shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

傑作マッシュアップ特集9 ~ビートルズ七変化~

2012-07-11 | Mashup
 マッシュアップ祭りのシメはやっぱりビートルズ! “ビートルズに始まり、ビートルズに終わる” のがこのブログのポリシーだ。ということで今回はプログレ、ハードロック、フォークロックからブラコン、ラップ、グランジ、テケテケに至るまで、様々なジャンルの音楽とのマッシュアップを通してビートルズ・ミュージックの懐の深さをじっくりと味わって下さいな。もちろん “心の広~いビートルズ・ファン限定” というのは言うまでもありません(笑)

①「A Day In The Life」+「Wish You Were Here」(Pink Floyd)
 マッシュアップ作品は笑わせてくれてナンボと思っていたが、コレを聴いてそんな考えは木端微塵に吹っ飛んだ。ゆったりしたテンポで歌いかけるジョンのヴォーカルが完全にピンク・フロイドの世界と一体化しており、単なる名曲マッシュアップから一大叙情派プログレ絵巻へと昇華されているのが凄い。 “あなたがここにいてほしい”... すべてのビートルズ・ファンのジョンへの想いが集約されたこのフレーズとジョンの歌声が交差する瞬間が最大の聴き所だと思う。
Wish You Were Here/ A day in the life - Pink Floyd & feat John Lennon


②「Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band」+「Highway Star」(Deep Purple)
 前回のビートルズ特集で「サージェント・ペパーズ」とガンズの「パラダイス・シティ」とのマッシュアップを取り上げたが、今回はディープ・パープルの名曲「ハイウェイ・スター」でコレがまたピッタリとハマっているのだからたまらない。どうやら「ペパーズ」はハードロックとの相性が抜群のようだ。欲を言えばリッチーのソロとポールのシャウトが絡み合うフル・ヴァージョンが聴きたいな...
SGT PEPPER'S HIGHWAY STAR


③「Nowhere Man」+「Turn Turn Turn」(The Byrds)
 ジョージ・ハリスンの影響を強く受けたロジャー・マッギンの12弦ギター・サウンドをバックにジョンが歌う「ノーウェア・マン」... 実に粋なマッシュアップではないか! それにしてもビートルズとバーズってめっちゃ合いますな。この職人さんのセンスと技術があれば「ミスター・タンブリンマン」や「マイ・バック・ペイジズ」、「エイト・マイルズ・ハイ」あたりと「ラバーソウル」や「リヴォルヴァー」収録曲との組み合わせでまだまだ面白い作品が作れそうだ。
The Byrds vs. The Beatles- Nowhere To Turn


④「Day Tripper」+「The Way You Make Me Feel」(Michael Jackson)
 最初聴いた時は “何じゃいコレは?” と思ったが、何度も聴いているうちにこの微妙なズレ具合が快感に変わってきて(笑)、今では結構気に入って聴いている。クセのある味付けが病み付きになる料理みたいなモンか...(^.^)  ただ、尻切れトンボみたいなエンディングが玉にキズで、せっかくこんなにユニークなコンセプトの作品なんやから、もっと丁寧に仕上げればよかったのにと思ってしまう。
The BEATLES Michael Jackson mix-up mash-up


⑤「Paperback Writer」+「Wild Thing」(Tone Loc)
 私はラップというジャンルに興味はないが、トーン・ロックだけはなぜか好きで、1989年にこの「ワイルド・シング」が全米2位になった時もめっちゃ気に入って聴きまくったものだった。そんな「ワイルド・シング」のビートで強化されたこの「ペイパーバック・ライター」、キラー・リフとパワフルなビート、そしてヘヴィーなリズムによって換骨奪胎された重心の低いサウンドが実に面白い。
Beatles - Paper Back writer vs Tone loc - Wild Thing Mashup


⑥「Eleanor Rigby」+「Smells Like Teen Spirit」(Nirvana)
 私は “80's最高! 90's最低!” という信念を持った頑固一徹なポップス・ファンで、90年代を歪めた諸悪の根源はニルヴァーナだと思っているグランジ・ロック大嫌い人間なのだが、このマッシュアップはカート・コバーンのヴォーカルだけを抽出して「エリナー・リグビー」の切っ先鋭い辛口ストリングスで浄化することによって聴くに値する作品へと生まれ変わっている。ビートルズは偉大なり(≧▽≦)
Smells Like Eleanor Rigby (Beatles ? Nirvana)


⑦「Taxman」+「The Original 1966 Batman Theme」+「Wipeout」(Safaris)
 「バットマンのテーマ」には様々なスタイルの演奏による色んなヴァージョンが存在するが、私が一番好きなのは “シンプル・イズ・ベスト” を地で行くようなこの1966年のTVオリジナル・ヴァージョン。そんなエレキ・インスト・サウンドとアグレッシヴなギターが聴き物の「タックスマン」とを組み合わせるという斬新なアイデア、「バットマン」に「タックスマン」を引っ掛けたコトバの遊び心、そして「ワイプアウト」をつなぎに使うという柔軟な発想と、職人さんのセンスの良さが際立つ傑作だ。
"Jaws of the Joker" - Batman vs. Taxman