転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 

番外  


・『CHICAGO』のママ・モートン役の田中利花さんが、
「記者達が来たわよ」の台詞を出だしで思いっきり噛んでおられて
プロの舞台でもここまで真面目に噛むことってあるんだと
私は感心してしまったのだが、なんとそのあとの『私生活』で、
エリオット役の内野聖陽さんまでも、一幕だけで二度も噛んで、
私はまたまた驚いてしまった。
思うのだが、噛んでもつっかかっても、言い直しをしないほうが、
まだしも「なかったこと」にできるのではないだろうか。
何かワケのわからない発音の箇所があっても、観客は案外気にしていないし、
それより同じ台詞を二度言ったりして流れを損なうほうが、
かえって目立ってしまうように思った。
ほとんど反射的に言い直してしまうものなのかもしれないが・・・。

・『CHICAGO』梅田芸術劇場の二階席は、上演時に暗いのは当然としても、
開演前や休憩時までも、客席の照明がひどく暗いのには閉口した。
一階で観劇した友人は、そんなことはなかったと言っていたので、
二階だけが暗かったのだろうか。
ロビーから二階客席に入った途端、席を探すのも、つらいものがあった。
私の背後でも、先に来ていた年配の女性ふたりは、
完全に違う席に座っていて、後からその席のお客さんが来て、
「え、違いまっかいな」
「そっちやと思うんですけど。ごめんなさい」
「あら~、えらいこと、すんまへん。ぬくめてしもて
と、イリノイ州シカゴとは懸け離れたナニワな会話が
後ろのほうで展開され、私は悶絶した。

・『私生活』の休憩時、近くの席にいた女性が連れの男性に、
「凄いわねえ、よくあんなにペラペラペラペラって台詞が言えるわね」
と感想を仰っていた。
私は内心、『CHICAGO』のビリー(河村隆一)の言った、
「そこで僕が正義とナントカについて喋る、べら、べら、べら」
の箇所を思い出して、苦笑しそうになった。
しかし奥さん、この舞台はいずれ劣らぬ名優揃いであるうえ、
しのぶちゃんってのがまた、際だって滑舌がよろしいのですよ。
あれだけ声色を使い分けて、小さい台詞もすべて客席に届ける、
というのは、苦もなくやっているようでいて、
その実、驚嘆するほど凄い技術だと思いますよ~。

Trackback ( 0 )



« 『CHICAGO』 ポゴレリチ来日! »