2013年3月30日(土)
一日中曇りかちで気温も低い予報だったが、月末で切れる西武鉄道のフリーカードを
使い、秩父市郊外の江戸巡礼古道をたどるウオーキングに行く。コースは、日本ウオーキ
ング協会設定の「美しい日本の歩きたくなるみち500選」の一つである。
小雨模様なので傘を差し、秩父鉄道の大野原(おおのはら)駅を10時9分にスタート
した。駅前の通りを西へ、斉戸橋の先で右折して間もなく、大畑町の宗福寺に入る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/42/017b776b6903aa31ca60d995dab776f1.jpg)
石や灯ろう、植え込みを配した庭は趣があり、大きな下駄が2足、石灯ろうの前に並ぶ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/50/17805105f684222f76acc01e4ce4766b.jpg)
カエルの石像が幾つも置かれていて、小さいお堂に「かえる寺」の提灯が下がる。シダ
レザクラが開花していた。
細い旧道を南西に抜け、秩父観音霊場第19番札所の龍石寺(りゆうせきじ)に行く。
観音堂は大きな一枚岩の岩盤上に建てられている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/2f/24e99f85ed96fd51934035d0a2987a9c.jpg)
かなり開花したソメイヨシノのほかに、境内には植栽はほとんどない。
荒川右岸に下り、国道299号の秩父橋のすぐ下流にある、歩行者と自転車専用の旧秩
父橋を渡る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/18/817d86892bbeeb363f834f34b49fd779.jpg)
昭和6(1931)年の竣工、埼玉県内では初期の大型コンクリート製三連アーチ橋で、
県指定有形文化財になっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/01/af77ef0e62f22fb0d1097eecab41f07c.jpg)
橋を渡って階段を下り、橋をくぐって国道の北側へ。国道の少し先から左手の斜面を上
がり、国道際の旧道を進むと、開放的な境内の光正寺があった。
寺の縁起に「境内に残る青石塔婆(あおいしとうば)は鎌倉後期の延慶3(1310)
年に建てられたもの」と記されていたが、青石塔婆が見つからない。探すのはあきらめ、
近くの秩父札所20番の駐車場のところまで進んだら右への表示があり、民家の間の細道
の奥に立っていた
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/33/cdf747920cf65509d0e6678f9ed3e7fc.jpg)
秩父札所20番の岩之上堂(いわのうえどう)は、荒川左岸の崖(がけ)上にある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/ba/c5b1bb2097b3583d0518dfbabad3991a.jpg)
方形造りのお堂は、江戸初期に造られたものとか。色彩の残る精巧な木彫や、たくさん
の三社札(さんじゃふだ)などにその歴史が感じられる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/c8/77fa1d39ea029ee0d7579b04dc49f4f7.jpg)
境内には樹木が多く、ハナモノ、シダレザクラ、コブシ、ヤマブキ、ショカッサイなど
が、色とりどりに花を競って咲いていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/1b/06363a1b3e8c8dbca4bcc97dd0448736.jpg)
荒川左岸段丘上の道を進む。雨で湿った展望の中に、モモや梅が彩りを添える。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/37/0c0248b53d985c8f35f9768a0817621e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/ff/8143e6ed7bece5fdf21754b48fc6db29.jpg)
畑のナズナは、水滴をいっぱい付けて立つ。養蚕農家だったらしい、間口の広い民家が
残っていた。
県道72号に出てすぐ先が、21番札所の観音寺(かんのんじ)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/05/f67967a24bc5aa6dc5bc1a97c05f909a.jpg)
道路際に宝暦14(1764)年建立の宝篋印塔(ほうきょういんとう)が立ち、その
前にお地蔵さんが並んでいる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/b7/d29c680173d234813c47a133129c0500.jpg)
県道の南側路傍には、この地の地芝居の役者の座頭、中村十九(とも)十郎の墓が立っ
ていた。
県道を700m足らずでJAの秩父農産物直売所があり、地元産の野菜や果物、漬物、
農産物の加工品、鉢花などが並んでいた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/a5/09bb35ff80848c982d50949341ae6dba.jpg)
小さいお堂の前のソメイヨシノが見頃の、大日堂前を通過し、斜張橋の秩父公園橋が近
くに見える上寺尾の三差路へ。「二十二番入口」と刻まれた大きな地蔵尊が立っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/0e/aefa7b228c99ed8787bb95e2d740efe0.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/cc/dd1c861701e38e51050e8bf020a6028a.jpg)
その前を進み、重厚なかやぶき屋根の山門をくぐると、22番札所の栄福寺。童子堂と
呼ぶ観音堂は、淳和天皇の弟の菩提のために、遍昭僧正が草創したものとか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/40/48ddfd10bd42e321fc27123b7a487ac9.jpg)
山門の仁王は「童子仁王」と呼び、童子の名にふさわしい愛嬌ある顔だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/7e/1c69bcc622a89b7fbf8e14b8c3c9ea18.jpg)
正午を過ぎ、雨も上がったので、本堂背後の太い丸太を借りて腰を下ろし、昼食をする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/41/4c1e3bc78e31e7f5dc8513f8a364f2d3.jpg)
寺を出てすぐ、巡礼道の標識に従い、草の道を斜めに進んで県道を横断し、家並みの終
わりから小鹿坂(おがさか)巡礼道に入る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/e4/b27a9b0a71fe04e962bc1d1335d85166.jpg)
杉木立の間の山道を上がり、一軒だけの民家のところから少し下って、23番音楽寺
(おんがくじ)の前に出た。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/31/534f82b166869074b4a511e236d69a78.jpg)
音楽寺は標高340m前後、小鹿坂峠の直下にあり、眼下に秩父盆地の展望が広がる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/92/24f70c6fc4f42e358fd9d2f27b38a779.jpg)
本堂の上部にあるどっしりした観音堂は、江戸中期の造りという。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/64/2c125a12aee8e3a70d622160cb5d996c.jpg)
明治17(1884)年の秩父事件の際、総理・田代栄助以下の群衆は、この観音堂前
の鐘を鳴らして秩父町に崩れこんだという。
寺の名にちなんでヒット曲にあやかろうと、演歌歌手の訪れも多いようで、お堂には何
人ものポスターが貼られていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/99/15b95245d1edb982e905f4845ec47f1b.jpg)
小鹿坂峠の稜線まで上がると、秩父市街を見下ろす13体のお地蔵さんが並ぶ。そばの
ソメイヨシノは、まだ開花し始めだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/2e/f912969214ee0797dcbf1ad8a30eb5da.jpg)
南側の秩父ミューズパークの駐車場に出て、まだ咲き残る梅園の梅の横を少し下る。梅
園の駐車場内にある標識に従い、再び巡礼古道の山道に入った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/9f/584904c50e8818fdb2dd94f9ac5f86d2.jpg)
芽吹き前の広葉樹林帯の中を下って行くと、アーチ状の砂防ダムの左岸に出た。ダムの
上部の斜面にハクモクレンが咲き競う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/7d/05c931414aaa7e5dcb90890789318b7c.jpg)
ダムの下に回り、ところどころの木に付けられた巡礼古道の標識に従い、さらに下る。
車道に出てY字路を右へ、少し上がったところに、宝暦13(1763)年造立の、大
きな「弁財天」碑が立っていた。再び林間の巡礼古道に入る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/01/28ada7503fe43c4a9c19c54c4052bf08.jpg)
一時、林が途切れ、南側の市街地の家並みなどが望まれる。谷間まで下って小さい流れ
を渡り、昭和初期までの生活道路だったという念仏坂を上がり、別所集落へ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/d8/8bf3096cda5c3c5202e17d31b0ea454d.jpg)
県道73号の西側、集落内の旧道を進んで、24番札所の宝泉寺に裏手から入った。こ
れまでの札所と同様の、方形造りの観音堂は江戸中期の造立という。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/6a/48adabcc11fdee726b7b71f23de884c9.jpg)
本尊は、室町時代作の聖観世音座像。武州恋ヶ窪の慈悲深い遊女がこの観音を信じて修
行し、毎朝怠らず食を供したとの縁起があり、お堂にその絵の額がある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/a7/0216b715335f8e5caf1e9732006221b9.jpg)
近くに、クロモジが花を見せていた。
急石段を下った県道際に、「幸庵」という休み処があった。顔を合わせた奥さんから声
をかけられ、お茶と菓子をお接待いただいた。
県道の少し先から大久保への旧道へ。民家が途切れる辺りからは武甲山が望まれるが、
まだ上部は雲に隠されている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/03/78c2f23e5fba2a3d9e385f24bc6a9d94.jpg)
谷間を進んで大きな工場の下を回り、車道をくぐると、秩父の銘酒、秩父錦の「酒造り
の森」の看板があり、酒蔵資料館と物産館の建物があった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/71/5aa0f1a6db10881eafcd1ecbdb6420ac.jpg)
酒蔵資料館では、寛永2(1749)年から始めた酒造りの諸道具や記録などを展示し
ているというが、予定より時間も経過しているので入館は省き、秩父錦やワインなどを試
飲、販売している物産館を少しだけのぞいて出た。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/47/7a79db11bb3a423d5ce8897ee76e38f3.jpg)
大久保の集落を少し下ったところに宝林禅院があり、本堂のほかに、比較的新しい秩父
十三仏霊場の普賢堂が出来ていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/a6/961d2d71c1b050d6f41ded2c37c1851d.jpg)
県道73号に合し、荒川の左岸段丘上を進む。交通量が多いが歩道がなく、段丘から離
れて折(おり)集落に入ったら新しい歩道が出来ていた。折区公会堂の先を右に入る。
久那小の横を通過して、今日最後の札所、25番久昌寺(きゆうしようじ)の山門をく
ぐる。門前のソメイヨシノが見頃になっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/2f/14426ecc17f957941d730b829d6116a3.jpg)
東側の池の堤防から、シダレザクラの咲き出した寺を眺めながら境内に入る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/bc/fd5b3e521b5f833f655162d325c769de.jpg)
境内には、白梅やヤマブキ、水仙なども咲いていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/bd/8f0b0c31348e50d9ee1a7816cb86f504.jpg)
久那小の南から浦山口駅に向かう。正面に浦山ダムの堰堤(えんてい)が望まれるが、
堤の上部は雲に隠れている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/32/d058910b890e869c7372d4aa22cd3bef.jpg)
八幡神社の先から、見ごろに近いソメイヨシの並木が続く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/94/9eafb4133c589e091d0b511def8e91b2.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/7b/55e80a84845f3827738f16467890f93c.jpg)
荒川の久那橋と浦山川の常盤橋を渡り、不動堂の傍らから湧き出る名水、不動名水での
どを潤す。そばの温度計は7度だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/6f/d456ce927491b2f34d829a76b6a40bab.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/5a/ee8cac23f889d5750a326e1403e78d3e.jpg)
古木のソメイヨシノの花に覆われた、秩父鉄道の浦山口駅に16時43分に着いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/d0/1f5d527fedb1e1681065ac99e0b071ed.jpg)
(天気 雨後曇、距離 13㎞、地図(1/2.5万) 秩父、歩行地 秩父市、歩数
26,800、累積標高差 上り約500m、下り約470m)
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一日中曇りかちで気温も低い予報だったが、月末で切れる西武鉄道のフリーカードを
使い、秩父市郊外の江戸巡礼古道をたどるウオーキングに行く。コースは、日本ウオーキ
ング協会設定の「美しい日本の歩きたくなるみち500選」の一つである。
小雨模様なので傘を差し、秩父鉄道の大野原(おおのはら)駅を10時9分にスタート
した。駅前の通りを西へ、斉戸橋の先で右折して間もなく、大畑町の宗福寺に入る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/42/017b776b6903aa31ca60d995dab776f1.jpg)
石や灯ろう、植え込みを配した庭は趣があり、大きな下駄が2足、石灯ろうの前に並ぶ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/50/17805105f684222f76acc01e4ce4766b.jpg)
カエルの石像が幾つも置かれていて、小さいお堂に「かえる寺」の提灯が下がる。シダ
レザクラが開花していた。
細い旧道を南西に抜け、秩父観音霊場第19番札所の龍石寺(りゆうせきじ)に行く。
観音堂は大きな一枚岩の岩盤上に建てられている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/2f/24e99f85ed96fd51934035d0a2987a9c.jpg)
かなり開花したソメイヨシノのほかに、境内には植栽はほとんどない。
荒川右岸に下り、国道299号の秩父橋のすぐ下流にある、歩行者と自転車専用の旧秩
父橋を渡る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/18/817d86892bbeeb363f834f34b49fd779.jpg)
昭和6(1931)年の竣工、埼玉県内では初期の大型コンクリート製三連アーチ橋で、
県指定有形文化財になっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/01/af77ef0e62f22fb0d1097eecab41f07c.jpg)
橋を渡って階段を下り、橋をくぐって国道の北側へ。国道の少し先から左手の斜面を上
がり、国道際の旧道を進むと、開放的な境内の光正寺があった。
寺の縁起に「境内に残る青石塔婆(あおいしとうば)は鎌倉後期の延慶3(1310)
年に建てられたもの」と記されていたが、青石塔婆が見つからない。探すのはあきらめ、
近くの秩父札所20番の駐車場のところまで進んだら右への表示があり、民家の間の細道
の奥に立っていた
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/33/cdf747920cf65509d0e6678f9ed3e7fc.jpg)
秩父札所20番の岩之上堂(いわのうえどう)は、荒川左岸の崖(がけ)上にある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/ba/c5b1bb2097b3583d0518dfbabad3991a.jpg)
方形造りのお堂は、江戸初期に造られたものとか。色彩の残る精巧な木彫や、たくさん
の三社札(さんじゃふだ)などにその歴史が感じられる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/c8/77fa1d39ea029ee0d7579b04dc49f4f7.jpg)
境内には樹木が多く、ハナモノ、シダレザクラ、コブシ、ヤマブキ、ショカッサイなど
が、色とりどりに花を競って咲いていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/1b/06363a1b3e8c8dbca4bcc97dd0448736.jpg)
荒川左岸段丘上の道を進む。雨で湿った展望の中に、モモや梅が彩りを添える。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/37/0c0248b53d985c8f35f9768a0817621e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/ff/8143e6ed7bece5fdf21754b48fc6db29.jpg)
畑のナズナは、水滴をいっぱい付けて立つ。養蚕農家だったらしい、間口の広い民家が
残っていた。
県道72号に出てすぐ先が、21番札所の観音寺(かんのんじ)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/05/f67967a24bc5aa6dc5bc1a97c05f909a.jpg)
道路際に宝暦14(1764)年建立の宝篋印塔(ほうきょういんとう)が立ち、その
前にお地蔵さんが並んでいる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/b7/d29c680173d234813c47a133129c0500.jpg)
県道の南側路傍には、この地の地芝居の役者の座頭、中村十九(とも)十郎の墓が立っ
ていた。
県道を700m足らずでJAの秩父農産物直売所があり、地元産の野菜や果物、漬物、
農産物の加工品、鉢花などが並んでいた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/a5/09bb35ff80848c982d50949341ae6dba.jpg)
小さいお堂の前のソメイヨシノが見頃の、大日堂前を通過し、斜張橋の秩父公園橋が近
くに見える上寺尾の三差路へ。「二十二番入口」と刻まれた大きな地蔵尊が立っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/0e/aefa7b228c99ed8787bb95e2d740efe0.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/cc/dd1c861701e38e51050e8bf020a6028a.jpg)
その前を進み、重厚なかやぶき屋根の山門をくぐると、22番札所の栄福寺。童子堂と
呼ぶ観音堂は、淳和天皇の弟の菩提のために、遍昭僧正が草創したものとか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/40/48ddfd10bd42e321fc27123b7a487ac9.jpg)
山門の仁王は「童子仁王」と呼び、童子の名にふさわしい愛嬌ある顔だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/7e/1c69bcc622a89b7fbf8e14b8c3c9ea18.jpg)
正午を過ぎ、雨も上がったので、本堂背後の太い丸太を借りて腰を下ろし、昼食をする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/41/4c1e3bc78e31e7f5dc8513f8a364f2d3.jpg)
寺を出てすぐ、巡礼道の標識に従い、草の道を斜めに進んで県道を横断し、家並みの終
わりから小鹿坂(おがさか)巡礼道に入る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/e4/b27a9b0a71fe04e962bc1d1335d85166.jpg)
杉木立の間の山道を上がり、一軒だけの民家のところから少し下って、23番音楽寺
(おんがくじ)の前に出た。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/31/534f82b166869074b4a511e236d69a78.jpg)
音楽寺は標高340m前後、小鹿坂峠の直下にあり、眼下に秩父盆地の展望が広がる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/92/24f70c6fc4f42e358fd9d2f27b38a779.jpg)
本堂の上部にあるどっしりした観音堂は、江戸中期の造りという。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/64/2c125a12aee8e3a70d622160cb5d996c.jpg)
明治17(1884)年の秩父事件の際、総理・田代栄助以下の群衆は、この観音堂前
の鐘を鳴らして秩父町に崩れこんだという。
寺の名にちなんでヒット曲にあやかろうと、演歌歌手の訪れも多いようで、お堂には何
人ものポスターが貼られていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/99/15b95245d1edb982e905f4845ec47f1b.jpg)
小鹿坂峠の稜線まで上がると、秩父市街を見下ろす13体のお地蔵さんが並ぶ。そばの
ソメイヨシノは、まだ開花し始めだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/2e/f912969214ee0797dcbf1ad8a30eb5da.jpg)
南側の秩父ミューズパークの駐車場に出て、まだ咲き残る梅園の梅の横を少し下る。梅
園の駐車場内にある標識に従い、再び巡礼古道の山道に入った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/9f/584904c50e8818fdb2dd94f9ac5f86d2.jpg)
芽吹き前の広葉樹林帯の中を下って行くと、アーチ状の砂防ダムの左岸に出た。ダムの
上部の斜面にハクモクレンが咲き競う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/7d/05c931414aaa7e5dcb90890789318b7c.jpg)
ダムの下に回り、ところどころの木に付けられた巡礼古道の標識に従い、さらに下る。
車道に出てY字路を右へ、少し上がったところに、宝暦13(1763)年造立の、大
きな「弁財天」碑が立っていた。再び林間の巡礼古道に入る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/01/28ada7503fe43c4a9c19c54c4052bf08.jpg)
一時、林が途切れ、南側の市街地の家並みなどが望まれる。谷間まで下って小さい流れ
を渡り、昭和初期までの生活道路だったという念仏坂を上がり、別所集落へ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/d8/8bf3096cda5c3c5202e17d31b0ea454d.jpg)
県道73号の西側、集落内の旧道を進んで、24番札所の宝泉寺に裏手から入った。こ
れまでの札所と同様の、方形造りの観音堂は江戸中期の造立という。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/6a/48adabcc11fdee726b7b71f23de884c9.jpg)
本尊は、室町時代作の聖観世音座像。武州恋ヶ窪の慈悲深い遊女がこの観音を信じて修
行し、毎朝怠らず食を供したとの縁起があり、お堂にその絵の額がある。
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近くに、クロモジが花を見せていた。
急石段を下った県道際に、「幸庵」という休み処があった。顔を合わせた奥さんから声
をかけられ、お茶と菓子をお接待いただいた。
県道の少し先から大久保への旧道へ。民家が途切れる辺りからは武甲山が望まれるが、
まだ上部は雲に隠されている。
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谷間を進んで大きな工場の下を回り、車道をくぐると、秩父の銘酒、秩父錦の「酒造り
の森」の看板があり、酒蔵資料館と物産館の建物があった。
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酒蔵資料館では、寛永2(1749)年から始めた酒造りの諸道具や記録などを展示し
ているというが、予定より時間も経過しているので入館は省き、秩父錦やワインなどを試
飲、販売している物産館を少しだけのぞいて出た。
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大久保の集落を少し下ったところに宝林禅院があり、本堂のほかに、比較的新しい秩父
十三仏霊場の普賢堂が出来ていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/a6/961d2d71c1b050d6f41ded2c37c1851d.jpg)
県道73号に合し、荒川の左岸段丘上を進む。交通量が多いが歩道がなく、段丘から離
れて折(おり)集落に入ったら新しい歩道が出来ていた。折区公会堂の先を右に入る。
久那小の横を通過して、今日最後の札所、25番久昌寺(きゆうしようじ)の山門をく
ぐる。門前のソメイヨシノが見頃になっている。
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東側の池の堤防から、シダレザクラの咲き出した寺を眺めながら境内に入る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/bc/fd5b3e521b5f833f655162d325c769de.jpg)
境内には、白梅やヤマブキ、水仙なども咲いていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/bd/8f0b0c31348e50d9ee1a7816cb86f504.jpg)
久那小の南から浦山口駅に向かう。正面に浦山ダムの堰堤(えんてい)が望まれるが、
堤の上部は雲に隠れている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/32/d058910b890e869c7372d4aa22cd3bef.jpg)
八幡神社の先から、見ごろに近いソメイヨシの並木が続く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/94/9eafb4133c589e091d0b511def8e91b2.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/7b/55e80a84845f3827738f16467890f93c.jpg)
荒川の久那橋と浦山川の常盤橋を渡り、不動堂の傍らから湧き出る名水、不動名水での
どを潤す。そばの温度計は7度だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/6f/d456ce927491b2f34d829a76b6a40bab.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/5a/ee8cac23f889d5750a326e1403e78d3e.jpg)
古木のソメイヨシノの花に覆われた、秩父鉄道の浦山口駅に16時43分に着いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/d0/1f5d527fedb1e1681065ac99e0b071ed.jpg)
(天気 雨後曇、距離 13㎞、地図(1/2.5万) 秩父、歩行地 秩父市、歩数
26,800、累積標高差 上り約500m、下り約470m)
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