魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

女難の相(2)

2019年10月08日 | 占いばなし

「誰にでもいい顔をする」女難の相は、いわゆる八方美人ほど要領は良くない。それほど積極的ではない。
八方美人には、積極的と消極的があり、積極的な八方美人はそれを武器として世渡りをするから、危険を心得ておりスキが無い。しかし、女難に遭遇するような消極的八方美人は、悪意ではないが無自覚で、自己制御できず脇が甘く、状況に引きずられてしまう。実際には、八方美人にもなれず、主体性がないので強く出る者に弱い。

関わると危なそうな人間でも、最初の段階で逃げずに関わってしまう。自分ではいろいろに理屈を付けて言い訳をするが、根底に、無自覚な欲があるからだ。
普通、左手にダイヤを持っていても右手に爆弾を持った人には近寄らないが、このダイヤに惹かれて近寄るのが女難の相だ。ところが直接、「ダイヤをあげる」と言われると、近寄らない。あからさまに自分に欲があるとは認めたくないからだ。
そして、結局、ストーカーのような駆け引きのない、ある意味、純粋な情熱、または、一方的な欲望に翻弄されることになる。

また、もう一つの特徴として、口とは裏腹に、自分は良い人で、魅力的であり、人に好かれて当然だと無自覚に信じている。
余談だが、クールジャパンなどと悦に入る、独りよがりな日本に、この傾向はないだろうか。

ストーカはどこにでもいる
ストーカーは「stalk=つきまとう」人のことだそうだが、付きまとうばかりがストーカーではない。動機も出方も様々だ。
犯罪行為なら誰の目にも分かるが、それは特殊な例で、普通の男女関係、夫婦関係の中にも様々な形で隠れており、あからさまな犯罪ではないから、余計やっかいだ。
嫉妬深い妻や夫、過剰な束縛、女房や亭主の自慢、子育て方針のトラブルに至るまで、「女難」(異性難)に当たるストーカー行為と言える。そして、本人がそれに気づいていない分、重傷かもしれない。
ストーカーは強烈な恋愛感情だが、もともと、「恋」とは独りよがりで自分勝手な思い込み。恋愛は「相互の思い込み」の同床異夢で、気が抜けるまではストーカー同士を恋人と呼ぶ。

日常に潜むストーカー・トラブルは犯罪ではない、ただの男女ギャップに見える。一方が思い込みを維持し続けたり、強めたりしているのが日常のストーカーで、ストーカーとは呼ばず、むしろ、アツアツの仲と見られることが多い。
一方が、相手と現実的な折り合いを付ける気がなく、自分の願望や思い込みを強要する。
その結果、現実的な結婚生活よりも、自分が決めている、記念日重視の生活や愛に満ちた日々、親としてのあり方などにこだわり、互いの協調どころか妥協も受け入れない。
小坂明子の「あなた」のような、少女の思い込みの世界だ。