転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



あれからネズミ駆除の方法をいろいろ考えてはみたのだが、
掲示板で指摘されたように、私はどうも、
ネズ子たちには積極的に立ち向かう気持ちになれない。
ゴキ男ならスリッパで百発百中、
妖怪極太毛糸なら殴打+熱湯攻撃で百戦百勝の私だが、
ネズ子にはハム太郎やリボンちゃんがダブるので、
そういうことが出来ない。
ちゅっちゅっ♪と子ネズミも可愛いじゃないか。

考えてみたら私は、ネズ子とは昔から馴染みだ。
実家は水屋の扉を開けたらネズミが飛び出して来るような家だった。
私が中学生くらいの頃、私の部屋によくネズミが出現して、
ある夜、遅い時間に勉強していたら、机の本棚のむこうに、
ネズ子のぴんくの鼻が覗いていたことがあった。
また別の日、こいつか別のやつかわからないが、
私の部屋の金属製のゴミ箱に誤って落ちたことがあって、
私がオヤツを食べていたら、ニオイがたまらないらしく、
そいつがゴミ箱の中でじたばたしていたこともあった。

実家では、パンチューとか、殺鼠剤とか、
トンネルみたいな構造になったネズミ捕り器とか、
惰性でいろいろなものを試していたけれども、
結局のところ、あまり、ネズミが減ったという実感はなかった。
考えてみたら、一度に十匹とか二十匹とか子供を生むという
俗に言うネズミ算式に増える奴らを相手に、
数日ごとに一匹捕獲したくらいで、総数が減る訳なかったのだ。

ただ、ひとつだけ、劇的に効果の上がったモノがあった。
それは、猫のミー子ちゃんだった。
彼女がうちにいた数年間だけは、ネズ子たちはおとなしかった。
ミー子ちゃんが、つかまえたネズミを自慢しに来るのには閉口したが
ネズ子たちも学習能力は高かったと見え、
ミー子ちゃんがいた間は、少なくとも我々を煩わせるようなことは
ネズ子一族はしでかさなかった。

さて、考えてみると、この官舎のまわりにも猫は、ちゃんといる。
茶色い模様のついた、大きなヤツで、
野良なのか、ご近所の飼い猫様なのかは今ひとつわからないが、
私は彼とは、会ったら目と目で挨拶する仲だ。
やつは、なかなか根性があり、かつ、逃げ足も速い。
あいつをもっと手なずけて、うちのネズ子と交渉して貰おうか。
あの猫は、ゴミの日に、呼ばれもしないのに出てきて、
可燃ゴミに忍ばせたビニールなんかを引っ張り出していきやがるが、
そんなことより、もっと我々のためになることを、して貰いたいものだ。


・・・・と一度は考えたが、やっぱり、やめたほうがいい、と思い直した。
だって、ミッションを完遂する前に、ほぼ確実に、営繕課から、
『野良猫にエサをやらないで下さい。官舎はペット禁止です』
とお手紙が来そうだから。
そして挙げ句の果てに、我々がマンションに引っ越すときに、
あの駄猫をつれて行くハメになったらおしまいぢゃないか。

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