Sunday Song Book #1341

2018年06月24日 | Sunday Song Book

2018年06月24日プレイリスト
「リクエスト特集」
1. ミライのテーマ / 山下達郎 07月11日発売 ニュー・シングル
2. WE'VE GOTTA GET OUT OF THIS PLACE / THE ANIMALS '65
3. PARTY DOWN / LITTLE BEAVER '74
4. TAKE ME IN YOUR ARMS (ROCK ME A LITTLE WHILE) / KIM WESTON '65
5. I'LL SURF AROUND THE WORLD / THE BUDDIES "GO GO WITH" '65
6. REMEMBER THE RAIN / 21ST CENTURY '74
7. DAYDREAMER / DAVID CASSIDY '73
8. MR.SUN / THE LETTERMEN "SPRING!" '67
9. 十字路 / 山下達郎 "ポケット・ミュージック" '86
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■内容の一部を抜粋
・近況
昨日、6月23日(土)から今年のコンサート・ツアー「PERFORMANCE 2018」がはじまった。そのため番組は前倒しで収録しているそうだ。23日、24日は千葉県松戸市の森のホール21。今週は28日(木)、29日(金)が早くもNHKホール。今年のツアー、NHKホールは6月だけなのだとか。「いきなりNHKかよというアレですけれど。昔は初日が厚木で一日おいて大阪フェスティバルホールみたいなことがありましてですね。そういう理不尽なスケジュールをやられたこともありますけれども。まっ、相変わらず理不尽でございますね。がんばります(笑)。へへへ。先週も申し上げましたがライヴを再開して10年目になります。55のときにはじめまして65までまだ続けてられますので。でも、まぁだいぶ年も食ってきましたし、なるべくあんまりガツガツやらないで、楽に楽に行こうと思っております。そういうような感じでセットリスト、今年は、きれいなセットリスト(笑)、目標にやっております」と達郎さん。

・リクエスト特集
ツアーがはじまったので今週は「リクエスト特集」。

・ミライのテーマ
7月20日公開の細田守監督最新作『未来のミライ』のオープニング・テーマとエンディング・テーマを達郎さんが担当している。オープニング・テーマの「ミライのテーマ」は未来から来た妹のミライちゃんのことを歌っていて、エンディング・テーマの「うたのきしゃ」はミライちゃんのお兄ちゃん、4歳の男の子くんちゃんのことを歌っているそうだ。今週は「ミライのテーマ」を本邦初オンエア。「久しぶりにちょっとシュガーベイブ・テイストの一曲を作ってみました」と達郎さん。
http://mirai-no-mirai.jp

・WE'RE GOTTA GET OUT THIS PLACE
アニマルズの1965年、全米13位、イギリスでは2位まで上がる大ヒット、バリー・マンとシンシア・ワイルの作品「WE'RE GOTTA GET OUT THIS PLACE」。「今聴くとエリック・バートン、やっぱり表現力あるなぁと思いますが」と達郎さん。

・PARTY DOWN
マイアミ系のギタリスト、リトル・ビーバーの代表作で1974年、全米ソウル・チャート2位の「PARTY DOWN」。

・TAKE ME IN YOUR ARMS(ROCK ME A LITTLE WHILE)
モータウンの女性シンガー、キム・ウェストン。マーヴィン・ゲイとのデュエットで日本では知られている。彼女の最大ヒット曲「TAKE ME IN YOUR ARMS」は1965年、全米R&Bチャート4位、全米チャート50位。達郎さんの世代だと1975年にドゥービー・ブラザーズがカヴァーして全米11位になりそれで知っているとか。そのオリジナル曲。

・I'LL SURF AROUND THE WORLD
ザ・バディズはマイク・カーヴがでっち上げたグループ。1965年のアルバム『GO GO WITH THE BUDDIES』に入ってる「I'LL SURF AROUND THE WORLD」。

・REMEMBER THE RAIN
シカゴの5人組のキッズ・グループ、トゥエンティー・ファースト・センチュリーの1974年のシングル「REMEMBER THE RAIN」は全米ソウル・チャート69位。ジャクソン・ファイブを狙ったがそれほどの成績を残せなかった。

・souvenir the movie ~Mariya Takeuchi Theater Live~
竹内まりやさんが今年の11月25日でデビュー40周年を迎える。そこでシアター・ライヴが製作中。ライヴが少ない人なので2000年のsouvenir LIVE、2010年のsouvenir again、2014年の久しぶりの全国ツアー、souvenir 2014のライヴの映像からチョイスして初映画化(ライヴ映像)が決定した。「souvenir the movie ~Mariya Takeuchi Theater Live~」は今年の11月23日から期間限定ロードーショー。ここの18年間のライヴ映像の集大成。詳しくは竹内まりやスペシャル・サイトにて。
https://wmg.jp/mariya/

・PERFORMANCE 2018
いよいよ全国ホール・ツアーがはじまった。全国24都市49公演。9月2日の神奈川県民ホールから9月28日の広島上野学園ホールまでのチケット一般発売が6月23日からはじまっている。受付の締切は7月1日午後6時まで。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・DAYDREAMER
デヴィッド・キャシディの1973年のアルバム『DREAMS ARE NUTTIN' MORE THAN WISHES』からシングル・カットされた「DAYDREAMER」は全英NO.1。アルバムもイギリスではNO.1になった。アメリカで忘れ去られた頃に出たヒット。
曲をかけ終えて。曲を作ってるテリー・デンプシーは南アフリカの作家。ワムの「ラスト・クリスマス」が出た頃、この曲のパクリだと言われたそうだ。確かにメロディーがちょっと似通ってるし、イギリスでは「DAYDREAMER」が大ヒットしたので、そういうふうに言われたことを記憶していると達郎さん。

・表記
リスナーから「1980年のアルバム『RIDE ON TIME』までは"TATSU YAMASHITA"という表記で、『FOR YOU』からは"TATSURO YAMASHITA"になってるのはどうしてですか?」という質問。
「気分です、気分」と達郎さん。何の根拠もないそうだ。『ON THE STREET CORNER』では"TATS YAMASHITA"という表記になってるという。

・MR.SUN
ザ・レターメンの1967年のアルバム『SPRING』に入っている「MR.SUN」。ちょっとサイケなソフトロック・ナンバー。曲を作っているのはダニー・ジェンセン、アレンジはペリー・ボトキン・ジュニア。

・十字路
季節柄「十字路」にリクエストが集まってるそうだ。1986年のアルバム『POCKET MUSIC』収録曲。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2018年07月01日は、引き続き「リクエスト特集」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Song Book #1340

2018年06月17日 | Sunday Song Book

2018年06月17日プレイリスト
「ツアー前夜祭、山下達郎ライブ特集」
1. 風の回廊 (LIVE) / 山下達郎 "17/08/31 長野・ホクト文化ホール"
2. GET BACK IN LOVE (LIVE) /山下達郎 "17/07/09 中野サンプラザ"
3. GUILTY (LIVE) / 山下達郎 "17/07/09 中野サンプラザ"
4. THE WAR SONG (LIVE) / 山下達郎 "17/07/09 中野サンプラザ"
5. 今日をこえて (LIVE) / 山下達郎 "18/03/16 京都・拾得"
6. CIRCUS TOWN (LIVE) / 山下達郎 "17/08/31 長野・ホクト文化ホール"
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■内容の一部を抜粋
・近況
6月23日(土)から今年のコンサート・ツアー「PERFORMANCE 2018」がはじまる。千葉県松戸市の森のホール21を皮切りに全国24都市49公演。
「目下最終リハーサル中でございます(笑)。なかなかですね、選曲に(笑)、ふふふ。苦しんでおります。苦しんでおるというか、多すぎてですね、曲が。選ぶのが大変なんですよね。まぁ毎度のことなんですけれども、どんどんどんどん曲がですね、増えていくというのか、それなので。なんかうれしい悲鳴といえばうれしい悲鳴ですけれどもですね。ライヴを再開して10年目を迎えます。2008年にそれまでなかなかできませんでしたツアーをようやく再開できまして、以来10年間ですね、コンスタントにずっと続けて来られました。今年も全国を巡りますのでひとつお待ち申し上げております。PERFORMANCE 2018、今週からいよいよスタートでございます。がんばって行きたいと思っております」と達郎さん。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・ツアー前夜祭、山下達郎ライブ特集
今日は恐怖の聴取率週間の最終日。いつも聴取率週間のときはライヴか珍盤奇盤。いよいよ今週末からツアーがはじまるので「ツアー前夜祭、山下達郎ライブ特集」。今年はタイアップの仕事があったので、ほとんど昨年のツアーのライヴ・ソースをオンエアできてなかった。今回は昨年のツアーの音源とここ2年ほどやっているアコースティック・ライヴ、3人でライヴハウスでやっているライヴのソースも少しだけオンエア。いつものようにP.A.OUT、ミックスをする時間がなかったので音質は勘弁してほしいとのこと。

・風の回廊(コリドー)
2017年8月31日の長野ホクト文化ホール、ここが千穐楽だったので千穐楽のライヴから1985年のシングル「風の回廊(コリドー)」。「風の回廊(コリドー)」は90年代にほとんど演奏してなかったそうだ。2008年にツアーを再開してからは割とコンスタントに演奏ができるようになったとか。

・GET BACK IN LOVE
昨年のツアーも確か49公演で、達郎さんの記憶で出来がよかったのは7月9日の中野サンプラザ公演。ここからのソースから80年代のシングル「GET BACK IN LOVE」。
曲をかけ終えて。
「そういえばサンプラザ、中野の区長さんが変わりまして、サンプラザをなんかぶっ壊して1万人規模のアリーナを作るというやつを、一旦ペンディングにすると。いいことです。まぁ、だいぶガタきておりますので、まぁ、趨勢といいましょうか、僕なんかの世代でしたらやっぱ2000くらいのホールがいいなと思いますけれども、若い人だったらそんな小っちゃなところなんかよりもアリーナ作れという、そういうような方もいらっしゃいますが、世代とか立場でいろいろと違いますが。要は先立つものの問題だと思います。どうなったらいいんでしょうか。まぁ、サンプラザはですね、正直申し上げまして、あの、使い勝手がなかなかあまりよくないホールですので、できることでしたら、あのぐらいな規模で今の建築技術で作ればかなりいいホール、あそこ場所いいですから、できると思うんですが。でも2000のホールだったらアリーナにしちゃうのが今の趨勢でもありますので、まぁ、そのへんはですね、私のコメントする立場ではございません。無くなったらまたどっかでやればいいんです。ええ。まぁそういう(笑)、流れのままにという感じでございます。今年もサンプラザありますが。7月に同じようなときにやりますが」と達郎さん。

・GUILTY
昨年のライヴではじめてやった曲が80年代に鈴木雅之さんに書いた「GUILTY」。2017年7月9日の中野サンプラザ公演から。
「当時はですね、じぶんの書いた曲ですから、好きな曲はセルフカヴァーしておりましてですね、人に書いた曲でも歌うんですけれども。この鈴木雅之さんに書いた、このGUILTYという曲はなかなか濃いぃ歌でありまして、私が歌ってもなんかキャラに合わないな、そういうような感じがして、ずっとやらなかったんですけれども、もう60過ぎて、いよいよ今年なんかですね、年金受給者でございますから、濃かろうが薄かろうがですね、関係ない。曲は本当に自分では気に入ってる曲なので、やってみようかな、やってみたら意外と様になったかな、そういうような感じでございます(笑)」と達郎さん。

・THE WAR SONG
「ツアーの前夜祭でございますので、何を選曲するかけっこう難しいんです(笑)。今年やらないやつを選ぼうかっていうアレですけれども。これで間違ってやっちゃったりするんですね、これがね。いろいろあるんですがそれは仕方がない。来てのお楽しみ」と達郎さん。
昨年のツアーで披露した「THE WAR SONG」。1986年のアルバム『POCKET MUSIC』に収録していて、ライヴではときどき披露している。政治意識の強い曲でもう30年以上経ってるが、歌の中で提起していることが必要なくなる世の中を願って、と達郎さん。2017年7月9日の中野サンプラザ公演から。「サックスの宮里陽太さんのソロをご堪能ください」と達郎さん。

・細田守監督最新作『未来のミライ』
『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、そして『バケモノの子』に続く細田守監督最新作『未来のミライ』が7月20日に公開される。この度、このアニメ『未来のミライ』のオープニング・テーマとラストのエンディング・テーマ(主題歌)を達郎さんが書下ろした。オープニング・テーマは「ミライのテーマ」という曲。エンディング・テーマは「うたのきしゃ」。この2曲は両A面シングルとして7月11日に発売。カップリングは映画『サマーウォーズ』のために9年前書き下ろした「僕らの夏の夢」のアコースティック・ライヴ・ヴァージョン。4月25日に広島のクラブクアトロで行った最新ライヴからの収録。来週、オープニングの「ミライのテーマ」をオンエア。
「私このあいだ試写観てきましたけど素晴らしい映画です(笑)。是非ともお誘いの上。夏にピッタリの映画でございます」と達郎さん。
詳しくはワーナーミュージック・ジャパンの山下達郎スペシャル・サイトにて。
https://wmg.jp/tatsuro/

・今日をこえて
ここの間、2年ぐらい難波弘之さん、伊藤広規さん、達郎さんの3人でアコースティック・ライヴ、アコースティックといってもエレピを使ってるのでエレクトリック、小編成の3人ライヴをライヴハウスでやってきた。シーズンオフもお客さん相手に声を出しているので、身体のメンテナンスにはプラスになっているそうだ。今年、2018年3月16日に京都拾得でも3人ライヴを行った。拾得は1974年、達郎さんが21歳のときにまだできたばかりの拾得を訪れてライヴを行ったが、辛い思い出があり、そのトラウマがあって復讐戦をやろうとずっと思っていたのだとか。昔からもう一度拾得でやるとしたら是非岡林信康さんの曲をやりたいと思っていたそうだ。2018年3月16日に京都拾得で行われた3人ライヴから「今日をこえて」。

・CIRCUS TOWN
2017年8月31日に長野ホクト文化ホールで行われた千穐楽から「CIRCUS TOWN」。

・今後の予定
来週は23日(土)、24日(日)が松戸市の森のホール21、28日(木)、29日(金)がNHKホールなので「リクエスト特集」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2018年06月24日は、「リクエスト特集」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Song Book #1339

2018年06月10日 | Sunday Song Book

2018年06月10日プレイリスト
「ジャズで、棚からひとつかみ」
1. ラビアン・ローズ / 山下達郎 "レイ・オブ・ホープ" '11
2. I REMEMBER WES / GEORGE BENSON "GOODIES" '68
3. DON'T BE THAT WAY / BENNY GOODMAN "CARNEGIE HALL JAZZ CONCERT" '50('38)
4. APRIL IN PARIS / CHARLIE PARKER "WITH STRINGS" '49
5. LISTEN PEOPLE / STEVE MARCUS "TOMORROW NEVER KNOWS" '68
6. MY BACK PAGES / KEITH JARRETT "SOMEWHERE BEFORE" '78
7. SATIN DOLL-IMPROVISATION / RAHSAAN ROLAND KIRK "LIVE AT MONTREAUX JAZZ FESTIVAL" '96('72)
8. I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN / 山下達郎 with PONTA BOX "WELCOME TO MY LIFE" '98
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■内容の一部を抜粋
・近況
6月23日からはじまる全国ホール・ツアーのリハーサルに勤しんでいるという。番組は大幅に前倒しして収録しているそうだ。「早めに梅雨が来ると聞いた、そのくらいに録っております(笑)」と達郎さん。

・ジャズで、棚からひとつかみ
「ギブソン・ギターで、棚からひとつかみ」のときに口が滑りジャズの特集に触れたところ反響があり、「ジャズで、棚からひとつかみ」と言った手前、選曲をはじめたが一週間や二週間では足りなくて、言うんじゃなかったと思ったとか。ジャズもロックンロールに負けず劣らず寛容な音楽なので、1930年代のスウィング・ジャズからはじまってバップ、いわゆるモダン・ジャズ、ビッグバンドからクロスオーバーにフュージョン、ジャズ・ロックとかフリー・ジャズに至るまで千差万別、百花繚乱、そういう感じなのだそうだ。なのであくまで達郎さんの世代間、達郎さんの音楽的趣向で集めた「ジャズで、棚からひとつかみ」、ジャズ特集ではないとのこと。達郎さんはフリー・ジャズが好きなのだが、昼間の二時からフリー・ジャズをかける勇気がなくて、あくまで幅広いリスナーに受け入れるかたちで選曲したという。

・ラビアン・ローズ
達郎さんはジャズと全く無縁の生活なので最初はジャズでも何でもない季節柄のリクエストで「ラビアン・ローズ」。2011年のアルバム『RAY OF HOPE』に入ってるシャンソンのカヴァー。

ジャズは歴史の長い音楽でしかも多岐に渡っているので、「ジャズ」と一言で言っても語り尽くせない。今回は達郎さんが十代のいちばん多感なときに、ジャズ喫茶に行って聴いた数々のジャズのレコードから。

・I REMEMBER WES
ジョージ・ベンソンはもともとはギタリストとしてスタートした。どちらかというとファンク系の音楽のバック・バンドからはじまってジャズの世界に入り、やがてフュージョンの時代に歌が歌いたくて歌手になった。1968年のアルバム『GOODIES』から彼が影響を受けたウェス・モンゴメリのアプローチに似た「I REMEMBER WES」。

・DON'T BE THAT WAY
ジャズは20世紀の初期にアメリカで生まれた音楽。いわゆるアフリカン・アメリカン、奴隷として連れてこられた黒人の人たちとヨーロッパのアカデミズムの音楽がくっついて生まれた。二大ファクターはスウィングとインプロビゼーション(即興演奏)。そこから枝分かれして、だんだんスウィングしなくなり、ロック・ジャズ、ファンク・ジャズ、フュージョンというものになってゆく。達郎さんの世代のモダン・ジャズがジャズだと思われがちだが、商業的にジャズがいちばん成功したのは1930年代で、その頃ジャズはダンス・ミュージックだった。一世を風靡したのはベニー・グッドマン、トミー・ドーシー。中でも一際目立っていたのがベニー・グッドマン。シカゴ生まれのハーレムで育った貧しい少年だったが、クラリネットの天才的な才能があり、この人がクラリネットでできる可能性を全てやってしまったので、モダン・ジャズ以降はクラリネットの目ぼしい奏者は出てこなかった。1938年にカーネギー・ホールで初めてジャズのライヴが行われたのがベニー・グッドマン&ヒズ・オーケストラで、一本のマイクで録られた音を数ブロック外れたCBSのスタジオに引っ張っていって、そこで録音がダイレクト・カッティングで行われた。そのときの録音の半分が行方不明だったが自宅で発見されて、1950年に『CARNEGIE HALL JAZZ CONCERT』というかたちでアルバム化され、それがベストセラーになり、ベニー・グッドマンが再評価されて映画にもなり人気が出た。そのアルバムの1曲め「DON'T BE THAT WAY」はスウィング・ジャズの全盛期の音が記録されている。

・APRIL IN PARIS
ビックバンドからだんだん小編成のグループで演奏する形態に変わってゆくがそれをビバップという。そこから出てきた一人の天才がチャーリー・パーカー。オーケストラをバックにジャズのミュージシャンが単独で演奏した草分けのアルバム『WITH STRINGS』。1949年のレコーディングでその中から「APRIL IN PARIS」。2002年にリイシューされた紙ジャケ(CD?)がノイズが少なくいいリマスタリングなので今日はその再発盤から。

・LISTEN PEOPLE
スティーブ・マーカスはソプラノ・サックスを吹かせたらジョン・コルトレーンより上だという人。1968年のソロ・デビュー・アルバム『TOMORROW NEVER KNOWS』はロック・ソングをモチーフとして取り上げてソロを吹いている(即興演奏をしている)。その中から「LISTEN PEOPLE」はハーマンズ・ハーミッツのナンバー。

・MY BACK PAGES
キース・ジャレットのソロになってから3枚目のアルバム『SOMEWHERE BEFORE』(1968年)の中からボブ・ディランのカヴァーで「MY BACK PAGES」。当時、ジャズ喫茶でかかりまくっていたという。

・今後の予定
来週はまた恐怖の聴取率週間。6月23日からツアーがはじまるのでその前夜祭「山下達郎ライブ特集」。ツアーがはじまったらリクエストに応えるのでお便り、リクエストを引き続き募集中。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

・PERFORMANCE 2018
今年も6月23日から全国ホール・ツアーがはじまる。全国24都市49公演。8月29日の新潟県民会館までのチケット一般発売は終了。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・細田守監督最新作『未来のミライ』
『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、そして『バケモノの子』に続く細田守監督最新作『未来のミライ』が7月20日に公開される。この度、このアニメ『未来のミライ』のオープニング・テーマとラストのエンディング・テーマ(主題歌)を達郎さんが書下ろした。オープニング・テーマは「ミライのテーマ」という曲。エンディング・テーマは「うたのきしゃ」。この2曲は両A面シングルとして7月11日に発売予定。カップリングは映画『サマーウォーズ』のために9年前書き下ろした「僕らの夏の夢」のアコースティック・ライヴ・ヴァージョン。4月25日に広島のクラブクアトロで行った最新ライヴからの収録。ジャケットは初回盤と通常盤の二種類あり、初回盤は映画のメイン・ビジュアルを採用し、通常盤は達郎さんのパートナーのとり・みきさんの「タツローくん」のイラスト。詳しくはワーナーミュージック・ジャパンの山下達郎スペシャル・サイトにて。
https://wmg.jp/tatsuro/

音のほうのオンエアまだ先になる予定。

・SATIN DOLL-IMPROVISATION
フリー・ジャズをかけたいという血がうずくのでラサーン・ローランド・カーク。唯一無二の盲目の人でひとりで3本のサックスをくわえて演奏する。1996年にライノ・アトランティックからいきなりライヴが出た。1972年のスイスのモントルー・ジャズ・フェスティバルのライヴ盤で『LIVE AT MONTREAUX JAZZ FESTIVAL』。この中にデューク・エリントンの「SATIN DOLL」をひとりで演奏している。その後にインプロビゼーションが続く。

・I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN
1998年の村上"PONTA"秀一さんのアルバム『WELCOME TO MY LIFE』でPONTA BOXをバックにレコーディングしたコール・ポーターの「I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN」が達郎さん唯一のストレート・アヘッド・ジャズ作品。

2018年06月17日は、「ツアー前夜祭、山下達郎ライブ特集」
http://www.tatsuro.co.jp
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佐野元春 & THE HOBO KING BAND 『自由の岸辺』

2018年06月09日 | 佐野元春

個人サイトに佐野元春 & THE HOBO KING BANDの『自由の岸辺』のレビューをアップしました。
よろしくお願いします。
http://sitedoi.la.coocan.jp/

今回のレビューはビルボードライブで行われた「Smoke & Blue」を思い出しながら書きました。
2012年にはじまった「Smoke & Blue」ですが「トーキョー・シック」という曲が生まれたり、
未発表の新曲「仕事帰りのおんなたち」や「迂闊なことは言えない」の披露もありました。

「仕事帰りのおんなたち」は佐野元春がウーリッツァーを弾きながら歌う、
どちらかといえばシンガー・ソングライターのソロ作品のような印象がありました。
この新曲が披露された年の公演から「夜に揺れて」もレパートリーに加わっています。
「トーキョー・シック」もそうですが都市の生活をスケッチした連作のような感じもします。

一方で2017年に披露された新曲「迂闊なことは言えない」はカリブ風のリズムで
『自由の岸辺』に入ってもいいような仕上がりでした。
古田たかしさんのドラミングは一見の価値ありで素晴らしかったです。
そういえばシータカさん、今年還暦だとか。
来月には還暦を祝ったライヴも行われるようです。

話が横道にそれましたが「迂闊なことは言えない」ですが、
今考えてみると相当ポリティカルな内容といえなくもないです。
時代の空気を考えるとヤバい感じ。
発表するにしてももう少し熱が収まってからのほうがいいかもしれません。
いずれにしてもこの曲も都市生活をスケッチした曲といえそうです。

そんなわけで今夜はBSスカパー!で佐野元春とコヨーテバンドの
MANIJU TOURがオンエアされますね。
視聴環境にある方はぜひ御覧になってください。
僕もスカパーと契約しました。楽しみです。

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Sunday Song Book #1338

2018年06月03日 | Sunday Song Book

2018年06月03日プレイリスト
「フェンダー・ギターで、棚からひとつかみ Part 2」
1. ブーメラン・ベイビー / 山下達郎 "コージー" '98
2. ORANGE BLOSSOM SPECIAL / THE SPOTNICKS '62
3. LOOK-KA PY PY / THE METERS '69
4. OKIE DOKIE STOMP / CORNELL DUPREE "TEASIN'" '74
5. THE WIND CRIES MARY / JIMI HENDRICKS '67
6. FURTHER ON UP THE ROAD / THE BAND (ROBBIE ROBERTSON) with ERIC CLAPTON "THE LAST WALTZ" '78
7. スノー・エキスプレス / 鈴木茂 "バンド・ワゴン" '75
8. MUSTANG / CHAR "ムスタング" '94
9. LITTLE CRIMES / 佐橋佳幸 with JOHN HALL "トラスト・ミー" '94
10. 電話しても / 村田和人 (山下達郎) "また明日" '82
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■内容の一部を抜粋
・近況
ツアーのリハーサルに勤しんでいるので番組は前倒しにて収録。

・フェンダー・ギターで、棚からひとつかみ Part 2
先週に引き続いて「フェンダー・ギターで、棚からひとつかみ」。フェンダー・ギターを愛用しているミュージシャンというとテーマが広すぎて選曲に苦しんだとか。後半はギブソンのときと同様に邦楽を紹介するとのこと。あくまでも達郎さんのリスニング・ライフの中で記憶に刻まれているフェンダー使いのミュージシャンたちの作品を集めて「フェンダー・ギターで、棚からひとつかみ Part 2」。

・BOOMERANG BABY
1998年のアルバム『COZY』に入ってる加山雄三さんのカヴァー「BOOMERANG BABY」。この曲のエレキギターは全部テレキャスターで弾いてるそうだ。

・ORANGE BLOSSOM SPECIAL
スプートニクスはスウェーデンが生んだエレキ・インストの名門。リード・ギタリストのボー・ウイングバーグはストラトキャスター使いでエコー・サウンドがひじょうにきれいな音を作っている。日本でもたいへん人気がある。彼らの代表作の一曲で1962年の「ORANGE BLOSSOM SPECIAL」はカントリーのいわゆる速弾きの曲。フィドルとかバンジョーで速弾きする曲をギター・サウンドで見事に作り上げた。

・LOOK -KA PY PY
続いてテレキャスター。ニューオリンズのグループ、ザ・ミーターズはのちにネヴィル・ブラザーズに発展してゆく。ミーターズの最初期のギタリスト、レオ・ノセンテリの特徴のあるテレキャスターの音。ブッカーT. & MG'Sの影響を受けたサウンドと言う感じの曲で、1969年、全米R&Bチャート11位、全米チャート58位の「LOOK -KA PY PY」。今回はCDからオンエアしたがオリジナル・シングルよりも長いそうだ。大瀧さんがミーターズが好きで「福生ストラット」の途中で「LOOK -KA PY PY」の感じにしたいといって作っていたとか。

・OKIE DOKIES STOMP
テレキャス使いと言うと出てくるのがコーネル・デュプリー。スタッフのメンバーとして有名だが、ひじょうに優れたスタジオ・ミュージシャンでもある。ブルック・ベントンの「RAINY NIGHT IN GEORGIA」の歌の後ろでずっとコーネル・デュプリーのギターが鳴っている。1974年のファースト・ソロ・アルバム『TEASIN'』から「OKIE DOKIES STOMP」。バーナード・パーティーのドラム、チャック・レイニーのベース、リチャード・ティーのキーボード、コーネル・デュプリーのギター、サックス・ソロはデヴィッド・ニューマン。2011年にコーネル・デュプリーは亡くなった。

・THE WIND CRIES MARY
フェンダー使いというとジミ・ヘンドリックス。達郎さんはジミ・ヘンドリックスのプレーン・トーンのギターの音が好きなので1967年の「THE WIND CRIES MARY」。邦題は「風の中のマリー」。

・FURTHER ON UP THE ROAD(LIVE)
達郎さんの中でフェンダー使いというとザ・バンドのロビー・ロバートソン。彼のストラトキャスターは改造してありマイクが変なところに付いてるとか。エリック・クラプトンもついでにということでラスト・ワルツの中から「FURTHER ON UP THE ROAD」。ボビー・ブランドのブルース・ナンバーのカヴァーで、演奏の最初にエリック・クラプトンのソロがあり、歌いだそうとするところでストラップが外れ、とっさにロビー・ロバートソンが代わりに弾きはじめる。

・ジャズで棚からひとつかみ
「ギブソン・ギターで、棚からひとつかみ」のときに「ジャズ特集」の予定に触れたところ、フィードバックがあったため来週は「ジャズで棚からひとつかみ」。20年くらい前にジャズ・ロックを取り上げたことがあり、そのアーカイヴみたいな感じで特集する予定。

・PERFORMANCE 2018
今年も6月23日から全国ホール・ツアーがはじまる。全国24都市49公演。8月6日のホクト文化ホールから8月29日の新潟県民会館までのチケット一般発売は6月3日午後6時まで。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・細田守監督最新作『未来のミライ』
『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、そして『バケモノの子』に続く細田守監督最新作『未来のミライ』が7月20日に公開される。この度、このアニメ『未来のミライ』のオープニング・テーマとラストのエンディング・テーマ(主題歌)を達郎さんが書下ろした。オープニング・テーマは「ミライのテーマ」という曲。エンディング・テーマは「うたのきしゃ」。小さいこどもをテーマにした映画なのでかわいいタイトルにしたそうだが、歌はファンクだとか。この2曲は両A面シングルとして7月11日に発売予定。カップリングは映画『サマーウォーズ』のために9年前書き下ろした「僕らの夏の夢」のアコースティック・ライヴ・ヴァージョン。4月25日に広島のクラブクアトロで行った最新ライヴからの収録。ジャケットは初回盤と通常盤の二種類あり、「またレコード会社が考えそうなことでありますが」と達郎さん。初回盤はアニメ・ファンのために細田監督の絵、通常盤は達郎さんのパートナーのとり・みきさんの「タツローくん」のイラスト。詳しくはワーナーミュージック・ジャパンの山下達郎スペシャル・サイトにて。
https://wmg.jp/tatsuro/

音のほうはまだリマスタリングを終えてないのでもうちょっと先になる予定。

・スノー・エキスプレス
日本人のフェンダー使いで達郎さんがまず頭に浮かぶのは鈴木茂さん。はっぴいえんどからソロになってもずっとフェンダー。ストラトだったりテレキャスだったりするが、ソロになった頃のスタジオではピンクのちょっと濃いストラトがトレードマークだった。1975年に単身渡米、ウエストコーストで制作した『バンドワゴン』はストラトでレコーディングしたアルバム。このアルバムの中からたいへん有名なインストゥルメンタル・ナンバー「スノー・エキスプレス」。リトル・フィートをバックに展開している。

・MUSTANG
もうひとりフェンダー使いで出てくるのはCharさん。フェンダーのムスタングをずっと愛用している異色の人。そのおかげでフェンダーのムスタングは日本がいちばん売れた。1994年の全曲ムスタングで弾ききったというエピソードのあるアルバム『MUSTANG』から冒頭に入ってるタイトル・ソング「MUSTANG」。
曲をかけ終えて。
「シュガーベイブの最初期はムスタングのベースを使っていまして。理由はやっぱり安いから(笑)。ふふ。ムスタング買う人は安いから買う(笑)。そんな中でCharさんはムスタングで行ききってる。素晴らしい」と達郎さん。

・リトル・クライムズ
達郎さんとずっと一緒にやってる佐橋佳幸さんはストラトが中心。ゴールドのストラトは彼の愛機でいい音がするギターなのだという。1994年のソロ・アルバム『TRUST ME』は達郎さんがエグゼクティブ・プロデューサー。このアルバムの中のインストゥルメンタルでジョン・ホールがゲストで来ていて、フィーチャリング・ジョン・ホールになっている。先程のザ・バンドと同じで一粒で二度美味しい。同じストラトでもテイストが違う。

・ライヴへの質問
リスナーから「昨年のライヴで[僕らの夏の夢]から[風の回廊(コリドー)]というながれの中で、同じギブソンのエレアコを持ち替えてましたが、スチール弦からガット弦に代えたのでしょうか?」という質問。
チューニングが違うそうだ。「僕らの夏の夢」はF#なので半音下げてGで(そのほうが開放がきれい)、「風の回廊(コリドー)」はレギュラー・チューニングに戻すのでエレアコを持ち替えたそうだ。持ち替えはギターのチューニングのことでする場合が多いとか。

・電話しても
1982年に達郎さんがプロデュース&アレンジした村田和人さんのデビュー・シングル「電話しても」。この曲は達郎さんが全部ギターを弾いてるそうだ。ドラムは青山純さん、ベースは伊藤広規さんだがひとり多重に近いレコーディングだったという。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2018年06月10日は、「ジャズで、棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
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