転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



きょうは、完全な休日だ。
久しぶりに休みの日が来たことで体感できたのだが、
朝から晩まで全く仕事の予定が入っていない一日は、ラクだ。
心身が解放される。休んでみて、そのことを思い出した。
「昼2時間と夕方2時間の勤務」とか「夕方から出勤」みたいな日は、
仕事時間以外に数時間のまとまった空白があるにはあるのだが、
結局、心身ともに力が完全に抜けることはない。
「○時まで!」「あと残り○分!」という期限付きの自由時間は、
いつでも中断できる程度の雑事を片付けるには良いが、休息するには足りない。
はからずも7月と8月は会社に奉仕することになってしまったので、
「9月からは、夕方18時以降の勤務は一切しない」
と私は先日会社に明確に申し出た。
あまりにも自由になる時間が少なすぎて、もう我慢ならんのだ(--#)。

そうでなくても9月10月は、実家の村の秋祭り関係で駆り出されるのだ。
境内および駐車場の掃除と草抜きをしたり、
町内会で何やら集めて歩いたり、神社の参道に幟を立てたり、等々(--#)。
そのうえ、祭りと正月には、夜中まで篝火を焚いてどうとかこうとか、
総代さんたちが先日話し合っていたが、私は聞いてないからな(^_^;?
昨年から本格的に、父の代わりにあちこち手伝いに出るようになって、
私は、村の中には随分たくさんの小さな神社があったことを知った。
一番大きな神社は、昔の村社(そんしゃ)だったか何かの八幡様で、
ここの祭りが村で一番大きな行事ではあるのだが、
それとは別に、会社で言うとそれの支社や支店みたいなかたちで、
各地区に小さなお社があって、各々、神様が祀られている。
車で入れる道路に面した神社もあるが、中には、
けもの道みたいな細い山道のつきあたりに存在する祠もある。
9月から10月にかけて、それらの例祭が週末ごとに順番にあるので、
村の主婦たちは、そのたびに集まり、
煮染めをこしらえたりつまみを用意したりして、
当日の直会(なおらい)に備えることになっている。
男たちは神輿や餅まきなどの行事を仕切り、神楽の手配などもする。

また、時期を決めて宅神祭(たくしんさい)を行う家もある。
うちの実家には無いが、家によっては、いろいろといわれのある神様が
自宅神棚や、家の近くの丘、田んぼの中などに祀られていることがあり、
大昔、火事から救って下さったとか、洪水のとき守って下さった等々、
言い伝えがあって、一家の当主が毎年、神主さんを呼んでお祭りをしているのだ。
こういう神事関連と、会社の仕事と、どっちが先かと言われると、
そりゃもう「神さん」なワケですよ、ウチの村的には(汗)。
都会の人は、「祭り」は夜店や神輿のことだと思っているかもしれないが、
それらは余興に過ぎないのであって、本来あってもなくても構わない。
それより何より、祭りで一番大切な部分は、「祭典」なのだ。
縁の者で集まり、お供えや玉串料を捧げて、祝詞を聞いて拝礼する。
これをないがしろにしては、罰が当たるってもんだ。

私は18歳で家を出た時点で、なんとなく「縁が切れた」的な気分になっており、
その後も転勤生活が続き、定住すらしたことがなかったので、
よもや齢50にしてこの生活に戻ることがあろうとは、思っていなかった。
父が家の跡取りも決めず、後始末もつけないままで、
ただ年齢を重ねて87歳になるとは、私は考えていなかったのだ。
父の煩悩の深さだか決断力の無さだか、何が悪かったのか知らないけれど、
私は状況をナメていたということだなと反省してはみたが、後の祭りだ(爆)。
なりゆきとはいえ、こうなったのだから、もはや仕方がない。
かつて、神戸からヨメに来て初めてこの土地の習慣を知った母のことを思えば、
私はなんと言ってもここで育った者なのだから、違和感も抵抗感も少ない。
何がどういう順番で起こるか、体験的に私は小さい頃から知っている。
格別、望んでいたわけではなかったが、できる者がやるのが自然なのだろうし、
今は村に奉仕するのが私のお役目なのかな、
と漠然と思う、今日このごろである(笑)。

まあ、将来的には、村での奉仕の役割は親戚の誰かに譲り、
山の上にある本家の墓を地上に降ろし、実家の家屋を売り神棚を親戚に任せて、
私はフェイドアウトしたいというのが、今の希望であり計画ではある(^_^;。
私自身、ヨメに出ていてもはや姓が違うので、実家に根を下ろす気はないし、
主人のほうの家は、あの村とは何の関係もなく、更に直系は娘ひとりだけだ。
県外在住の娘が、季節ごとに帰省して今の私のようなご奉仕を続けることは、
いかになんでも無理だし、筋が違うだろう。
本家としての実家をたたむことが、このあとの私の仕事だと思っている。

Trackback ( 0 )