転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



私は高校野球に熱中したことがない。
神戸に住んでいた頃でも観戦に行ったことなどなく、
近年はもう、広島の広陵学園などが決勝にでも進出しない限りは、
最終的にどこが優勝したかも知らない年のほうが多いくらいだ。
春のセンバツの出場校数が32、夏の甲子園出場校数は49、
などということも、昨年、通訳案内士の「一般常識」科目のために
勉強して初めて知った。

しかし、主人は違う。彼は昔から高校野球を観てきた。
もちろん、今年も毎日熱心にテレビ観戦している。
この人は、野球自体がもともと好きというのもあるが、
高校野球の段階で有望な選手は誰だとか、誰それはドラフト1位指名だろうとか、
将来的なプロ野球での活躍を視野に入れたうえで、
学校単位の勝敗とは別に、選手ひとりひとりを見るのが面白いらしい。
主人の部屋に行くと、最近はテレビが朝から晩まで野球をやっている。
忙しくて観られなかった試合まで全部、録画してあるようだ。

それらが耳に(目に)入ってきて、私も私なりに、
「これは面白い」と思うことが、いくつかあった。
まず、最初に目からウロコが、いや、コンタクトが落ちた思いになったのは、
群馬代表・健大高崎高校の校歌を聴いたときだった。
健大高崎校歌(YouTube)
Be togetherもショックだったが、WowWowにはもっと感銘を受けた。
私の中の、「校歌」の常識が覆った瞬間だった(笑)。
ここまで斬新だと、校内でも地元でも、さぞかし賛否はあったことだろうと思う。
しかし画面を見ていて、古めかしい校歌でも斬新な校歌でも、いずれであっても、
生徒さんたちが本当に誇らしい思いで校歌を歌う姿は、良いものだとも思った。
自分自身を振り返ってみると、とくに高校の校歌は、歌う機会が非常に少なく、
ましてや、心からの愛着を持って歌ったことなどほとんどなかった。
中年になった今、それは残念なことだったなあと思わずにいられない。

次に、私がビックリして顔を上げて画面を見直してしまったのは、
青森の光星学院が2回戦を突破して、主将がインタビューに答えていたときだった。
東北の学校なのに、なんとその主将の生徒さんはバリバリの大阪弁だった。
聞けば、光星学院はスポーツに大変な実績があり、中でも野球部は、
大阪を中心に日本全国から優秀な選手たちが集まってきているのだそうだ。
なるほど、この主将も大阪出身だということか、……と思った私は甘かった。
主人の話では、彼は沖縄出身なのだそうだ。
つまり彼は、部活で大阪人に囲まれた結果、大阪弁がウツったのだ。
沖縄から青森に野球留学して、大阪弁までマスターしたという(汗)。
関西人は、他県へ行って同郷の人間が周囲に全くいなくても、
お構いなしに独りで、一生でも関西弁を喋るものだが、
関西人が複数でよそへ移ると、行った先の人たちを簡単に関西弁に染めあげてしまう。
恐るべし、大阪弁の浸食力、と私は画面を観ながら思った。

さて今回、広島県からは如水館高校が出場しているのだが、
広島市内の学校ではないので、私自身は日頃、接点が無かった。
ただ迫田監督は、私たち世代にとっては「広商の監督」という知名度があった。
きょう勝って如水館はベスト8進出を果たし、地元としてはやはり嬉しく思っている。
惜しむらくは、明日の準々決勝が岡山の関西(かんぜい)との試合だということで、
これにより、どちらが勝っても中国地方代表校がひとつ消えてしまうことになる。
それにしても、如水館の校歌が大林宣彦の作詩に久石譲の作曲だったとは、
これまた全然知らなかったので、画面で見て驚いた。
さきの健大高崎とは別の意味で、これまたいわゆる「校歌っぽい校歌」でなく、
いかにも90年代に新たなスタートをした学校、という印象があった。
なお、主人によれば、如水館の「押して押して、チャンスを作りながら、その都度逃す」
という野球は、広島カープを連想して、たまらんものがあるということだ。

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