明日、娘の大学の卒業式があるので、
私は本日より「前乗り」(^_^;。
といっても私自身は、きょうは何も用事があるわけではなく、
娘の新居がどうなったのか、見てみたいと思ったりしたのだが、
娘本人が不動産屋さんで旧居アパートの鍵の返却などがあり、忙しいらしいので、
結局、私は東京駅から東銀座に直行し、再度、三月大歌舞伎の昼の部を観劇した。
13日に来たときも観ているのだが、観られるものならもう一度と思い、
開演にはやや遅れたが、短期間で再びの歌舞伎座と相成った。
この事態を見越して、事前に、三階ヘリの出入口の真横の席を取ってあった。
仁左衛門の碇知盛、改めて味わい、絶品だと思った。
仁左衛門は声良し姿良しのうえに、この芝居、
全方位に「言うことなし」の役者で、畏れ入った。
主演者としての大きさも、心のひだに染みいるような芝居も、
いかにも歌舞伎らしい華やかな幕切れも、
ひとつひとつに揺るぎない必然性があって、圧巻の完成度だった。
仁左衛門は特に、心理の移り変わりの表現が破格に巧くて、
貴族的な知盛が、闘いに臨んで怨念の権化のようになり、
それが安徳天皇の言葉で浄化されて、最後は祈りとともにこの世を去る、
というふうな首尾一貫した流れの中での変遷が、あまりにも美しく見事だった。
一期一会、この瞬間で消えて行くがゆえの、舞台芸術の凄まじさも実感させられた。
巳之助の踊る『どんつく』は、これまた目覚ましかった。
坂東流の巳之助と藤間流の松緑との共演で、
踊りとしての表現力を堪能させて貰った。
巳之助は上品さと愛らしさと滑稽さの同居する「どんつく」で、
それがおかめの面をかぶると、すっかり娘の体つきになるので
身に備わった踊りの力とは見事なものだなと感じ入った。
松緑の踊りはいつもながらキレッキレ(笑)。
しかし今回はちょっとした曲芸もあるので、なかなか大変そうだった。
隣で涼しい顔で踊っている亀寿がまた、すっきりとした姿でなかなか良かった。
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月の下旬に来たお蔭で、3月の舞台写真も買うことができた。
歌舞伎座の当月公演の写真は、だいたい20日過ぎくらいにならないと
売店に並ばないものなのだ。
前月の写真は歌舞伎座タワー5階の売店のほうで買うことができる。
私は2月のモモタロさんのときは初旬に来たので写真が入手できなかったが、
きょうは公演後に5階のお土産処『楽座』に上がって、購入した。
どうしても欲しかったのだ、雉・猿・犬の三彦の連れ舞い写真が(笑)。
観劇→休憩時に1階お土産処『木挽町』→終演後にタワー5階『楽座』、
という順序で時間を無駄にせず回ることができて、巧く行った。
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