昨年度のPTA委員会のときの、学校長からの説明では、
娘の通うA高校も、高校授業料・実質無償化の恩恵に与り、
私立なので全額ではないが、一部金額が補助され、
各家庭に対しては、授業料引き落とし金額が減る、
というかたちで支給される予定だとのことだった。
あれから具体的にどう決まったのか、現時点ではわからないが、
私は、私立の中高一貫校に助成は不要だと、実はずっと思っている。
確かに、家計の面からは、どのような補助も有り難いには違いないが、
一方で「余分な税金を使わして貰うことは、ない」という、
我が舅の(!)教えは至言であって、
国の経済に余裕のあるときならともかく、ここまで困窮した時代には、
自分から私立の一貫校を選択している家庭まで一律に、
今回のような助成の対象としては、いけない、と私は思うのだ。
高校しかない私立や、高校募集のある私立に高校から入る場合は、
本来、公立高校を希望していたのに入試で不合格になった等で、
不本意ながら私立を選択することもあると思うし、
そもそも経済的事情のために、私立では今後三年間がかなり厳しい、
場合によっては進学自体、断念せざるを得ない、と考える家庭もあると思う。
だから私立高校全般に助成が不要、とまでは私は言わない。
だが、私立の一貫校に限っては、完全に自分から希望して入るものだ。
公立中学進学が保障されており、公立高校進学が可能な環境の中で、
敢えて親や本人の考えをもとに、勝手に中学から私立に進んでいるのだ。
そして、その入学時点で既に、高校まで6年間通うことが前提になっている。
高校無償化が決まる以前に私立中学受験をさせた家庭ならば、
皆、こういう了解で子供を入学させている筈だ。
全く経済的な見通しが立っていないのに、とにかく入学だけさせた、とか、
ほかに全然選択の余地がなく、やむにやまれず私立中学に行かせた、
という家庭は、常識的に考えて、無いだろう。
更に、A中高の場合、在学中に家庭環境の激変などにより
就学困難となった生徒には、もともと学校のほうで
奨学金などの救済措置が設けられてもいる。
これは多分、他の多くの私立も似通った状態である筈だと思う。
今の日本が、こういうところに税金を使うのは、
それこそ「ムダ」というものではないか。
日本は今や、学問や芸術まで「仕分け」せねばならないのだから、
経済的に末期的とも言える酷い状況である筈だ。
それなのに、自分で望んで費用をかけているような家庭にまで
変に「平等」な恩恵を与えるものではないと思う。
政府はもっと政策の中身を「仕分け」するべきだ。
繰り返すが、個人レベルでは私だって、貰えるもんなら貰いたいのだ。
ちょっとでも出さないで済めば助かる、と私も当然、思っている。
年間11万8千円が補助されるかされないかにより、
娘にしてやれることにも自ずと違いが出て来る、とわかってもいる。
しかし今、もはや、そんなことが言える状況ではないではないか、
と世の中を見ていて思う、ということだ。
Trackback ( 0 )
|