転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



家に帰ってきたら、疲れが出た気分になった。
入院生活には、日々、緊張感と安心感の両方があり、
24時間が管理されていて、私もしゃきしゃきしていたが、
帰宅したら、もう何も自分を制限するものがなくなったので、
いっぺんに緩んでしまった。
軽く頭痛もするし、気力も続かないので、寝てばかりいた。

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私にとって、今回の手術でとても印象に残ったのは、
やはり初めての全身麻酔だった。
「じゃあ、麻酔のガスを入れていきます」
と言われて、一呼吸したところはまだ正気だったのだが、
二呼吸目の途中で、無影灯がユラっとなって、
「あ~、なんかふわふわしてきました~」
と言ったあたりで、記憶が途切れた。

その次は、大抵の手術体験記にも出て来る通り、
麻酔医の「転妻さん、終わりましたよ~」で目を開けたのだが、
私にとっては、ここまで一瞬だったという感じではなく、
しばらく寝入っていて、今、起きた、みたいな熟睡感があった。
手術場にいることも、自分の状況もすぐわかった。
取り立てて苦痛もなく、醒め際の錯乱も、無かった(筈だ)。

そして、病室に帰るまでの途中でもっと覚醒して来て、
今度は体がわなわな震えるのが止められなくなった。
病室に到着して検温されたら、体温35度1分で、私は、
「有り得ん。まだ半解凍じゃないか」
と内心で思った。普段、私の体温は37度前後あるので、
こんな低体温で生きているのが我ながら驚きだった。
この頃は、頭がくらくらして、倦怠感もあった。

電気毛布は「強」にしてあるから、と看護師さんが仰って、
しばらく温めて貰っていたら、だんだん気分が良くなった。
その頃、体温36度1分、と言われた覚えがあって、震えも止まり、
「今度こそ、本当に、目、覚めたっ」
と私は主人と娘に言った。病室に戻って小一時間経っていた。
「ああ、ようやく、唇が赤い色になって来たね」
と看護師さんにも言われた。

思うに、今回に関する限り、私の、全身麻酔のイメージは、
「冷凍人間」だった。
私は3時間ばかり急速冷凍され、半解凍された段階で病室に戻り、
その後、半時間ほどでようやく解凍が完了したのだった。

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