あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

やまさんの「旅人活動50年のつどい」へ(東京・葛飾)

2012-02-27 18:21:27 | ウオーキング
 2012年2月25日(土)

 2月25日は、カントリーウオーカーで「歩く旅の伝道師」を名乗る、「やまさん」
こと山浦正昭さんが、高校3年生の試験休み期間を利用して友人と2人で、九州一周の
旅に東京駅から旅立ったメモリアルデーとのことです。

 以来50年、日本とヨーロッパを行ったり来たりして、歩く旅4万㎞、YH(ユース
ホステル)からYHへと歩いて旅して2,000泊という足跡を地図上に刻みました。

 この記念すべき50年目の日に、ささやかなつどいを開くというので参加しました。

 つどいは3部に分かれ、1部は11時に京成電鉄の柴又駅に集合し、歩いてやまさん
のお住まいの一角を提供した小集会施設「ふらっと」へ、2部はそのふらっとへ15時
に直接集合、3部は18時から同じふらっとで、というスケジュールです。

 私は1部から参加することにして京成高砂駅に下車、小雨模様の高砂から柴又の町並
みを抜けて柴又駅に行きました。


 11時までに柴又駅に集まったのは、やまさんとパートナーの敬子さんのほか、遠く
新潟県村上からはせ参じたSさんなどカントリーウオーカーの仲間や、日本ウオーキン
グ協会、千里道場、ユースホステル、中山道や韓国一周などでやまさんと一緒に歩いた
10人でした。

 駅を出て、参拝客で賑わい土産物店や食堂などの並ぶ帝釈天(たいしゃくてん)参道
を進んで、まずは「帝釈天」で知られる題経寺へ。


 参拝後、本堂の周囲に巡らされた帝釈天彫刻ギャラリーと、大庭園「𨗉渓園(すいけ
いえん)」を拝観することにしました。


 総ヒノキ造りの帝釈天本堂は昭和4年(1929)の完成。このお堂を巡る外壁の木
彫は法華経説話により取材し、当時の名人により彫られたものとか。


 重要文化財的価値があるといわれていますが、ほかでは見たことのない精巧な彫刻に
目を奪われます。




 そのお陰で、大庭園を見るのをすっかり忘れて本堂を出てしましました。

 豪壮な山門を出て南東へ、雨は小降りになり上がりそう。


 次に、江戸川右岸堤防間近にある「葛飾柴又寅さん記念館」に入り、映画「男はつら
いよ」でおなじみの寅さんゆかりの展示をゆっくりと観覧し、館内にある無料休憩室で
昼食をしました。




 記念館も一体となっている柴又公園に上がり、悠々と流れる江戸川を見下ろします。


 晴天ならば運行するはずの「矢切の渡し」は今日は運休、対岸の千葉県松戸市側にあ
るという目印の旗は上がっていませんでした。

 そこで、公園のすぐ北にある「山本亭」を参観することにしました。


 この建物は、地元ゆかりのカメラ部品製造業、山本工場の創設者である山本栄之助翁
の自宅だったとのこと。

 関東大震災後に当地に移住し、以後4代にわたって使われたものを、昭和63年
(1988)に葛飾区が取得し、3年後の平成3年から公開している建物と庭園です。


 書院造りと洋風建築を複合した和洋折衷の建物と、純和風の庭園とが調和していて、
国内外から高く評価されているとのこと。



 ひととおり館内を巡って拝観した後、居宅の一角にある掘りごたつのある部屋で、来館
者に説明されているTさんから、万葉カルタや貝合わせのことなどをゆっくりとうかがい、
平安時代や鎌倉時代などの日本伝統文化の一端に触れました。




 雨は上がり、再び柴又公園に出て江戸川右岸堤防を下流に向かって進みます。



 北総鉄道北総線の鉄橋の先まで進んで堤防を降り、ソメイヨシノの並木に沿った延長
500mの「親水さくらかいどう」に入り、北北西に進路を取りました。


 街道の入口にあった大きな水神塔です。



 京成電鉄金町線の踏切を越えて北西に伸びる佐倉街道に入ると、「似顔絵コインラン
ドリー」の看板が目についたので、入ってみました。

 なんと、コインランドリーの壁面と天井は、著名人の似顔絵で埋まっていました。

 ゆっくり眺めて、「これは誰だろう」と名前を思い出していると、洗濯が仕上がると
いうことになるのでしょうか…。

 通りの尽きたところの近くが、今日の2部、3部会場の「ふらっと」です。

 建物の外回りには、やまさんが描いた葛飾のお店のスケッチ、ご近所の方の似顔絵図
鑑、敬子さんが昨年12月まで留学されたときに描いた、デンマークの風景画や絵地図
などが、ところ狭しと貼られていました。




 直接来られた方10人近くを加えて狭いスペースに集まり、15時過ぎに2部が始ま
りました。


 やまさんの話の幾つかを紹介すると、歩きの質を高めるためには「地図を見て、会話し
て、記録する」こと。山歩きのように決まったコースを歩くのでなく、村や町をつなげて
歩くヨーロッパ型の歩きは、コースは自分で選択して決める、それは画一的なコースに乗
ろうとしたくなる人生の行程にもつながる。ユースホステル活動の基本は徒歩による長い
旅だが、その理解者がほかにいなかった。歩き旅では、そこで暮らす人々が幸せになるお
手伝いをしたい。続けている日本一周徒歩旅行の今後の予定や、今年から2年がかりで行
く地中海から大西洋までのヨーロッパ横断の旅のこと。漠然とした目標では無く夢を実現
するための目標を立てること。など、山浦哲学ともいうべき数々の話がありました。


 周囲が薄暗くなってきた頃、電気の代わりにローソクを灯して3部が始まり、みなさん
が持ち寄ったものなどで乾杯をして、やまさんの歩き旅50年をお祝いし、おでんやつま
みもの、菓子などを頂きながら歓談しました。

 そろそろ失礼をと腰を上げたときに、やまさんと一緒に50年前に九州旅行したという
Yさんが来られ、やまさんとの旅や「山浦はロマンチストだ」など、やまさんの人柄のこ
と、ご自分の仕事などについて話されました。

 次の日の予定もあったので18時半頃に失礼をして、JR金町駅に向かいました。
 


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コメント (2)
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