Sunday Song Book #1328

2018年03月25日 | Sunday Song Book

2018年03月25日プレイリスト
「BRUTUS SONGBOOK リクエスト特集 Part 3」
1. AMAPOLA / 山下達郎 "ON THE STREET CORNER 2" '86
2. THE TIDE IS HIGH / THE PARAGONS '66
3. CHA-CHA CHARMING / ELLIE GAYE '58
4. THE GIRL I LOST IN THE RAIN / THE WALKER BROTHERS "TAKE IT EASY WITH" '65
5. BILLY JACK / CURTIS MAYFIELD "THERE'S NO PLACE LIKE AMERICA TODAY" '75
6. GLORIA / THE CADILLACS '54
7. SAILING / SUTHERLAND BROTHERS "LIFEBOAT" '72
8. CLOSER THAN CLOSE / THE STYLISTICS "CLOSER THAN CLOSE" '81
9. 明日の私 / 竹内まりや '94
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■内容の一部を抜粋
・近況
最近ちょいと忙しいそうだ。三つ巴になってきて、自分の曲が2曲、まだ先に待っていて、締め切りが迫っている新曲をやっつけるために今週もひたすらスタジオ仕事。「先週は前倒しで録っておりましたけれども、京都の拾得、無事にやってまいりまして。お客さんがとってもいいお客さんで楽しくやらしていただきました。4月は広島のクラブ・クアトロにまいります。それで一段落しましてレコーディングとアレをやんなきゃならないんですけれども」と達郎さん。

・BRUTUS SONGBOOK リクエスト特集 Part.3
リクエストを今回メールでも受け付けたために読んでも読んでも減らないとか。「おかげさまでご好評いただきました(2月に発売された雑誌)BRUTUS、BRUTUS SONGBOOK。このサンデー・ソングブックの記事にリクエストいただきまして、アーカイヴという感じでございます」と達郎さん。先週に引き続き「BRUTUS SONGBOOK リクエスト特集 Part.3」。

・AMAPOLA
新潟県の超常連のリスナーから1986年のアルバム『ON THE STREET CORNER 2』の「AMAPOLA」にリクエスト。

・THE TIDE IS HIGH
オリジナル・ヴァージョン特集というのをやったことがあり、大ヒット曲のオリジナル・ヴァージョン、実はこっちがオリジナル、という特集でそのときにかけた曲。ザ・パラゴンズはジャマイカのレゲエ・シーンのバンド。1966年にリリースされた作品「THE TIDE IS HIGH」。この曲をデビー・ハリーが聴いて気に入ってブロンディのシングルにした。1980年に全英、全米NO.1のミリオン・ヒットになった。

・CHA-CHA CHARMING
エリー・グリニッチは'60年代の特にアイドル歌謡を代表するソングライターだが、歌手としていわゆるリハーサル・ヴォーカリストとして優れていたので引っ張りだこだった。そんな彼女、本当は歌手として成功したかったのだけど叶わずに作曲家の道を選んだ。1958年にエリー・ゲイとして出したシングル「CHA-CHA CHARMING」は、大瀧詠一さんがプロデュースしたシリア・ポールさんのアルバム『夢で逢えたら』にカヴァー・ヴァージョンが収録されている(3月21日にリイシュー)。このシリア・ポールさんのアルバムが出たとき、日本では誰一人「CHA-CHA CHARMING」を知る人はいなかった。

・THE GIRL I LOST IN THE RAIN
デイヴィッド・ゲイツ特集の中からウォーカー・ブラザーズの「THE GIRL I LOST IN THE RAIN」、邦題は「雨に消えた少女」。1965年のアルバム『TAKE IT EASY WITH THE WALKER BROTHERS』に収録されているけれど、日本ではファーストとセカンドを合わせてビクターから発売されたが、ライナーで朝妻一郎さんが書いていた「デイヴィッド・ゲイツ」という名前で達郎さんははじめてデイヴィッド・ゲイツを知ったとか。中学三年のときだそうだ。ブレッドが出てきたときに「あぁ、この人かぁ」という思い出とともにあるという。

・BILLY JACK
今回リクエストがいちばん多かったのはカーティス・メイフィールドのアルバム『THERE'S NO PLACE LIKE AMERICA TODAY』に入ってる「BILLY JACK」。達郎さんがことあるごとにこのアルバムの話をしてきたので、BRUTUSの記事でも強調されて書いてある。1975年のアルバムだがあまり有名なアルバムではなく、達郎さんが人生で1,2を争う最も聴いたアルバムだそうで、心が弱いときにこのアルバムを聴くとカーティス・メイフィールドの声が優しく包んでくれるような、ある種宗教的な包容力を持っている、そうしたアルバムだと思ってるそうだ。マーガレット・バーク=ホワイトという報道写真家、戦場カメラマンの草分けと言われる人の有名な写真、不況のときに列を作って並ぶ一枚の写真を元ネタにしたアルバム・ジャケット。
曲をかけおえて。達郎さんは自分の番組以外でこの「BILLY JACK」を聴いたことがなく、いつも寝るときに聴くので妙な気分になるとか。ギャングの親分が路上で暗殺されるというエピソードで、「街にゆけば彼はボス・ジャックとして怖がられるけれど うちに帰ればただのアリー・キャットだ」という人種問題も含めた歌。「マーガレット・バーク=ホワイトですけれども、クライスラー・ビルの天辺で彼女が写真を撮っているのを捉えた強力な写真がありますので、ぜひともご覧になって下さい」と達郎さん。

・GLORIA
ドゥーワップ関係の曲にもリクエストが多かったという。なぜか圧倒的にキャデラックスの1954年の「GLORIA」にリクエストが集まったとか。達郎さんも『ON THE STREET CORNER 3』でやっている。余談だが1948年のミルス・ブラザーズに「GLORIA」という曲があり、そこからアイディアを持ってきている曲であり、いろいろと毀誉褒貶(きよほうへん)あってDOO-WOP BOXにそれで収録されていないという噂もある。

・SAILING
ロッド・スチュアートの1975年の「SAILING」のオリジナル・ヴァージョン。サザーランド・ブラザーズはイアンとゲーヴィンのサザーランド兄弟を中心としたグループ。1972年のアルバム『LIFEBOAT』に入ってる自作の作品が「SAILING」。

・CLOSER THAN CLOSE
トム・ベル特集から。スタイリスティックスの1981年のアルバム『CLOSER THAN CLOSE』に収録されている同名の「CLOSER THAN CLOSE」。トム・ベルとリンダ・クリードの共作。「今聴くとラッセル・トンプキンス・ジュニアの素晴らしい裏声が堪能できます」と達郎さん。

・明日の私
まりやさんの1994年のシングル「明日の私」にリクエストが集まった。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2018年04月01日は、「棚からひとつかみ+リクエスト」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Song Book #1327

2018年03月18日 | Sunday Song Book


2018年03月18日プレイリスト
「BRUTUS SONGBOOK リクエスト特集 Part 2」
1. メロディー、君の為に / 山下達郎 "ポケット・ミュージック" '86
2. MOTHER NATURE LAND / THE RASCALS "PEACEFUL WORLD" '71
3. PEOPLE GET READY / THE IMPRESSIONS '65
4. I KNOW IT'S YOU / DONNY HATHAWAY "EXTENSION OF A MAN" '73
5. ALWAYS YOU / THE SUNDOWNERS '67
6. DON'T RUN AWAY / BRUCE & TERRY '66
7. THE DAYS OF WINE & ROSES / THE OSCAR PETERSON TRIO "WE GET REQUESTS" '64
8. I LOVE HOW YOU LOVE ME / THE PARIS SISTERS '61
9. あしおと / 山下達郎 "メロディーズ" '83
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■内容の一部を抜粋
・近況
新曲の締め切りと山下達郎 Special 2Days 京都拾得公演のため番組は前倒しで収録しているそうだ。1曲終わって今週はまた次の曲に取り掛かるとか。

・BRUTUS SONGBOOK リクエスト特集 Part.2
先々週に引き続いて「BRUTUS SONGBOOK リクエスト特集 Part.2」。珍盤奇盤は機会を改めて珍盤奇盤のみオンエア予定とのこと。

・メロディー、君の為に
仙台市の超常連のリスナーから「メロディー、君の為に」にリクエスト。1986年のアルバム『POCKET MUSIC』のアナログ盤A面最後の曲。アルバム『POCKET MUSIC』30th Anniversary Editionを出しそこなったので「今年なんとかやらなければなりませんが(笑)」と達郎さん。

・MOTHER NATURE LAND
「おかげさまで(2月に発売された雑誌)BRUTUS、山下達郎のBRUTUS SONGBOOK特集。完売だそうでございます。ありがとうございます。お買い上げいただいたみなさま御礼を申し上げます」と達郎さん。それにちなんでのリクエスト特集は25年間のサンデー・ソングブックからピックアップしたもののアーカイヴみたいな感じだそうだ。
ザ・ラスカルズがアトランタからCBSに移籍してからの1枚目1971年のアルバム『PEACEFUL WORLD』は2枚組。全く売れなかったとか。リード・ヴォーカルのエディ・ブリガッティー、ギターのジーン・コニッシュが抜けて、フェリックス・キャバリエの実質的なソロ・アルバムのみたいなものだが、メンバーはすごくて、ギターのバジー・フィートンはとにかく上手くて、そしてベースのジェリー・ジャモットはテクニシャン、そのアルバムから「MOTHER NATURE LAND」はジャズの特集でオンエア。フルートを吹いてるのがヒューバート・ロウズで、ヒューバート・ロウズのソロみたいなレコードだが、コーダのフェイドアウト間際になって一瞬、バジー・フィートンのギターが炸裂する。達郎さんはこのアルバムが好きでよく聴いていたが全然評価されなくて、「でも1971年のアルバムですが今聴いても全く古くない、皮肉なもの」と達郎さん。

・PEOPLE GET READY
リクエストはいろいろあったが(カーティス・メイフィールドというか)インプレッションズの「PEOPLE GET READY」がいちばん多かったもののひとつだそうだ。達郎さんがライヴでよく「蒼氓」とか「希望という名の光」の中に挟み込んでるため、その影響かもしれない。1965年、全米14位、R&Bチャート3位、インプレッションズの初期の名作で「PEOPLE GET READY」。

・鉛筆
リスナーから「サンソンの収録現場では鉛筆を愛用されてるようですがなにかこだわりでもあるのですか?」という質問。
シャーペンがダメなのでずーっと鉛筆なのだとか。譜面を書くときはぺんてるの水性ボールペンを使うという。

・I KNOW, IT'S YOU
愛知県半田市のリスナーからのリクエスト。達郎さんの大好きなダニー・ハサウェイの1973年のアルバム『EXTENSION OF A MAN』。あまり売れなかったが名盤。アルバムの一番最後に入ってるリオン・ウェアのペンになる曲で「I KNOW, IT'S YOU」。
曲をかけおえて。「デイヴィッド・スピノザのギターですが素晴らしいですね、ホントに。うまい(笑)、大したものだ」と達郎さん。

・ALWAYS YOU
ニューヨーク出身の6人組のヴォーカル・インストゥルメンタル・グループ、サンダウナーズが1967年に出したロジャー・ニコルスとポール・ウィリアムスの作品「ALWAYS YOU」。アルバムは導入部が長いけれどシングル・ヴァージョンはすっきりしているとか。

・番組のオープニングとエンディング
リスナーから「番組の出演交渉は1991年だったそうですが、当時のアルバム『ARTISAN』の1曲目、アトムの子でサンソンははじまり、GROOVIN'で終わるのはアルバムの販売促進のためだったのでしょうか?」という質問。
「ものぐさですのでそのときに決めたので行くんですよ。番組って全部そうなんです。最初に決まったもので行くんですよ。ええ。そんなものもう25年も経ってるのですから。ええ。へへへ。しょうがないですね」と達郎さん。

・DON'T RUN AWAY
今回いちばんリクエストが来たのはブルース・ジョンソンの特集のときにオンエアした一曲。ブルース・ジョンソンとテリー・メルチャーのブルース&テリーという幽霊グループが何枚かシングルを出していて、もっともレアな一枚に「DON'T RUN AWAY」という曲がある。1966年のシングルで達郎さんは'70年代から'80年代にかけて手に入れるために、必死になってオークションをやったりしたが全然手に入らなかった。コレクターのレコード屋の親父にもらったカセットのコピー持っていたが、あまりの手に入らなさに、だったら自分で作ろう、同じような曲を作りゃいいんだろうって作ったのが「ONLY WITH YOU」。番組のテーマ曲として今でもインストゥルメンタル・ヴァージョンをながしている。1984年のアルバム『BIG WAVE』にもともとはヴォーカル・ヴァージョンを収録して、その後にNHK-FMのレギュラー番組「サウンドストリート」のためのテーマ・ソングとしてインストゥルメンタル・ヴァージョンを作った。それをそのままサタデー・ソングブック、サンデー・ソングブックまで流用している。
「普通こういうものを作るとですね、パクリだと。バクリじゃないんです。とにかくシングルが手に入らなくてですね、要するにオマージュといいましょうか、そういう曲作りゃいいんだろうつうですね、鬱憤ばらしといいましょうか、そういうものでありまして。でも自画自賛じゃないですけれども、結構いい線でですね、肉薄して作れたと思います。サビの展開なんかはONLY WITH YOUのほうが一日の長があるんじゃないかと(笑)、ははははは。まぁグズグズ言ってませんでですね。天地神明にかけてパクリとか今のネットピープルがこくようなそういうものとは違います。ええ。動機が全然違います。それをパクって一山当てようとかそういうんじゃ全然違います。純粋さが違いますって言い訳をしつつ」と達郎さん。
曲をかけおえて。今では「DON'T RUN AWAY」もCDになって誰でも聴ける便利な世の中になった。「どんなに私が言ってもですね、どっかの人たちは、あっパクリだとか、そういうことすぐ言うんですよ。言わば言え。ええ。志が違うんです、ハイ」と達郎さん。

・山下達郎 Special 2Days
広島クラブ・クアトロで山下達郎、難波弘之、伊藤広規による三人ライヴの開催が決定した。4月25日(水)、26日(木)の二日間。19時開演。広島クラブ・クアトロはブルース・アレイ・ジャパン、拾得とこれまでやってきた中ではいちばん大きい会場になるのでチケットの当選確率は高いとか。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/

・『REQUEST 30th Anniversary Edition』アナログ盤
昨年11月22日に発売した竹内まりやさんの『REQUEST 30th Anniversary Edition』のアナログ盤が3月21日に発売。最新リマスターからカッティングした全10曲入り、180グラム重量盤の二枚組。音質重視のため二枚組になり、従ってボーナス・トラックは収録されない。詳しくはワーナーミュージック・ジャパンの竹内まりやスペシャルサイトにて。
https://wmg.jp/mariya/

・レコード・コレクション6万枚
リスナーから「レコード・コレクション6万枚だそうですが、同じものをうっかり2枚買ってしまったりすることはないのでしょうか?」という質問。
「もちろんあります。6万枚なんか覚えられるわけないじゃないですか。ええ」と達郎さん。同じものでもボーナス・トラックが違うとか、1曲だけボーナス・トラックが違うだけでまた買うことになるのだという。

・THE DAYS OF WINE AND ROSES
ジャズのリクエストも多い。オスカー・ピーターソン・トリオのアルバム『WE GET REQUESTS』はオーディオ・チェック・レコードに使われていたほど録音が素晴らしい。アナログ盤のオーディオ・レビューは本当に高評価のレコード。でも1964年の音源なのでテープが古いのでCDになったときにどうかということもある。今回はデジタル・プロセッシングした「THE DAYS OF WINE AND ROSES」。

・I LOVE HOW YOU LOVE ME
パリス・シスターズの「I LOVE HOW YOU LOVE ME」はバリー・マンとラリー・コルバーの共作。プロデュースド・バイ・フィル・スペクター。1961年の名曲。

・透明なアクリル板の壁
リスナーから「先日、海外ドラマ『グリー』のマシュー・モリソンのライヴに行ったらドラムが小笠原拓海さんでした。小笠原さんのまわりにプラスチックの壁が置かれてました。何のために置いてあったのでしょうか?」という質問。
レコーディングしているか、P.A.の関係でドラムの音が回り込むのを防ぐ、分離をよくするために透明なアクリルの壁を立てるそうだ。そうすると録音しやすいし、きれいな音が出しやすい。音響的なものだとか。

・あしあと
質問したリスナーからのリクエストで1983年のアルバム『MELODIES』から「あしあと」。

・番組の終わりに
「BRUTUS SONGBOOK特集 Part.2でございましたが。悪乗りしてPart.3へ突入したいと思っております。来週も引き続きよろしくお願いします。いよいよ来週は3月最後であります。年度末でございますが、もちろん新年度からもよろしくお願いします(笑)。気の早いアレでございますが」と達郎さん。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2018年03月25日は、「BRUTUS SONGBOOK リクエスト特集 Part 3」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Song Book #1326

2018年03月11日 | Sunday Song Book

2018年03月11日プレイリスト
「東日本大震災から7年 3.11特別プログラム」
1. REBORN / 山下達郎 '17
2. JOANNA / SCOTT WALKER '68
3. CLOSE TO YOU / FRANK SINATRA "CLOSE TO YOU" '57
4. THOUGH YOU ARE FAR AWAY / COLIN BLUNSTONE "ONE YEAR" '71
5. SOMEWHERE OUT THERE / BARRY MANN "SOUL & INSPIRATION" '00
6. THE DOCK OF THE BAY / OTIS REDDING '68
7. DIAMOND DAY / VASHTI BUNYAN "JUST ANOTHER DIAMOND DAY" '70
8. 希望という名の光 (STAND ALONE VERSION) / 山下達郎 "未発表音源"
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■内容の一部を抜粋
・近況
3月の二週目の日曜日、だいぶ春の気配があるけれど、東京は雨が降ったりして夜になると寒くて寒暖の差が激しいとか。そんな中で達郎さんは新曲をやっていて歌詞を書いてるそうだ。そろそろ締め切りだという。

・東日本大震災から7年 3.11特別プログラム
3月11日は東日本大震災から7年目。達郎さんの記憶によると2011年3月13日の放送は25年の番組の歴史の中でただ一度だけ外的な理由で中止になったという。震災直後の数週間は日本中が不安な状態だったので鎮魂プログラムとして「静かな棚からひとつかみ」、静謐な曲を集めてしばらくのあいだ、一月近く放送したとか。一年後の3月11日はちょうど日曜日で、震災の起こった2時46分はサンデー・ソングブックのオンエア時間だったため、追悼プログラムと称して静かな曲と被災したリスナーのお便りを紹介しつつ、2時46分には黙祷をした。あの震災から7年経ってまた3.11に番組をオンエアする日が巡ってきたので、リスナーからのお便りを紹介しつつ、避難者が全国で7万3千人、特に福島県は県外に3万4千人が不自由な避難生活を余儀なくされている。1995年の阪神大震災は発生から5年で避難が解消されたというデータが残っているが、規模がものすごいので不便を余儀なくされてる方がたくさんいる。そうしたみなさまに心からお見舞いの気持ちを込めて「東日本大震災から7年 3.11特別プログラム」と題して、音楽で少しでも心の傷を癒すプログラム、静かめの曲をそろえてオンエア。

・REBORN
宮城県のリスナーからのリクエストで「REBORN」。

・JOANNA
スコット・ウォーカーの「JOANNA」。

・CLOSE TO YOU
山形県の超常連のリスナーからのリクエスト。2011年3月20日番組復帰後の鎮魂プログラムでいちばん最初に思い浮かんだ曲とのこと。フランク・シナトラの1957年のアルバム『CLOSE TO YOU』の一曲目「CLOSE TO YOU」。フランク・シナトラの全作品の中で不当に評価が低いけれど、達郎さんはフランク・シナトラのベスト・アルバムだと信じて疑わないそうだ。バカラックの「CLOSE TO YOU」と同名異曲。達郎さんはフランク・シナトラのほうが好きだとか。「どんなに遠く離れていても僕は君のそばにいる」という歌。

・THOUGH YOU ARE FAR AWAY
2011年3月20日のプログラムでオンエアしたコリン・ブランストンの「THOUGH YOU ARE FAR AWAY」。コリン・ブランストンはゾンビーズのリード・ヴォーカル。1971年のソロ・アルバム『ONE YEAR』に入ってるこの曲も「あなたが遠くに行っても私はあなたのそばにいる」という絆の歌。

・SOMEWHERE OUT THERE
2011年当時にかけようと思っていたがかけられなかった曲。達郎さんが最も好きな作曲家のバリー・マン。1986年のアニメーション映画『アメリカ物語』の主題歌としてバリー・マンが書き下ろした「SOMEWHERE OUT THERE」。映画ではリンダ・ロンシュタットとジェームス・イングラムが歌っている。2000年のソロ・アルバム『SOUL & INSPIRATION』ではバリー・マン自身が弾き語りで歌っている。「秀逸な一作」と達郎さん。

・山下達郎 Special 2Days
広島クラブ・クアトロで山下達郎、難波弘之、伊藤広規による三人ライヴの開催が決定した。4月25日(水)、26日(木)の二日間。19時開演。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/

・『REQUEST 30th Anniversary Edition』アナログ盤
昨年発売した竹内まりやさんの『REQUEST 30th Anniversary Edition』のアナログ盤が3月21日に発売。180グラム重量盤の二枚組。詳しくはワーナーミュージック・ジャパンの竹内まりやスペシャルサイトにて。
https://wmg.jp/mariya/

・BRUTUS SONGBOOK リクエスト特集
来週3月18日は「BRUTUS SONGBOOK リクエスト特集」を先週に引き続いてオンエアする。リクエストはもう頭数がそろったとのこと。

・THE DOCK OF THE BAY
宮城県仙台市のリスナーからのリクエスト。オーティス・レディング、1968年のミリオンセラー「THE DOCK OF THE BAY」。

・DIAMOND DAY
福島県南相馬市のリスナーからのリクエスト。震災前の南相馬を思い起こすような美しい歌とのこと。イギリスのフォーク・シンガー、ヴァシティー・バニアンの「DIAMOND DAY」。1970年のアルバム『JUST ANOTHER DIAMOND DAY』は当時、話題にならずじわじわと評判が出てきて凄く高いアルバムになった。達郎さんは昔、渋谷のブラックフォークで聴いたことがあるとか。さすがにこの辺は、アルバムは持ってないので人から借りてきたそうだ。

曲をかけおえて。

山下達郎 : 今の方のお便りにあるようにですね、本当に気持ちが落ち込んだときというのは音楽が果たして力になりえるのかというですね、音楽にできることは本当に実は少ないんですけれど、だからこそ音楽が必要なときにですね、精一杯音楽でできることを努力するしかない感じでございます。こういう震災のプログラムとか、ともすれば政治の欠点ですとか、制度の欠点、そういうものがですね、そういうものを罵倒したり、大声を出すとか、怒鳴ることとか、そういうようなことも大事ですけれども、そうじゃないことも、特に音楽は(笑)、そういう役割じゃないので。わたしもだいぶ年を取ってきてまいりまして、そうした大声を出すとか、怒鳴る、罵倒する、まぁよくある政治家、政治家というか政治屋ですね、そういう人たちのよくあるかたち、逆に官僚といわれる人たちの見下すしたり顔、知らんぷり、シカト、そういうことなるべくやめようと、そういうことどっちも控えようと思いますが、まだまだ修行が足りない(笑)、今日この頃でございます。7年経ちました。まだまだ復興が完全には貫徹されてないところもありますけれども、みんなで日本の全体で助け合ってですね、進んでいきたいと思います。亡くなられた方々は思い出すことによって彼らは生きていきます。我々がそうした去っていった方々の分まで一生懸命生きていかなければならないと思います。引き続き原発問題、いろいろありますけれども、そうしたものでも少しずつ改善していくことを、みんなで願いつつ今日のサンデー・ソングブック、東日本大震災から7年、3.11特別プログラム。最後は今までかけたことがありませんけれども。うちで一人で弾き語ったデモです。スタンド・アローン・ヴァージョンと(笑)、自分で勝手に名付けました「希望という名の光」を最後にお聴きをいただきます。時間はちょうど2時46分でございます。あの日のことを思いつつ追悼の思いを込めて「希望という名の光」スタンド・アローン・ヴァージョン。

・希望という名の光 (STAND ALONE VERSION)

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2018年03月18日は、「BRUTUS SONGBOOK リクエスト特集 Part 2」
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Sunday Song Book #1325

2018年03月04日 | Sunday Song Book

2018年03月04日プレイリスト
「BRUTUS SONGBOOK リクエスト特集」
1. DREAMING GIRL / 山下達郎 "コージー""オーパス" '96
2. I'M EVERY WOMAN / CHAKA KHAN '78
3. OH, NEIL /CAROLE KING '60
4. HEY, LITTLE STAR / ANN-MARGRET '64
5. IT'S GONNA TAKE A MIRACLE / THE ROYALETTES '65
6. SOMEBODY WAITING / EYDIE GORME "IT WAS A GOOD TIME" '71
7. TIME IS ON MY SIDE / KAI WINDING '63
8. DESERIE / THE CHARTS '57
*番組中、イーディー・ゴーメのアルバムをA&Mレーベルと発言しておりますが、MGMの間違いです。
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■内容の一部を抜粋
・近況
東京は昼と夜の寒暖の差が激しいそうだ。一雨ごとに暖かくなり、春一番が吹いたという便りも届いてる。それとは全く関係なく達郎さんはお篭りで曲作りなんだという。「家でワーだのギャーだの言っておりますので、声がちょっといがらっぽかったりしますがご容赦下さい。一生懸命やっておりますので」と達郎さん。

・BRUTUS SONGBOOK リクエスト特集
2月に発売された雑誌「BRUTUS」がサンデー・ソングブックの特集をしている。達郎さんが表紙の「BRUTUS SONGBOOK」はものすごく売れていて品切れが続出しているとか。番組25周年の歴史の中から22のテーマを達郎さんが自ら選び、トークの部分を文字起こし、トピックや時代背景、人名などに注釈をつけ、あたかも誌上で番組が展開されてるかのような感じになっている。今日のサンデー・ソングブックは「BRUTUS SONGBOOK」の記事をもとにして逆にリクエストを募りリクエスト特集を行うそうだ。雑誌「BRUTUS」売れ行き好評のお礼を込めて今週は「BRUTUS SONGBOOK リクエスト特集」。今回はメールでもリクエストを受け付けたところ、いつもの準備時間の3倍かかってしまったという。番組は2000年以降、データで作るようになったが、それ以前はDATなので達郎さんも実際の音を持っておらず、再リマスタリングして音を持ってきているとか。

・DREAMING GIRL
福井市の超常連のリスナーから37年ぶりの大雪で一週間家に閉じ込められたというお便りとリクエスト。

・I'M EVERY WOMAN
「I'M EVERY WOMAN」は1978年のチャカ・カーンのデビュー・ヒット。全米ソウル・チャートNO.1を3週間続けた。達郎さんがちょうど25歳のとき、クールズのレコーディングでニューヨークへ行ったが、街中にこの曲がかかっていたとか。15年後の1993年にはホイットニー・ヒューストンがヒットさせた。プロデュースはアリフ・マーディン、作曲はアシュフォード&シンプソン。「リチャード・ティーのピアノ、スティーヴ・フェロンのドラム、フィル・アップチャーとヘイミッシュ・スチュワートのギター、そしてウィル・リーのベースと完璧な演奏。素晴らしい」と達郎さん。

・OH, NEIL
キャロル・キングがソングライターとして成功する前に歌手として出したシングル。ニール・セダカとはハイスクール時代の友だちで、ニール・セダカのヒット曲「OH, CAROLE」はキャロル・キングのことを歌っているが、それに対してのアンサー・ソングが1960年の「OH, NEIL」。曲はニール・セダカの「OH, CAROLE」で、キャロル・キングは歌詞を変えて歌っている。

・字が小さい
リスナーから少なからずの反響があったのは字が小さくて年寄りには読めないということ。
「それはお年を召したからそうなんで、我々の若いときはこのくらいの小さな字でも平気で読んでいたもんですが。でも昔の文庫本、岩波文庫とかお読みになればもっと小さいです。若かったからそういうアレですけどね(笑)。そういうクレーム、私にいただいても(笑)、しょうがないんです、それ。この雑誌の中でこれくらい詰め込むとこんなに小さくなってしまいます。虫めがねでどうぞ」と達郎さん。

・HEY, LITTLE STAR
岡崎市の超常連のリスナーも「字が小さくて困ります。でもデイヴィッド・ゲイツの記事がうれしかった」というお便りとリクエスト。「HEY, LITTLE STAR」はアン・マーグレットの1964年のシングル。先週、サミー・デイヴィス・ジュニアをかけたときに1953年のアン・マーグレットが主演しているミュージカル映画『バイ・バイ・バーディー』の話をしたと達郎さん。
曲をかけおえて。
「アン・マーグレット。スゥエーデン生まれの女優さん、そしてシンガーであります。ダンスも素晴らしく上手い。グラマーな女性でございます。私、映画でずいぶん観ました。初期はミュージカル中心の活動だったことから、スウィング、ジャージーな曲が多かったですけれども、この曲はデイヴィッド・ゲイツのペンなるキュートなガール・ポップでございます。もちろん全くヒットしませんでした。隠れた名曲であります」と達郎さん。

・IT'S GONNA TAKE A MIRACLE
テディ・ランダッツォのペンになるザ・ロイヤレッツの1965年のデビュー・ヒット「IT'S GONNA TAKE A MIRACLE」。「全米41位のスマッシュ・ヒットですがこんな名曲はありません」と達郎さん。
曲をかけおえて。ザ・ロイヤレッツは黒人4人組のヴォーカル・グループ。後にローラ・ニーロがカヴァーして日本でも有名になった。日本ではロイヤレッツのヴァージョンはリリースされなかったので誰も知らなかったという。FENでしか聴けなかったそうだ。

ここまでオンエアしたのはすべて女性ヴォーカル。昨日ひなまつりだったので前半はガール・ポップで占めているとか。

・SOMEBODY WAITING
イーディー・ゴーメの1971年のアルバム『IT WAS A GOOD TIME』に入ってる「SOMEBODY WAITING」はロジャー・ニコルスとポール・ウィリアムスの作品。「こういうミドル・オブ・ザ・ロードのアルバムの曲はほとんど顧みられませんがですね。しこしこ掘っていくといい曲に当たります」と達郎さん。

・今後の予定
今回の「BRUTUS SONGBOOK リクエスト特集」はリクエストをメールでも受け付けたので読んでも読んでも減らないそうだ。もう一週「BRUTUS SONGBOOK リクエスト特集」を引き続きオンエアする予定。再来週3月18日とのこと。リクエストはハガキ、または引き続いてメールでも受け付けている。メールのアドレスは
tatsuro@tfm.co.jp

来週は3月11日で、東日本大震災から丸7年になる。2012年3月11日、震災から一年の年が番組のオンエア日だったので追悼番組を放送した。地震が起こった午後2時46分には黙祷もした。6年ぶりにまた3月11日がオンエア日なので、来週は当時の2011年の3月11日近辺、一年後の追悼番組のアーカイヴから静かな曲を選曲する。ちょうどメールでリクエストを受け付けていることから、当時の記憶を番組まで書いて送ってほしいとのこと。もちろんハガキでも受け付けているそうだ。メールのアドレスは
tatsuro@tfm.co.jp

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

・拾得でアコースティック・ライヴ
2018年3月16日(金)、17日(土)の二日間、京都の拾得で山下達郎、伊藤広規、難波弘之によるアコースティック・ライヴを行う。チケットの受付が番組終了後の本日15時にスタート。受付期間は3月6日火曜日の23時59分まで。先着順ではなく抽選なので焦らずにどうぞとのこと。
拾得は達郎さんがライヴを行った思い出の会場で44年ぶりになるそうだ。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp

・TIME IS ON MY SIDE
後半はガールズ・ポップではない。ジェリー・ラゴヴォイの特集のときはお皿を手に入れるのに四苦八苦したカイ・ウィンディングの1963年「TIME IS ON MY SIDE」。今はエース・レーベルのジェリー・ラゴヴォイのコンピレーションで誰でも聴くことができる便利に世の中になった。カイ・ウィンディングの「TIME IS ON MY SIDE」はインストゥルメンタルで、それを1964年にアーマ・トーマスが歌詞をつけてヒットさせて、ローリング・ストーンズがそれをカヴァーした。日本ではタイガースのヒット曲で知られている。

・スタジオの窓
リスナーから「雑誌の表紙の達郎さんの後ろにある黒い窓枠は何ですか?」という質問。
昔は窓で景色が見えていたけれど、隣にビルができたので景色が見えなくなった。2000年にはまだ景色が見えていたけれど、現在のディレクターの山岸さんが2003年から番組に関わっているが、そのときにはもう景色が見えなくなっていたという。

・DESERIE
ザ・チャーツの1957年の「DESERIE」はNHK-FMでドゥーワップ特集をしたときにテーマ・ソングとしてかけた曲。「これは僕の人生の数あるドゥーワップの中で最も好きな一曲であります」と達郎さん。

2018年03月11日は、「東日本大震災 2011/03/11から7年」
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