広島人として生きていくのに大事なことがいくつかあって、
そのひとつの例は、先日も話題にした通り、
イラクがどうにかなりそうだということより、
とりあえず「カープの新球場」のほうが一大関心事、とか、
あるいは、与党幹事長が改憲について何言ったカニ言ったよりも、
今は「広陵高校の野球部監督辞任」のほうが大事件、とか、
まぁ、そのようなものなのだが、
連休というと、これまた、
広島市民が絶対ハズしてはならないイベントがある。
それは、『フラワー・フェスティバル』。
これが実は、西日本では例年、
「博多どんたく」に次ぐ、屈指の人出を誇るイベントだ
(広島っ子はこの期に及んで「博多どんたく」なんか知ったこっちゃないが)。
この祭りの期間中、連休の広島市内は壮観だ。
知っている人は知っている『平和大通り』を、
次から次へと、大音響とともに派手なパレードがやって来る。
道路の両脇は数え切れない露店が軒を連ねている。
また、市街地のあちこちにある特設ステージでは、
夜を日に次いでのイベントが三日間、繰り広げられ、
その多くは連日、地元テレビ局で中継される。
それで、私も、今日は行った。
私は本来、祭りなんてあんまり好きではないのだが、
広島市民を名乗る以上、娘には『フラワー』なるものを
一度はきちんと見せておかねばならないと思ったし、
「連休くらい、子供をどっか連れて行っちゃれ」
と舅も朝から繰り返し言っていたからだ。
しかし。
想像を絶する人出だった。
これまた知っている人は知っている神戸の『ルミナリエ』の、
まるで点灯式の晩みたいに、もう、むちゃくちゃに人が多いのだ。
前後左右を人に囲まれて、娘を見失わないようにするのがやっと。
まともに歩けないし、横へ逸れるのもタイミングを計らないと危ない。
結局、人垣の遙か向こうの、露店の連なりの、
更に向こうにあるらしい、「平和大通り」のほうから、
「ヘイ~~っっ!!」
「ハ~~っっ!!」
と何か尋常でない呻き声と地響きのする音楽が聞こえていただけで、
肝心のパレードは全然見えなかったし、
いろんな色の服を着た人が大勢視界を横切るので目が回るし、
私の「フラワー・フェスティバル」は単なる肉体的拷問だった。
娘がそばで言っていた。
「も~、歩き疲れて、足が痛いよ。
でも棒にはならないんだよ。太いから。丸太になった」
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