魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

気宇壮大

2015年10月17日 | 日記・エッセイ・コラム

オバマ大統領は、結局、米軍のアフガン撤退を完了できなかった。
三碧大統領の口だけ公約の結果とも言えるが、きれい事では現実世界は収まらない典型でもある。

オバマ大統領は、平和や核廃絶など、「夢のような」ことばかりを言って大統領になった手前もあって、強硬手段には、ことごとく及び腰だ。
火事は予防が何より大切だが、目の前で起こっている火事に、「まあまあ、落ち着いて」と言ったところで火は消えない。

火は小さいうちに消してこそ意味がある。大きくなってしまったら、家ごと壊すしか方法が無くなる。アフガン、イラクでは、火がまだ燃えているのに、「手荒いことは止めます」と、軍を引き上げようとした。シリアでは「やったら許さんぞ」と言っておきながら、化学兵器が使われても、何もしなかった。南シナ海では見て見ぬふりをした。そのくせ、ウクライナでは唐突に経済封鎖を掲げた。

何にも言わずに動かないでいれば、まだ威圧感がある。しかし、言うこと成すこと軽々しくて、誰も怖がらなくなった。アメリカが弱体化しているとは言え、あっちでもこっちでも、世界中がやりたい放題になったのは、オバマ政権の軍事音痴、いい子ちゃん政治で、アメリカの威厳が壊れたことの方が大きい。世界はほぼ、タガが外れた状態だ。

オバマだけではない。アメリカの民主党だけ見ても、中途半端なきれい事にかまけて、状況を悪化させ、結局は、大事の戦争に発展させている。

人生でも、人間関係を根本的に悪化させるのは、悪人より、「良い人」になりたい人間だ。
良い人になりたい人間は、自分が少しでも非難されたり悪く思われたりすることを恐れ、八方美人やイエスマンになったり、陰口叩きをする。人間関係がもめている時には、必ず、この「良い人」が存在している。

「良い人」にも色々なタイプがある。何が何でも自分は悪くないと、言い訳や同情を誘うタイプ。逆に、自分が潔い正直者であると思ってもらいたい一心で、何でも自分が悪いと罪を買って出る。どちらも、現実に正直では無いから、こういう人が動き回ると、誤解が絡み、話しがややこしくなり、もめ事が起こる。

政治がおかしくなるのも、良い人主義、理想主義が先行する時だ。右翼左翼に関係なく、抽象的な「有るべき姿」や「希望の未来」にこだわった政治は、人を不幸にする。
「Yes We Can」、「一帯一路」、「八紘一宇」・・・現実離れをした、何か素晴らしい響きには、要注意だ。

これに比べ、「一億総活躍社会」は、語呂も悪く気宇壮大でもない。
また、「富国強兵」「所得倍増」などは、努力目標や現金なスローガンだから、夢とは関係ない。