転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



夏の歌舞伎・公文協(全国公立文化施設協会主催)東コースに
音羽屋(菊五郎)が参加することがわかっていた
ので、
どういう日程になるのかと、あちこち検索しつつ発表を待っていたら、
数日前、どこより早く音羽会からチラシが送られてきた。
有り難いことだ。

演目はかねて判明していた通り、『義経千本桜』から
「鳥居前」「道行初音旅」「川連法眼館」。
菊五郎は道行初音旅で狐忠信を演るのだが、
鳥居と川連法眼では、松緑と菊之助が忠信のダブルキャストだ。
音羽会からは、全部の会場と開演時間と、
どちらの配役による公演になるかを一覧表にしたものも、
一緒に送られてきた。
ああ、至れり尽くせりだ。

大昔、多分90年代の初め頃だったと思うのだが、
私は国立劇場で、菊五郎が通しで『義経千本桜』を演じたのを観た。
一日で忠信だけでなく「いがみの権太」まであって、
音羽屋に浸りきった公演だった。
あのように贅沢な企画は、そうあるものではないので、
今思うと、もっと通い倒して浸りまくっておけば良かったのだが(爆)、
私も若くて忙しくて薄給だったので、そんなことは望むべくもなかった。
欲を言えばキリがないが、ああいう公演を観ることができただけでも
幸せだったと思っておかなくては……。

さて今回は、作品中、狐忠信関連の物語を抜粋で、という趣向だ。
狐言葉や早変わりなど、これらの段には華やかな見どころが多いが、
私は音羽屋に関しては、鼓になった親狐を慕う忠信の風情が、
とりわけ気に入っている。
音羽屋の狐忠信には、亡き親狐への切なく美しい敬愛と同時に、
所作に、ほのかに犬っぽい愛らしさがあるのだ(笑)。
忠信の情の部分について菊五郎は、
「孝行したいときに親は無し、というような、ね」
と以前、こんぴら歌舞伎でこれを上演した際に、
山陽テレビの取材に答えて言っていたものだったが、
若い菊之助が、このあたりをどう表現するのかも楽しみだ
(松緑がどう演りそうかは、なんとなく想像できる気がする・笑)。

……は、良いのだが、私は果たして、これを観に行けるのだろうか。
というのも、地方公演の常として、会場はどれも結構遠いのだ。
東コースなので広島や福岡などに来ないことはわかっていたのだが、
見たらなぜか、岡山の津山文化センターというのがあって(7月25日)、
これなら隣の県、と一瞬、天にも昇る気持ちになったものの、
津山って確かJR岡山から一時間以上離れていた筈(汗)。
と言って、ほかの公演地はどれも関東・東北・北海道、それに北陸で、
あとは愛知県での公演が三箇所だけ組まれている。
春日井市民会館と、扶桑文化会館と、豊川市文化会館だ。
……津山と春日井、広島から行くのに、どっちがラクかな(汗汗)。

もうひとつ、音羽会からは5月の團菊祭のチラシも送付されてきた。
こちらは既に私はチケット手配済みだ。
5月7日に東京でポゴレリチを聴いたあと、翌8日の帰り道、
大阪で途中下車して、これの昼の部だけ観るつもり
なのだ。
……息があれば、な(汗汗汗)。

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