎さんの仲間の間で伝説的に語られたのが「NEVER MY LOVE」をレコーディングしたことだとか。「NEVER MY LOVE」もアドリシ・ブラザーズの作曲。この曲はアドリシ・ブラザーズ自身が自分たちの名義で一度発売していて、そのときはチャート80何位くらいだったという。それでジャニーズのレコーディングにつながってゆく(1966年)。この曲は翌年1967年にはアソシエーションのところに持ち込まれて大ヒット・ソングに生まれ変わることになる。

・I REMEMBER
ジャニーズが1966年にレコーディングした楽曲は全部お蔵入りしたわけではなく、アメリカでシングルが一枚発売されており、2曲だけ発表されている。ジャニーズのレコーディングをセッティングしたバリー・デ・ヴォーゾンは、アソシエーションがデビューしたバリアント・レーベルを1967年にワーナーに売却。そんなわけでワーナーのカタログとしてジャニーズのシングルが1967年にリリースされている。このシングルだけ今回の特集では音のいい音源。シングルのA面になった「I REMEMBER」。

・今後の予定
今週はジャニー喜多川さんの一周忌なので追悼特集「ジャニー喜多川さん一周忌 初代ジャニーズの洋楽アプローチとアメリカ進出計画」と題して、初代ジャニーズの海外レコーディングのソースから現存している9曲のうち5曲をオンエア。来週は残りの曲、フォー・リーブスも同じように海外レコーディングしているので、その中からもオンエアする予定で「続・初代ジャニーズの洋楽アプローチとアメリカ進出計画+フォー・リーブス」。

・NOTHING SACRED
1967年のシングル「I REMEMBER」のカップリング曲「NOTHING SACRED」。こちらの方が現存しているテープを知っている人の中では評判がいい。曲を書いてるのはボディ・チャンドラーとエドワード・マッケンドリー。この二人のコンビの作品でいちばん有名なのはカスケーズの「THE LAST LEAF」(邦題は「悲しき北風」)。「NOTHING SACRED」のアレンジはボディ・チャンドラー、プロデュースは書いてないが多分バリー・デ・ヴォーゾン。A面の「I REMEMBER」は作曲・編曲がジャック・ウォーカーとなってるが誰だかわからないそうだ。ニューヨークのサキソフォン・プレーヤーにジャック・ウォーカーという人がいるがイマイチはっきりしないとか。

・THE VISIT
達郎さんの仲間の間で初代ジャニーズの海外レコーディングの音源の中で最もインパクトがあったのは「THE VISIT」という一曲。翌年の1967年に「RED RUBBER BALL」でお馴染みのザ・サークルが取り上げている。1967年のジョン・サイモンのプロデュースしたアルバム『NEON』は細野晴臣さんが当時持っていて、大瀧詠一さんが必死になってアルバムを探していたそうだ。達郎さんも当時聴かされて、「THE VISIT」ってなんていい曲だろうと思って探していたという。後にジャニーズがレコーディングしていた作品の一曲だと知り、それでジャニーズの海外レコーディングに興味を持って、今までずっと音を探し続けてきたのだそうだ。
曲をかけ終えて。「今の人が聴くといわゆるソフト・ロックの範疇でございますが。でもちゃんとハーモニーもきれいですしね」と達郎さん。

・THE VISIT (SHE WAS HERE)
ザ・サークルの「THE VISIT (SHE WAS HERE)」。曲を書いてるのはボディ・チャンドラーとエドワード・マッケンドリー。いつか特集したいコンビだと達郎さん。

ジャニーズの海外レコーディングはなぜ発売されなかったのか。アメリカではやはり発音の問題だとする意見が大多数。でも今の耳で聴くとそれほど問題ではないように思える。よくハモってるし、あおい輝彦さんの声も滑らかでとてもいい表現。一言で言えば早すぎたんじゃないか。特に日本では。当時1ドルは360円で、アメリカに行くには500ドル以上持ち出せなかった。為替レートで18万円。当時のサラリーマンの初任給が4万円から4万5千円。そういうような時代にアメリカでレコーディングするのはまだ大変な時代だった。今回の特集でジャニーズに興味を持った人がいたら、A.B.C-Zが初代ジャニーズの歩みを舞台化している。DVDも出ていて『ジャニーズ伝説2017』がいちばん詳細だと達郎さん。

・バットマン
今日の最後は渡米直前にレコーディングした作品で、テレビ版のバットマンの主題歌。バックはブルーコメッツが担当している。1966年の「バットマン」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
メール
https://www.tfm.co.jp/ssb/
2020年07月12日は、「続・初代ジャニーズの洋楽アプローチとアメリカ進出計画+フォー・リーブス」
http://www.tatsuro.co.jp
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THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show #01

2020年07月03日 | Motoharu Radio Show

2020/07/03 OnAir 僕のレコード・ラックから
M1 Take It Easy - Eagles
M2 Domino - Van Morison
M3 Dirty Work - Steely Dan
M4 Stupidly Happy - XTC
M5 You Never Know - Wilco
M6 Shoegaze - Alabama Shakes
M7 Made to break your heart - Los Lobos
M8 Beautiful Day - U2
M9 Rocks Off - Rolling Stones
M10 Tell Me Where It Hurts - Garbage
M11 Human - Pretenders
M12 エンタテイメント! - 佐野元春 & THE COYOTE BAND
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは佐野元春です。今月7月から9月までの三ヶ月間、「THE MUSIC OF NOTE」でDJ担当することになりました。FM COCOLOでのDJは今回がはじめて。ちょっと緊張していますけれども「THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show」。これからの三ヶ月間どうぞよろしくお願いします。さて、今夜のテーマはこれです。「僕のレコード・ラックから」。十代の頃から慣れ親しんだレコードをみなさんに紹介したいと思います。「THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show」。DJ、佐野元春でお送りします。

・Take It Easy
今夜のテーマは「僕のレコード・ラックから」。1曲目は1972年に発表されたイーグルスの名曲「Take It Easy」。"どんなときも気楽にいこうぜ"と歌っている。

・Domino
ヴァン・モリソンの'70年代のヒット・レコード「Domino」。キャリアの長いヴァン・モリソンも「ちょうどこの時期、70年代に出したレコードはどれも素晴らしいです」と元春。"今は変化のとき。少し休んでまた進んでいこう"そんなふうに歌っている。

・Dirty Work
スティーリー・ダンの「Dirty Work」。「いつ聴いてもモダンなバンド・サウンド、スティーリー・ダン。70年代のヒット・レコード。"もうあんたのために汚れた仕事はしたくないよ"、そんなふうに歌っています。まぁ、世の中そんなふうに思ってる方、きっとたくさんいるんじゃないでしょうか?」と元春。

佐野元春 : そうですね。この番組は特に新しい世代のリスナーに広く聴いていただけるといいなと思っています。新しい世代というと、例えば15歳から25歳くらいのみなさんでしょうか。まぁ、自分が振り返ってみると音楽にいちばん敏感に反応したのがこの15歳から25歳くらいの頃でした。音楽だけではなく、映画や本、ラジオやテレビ番組など、この頃に触れたものはその先の人生にとても大きな影響を与えたと思います。まぁ、そんなわけでこの番組では広い世代のみなさんとロック音楽を通じて楽しい時間を分かち合えるとうれしいです。ここでアメリカ、イギリス、僕がクリエィティブだなと思うバンド、ふたつ紹介します。ひとつはXTC。80年代、ニューウェイブ、パンク・ムーブメントの中で、一際クリエイティブな音を出していたバンドでした。詩の世界もとても英国的でちょっと一筋縄でいかないといったバンドです。現在はバンドは解散状態で、リーダーのアンディ・パートリッジが自分のレーベルを作って活動を続けているようです。そしてアメリカのバンドではWilco。とても個性的なソングライティング。音楽的にはロックの正統派のようなサウンドなんですが、よく聴いてみると実にクリエイティブで、とてもいい感じですね。ではここで彼らのレコードを聴いてみます。

・Stupidly Happy
・You Never Know

佐野元春 : ここで比較的最近のレコードから、ちょっと僕が気になってるレコードを聴いてみたいと思います。ひとつがアラバマ・シェイクス、そしてもうひとつがロス・ロボス。アラバマ・シェイクスは10年ぐらい前にデビューしたバンドですけれども、演奏がとてもしっかりしていて個人的にとても好きなバンドのひとつです。ソングライターでギタリストの女性、ブリトニー・ハワードを中心とした5人編成のバンド。ブルーズを基本にした渋い音楽なんですが、2013年のグラミー賞で新人賞と最優秀ロック演奏賞で候補にあがりました。もうひとつのバンド、ロス・ロボスも魅力的です。メンバーはメキシコ系アメリカ人で5人編成のバンド。基本的にアメリカのルーツ音楽やメキシコの音楽が土台にあるんですけれども、ときどき新しい試みも入れたりして、ちょっと不思議なバンドです。ではここで彼らのレコードを聴いてみます。

・Shoegaze
・Made To Break Your Heart

曲をかけ終えて。
「あぁ、こういう音楽を聴くとライヴやりたくなりますね。そうですね。今はだいぶ収まったように見えますが新型コロナウイルス、まだまだ油断はできない状態です。こんなときに聴く音楽はやはり希望を感じるような曲がいいですね。この後はU2のレコード、曲はBeautiful Dayに続きます」と元春。

・Beautiful Day

・Rocks Off

佐野元春 : ローリング・ストーンズ、曲は「Rocks Off」。そうですね、ローリング・ストーンズも本当にキャリアの長いバンド。スタジオ・アルバムもたくさん出していますけれども、僕が個人的に好きなのはストーンズ70年代のアルバムですね。今聴いていただいた「Rocks Off」。この曲が収録されているのは『Exile on Main St.』。邦題は「メイン・ストリートのならず者」。1972年のレコードです。数あるストーンズのアルバムの中で、僕は個人的にはこのアルバムがいちばん好きです。

佐野元春 : さて、ロック音楽というともちろん男性だけではなく、女性にも素晴らしいミュージシャンたちがたくさんいます。ここで聴いてみたいのは二人の女性ロック・ヴォーカリスト。クリッシー・ハインドとシャーリー・マンソン。それぞれプリテンダーズ、そしてガベージというバンドのヴォーカリストです。これが不思議なことに二人の声が本当によく似てるんです。調べてみたらこの二人、2006年アトランティック・シティでのライヴで共演して、それがレコードにもなってるようです。やはり似た者同士。自然に引き合うということでしょうか。プリテンダーズにガベージ。僕はどちらのバンドも好きです。どちらも踊りたくなるようなパワー・ポップが魅力ですね。ではここで彼らのレコードを聴いてみます。ガベージ「Tell Me Where It Hurts」、そしてプリテンダーズ「Human 」。2曲続きます。

・Tell Me Where It Hurts
・Human

曲をかけ終えて。
「かっこいい二人の女性ロッカー。ガベージのシャーリー・マンソン、そして今聴いたのがプリテンダーズのクリッシー・ハインド。そうですね。トッド・ラングレンとホール&オーツのダリル・ホール。この二人とも声とヴォーカル・スタイル似てますけれども、女性ヴォーカリストではこの二人ですね、まるで兄弟のようです」と元春。

佐野元春 : さて、「THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show」。三ヶ月という期間限定のプログラム。どんなレコードを紹介していこうか、不安が半分、楽しみが半分という感じです。これだけ音楽が溢れていてみなさんがどんな曲が聴きたいのか。正直言って僕自身はわかってないので悩みますね。ただはっきりしているのは、この番組ではグッド・ミュージックをできるだけたくさん届けていきたいということです。時代に関係なく流行り廃りに関係なく、僕の胸をヒットした曲を紹介していきたいと思います。
さて、これはちょっと自分の話になりますけれども、今年は自分がデビューして40周年目を迎えました。これまで続けられたのもファンのみなさんのおかげだと思っています。この場を借りて、本当にどうもありがとうと伝えたいです。ということで今年はファンのみなさんへの感謝を込めて、全国ツアー、夏のロック・フェスといろいろと計画していたんですけれども、残念ながらこの新型コロナウイルスの影響でなかなか思うように動けていません。ちょっと肩透かしを食らったような感じになっています。まぁ、こういうときなので本当にエンターテイメントって大事だなって思ってる方もいると思います。関西地区でも僕が知ってる限り、プロモーターのみなさん本当に熱心にがんばってます。新たな危機を迎えてるエンターテイメント。どうにかこの試練を乗り越えて復活してほしいなと思っています。さて時間も残り少なくなってきました。この9月に僕のベスト・アルバム(『THE ESSENTIAL TRACKS MOTOHARU SANO & THE COYOTE BAND 2005 - 2020』)が出るんですけれども、そのアルバムに入ってる僕の新曲を聴いてください。佐野元春 & コヨーテバンド、曲は「エンターテイメント!」。

・エンターテイメント!

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show。「僕のレコード・ラックから」と題して十代の頃から慣れ親しんだレコードをみなさんに紹介しました。楽しんでいただけましたか? 来週はミドル・オブ 60'Sのレコード、ビートルズ、バーズ、シュープリームスほか、ご機嫌な曲たくさん集めてみます。お楽しみに。「THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show」。次回の放送は来週7月10日、よる9時から。同じステーション、同じ時間でみなさんとお会いしたいと思います。DJ、佐野元春。ではまた来週。
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