津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■「暁」の謎を解く―平安人の時間表現

2014-10-01 11:23:18 | 書籍・読書

 10月の(11日)史談会は「江戸期の暦・太陰太陽暦(含・世界の暦法)」を御聞きすることになった。講師は滞空時間日本一を誇られる、元パイロットのK氏をお招きする。
パイロットと言う職業柄暦に関心を持たれ勉強された、江戸期の太陰太陽暦から世界の暦法まで貴重なお話が伺えるものと大いなる期待をしている。

そんな中、「日付が替る時間」をいろいろ調べている内に、この本に出会った。
日本には時(刻)を表す沢山の豊かな言葉が残されているが、そんな言葉の誕生を知ってみたいと思った処である。
 

       「暁」の謎を解く 平安人の時間表現 (角川選書)
                      
             角川学芸出版

内容説明

『枕草子』の次の場面から何時を想像するだろうか。「夜が明けてしまいそうですね」「今さら寝てはだめですよ」。実は午前2時30分の一場面だ。
時代を隔てているとはいえ、不自然さが残る。男女の別れの時刻である「暁」や、「宵」「夜もすがら」など、おなじみの時間表現を子細に検討。
作品の矛盾を解き、平安人の時間感覚に迫る。新たな古典の世界を拓く画期的考察。

目次

第1章 平安時代、日付はいつ変わったのか
第2章 「暁」―男女の思いが交錯した時間
第3章 「有明」―平安人の美意識が重なる言葉
第4章 動詞「明く」が持つ重要な意味
第5章 「夜もすがら・夜一夜」―平安人の「一晩中」とは
第6章 「今宵」―今晩も昨晩も
第7章 「夜をこめて」―いつ「鳥の空音」をはかったか?
第8章 「さ夜更けて」―午前三時に向かう動き

著者紹介

小林賢章[コバヤシタカアキ] 
1949年、名古屋市生まれ。同志社女子大学表象文化学部教授。大阪大学大学院文学研究科国文学専攻修士課程修了。帝塚山短期大学、大阪府立大学を経て、1989年より同志社女子大学。主に、古代の時間表現を研究する

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■馬具櫓と下馬橋

2014-10-01 07:17:28 | 歴史

                                                      

 

 熊本城の馬具櫓が完成し見物客でにぎわっている。現在の行幸橋のわずか上流にかっての下馬橋があった。
花畑邸から城内に向かう藩主は馬具櫓を正面に見ながらこの橋を渡り城内に至った。馬で登城する家臣もここで馬を下りた。

優美な姿をみせる長塀がこの馬具櫓の石垣に突っ込んでいるが、少々角度を持っている。これは馬具櫓が天守や城門などと同様南面して平行配置されていることによる。
花畑邸の建物配置も同様だが、大方の建物は南向きに建てられている。まさに「天子は南面す」の古語通りである。

現在では行幸橋を渡りすぐ右折して、馬具櫓の裏手を通り櫨方門から竹の丸に入っている。
もっともこの門は図面上部にみえる櫨方に在ったものを移設したので櫨方門と呼ばれているが、かっての門は馬具櫓の虎口にあった。
下馬橋から城内に至る処にも、書物櫓と馬具櫓の間に門が設けられて門番が厳重に固めていた。
そのルートは現在では長塀下の河原へ出るためのものになっている。私は下馬橋を復旧して欲しいなーと叶わぬ願を密かに持っている。 

                                     

 

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