転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



第30回 中国ユース音楽コンクール『ピアノ部門』の
本選2日目(中学・高校の部)を聴きに行った
(@西区民文化センターホール)。
このコンクールは毎年、地元の中国新聞社主催で行われており、
今年はちょうど節目の第30回だった。
毎年、6月に広島・呉・三原・福山・三次・岩国・松江で予選があり、
そこで表彰された生徒さん達のうち、金賞の区分であった人達が、
8月下旬の土曜日・日曜日に開催される本選に進むという順序で、
今年は、本選初日の昨日は小学生64人が、
2日目のきょうは中高生32人が出場・演奏した。

中国ユースは、昭和59年に第一回が行われているので、
歴代入賞者には、現在は演奏家や指導者として活躍されている方々の
御名前を見つけることができるし、
今回中高生部門に出場している生徒さんも、小学校の低学年の頃から
幾度もこのコンクールに参加し、上位入賞を重ねて来ていることがわかる。
全国大会に繋がるような組織の大きなコンクールではないが、
志ある生徒さんにとって、地元での出発の場となるコンクールだと思う。

私は今年は、本選2日目である今日だけを聴いたのだが、
11日の『広島サマーコンサート』に出演していた高校生を何人か見かけた。
先だってのステージは、良いリハーサルだったということかもしれない。
あれから二週間の間に、一段と成長した雰囲気の生徒さんもあったし、
サマーコンサートで弾かなかった曲をきょう弾いた意欲的な生徒さんもあり、
やはり若い人の演奏は、伸びて行く力を感じさせてくれて、
とても良いなあと聴きながら思った。
また、本日の特別審査員・青柳いづみこ氏の、表彰式前の全体講評は、
私のように聴くだけの側にいる者にとっても、大変に興味深いものだった
(ベートーヴェンのソナタ、特に18番などには、
彼が後に書くことになる交響曲の編成を聴き取ることができる、とか、
ドビュッシーのパスピエは、舞曲本来の3拍子でなく4/4拍子指定だが、
構成としては2/2拍子と捕らえることも可能、等々)。

生徒さんたちに関して、ひとつ、観ていて考えさせられたのは、
ステージマナー、とりわけお辞儀の仕方だった。
演奏者は、弾く前と弾いた後と、それぞれ客席に向かって頭を下げるわけだが、
高校生くらいになったら、大人の演奏家としての振る舞い方を、
あとでビデオなどで自分の映像を観て、各自研究してみてはどうだろうと思った。
勿論、本選に来るくらいの生徒さんなので、先生方のご指導が厳しいと見え、
胃の前で指先だけ重ね、肘を張って頷くスタイルの人は今日は居なかったが
(あれはスーパーのレジの人みたいなので演奏会の場では勘弁して欲しい)、
女の子たちは特に、せっかくフォーマルドレスを着ているのだから、
エレガントなお辞儀の仕方を、自分なりに身につけて欲しいものだと思った。
勝負は演奏でするとは言え、ステージに出ている以上、
視覚的な要素も無視できないので、印象が良いに越したことはないのだ。
柔軟な学生時代のうちに、自分なりのマナーを確立しておくのが良いのではと
草葉の陰、…じゃない、椅子の陰からこっそりと私は思いましたね(笑)。

ともあれ、そういうわけで私はきょう、
出場者の誰とも直接には顔見知りでなく、
また出場者の師事する先生方のこともほとんど知らず、
ただの近所のオバちゃん、という聴き手だったのだが(笑)、
午前11時から午後4時半まで、実に楽しく過ごさせて貰った。
コンクール関係者、審査員の先生方は勿論のこと、
出場者の生徒さん全員にも、心から御礼を言いたいと思う。
まったく充実した日曜日だった。ありがとうございました(^^)。

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