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憲法改定の考え方

2013-06-23 04:45:20 | Peace Cafe
憲法改定を望む友人が、川口マーン惠美「シュトゥットガルト通信」を9条堅持を考える人はぜひ読んでほしいと言われたので、読んでみた。なるほどこういう風に考える人が、憲法の改定を望むのか、ということが分かった。軍事力の弱い国は、軍事力のある強い国から領土を奪われる。このように現実社会の弱肉強食を見ている。他所の国というものは強盗のようなもので、自分より弱い国から奪うものだとと考える。少なくとも、国家はそう考えて国民を守るための力を持っていなければならない。こう考えているのだろう。しかし、よく考えてみてほしい。日本という国もそういう強盗をやるような国であろうか。もし日本が圧倒的な軍事力を持ったとしたら、他所の国から領土を奪うだろうか。平均的な現代の日本人がそんな正義に反することを希望するとは思えない。竹島が日本だと主張して、武力を持って取り返そうとするだろうか。少なくとも現代の日本人の大多数はそこまで愚かだとは思えない。平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してやってゆこうと、しているのだ。

戦争に敗れて日本人も成長している。武力を持たない弱い日本に生きる日本人は、強者の論理が間違っていることに気付き始めている。平和憲法を維持して、平和を愛する国民としての日本の奇跡のような歴史の成果ではないだろうか。武力を持たない、弱い国家も対等に問題を解決できる道を模索して行くことが、人間の平和な世界へ進む方法である。何故このことを憲法を改定したい人は理解しないのだろう。自民党安倍政権は96条の改定を公約している。これは憲法が自分たちを縛る自由の利かないものなので、煩わしいから好きに軍事力を持てるものに変えたいという気持ちだと思う。やり方が違う。川口さんの居るドイツは3分の2の要件で憲法の変更を繰り返してきた。そういうことがドイツという国を原発を持たない、脱原発の国に導いたのだ。EUの経済的困難を一人で耐えているようにも見える。そこには、分裂国家を統一まで導いた、粘り強い努力もあった。そしてEUというものが国家主義を超えて、二度と第二次世界大戦の轍を踏まぬという、理想主義を持っている。

もし日本でも、9条の改定を3分の2の要件で提案するというのであれば、それは仕方がないと思う。私としてはつらけれど、国家というものは理想主義では無理なのだと考えるしかないと思う。そして0から、もう一度理想を目指し、3分の2の要件を満たす努力をする。今度の参議院選挙はその意味で極めて重要な選挙になる。自民党が40%を超える支持を受けている。日本の不思議な選挙制度では、これだけの支持率で3分の2を超える可能性もあるのだ。自民党が今支持を集めているのは、希望的観測である。所得倍増とか、150万円の所得増とか。ぼた餅をつるしているだけだ。現実は何かいいことが起きた訳ではない。むしろ、経済の行く先もだいぶ危うくなってきた。アベノミクスはすべては希望的観測に基づく、実体経済を伴わないものだ。確かに民主党のあの鳩山氏の頓珍漢な夢によって、失望を味わった後だ。もう経験不足の政党は嫌だという思いは強いかもしれない。しかし、憲法96条の改定の主張でもわかるように、自民党からもまともなプランなど何も出てこない。

参議院選挙の自民党の農業政策を熟読して見た。258番から、273番の政策である。これで日本の農業収入が2倍になることなど間違ってもない。これで行けると考える農業関係者が果たしてわずかでもいるだろうか。今度自民党から立候補する、ワタミの渡辺さんの農業法人でも無理だろう。荻窪の農業者さんだって、さすがにこれでは納得できないだろう。こんな看板だけの政策では、ただじり貧を待つばかりである。掛け声は書かれているが、あまりに具体性に欠ける。農地法の改正、農協の抜本的改革が無ければ、日本の農業は変われない。自民党はどのように農地法を変えるのか。どんな農協に変えてゆくのか。こういうことを具体性を持って公約しなければならない。96条の改定を出してきた発想も同じである。9条の議論を避けて通ろうということだ。平和を愛する諸国民の公正と信義を模索しようという理想を捨ててはならない。
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10 コメント

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TBさせて下さい。 (街中の案山子)
2013-06-23 06:50:33
弊ブログへのコメントありがとうございます。
貴ブログの文頭
「憲法改定を望む友人が、川口マーン惠美『シュトゥットガルト通信』を9条堅持を考える人はぜひ読んでほしいと言われたので」
とありますが、この文章の段階で、私の文意が笹村流に脚色されているように見えます。苦笑
TB最近はしていないので、思い出しながらやってみます。


返信する
私の友人が (笹村 出)
2013-06-23 08:36:50
私の友人ということは、あまり好ましくないと考える人も多いので、
脚色しました。
こうして書いてくださったので、
読んでもらえば分かることなので、
私の冒頭の文章は、インチキです。
返信する
Unknown (荻窪の農家)
2013-06-24 09:05:04
>私の冒頭の文章は、インチキです。

なぜ、インチキまでして書くのでしょうか?笹村さんは、政治家に誠治さを求めてきましたよね?ご自身には、求めないのですか?インチキを書く人を一体誰が信用するでしょうか?
返信する
インチキの意味 (笹村 出)
2013-06-25 04:54:14
インチキの意味が全く違います。
私の友人ということでそのブログに、辿れると良くないと考えたのです。
それだけのことです。

理解できなくても因縁だけはつけたいというのは、何故でしょう。
あなたに、信用されなくて結構ですが、何か恨みでもあるのでしょうか。

考え方が違うのは結構です。議論しましょう。
しかし、こういう発言は、もしあなたが特定できたとしたら、
問題化しないですか。
荻窪の農家と言うと、思い当たる人はいます。あの人ではないですか。
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TB上手くいきませんね。 (街中の案山子)
2013-06-26 07:12:23
ワタシは皆さんに読んでいただきたいと思っています。
判断するのは個々人ですから、押し付けるつもりもないわけです。
ブログ記事のURLを貼り付けておきます。

http://blog.goo.ne.jp/salubia2070/e/03d8b385fea814b4852c9a48b30d27a4

「シュッットガルト通信」のバックナンバーですから、笹村さんの記事をクリックしてもトップ記事になってしまうので、できましたら、こちらからどうぞ。
返信する
全体を読んでもらいたい (笹村 出)
2013-06-27 05:05:14
実は川口氏の記事は、以前から読んでおりました。
この記事だけというより、自分の関心のあるものを読んでもらいたい。
例えば原発や、ドイツの国の分析など、
そのうえで憲法に対する意見を読んでもらいたい。
その意味で、全体をリンクしました。

ともかく、憲法について、議論すべきことは、重要なことだと思います。

しかし、よい議論にならないことは、このブログのコメントでもよくわかります。
わざと良い議論にさせないようにしている人がいる気がします。

安倍氏が96条の改定を先行させる提案を自身で評価していました。
このやり方は憲法議論を、飛びこそうという悪い提案だと思います。
きちっと9条について話し合うべきです。
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よい議論になるためには (街中の案山子)
2013-06-29 09:08:40
私のブログで、「読んでみて、どう思われましたか」と投げかけているのに対して、
「国防についての論点が抜けている」とのご返事では、本当に文章を読んでくださったのだろうか、という疑問が湧き、議論が発展していきようがありません。
議論は対立するもの同士の攻撃合戦ではありませんし、まず相手の意図を理解しようという姿勢からだと思います。
それから、川口さんのコラム全部を読むように持ち掛けるって、読み手に負荷をかけすぎるというか、不親切ではないですか。
4頁を読んでいただくにも、訪問者に、つい「時間を下さい」と書いてしまう私と、タイプが違うのだろうとは思います。笑
返信する
私の場合と、案山子さんの場合 (笹村 出)
2013-06-29 15:28:25
読むと言っても様々な読み方があります。
同じでない読み方をしたから、
読んでないと想像するのでは、議論は始まりません。

この点で人間のタイプが違うというか、
川口さんの文章は一連のものを読まないと、誤解してしまう文章だと、私は理解しております。
文章によってぶれが大きな人だと読んでいます。
ドイツの原発政策を、どう考えるかと、
国防とはどういうものかということも、
イデオロギー的に論理が通っていてほしい。

感覚的印象論のような気がします。

私の場合リンクしたものを読んでほしいなど全く考えておりません。

確認のために、読みたければ、参考にどうぞこれがもとの文章ですと、示しているだけです。
読んでほしいのは自分の文章の内容です。

案山子さんのように、他人の文章を是非読んでもらいたいというのは、珍しい事例です。

案山子さん自身の言葉で、案山子さんの視点から、
憲法の問題を書いたらいかがでしょうか。

自給の農業を書いている場合も、
平和憲法の精神を表現しているつもりです。
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Unknown (井の中の丼)
2013-07-04 15:48:20
私は憲法改正に反対です。9条の改正にも反対です。

ところで、笹村さんは「わざと良い議論にさせないようにしている人がいる気がします。」とのことですが、それは、まず笹村さんご自身のように思います。例えば、憲法9条改正を望む人の考えを深く理解できていないのに、笹村さんは「分かっている」つもりになっています。なぜなら、憲法改正論者の文献を読んでいらっしゃらないし、9条改正を望む方に「どうしてそう考えるのか?」とも質問をなさらない。そのような姿勢で、どうして「良い議論」ができますか?「良い議論」をなさりたいのなら、まず、笹村さんが改めるべきだと思います。

返信する
文献 (笹村 出)
2013-07-05 04:12:44
文献を読む意味を感じておりません。
憲法を議論するのに、専門家である必要はないです。
憲法は、ごく一般的な生活者としての感覚で、
意見を言うべきことだと考えております。

丼さんが反対の文献を読むべき、と考えるなら、「どうしてそう考えるのか?」
示してください。
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