転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



私の素晴らしい4連休が、きょうで終わり……(爆)。

インフルに罹ったことが良かった筈はないのだが、
こんなに大手を振って寝たいだけ寝ていたのは久しぶりで、
本当に素晴らしい、極楽とはこのことかという4日間だった。
体は文字通りの「極楽」ではなかったが、心は「桃源郷」であった。

現実世界のアレもコレも放置・放棄で、
枕元にCDプレイヤーと本を持ち込み、
忙しくて日頃聴けないCDを聴き倒し、読みたいものを読み、
寝たいだけ寝て、食事は主人に買って来て貰い(爆)、最高だった。
体調不良の時の私の療養音楽は大抵モーツァルトなのだが、今回も、
 ピアノ四重奏第1番と第2番(ピアノ:イェルク・デムス)、
 ピアノ協奏曲第9番・12番・21番・27番(ピアノ:フー・ツォン)
をとりわけ繰り返し聴き、
モーツァルトの音楽には天空の星々がちりばめられているのだなと感服した。
『俯仰して宇宙を終せば 樂しからずして復た何如』
(寝転んで宇宙を見渡し、こんな楽しいことが他にあるか)
と陶淵明が言ったのはこのことかと(違!!!)心足りた思いであった。

しかし、私がこんなことを言っていられたのは、
予防接種してあり、かつ、イナビルを速やかに使ったからであって、
かつて二十代で、マトモにインフルに罹ったときの苦痛を考えると、
医学の進歩は素晴らしいとしみじみ思った。
インフルなんか罹ったことない、と妙な自信を持っていた24歳のとき
予防接種を受けていなかった私は、ある日咽喉の違和感から発熱に至り、
39度近い高熱が以後4日間続き、手持ちの風邪薬でそれをごまかしながら、
悪寒と灼熱地獄の繰り返しに耐えることになった。
一人暮らしで、高熱になったら最後、医者に行く気力も失ったが、
行けていたところで、タミフルもリレンザもない時代だった。
微熱にまで下がったあとも、何も飲み込めないほど咽喉が痛み、
絶え間ない咳と完全な鼻閉で息が苦しく、まともに夜も眠れず、
「確かにスペイン風邪で人が死んだ筈だ。これはキツい…」
と夜更けに布団の上に正座して苦悶しつつ、考えたものだった。

「インフルかもと思ったら、医者に行くより家で寝ていろ」
と、良識あるお医者様方が時々、Twitter等で発言されているが、
正しいかもしれないがそれでは患者が辛すぎる、
と私は正直なところ思っている。
確かに、普通に体力があればインフルですぐ死んだりはしないし、
大半は日にちの経過とともに、いずれなおるに決まっているのだが、
なんの投薬治療も受けず、確実にインフルと診断をして貰うこともなく、
数日間とはいえひたすら高熱に耐え続けるのは、並大抵ではない。
そもそも、体の苦痛が度を超すと、文字通り七転八倒で、
横になってゆっくり休むことなんか到底出来ないのだ。
また昔の私がやったように、家にある風邪薬をインフルのとき使うのは
脳症などを起こす危険がないわけではない行為だ。
インフルで解熱したいなら、アセトアミノフェンを服用すべきで、
これの市販薬はタイレノールというのがあるが、
家に常備している人はそんなに多くないのではないか。

私の思う、最も苦痛のないインフルの治し方は、
インフルかもと疑った時点で、近所の内科に連絡して指示を仰ぎ、
発症から48時間を経ないうちに受診し、抗ウィルス剤を貰う、だ。
もともと私は医療機関が嫌いでないほうではあったが、
今回のことで私はその考えに確信を持った(^_^;。
医師の診察と検査により、インフルだと言って貰えるだけでも、
原因が特定できて、まず一段階、心身ともに楽になる。
「インフルエンザの場合、早めの受診より、基本は自宅安静です」
というtweetを昨日も見かけたが、それに従った場合、
以後数日間の苦しさは完全に患者持ちになり、私には耐え難い。
今年のインフルでは、早めに対処して貰ったからこそ、
私の症状は速やかに改善され、文字通り「寝て」過ごすことができた。
これこそ本来の休息というものだったと思っている。
インフルになっておいて、こんなことで勝ち誇っても仕方ないのだが、
これが、今の私の実感である(^_^;。

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