長かった... ビートルズ全CD完全リマスターのニュースに大コーフンした4月の初め、発売日の9月9日は遙か彼方のように思われた。それ以来私はただひたすら9月がやって来るのを心待ちにしながらこの5ヶ月間を過ごしてきた。そしてついに今日から9月に突入、後はX-デーまでカウントダウンの毎日だ。ということで今日から “ポール・マッカートニー祭り” で勝手に盛り上がっていきます(^o^)丿
これまで何度も書いてきたように私が音楽を聴き始めたのは1975年で、ビートルズはすでになく、やや沈黙気味の他のメンバーを尻目に八面六臂の大活躍をしていたのがポールだった。最初に買ったのが「ヴィーナス・アンド・マース」、続いて「バンド・オン・ザ・ラン」というスーパーウルトラ大名盤2連発、更に初期のシングル盤も片っ端から買いまくり、私はすっかりマッカートニー信者と化していた。そんな中、残すは初期のアルバム4枚のみということで買ったのがこの 1st アルバム「マッカートニー」だった。
初めて聴いた時の印象は “何コレ???” ウイングス全盛期の、あるいは後期ビートルズの煌びやかでポップな音作りを予想していた私の耳に飛び込んで来たのはまるでデモ・テープのようなラフなサウンドだった。スカスカではないか...(>_<) すっかり失望した私は数回聴いた後、レコード棚にこのアルバムをしまい込んだ。
その後しばらくしてウイングスの集大成ライブ「ウイングス・オーヴァー・アメリカ」がリリースされ、その中に入っていた「メイビー・アイム・アメイズド」が気に入った私は、改めてその元になったスタジオ・テイクを聴きたくなり、再びこの「マッカートニー」を聴いてみた。すると、確かにサウンドはスカスカだが、何度も繰り返し聴くうちにその飾り気のない素朴な味わいが徐々に心の中に染み込んできて、最初に感じた失望感を解消してくれたのだ。アルバム全体に田舎の家庭料理のような手作り感があり、溢れ出る “メロディーの洪水” はポールならではのものだった。アルバムの大半を占めるインスト・ナンバーや3分以下の短い楽曲だって、そのどれもがちゃんとした歌詞を添えるなり、しっかりとプロデュースするなりすれば名曲名演の仲間入りをしそうな “ダイヤモンドの原石” ばかりだ。私はだんだんこのアルバムが好きになっていった。
個々の楽曲で言えばまずは何と言っても⑫「メイビー・アイム・アメイズド」が素晴らしい。「アビー・ロード」に入っていてもおかしくない出色のナンバーだと思う。「ホワイト・アルバム」の頃に書かれた⑥「ジャンク」とそのインスト⑪「シンガロング・ジャンク」が湛えるえもいわれぬ哀感にも涙ちょちょぎれる。ポールにしか書けない名曲だ。愛妻リンダへの想いがダイレクトに伝わってくる①「ラヴリー・リンダ」と④「エヴリナイト」はどちらも素直なメロディーが耳に心地良いし、リンダとの初デュエット⑦「マン・ウィー・ワズ・ロンリー」もほのぼのとした雰囲気があってエエ感じだ。ポールお得意のプレスリー風ヴォーカルが面白い②「ザット・ウッド・ビー・サムシング」、ファンキーなノリの⑧「ウー・ユー」、幻のアルバム「ゲット・バック」収録のヴァージョンとの比較も一興の⑩「テディ・ボーイ」(私はリンダの彷徨バック・コーラス入りのこちらのヴァージョンにより愛着を感じてしまう...)と聴きどころも満載だ。
世評が低いらしい残りのインスト曲だが私は結構好きで、これのどこがアカンねん!とマジで思ってしまう。③「バレンタイン・デイ」はスタジオで遊んでいるうちに出来たような2分足らずの曲だが、そんな中にもキラリと光るフレーズが続出するあたり、さすがはポール。⑤「ホット・アズ・サン」は確か海賊版LPのタイトルやったような記憶があるが、中々遊び心に溢れた楽しいナンバーだ。⑨「ママ・ミス・アメリカ」は当時毎日のように聴いていたFM大阪の音楽番組 “田中正美のビート・オン・プラザ” のオープニング・テーマ曲で、この曲を褒めた評をこれまで見たことがない(というより完全シカトされ状態?)のだが、個人的に非常に思い入れのある1曲で、何回も聴いているうちにすっかり病みつきになっていた。⑬「クリーン・アクロア」はポールの持つ前衛性が表に出た異色のナンバーだが、世間一般のアホバカ・アヴァンギャルドとは違い、ポールの場合はちゃーんと最後まで聴けるからある意味凄い。あんまりワケわからんけど...(笑) 所々で聴けるギターのフレーズは「ラム」や「レッド・ローズ・スピードウェイ」に繋がるフラグメントのように思う。
このアルバムは確かにカタギの音楽ファンに諸手を上げてオススメできるような盤ではないかもしれないが、ポール・マッカートニーの音楽に魅せられた者にとっては聴けば聴くほど愛着の湧く、かけがえのない1枚なのだ。
Paul McCartney - Momma Miss America
これまで何度も書いてきたように私が音楽を聴き始めたのは1975年で、ビートルズはすでになく、やや沈黙気味の他のメンバーを尻目に八面六臂の大活躍をしていたのがポールだった。最初に買ったのが「ヴィーナス・アンド・マース」、続いて「バンド・オン・ザ・ラン」というスーパーウルトラ大名盤2連発、更に初期のシングル盤も片っ端から買いまくり、私はすっかりマッカートニー信者と化していた。そんな中、残すは初期のアルバム4枚のみということで買ったのがこの 1st アルバム「マッカートニー」だった。
初めて聴いた時の印象は “何コレ???” ウイングス全盛期の、あるいは後期ビートルズの煌びやかでポップな音作りを予想していた私の耳に飛び込んで来たのはまるでデモ・テープのようなラフなサウンドだった。スカスカではないか...(>_<) すっかり失望した私は数回聴いた後、レコード棚にこのアルバムをしまい込んだ。
その後しばらくしてウイングスの集大成ライブ「ウイングス・オーヴァー・アメリカ」がリリースされ、その中に入っていた「メイビー・アイム・アメイズド」が気に入った私は、改めてその元になったスタジオ・テイクを聴きたくなり、再びこの「マッカートニー」を聴いてみた。すると、確かにサウンドはスカスカだが、何度も繰り返し聴くうちにその飾り気のない素朴な味わいが徐々に心の中に染み込んできて、最初に感じた失望感を解消してくれたのだ。アルバム全体に田舎の家庭料理のような手作り感があり、溢れ出る “メロディーの洪水” はポールならではのものだった。アルバムの大半を占めるインスト・ナンバーや3分以下の短い楽曲だって、そのどれもがちゃんとした歌詞を添えるなり、しっかりとプロデュースするなりすれば名曲名演の仲間入りをしそうな “ダイヤモンドの原石” ばかりだ。私はだんだんこのアルバムが好きになっていった。
個々の楽曲で言えばまずは何と言っても⑫「メイビー・アイム・アメイズド」が素晴らしい。「アビー・ロード」に入っていてもおかしくない出色のナンバーだと思う。「ホワイト・アルバム」の頃に書かれた⑥「ジャンク」とそのインスト⑪「シンガロング・ジャンク」が湛えるえもいわれぬ哀感にも涙ちょちょぎれる。ポールにしか書けない名曲だ。愛妻リンダへの想いがダイレクトに伝わってくる①「ラヴリー・リンダ」と④「エヴリナイト」はどちらも素直なメロディーが耳に心地良いし、リンダとの初デュエット⑦「マン・ウィー・ワズ・ロンリー」もほのぼのとした雰囲気があってエエ感じだ。ポールお得意のプレスリー風ヴォーカルが面白い②「ザット・ウッド・ビー・サムシング」、ファンキーなノリの⑧「ウー・ユー」、幻のアルバム「ゲット・バック」収録のヴァージョンとの比較も一興の⑩「テディ・ボーイ」(私はリンダの彷徨バック・コーラス入りのこちらのヴァージョンにより愛着を感じてしまう...)と聴きどころも満載だ。
世評が低いらしい残りのインスト曲だが私は結構好きで、これのどこがアカンねん!とマジで思ってしまう。③「バレンタイン・デイ」はスタジオで遊んでいるうちに出来たような2分足らずの曲だが、そんな中にもキラリと光るフレーズが続出するあたり、さすがはポール。⑤「ホット・アズ・サン」は確か海賊版LPのタイトルやったような記憶があるが、中々遊び心に溢れた楽しいナンバーだ。⑨「ママ・ミス・アメリカ」は当時毎日のように聴いていたFM大阪の音楽番組 “田中正美のビート・オン・プラザ” のオープニング・テーマ曲で、この曲を褒めた評をこれまで見たことがない(というより完全シカトされ状態?)のだが、個人的に非常に思い入れのある1曲で、何回も聴いているうちにすっかり病みつきになっていた。⑬「クリーン・アクロア」はポールの持つ前衛性が表に出た異色のナンバーだが、世間一般のアホバカ・アヴァンギャルドとは違い、ポールの場合はちゃーんと最後まで聴けるからある意味凄い。あんまりワケわからんけど...(笑) 所々で聴けるギターのフレーズは「ラム」や「レッド・ローズ・スピードウェイ」に繋がるフラグメントのように思う。
このアルバムは確かにカタギの音楽ファンに諸手を上げてオススメできるような盤ではないかもしれないが、ポール・マッカートニーの音楽に魅せられた者にとっては聴けば聴くほど愛着の湧く、かけがえのない1枚なのだ。
Paul McCartney - Momma Miss America