魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

自分目線

2019年10月01日 | 兄弟関係

輸出規制で、日本の説明なき実力行使に、面食らった国々の反応が面白い。
人間というものは、不可解な現象に、先ず自分の先入観で理解しようとする。
科学的思考をする人ほど、答えを出さないが、非科学的思考をする人ほど、即断しようとする。

今回、最も早く「決めつけた」のは、言うまでもなく韓国だ。
日本が、歴史問題の報復に出たと決めつけたが、これこそ語るに落ちるで、自分たちのこれまでの行為を、反撃を食らうかもしれないと、潜在的に恐れていた、あるいは、期待していたからだ。
だから、「やっぱり!」、「ついに出た!」と決めつけ、待っていましたと、そう出たらこうしてやる!と、これまたいつも通りの反撃に、目一杯の力で火を噴いた。
「人の弱みは叩くだけ叩け」と、考えているから、逆にやられたと受け止めた。

横で見ていた中国は、日本が、見くびられまいとして、本当の強さを誇示したとか、産業競争の中で、本気で韓国を潰して、日本の産業を復興させようとしているのだとか、韓国にお仕置きをしたのだとか、様々な憶測で決めつけた。
これは、メンツ、支配、崛起と考える、序列思考の中国らしい見方だ。

対岸の火事の欧州は、科学思考で冷静に事態を見極めようとするが、道理を越えた騒ぎで良く解らないから、コメントしようがない。
自分たちのことで精一杯のASEANも、金持ちの喧嘩など「知らんがな!」だ。

中韓それぞれの反応は、「自分ならどうする」が、前提になっており、当の日本に聞いて確かめる気はさらさらない。
関係のない第三国なら確かめる気がないのは当然だが、直接、関係ある中韓が、思い込みと決めつけだけで答えを出そうとするのは、彼らとの付き合い方に大いに参考となる。
事実や論理の通じない国であり、印象や力関係がものを言う。合理的な話し合い、「法」ではなく、徳や情といった、漠然とした表面的な雰囲気の下で、「利害」優先の、力の序列作りがものを言う、ということだ。ハッタリ、脅し、賄賂、謀略・・・闇の世界だ。

一方、日本の本音は、中韓の読みとはかけ離れている。もちろん他の第三国には、全く理解不能だ。
日本には、何の利害意識もなければ、正義の鉄槌でもない。 単純に「堪忍袋の緒が切れた」のだ。
日本がこの手の行動に出るときは、もう、損得、後先など考えていない。 誰にも言わず、愚痴もこぼさず、「折れて折れて、耐えて耐えて」、そのあげく、もうどうなっても良いと、殴り込みをかける。だから大抵、得することはない。
時が過ぎて、歴史として振り返ると、なんて馬鹿なことをしたんだろうと、色々反省するが、後の祭りだ。
日本は、複数の有力な国や情報機関に、事前に説明したり、リークしたり、あるいはネットに噂を流して、第三者に解って貰う努力、情宣活動を充分にしたのだろうか。
何でも自分一人で完結してしまう、一人っ子、日本。もう少し、他人を意識し、頼った方が良いのではなかろうか。