魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

不言黙行

2020年12月15日 | 日記・エッセイ・コラム
気持ち悪い
人間誰しも「助平」だが、むっつり助平は嫌われる。何をするか分からない沈黙は「気持ち悪い」、つまり怖い。
助平ごころの成就には、先ず、コミュニケーションがなければならない。相手と「コト」を行うには、相手の了解が必要だ。相手が納得しないで「ヤル」と、大反撃を受ける。
相手に納得してもらうには、真摯で丁寧な解説より、実際には、調子のいいウソの方が効果が大きい。
お笑い芸人がモテるのは、笑いで麻痺させ、口八丁で誘導するからで、商売も、真実より客を信じさせるとよく売れる。どんなにモノが良くても無名品を買う人は少ないが、ブランド品なら高値でよく売れる。

田中、中曽根、安倍の一白政権が大人気したのも、客(国民)を喜ばせ信じさせたからだ。
一白は「穴」であり、人体でいえば下半身。秘密やウソ、企みを表し、酒場や風俗の欺しテクニックなどもこれで、ほとんどの人が、それに欺される。『なんか、怪しいけど、まっ、いいか』と、雰囲気に飲まれる。
どんなに良い人でも、突然、「コト」に及べば、犯罪者だ。口下手なオッサンは即!セクハラになるが、口達者であれば、若いイケメンでなくても容易に不倫?に持ち込める。

菅政権は、はじめは期待されたが、支持率がガクンと落ちた。
GOTO&コロナと、理由は山ほどあるが、なんといっても、口下手の「むっつり助平」が災いしている。GOTO停止も「むっつり」だ。いきなりだから、不満しか聞こえてこないが、その代わりプロセスのもめごとは無い。恋のさや当ては避けるわけだ。
コロナ事態を治めるのは、天才的な手八丁口八丁でなければ出来ないことで、口八丁の安倍一白政権さえ、さすがに尻尾を巻いた。
コロナ事態を逆手にとれるのは、ヒトラーのような天才で、それを知ってか、ドイツのメルケル首相はついに、ヒトラーばりの緊急演説をした。文楽人形のような無表情の菅総理にはできない相談だ。

しかし、いろいろ言われているものの、菅政権の、今回の経済対策73兆円には見るものがある。コロナ後の経済構造転換を厚くしたのは、従来のポピュリズム、その場しのぎのお為ごかし政策とは一線を画している。むっつり助平ならではの黙ってヤル、管政権の真骨頂だ。
これも説明がないから、目先、不審がられて評価はされないだろうが、後で効いてくる「米百俵」だ。ただし、新しい利権に食らい付こうと集ってくる餓鬼や、魑魅魍魎を払いのけるのは難しいだろう。
それでも、時代と環境が変われば、一から始める方が、あらゆる面で負担が少ないことは確かだ。新しき器に注ぐ新しき酒を期待したいところだが。はてさて、むっつりでは?