今年になって、中国は尖閣問題を棚上げすべきだと言い出した。
2010年の尖閣事件は、前原元国交相の場当たりな無責任行動もあるが、中国の慢心の方が大きいだろう。
鄧小平の「?光?晦」策は、日本語で言えば「能ある鷹は爪を隠す」ということになるのだろうが、GDPが日本を抜いて、大方の中国人は、「キターッ」と舞い上がってしまった。
易の二進法を生んだ、二者択一思考の中国人にとって、同時多元的な思考は難しい。
白黒、勝ち負けで、考えるから、GDPで上になったのなら、日本より上だ、アジアの盟主の座を奪還した。そう思ったようだ。
そうした気持ちは、無教養な一般市民だけではなく、共産党の中枢部にまで及んで、もう、とても爪を隠しきれなくなってしまった。
アメリカには勝てなくても、古来の周辺国は当然、中華帝国に朝貢すべきで、黙って道を開けろと、「シナ海」の所有権を主張し始めた。
2000年の冬眠から目覚めた皇帝が、駅のホームで怒鳴り散らしているような、何とも滑稽な、恐るべき時代錯誤。
その本気の狂気に、ホームにいた人は、サッと身を引いて遠巻きにし、公安官のアメリカも駆けつけてきた。
さすがに、なんか変だなと思い始め、慌てて「なーんちゃって」と、大人しそうな態度を始めたものの、もう手遅れだ。
「アブナイ人」であることが、みんなに分かってしまった。
「尖閣問題を棚上げすべきだ」と、上から目線、指導的物言いで言ってみても、池のメダカの「これぐらいにしといたるわ」状態だ。
厄年は避けられない
惑星が自分と180°にいると「やり過ぎの失敗」をする。それが冥王星なら国運の厄年のようなもので、後半生に関わってくる重要な分岐点になる。
冥王星→射手座でアメリカが失敗した後、冥王星→山羊座で中国もきっちり失敗をしたようだ。国運に関わる冥王星の厄年は、42歳ではなく三倍の120歳だ。
まだ、中国国内では失敗に気づいていないだろうが、そのうち転んだ痛みで初めて気づく。
厄年で不調に気づいた人は、自分が老境に向かい始めたことを知り、それまでとは違った生き方を身につけなければならない。
アメリカは二大政党制に限界が来ている。中国はまだ10年以上はかかるが、一党独裁に限界が来るだろう。
ただ、東洋のタテ型思考や血統主義からすれば、一党独裁が崩れても、合衆国のように纏まれるとは思えない。
中国には賢い人も多いが、そうでない人も多い。