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転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



十年以上前に書いた話が、実現していたことがわかった。
『頭にセットできるオペラグラスが欲しい』
『オペラを仕込んだメガネが欲しい』
これが、とうとう商品化されたのだ。
……ということを、先日、facebookの友人某氏のリンクで知った。
その名も、
カブキグラス(R) 究極のオペラグラス(サンテプラス株式会社)

ネーミングそのものはカブキグラス(R)とあるが、
私ならこれは歌舞伎鑑賞では必要ない。
歌舞伎なら、限られた、観たい瞬間にだけオペラグラスを使えば済むし、
そもそも私は歌舞伎にオペラグラスを持って行くこと自体が稀だ。
歌舞伎は、少なくとも私にとっては全体・全景を観るものであって、
贔屓役者の上半身だけ拡大して観たい種類の舞台芸能ではない。
場合によっては客席まで含めて眺めてこそ、歌舞伎は面白いのだ。

しかし、宝塚を観るときは、これはなかなか有効だと思う。
宝塚では、何をおいても贔屓の生徒さんを観たいし、
観ながら拍手あるいは手拍子までせねばならないことが
観劇中にはかなり多いからだ。
同じ演目を複数回観ることも、宝塚では普通で(笑)、
二度目以降となると、贔屓の生徒さんがどの位置から登場し、
どういうタイミングで銀橋に出て来るか等がわかっているので、
その瞬間を逃さず観たいのと同時に、客席が揃って拍手で迎えるところに
自分も参加したいという欲求が、私には、ある(^_^;。
そういうとき、これまでのオペラグラスだと、
「観ること」と「拍手」の、どちらかを犠牲にしなくてはならなかった。
拍手してから、一小節遅れくらいでオペラを上げるか、
最初からオペラを構えて待っていて、拍手のほうを後回しにするか。
更に、ソロに合わせて手拍子、などになると完全に二者択一だ。
オペラグラスを使いながら手拍子をすることは、できない。

しかし、このカブキグラス(R)があれば、もう悩まなくてイイ(笑)。
贔屓を存分に観ていながら、両手が自由だ。
オートフォーカスなど品質的にもかなり優れもので、軽量でもある。
問題があるとすれば、価格32,400円(税込)をどう捉えるかということと、
やはり、これを使用した際の自分の「見た目」を許容できるかどうか、
という点だろう。
自然観測などある程度専門性の高いものや、
勢いでなんとかなる(笑)スポーツ観戦や観光は、まだ良いと思う。
しかし、観る側も一応の盛装をしていて、
客席のフォーマルな雰囲気そのものも、公演の要素として無視できない、
コンサートホールや劇場という空間は、どう考えたら良いのか(汗)。
サイトの『誕生秘話』を読むと、カブキグラス(R)は飽くまで、
遠くの席からでも舞台やスポーツの臨場感が味わえる、
というのをセールスポイントにしている。
しかし、現実のニーズは、そこだけではないだろう。

宝塚ファンは、通常、前方席、否、最前列からでもオペラグラスを使う。
それくらい、ヅカファンは「アップで観ること」に重きを置いている。
前出の友人某氏が指摘して下さったことだが、
宝塚の売店であるキャトルレーブでも、カブキグラス(R)の取り扱いがあり、
歌劇団側からは、ニーズはある、と見られているようだ。
しかし、10列目くらいまでは舞台からも観客の顔や表情が見えている、
と、複数のタカラジェンヌがインタビュー等でこれまで言っていた。
カブキグラス(R)をつけたこちらの姿は、前方席にいる限り、
贔屓のジェンヌさんの目にも入るわけだ。
カブキグラス(R)は、果たして、ヅカファンの間で受け入れられるのだろうか。

また、ポゴレリチの演奏会で、もし私がこれをつけて座っていたらどうなるか。
私は、彼のペダリングをもっと良く見たいと常々思っている。
ウナコルダ、ソステヌート、ダンパーペダルをどう使い分けているのか、
どのタイミングでどれをどれだけの長さ・深さで踏んでいるのか、
彼のペダリングの多彩さには、毎回、大変強く惹きつけられている。
あれを、私はもっとつぶさに観察したい。
しかし、……客席で、こんな、レンズの突出したメガネみたいなものを
かけた女が、むしゃぶりつくようなオーラを出して聴き入っていたら、
そしてマエストロがそれに気づいたら、
…………何が、起こるだろうか………(逃)。

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北翔海莉、ラストまで全力宣言「輝いていたい」退団発表会見(スポーツ報知)
『11月20日付で宝塚歌劇団を退団することが決まった星組トップスター・北翔海莉(ほくしょう・かいり)が27日、大阪市内のホテルで退団発表会見を行った。涙は見せず「ラストのステージまですべての力を出し切れるよう、今まで培ったものを組子に伝えられるよう、輝いていたい」とラストまでの全力投球を誓った。』『退団を決心したのはトップ就任が決まった時期で「キレイに輝ける状態で卒業できるのは3作だと思いました。次の人のため、あまり長くは…という気持ちが一番強かった」と説明。組子には兵庫・宝塚大劇場公演の25日の千秋楽終了後に告げたといい「急すぎてビックリしていたようでした」と話した。』

みちこ(北翔海莉)さんは就任時、既に十分な上級生だったし、
おそらくトップ生活そのものは長くないだろう、
と私は思っていたので、この発表にはさほどの驚きはなかった。
みちこさんのトップとしての時間を、私も漏れなく満喫したいと思い、
お披露目の『ガイズ&ドールズ』は大劇場と東京の両方を観たし、
二作目の『こうもり』も3月に大劇場公演を観たうえ、
6月の東京公演のチケットも、既に手に入れてある。
三作目、すなわち退団公演となる『桜華に舞え―SAMURAI The FINAL』
(←副題は今日ついたのか!?笑)も、こうなったら全うするため、
大劇場と東京の両方を観なくてはなるまい(^_^;。
東京でのサヨナラが10月21日~11月20日か、……巧い具合だ。
実は、私は11月に東京に行かねばならない理由が、既にあるのだ。

国立劇場50周年記念公演に「仮名手本忠臣蔵」(日刊スポーツ)
『東京・国立劇場の開場50周年記念公演の概要が26日、都内で発表された。』『9月から来年3月まで、歌舞伎、文楽、舞踊など19公演を「記念公演」と銘打つ。』『10月から12月の歌舞伎公演は「仮名手本忠臣蔵」を、大序から11段目まで全段完全上演する。同劇場での全段の通し上演は、86年の開場20周年記念公演以来。関係者は「いつもは腹八分目の『忠臣蔵』を、今回は満腹になるまでみてもらいたい」。』『▼11月 浄瑠璃、5~7段目 尾上菊五郎(早野勘平)、中村吉右衛門(大星由良之助)』

これで、私の11月前半の東京行きは決定だ。
考えなくてはならないのは、チケットをどうするかだけだ。
大劇場はともかくとして、東京は通常でも即日完売だから、
トップのサヨナラとなれば、何か策を講じなくては入手困難に決まっている。
とすると、みちこさんの7月のバウホールなどは
尚更、チケット入手の可能性は事実上消えたと思わなくてはならない。
トップのバウというだけでかなり無茶な争奪戦になると覚悟していたが、
退団発表まであってはお手上げだ。
バウは枚数(座席数)が少な過ぎるので、ネットや電話では話にならず、
チケット掲示板に出回る枚数も、最初から非常に限られている。
一応プレリザーブの類いがあればエントリーはするが、まずダメだろう。
まあ、こういう超激戦公演は、シヌほどファンの人こそ観るべきで、
私のようにユルい者は潔く諦め、あとでDVDが発売になったら……、
ということに、しておくのが分相応というものだろうと思う。

それにしても、自分の任期に関するみちこさんの、
『次の人のため、あまり長くは…という気持ちが一番強かった』
という言葉は、よく配慮されているだけに、かえって、
彼女のトップ就任当時から今に至る、星組の複雑な状況がしのばれる。
人事評論家ころもん氏の、ご意見ご感想を伺うのが、今晩の楽しみだ(汗)。
みちこさんが、実力の面で極めて優れた主演者だったことと、
学年的にも、ほかの皆よりかなりの上級生だったのが相まって、
ここまで巧く務まったということかな、と私は思っている。


追記:退団となれば、どこかでディナーショーがあるだろうね??

追記2:ディナーショーは無いらしい。ディナーショーのかわりにバウ、
 という意味合いだそうだ(←みちこさんがラジオで発言した、と。又聞き)。

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宝塚歌劇星組『こうもり』『The Entertainer』、
昨日28日(月)13時公演@宝塚大劇場を観てきた。
(慣れた方なら写真でおわかりの通り、席は2階S席上手側サブセンター(^^)。
S席を張り込むのは久しぶりだったが、みちこさんへのご祝儀ということで。)

『こうもり』は、みちこ(北翔海莉)さんが圧倒的に歌えるので聴き応えがあった。
書き下ろしの主題歌も、シュトラウスの定番曲も、
みちこさんにかかったら自由自在の見事さだった。
この公演では、みちこさんがファルケ博士を演り、
オペレッタだと主役のアイゼンシュタイン侯爵は二番手役として書き改められ、
ベニ子(紅ゆずる)ちゃんがこれを務めていたのだが、
「ダメ夫」が似合うベニ子ちゃんなればこそ、この配役は大成功だったと思う。
特に、序幕の酔っ払い具合はこの二人ならではの巧さ面白さだった(笑)。
ベニ子ちゃんは大変に存在感のある二番手なので、
今の星組は昔のヤン(安寿ミラ)×ミキ(真矢みき)みたいな、
男役1&2がコンビであるかのような愉快さがあり、
それと同時に、歌ではみちこさん&ふうちゃん(妃海風)が
素晴らしく巧いので、本来のトップコンビの相性の良さも堪能できて、
なかなか見どころ・聴きどころの多い組になったなとも思ったりした。
しかも、少し下の学年の男役がイケメン祭り状態(笑)!

芝居としてはオペレッタの筋をだいたい踏襲していたが、
小間使いアデーレがヒロインとして書き換えられていて、
アイゼンシュタイン夫人ロザリンデの逸話が
部分的にアデーレのものになっていたところや、
オペレッタではロザリンデの元カレでオッサンであるアルフレードが、
今回の星組では侯爵家の美男の執事という設定になっていて、
まこっつぁん(礼真琴)が演じていたところなど、
組内ポジションに合わせた変更や調整は随所にあった。

刑務所長フランク(十輝いりす)にも楽しませて貰ったし、
皇太子オルロフスキー(星条海斗)も快演で、
物語だけを見れば冗長になりがちなところを、
良い呼吸で笑いを取っていて、なかなか巧かったと思った。
弁護士先生の七海ひろき氏(笑)は、無論、綺麗で面白かったのだが、
私にとって意外に淡泊な印象しか残らなかったのは、なぜだったのだろう。
役の可笑しさに比して、美し過ぎた…か……(^_^;?
宝塚歌劇なので最後はトップコンビの恋愛に持って行かねばならず、
ファルケ博士とアデーレが相思相愛になるというオマケがついていて、
決着としての納得感はないが蛇足でもなく(爆)、
目の保養、という感じのエンディングで、悪くなかった。

しかし私が何よりシビれ、ときめいたのが、
ファルケ博士の恩師という設定のラート教授(汝鳥 伶)だった。
ソル(磯野千尋)さんが居なくなったらユウさんに走るのか、
と笑いたければ笑いたまえ(^_^;。
台詞も歌も、つややかでなんとも言えない色気があり、私はしみじみと聞き惚れた。
私は結局、今に至るも、昭和の宝塚が一番好きなのかもしれないな、と思った。

************

ショー『The Entertainer』は、製作発表のとき気になった、
全員の「エンターティ[ti]ナー」の発音が綺麗に改められて、
ちゃんと「エンターテイ[tei]ナー」になっていた。
……そうだろうよ(^_^;。最初はどういう譜面だったのだ、一体。

幕開きは豪華絢爛で、みちこさんの声が溜息もののすばらしさだったが、
始まっていきなり大階段が出て来て、
友人某氏がかつて91年月組ベルばらのプロローグを見ながら、
「おいおい、おまいら、もう終わるのかよ(^_^;」
と言ったことを、不意に思い出して私はシにそうになった。
懐かしかった、冒頭からいきなりフィナーレになるショー……(逃)。

また、いろいろな組み合わせのトリオが歌いながら銀橋を渡っていく構成は、
やはり91年の花組『ザ・フラッシュ!』そっくりで、どうも、
「え、そのフォーメーションって、どっかで……」
と既視感のある場面が複数あり、私は困惑した(^_^;。
しかしそれらは大した問題ではなかったと思っている。
ショー全体としてはきらびやかだったしテンポも良くて、実に楽しかった。

みちこさんは、定評のある歌は勿論、芝居も巧いしダンスも綺麗で、
しかも可笑しい場面はテッテー的に可笑しいしで、言うことがなかった。
客席にはこの日、元星組のあやか(白城あやか)ちゃんが来ていて
「こんな美しい人をお嫁さんにしたら、160歳まで長生きできる…」
とジョンソン医師(106歳)の扮装でカクカク言うみちこさんは最高だった。
御主人様のヒデちゃん(中山秀征)も並んでご観劇で、
ご夫妻をネタに、みちこさんとベニ子ちゃんのアドリブが炸裂してしまい、
しまいにベニ子ちゃんが、
「長くなり過ぎて今スタッフさんが焦っているんじゃ……(^_^;」
とまとめて終わりになった。
みちこ×ベニ子コンビが頂上にいる限り、
「ショーの花組」「芝居の月組」等々に対して、ここは「喜劇の星組」だ。
いいのか、それで(笑)。

ほか、マギー・ワンダフル(星条海斗)とイリス・マーベラス(十輝いりす)
のデカい美女コンビも怖くてゴージャスで良かったし、
終盤には掛け値なしの名演みちこさんのグランドピアノ弾き語りもあり、
野口幸作先生渾身の大劇場デビュー作は豪華絢爛だったのだが、
たったひとつ、私がどうにも賛同できなかったのは、
第16場で男役の黒燕尾と娘役の黒燕尾ダルマが勢揃いして踊るロケットダンスだった。
普通ならあれほどの壮観は無いが、この公演は第5場に初舞台生ロケットがあるので、
あんな上級生が勢揃いした迫力満点のロケットが後から出て来たらマズいだろう(^_^;。
演出の意図は、わからないではない。
初舞台生たちの将来の姿が第16場に投影されていると言えるし、
今や上級生の面々にとっても、すべてはあの初々しい門出の日から始まったのだ、
……等々と思いをはせるのは、感慨深いものだろうとは思う。
しかし、そうかと言って、初舞台生が懸命に務めたダンスと同じものを、
居並ぶ諸先輩がたに余裕綽々で「踊り直された」かたちになるのは、いかがなものか。
黒燕尾ロケットダンスは、別の公演にして貰いたかったと思っている。


……それにしても、公演一本を見終わって幕が降りたあと、
私が「もう一度観たい」と思ったのは、
今回に関しては実は、まこっつぁん(礼真琴)だった。
もともと巧いのは知っていたが、
前回の星組公演『ガイズ&ドールズ』でアデレイドを演じて、
娘役の視点を改めて確認したことが大いにプラスになったのか、
今回、まこっつぁんが本来の男役に戻った姿を観たら、
立ち姿は大きく、かつ行き届いたきめ細かな魅力があって、
とてもスケール感のあるスターになったなという気がした。
アルフレードの一挙手一投足や、ショーでのStars11での際立ち方、
ああした鮮やかな舞台に出会えたことは、今回の大きな収穫だった。
近い将来、私が星組を観る楽しみは、まこっつぁんになるかもしれない(^^)。

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(写真は、今朝中央通りを通ったら開花していた白木蓮。
94年のアジア大会のときに植えられた木だと、
以前、タクシーの運転手さんに教えて貰った記憶がある。)

月組次期トップに珠城りょうさん 宝塚歌劇団、9年目の“スピード出世”(産経新聞)
『宝塚歌劇団は15日、月組の次期トップスターに同組2番手スターの珠城(たまき)りょうさんが就任すると発表した。9月4日付で退団する龍真咲(りゅう・まさき)さんの後任。』『新トップとしての初作品は、10月14日から19日まで東京・文京シビックホールで行われる「アーサー王伝説」(潤色・演出、石田昌也)で、相手役は現・月組娘役トップの愛希(まなき)れいかさんが務める。大阪では10月28日~11月9日に、シアター・ドラマシティで上演される。』『珠城さんは愛知県出身。平成20年に月組公演で初舞台を踏み、月組に配属。172センチの長身と恵まれた体形を生かし、大人の男を演じられる男役として活躍。龍さん同様、月組“生え抜き”のトップとなる。』『「男役10年(男役は10年たって一人前)」といわれる宝塚で、珠城さんの入団9年目でのトップ就任はかなりの“スピード出世”。宝塚のトップ制度が固定された昭和55年以降では、平成5年に入団7年目でトップになった元月組トップで現女優の天海祐希さんに次ぐ早さとなる。』

我が家の歌劇団人事評論家ころもん氏もいろんなことを仰ってはいたが
公式発表は、結局、こういうことになった。
研9の、たまきち(珠城りょう)が次の月組トップに!

歌劇団の人事がどうなっているのか、やはり謎が多い(^_^;。
たまきちがトップ候補であることに疑いは全くなかったけれども、
ほかにもトップスターになり得る上級生の男役たちが何人もいる中で、
敢えて、一番若い彼女を真っ先にトップに据えた理由が、
外側から観ているだけでは完全にはわからない。
ころもん氏が、一層、研究に精を出すことであろう。
ちなみに、ころもん氏の次なる研究課題は、
たまきちトップ就任を受けて、月組新体制を強化するにあたり、
路線スター達の異動、特に若手男役たちの組替えがあるのではないか、
……ということだそうだ(笑)。

しかし、何はともあれ、おめでとう、たまきち!
トップは大なり小なり、内外からの期待と怨念を背負わなくてはならないが、
若く新鮮な男役がセンターに立つ、というのは、
それはそれで大変魅力のあるものだと私は思っている。
どうかどうか、良い作品に恵まれますように!

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宝塚歌劇団では、今年9月に月組トップ龍真咲が退団するのだが、
その後任が誰になるかについて、まだ劇団側から発表されていない。
トップは組内昇格が多いが、準備段階で「組替え」を伴うことがあり、
場合によっては、「落下傘」「スライド」で組外からトップが来ることもあるので、
正式発表がなされるまでは、ファンは毎回、人事を予想して戦々恐々となる。
当該の組の二番手は勿論、各組の「路線」と言われる男役は大なり小なり、
人事異動の影響を受ける可能性があるのだ。

我が家の「宝塚歌劇団 人事評論家」ころもんも、毎夜のように、
居間のソファに陣取って、『宝塚おとめ』や各組公演スケジュール等の資料を見比べ、
雪組の望海風斗と宙組の真風涼帆が、動くか動かないかを占っている(汗)。
渦中の月組・現二番手は、役付きや全国ツアー主演等の抜擢を見る限り、
珠城りょう、……ということになるが、94期(2008年入団)と非常に若いため、
「男役十年」の基準に照らしても、すぐに月トップに就任するのかどうか、
まだ不確定要素があると、ころもんは(多分、ファンの多くも)考えている。

月組にはほかにも、凪七瑠海・美弥るりか、と89期生の路線スターがいて、
両名は、前述の雪組二番手・望海風斗や花組トップ明日海りおと同期に当たる。
龍真咲がそこそこ長期政権だった割には、安定的な二番手を育てて来なかった、
というのは劇団側の采配ミスではないかと私は内心、思っているのだが、
最終的に、この状況の組内から誰かが選ばれて、次のトップになるのか、
それとも、よそからトップを迎えるという事態になるのか?
後者の人事になるなら、雪・宙各々の二番手である望海・真風のみならず、
星の二番手・紅ゆずるも、この話に無関係ではなくなるかもしれない。
それには、星組トップ北翔海莉の動向も重要な鍵となりそうだ。
唯一、花組だけは今回の人事異動には関係がなさそうに思われるが……。

――断っておくが、転夫ころもんはこれほど詳しいからと言って、
別段、どの生徒さんのファンだというわけでもない。
飽くまでも、自称・人事評論家として面白がっているに過ぎないのだ。
今夜など、これも愛用の『宝塚歌劇100年史――人物編』をひもときながら、
「たまきち(珠城)をこんな早い段階で押して来るくらいなら、なぜ劇団は…」
と彼が言い出したので、私はてっきり、
『なぜ劇団は、北翔海莉を星ではなく月のトップにしなかった!?』
とでも言うのかと思ったのだが、続く主節はそうではなくて、
「なぜ劇団は、壮一帆(雪組先代トップ・2014年8月退団) を
もう1年使っとかんかった(--#)!」
という、あさっての方角に意表を突いたものだった(^_^;。
どうも、雪・えりたん(壮)が2015年までいてくれたほうが、
ころもん脳内人事においては都合が良かったようである。

……しかし、仮にもう一公演あとだったとすると、
『ルパン三世』で退団するえりたん、になってしまうが、
これはこれで、どうなん……(笑)?
そこはまた別演目で妄想竹を育ててるということ……??

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北翔海莉 Dramatic Revue LOVE&DREAM、12時公演を観て来た。

心底、畏れ入りました<(_ _)>。
本日より私は、北翔さんを『ほっくん』ではなく
改めまして『みちこさん』と呼ばせて頂きます<(_ _)>。
もはや彼女は、私が見初めた、2002年のラスティ・チャーリーではない。
堂々たる星組トップの北翔海莉なのだということを思い知りました。

**********

前半のSings Disneyは、全般的にさほど思い入れがなかったので、
私は概ね、穏やかな気持ちで(3階B席の端から)見下ろしていたのだが、
その中で、ヘラクレスの『Go the distance』は
曲としての魅力が印象に残った。
ふう(妃海 風)ちゃんもトップ娘役の面目躍如で
ディズニーのプリンセスたちを次々に演じ歌い分けて見せてくれた。
抜群に良かったのは、アラジンの『Friend Like Me』で、
本来、女性が歌い手となることは少ない曲ではないかと思うのだが、
巧いだけでなく男役でもあるみちこさんの手にかかると、
めくるめく七変化のように声音が移り変わり、実に見事だった。
表現者としてのみちこさんの鮮やかさには、
文字通り「拍手ぅ~Applause!!」と思った♪

しかしやはり、後半のSings TAKARAZUKAが、大変楽しかったし、
長年のファンとしての感慨も深かった。
ディズニーと違い、知らない曲が無いどころか、歴代の誰がどう演じたか、
一瞬で思い出せるような主題歌・劇中歌が、次々と出て来たからだ。
特に、ギャツビーの主題歌『朝日の昇る前に』のあたりで、
私の中に、大きな第一波が来た。
かつて、旧・東宝で観た、初演カリンチョ(杜けあき)さんのギャツビーと
今目の前にいるみちこさんのギャツビーが重なり、感無量だった。
それから、ベルばら『薔薇のタンゴ』で、更に高い第二波が。
うおおおお~!!これぞ宝塚!!これぞ男役!!
と、このあたりで私の感激度はMAX(笑)。

そして、あまりにも強烈だったのがノバボサ『シナーマン』!!
あれで私は「振り切れた」感があった(^_^;。ヤられた。
この曲は主演男役にとってのカデンツァみたいなもので、
特にソロ部分は、どのようにでも本人の歌い方次第で良いのだが、
みちこさんは声量も迫力も歴代トップクラス。
熱い、熱いSinnermanで、物凄い存在感だった。
ショーとしてのノバボサの最後のナンバーがなぜこの曲なのか、
私は、みちこさんの歌を、否、声を聴いて、初めて理解できた気がする。
みちこさんのソールで『ノバ・ボサ・ノバ』を観たいと思った。
文字通り、大きな太陽としてのソールが観られそうではないか…!
(しかし、残念ながら現実問題としてそれは無いだろう。
星組は、前任トップのれおん(柚希礼音)くん主演で
ノバボサを既に演っているので。)

**********

その他、『雨に唄えば』のリナを再現してくれたのも楽しかった。
水曜日は宝塚大劇場が休演日なので、きょうの客席には、
大劇場公演中の宙組メンバーや、星組バウホールの面々が来ていて、
「きょうは金髪の人が多いわネ」
「現実逃避しに来たの?」
(↑「夢を見に出かける」というショーのコンセプトを
リナとして言い換えるとこうなるわけだ。巧い!笑)
と、リナみっちゃんにイジられていた(笑)。

いや~、硬軟緩急自由自在のみちこさんを堪能した2時間だった。
寒かったが、大阪まで出向いた甲斐があったね(^^)。

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ほっくん(北翔海莉)がトップになり、これからは星組公演が楽しみだなと
私はゆったりと穏やかなファンライフを過ごすつもりでいたのだが、
いきなりこれ↓はヒドいではないか。
一体どうやってチケットを取ったら良いのだ(--#)。

12月22日(火)、2016年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、
【宝塚バウホール】公演の上演作品が決定いたしましたのでお知らせいたします。

(宝塚歌劇団公式HP)
星組 ■主演……北翔 海莉、妃海 風
◆宝塚バウホール:2016年7月3日(日)~7月12日(火)
一般前売:2016年5月28日(土)
座席料金:全席6,300円
『One Voice』 構成・演出/岡田敬二

私は実は1月の北翔海莉 Dramatic Revue『LOVE & DREAM』に関しては、
もうチケットを持っている。
公演の告知があったときから忘れずにチェックしていて、
仕事が無い(だろうという)日を選んで、首尾良くB席を手に入れたのだ。
しかしこれは約2000席ある梅田芸術劇場メインホールだから取れたのだ。
いくら早くからスタンバイしたところで、
たった500席のバウホールのチケット争奪戦に勝てる気は、私はしない(汗)。

昔はトップさん主演のバウ公演が時々あって、
なーちゃん(大浦みずき)などトップ時代に二度もバウ主演をした。
しかしドラマシティが出来てからは、バウは若手公演か専科公演が大半で、
トップさんのバウ公演は聞かなくなっていたような……?
いや勿論、企画そのものは嬉しいには違いないのだ。
トップコンビをバウで拝めるなどという、豪華な公演が今時あったなんて。
バウは大劇場とは全く違う「濃い」空間だし、
内容的にも、出演者の個性にぴったりと添ったものが期待できる。
しかし、よりによって、ほっくんでバウが来るとは(涙)。

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花組エリザは観たかったのに、当時は時間がなくて叶わず、
紆余曲折あってようやくこのたび、市販の公演DVDを観ることができた。
宝塚歌劇花組 大劇場公演『エリザベート』(宝塚歌劇団公式HP)

観て良かった。
1996年星組公演は別格としても、この2014年花組公演は私の中で、
宝塚エリザベートの決定版と言っても良い出来映えだと思った。
何より、トート(明日海りお)・皇帝フランツ(北翔海莉)・ルキーニ(望海風斗)
の三者がいずれも素晴らしく歌えて芸達者で、奇跡のようなバランスであり、
舞台は出演者のアンサンブルなのだということが、本当によくわかった。

再演のたびに内容が変わる『ベルサイユのばら』と異なり、
『エリザベート』は上演台本が96年の雪組初演からほとんど変わっていないので、
今回、花組の録画を観ながら私は、
ここの演出は○組版に似ているな、このトートの立ち方は誰某と同じだな、
等々と、まるで「こりゃ○代目の型」と歌舞伎を観るような気分になった(笑)。
そのような中で、だいもん(望海)ルキーニはかなり異色で、
私にとっては歴代の誰とも違うルキーニだと思われた。
ルキーニは演り甲斐のある役で、しどころが多いのは事実なのだが、
だいもんの一挙手一投足に、私は新たなルキーニの魅力を様々に感じた。
ワイルドなのに、隠し味のように「品の良さ」のあるルキーニで、
イタリア人テロリストが上品なのかと言われれば、
リアリティという意味からは路線として違う、ということになるが、
舞台は飽くまで宝塚歌劇なので、だいもんルキーニが、
『エリザベート』という高貴な宮廷の物語の一角に存在している者として、
ノーブルな雰囲気をにじませていたことは、私にとっては新鮮で、
かつ、納得の行く演じ方でもあった。

このときの公演で退団した蘭乃はながシシィを演じていたが、
これはこれで、シシィの人格障害的なところを前面に出した演じ方で、
納得感があり、見事だった。
彼女は下瞼のかたちに特徴があって、
ふとした表情が含み笑いのように見えることがあり、
それがまた、シシィの感覚の鋭敏さや異常さに、よく合っていたと思った。
皇太子ルドルフ(公演DVDは芹香斗亜バージョン)が、
『ママは僕の鏡』『(二人とも)この世界で安らげる居どころが無い』
と言う歌詞があるのだが、これほどに生きることが苦痛だったのは、
彼らが「悪かった」のではないにしても、彼らの側に「原因があった」、
ということを、私は蘭乃シシィを観ながら強く感じていた。

主力メンバーの力関係が絶妙で、しかも納得感がある、
という意味でこれほど素晴らしい『エリザベート』を観たのは初めてだった。
このDVDを観ることができて、本当に良かった。
2015年も終わりの今頃になって、本当に今更だったのだが(^_^;、
つくづく、録画とは有り難いものだと思った。

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(写真は、ショー開演前。なんともレトロな字体……)

宝塚雪組広島公演の夜の部を観に行った。
『哀しみのコルドバ』『ラ・エスメラルダ』。

仕事が終わってから行ったので遅刻したが、大半を観ることができた。
内容については、また後ほど書けると良いのだが(汗)、
既にあちこちで指摘されている通り、
せっかくの御当地サービスネタだったのに、二度までも、
広島焼き!
という台詞があったのは、かなり重大な失点だった(^_^;。
勿論、観客の多くはファンだから雪組の面々を深く愛しており、
出演者たちの善意を疑うことなどなく、心からの感謝はした。筈だ。
しかしそれと同時に、
「違うんだよ……(T_T)!!」
「あーあ、やっちゃったよ……(--#)!!」
という残念さもまた、強く、客席で共有されていたと思う(^_^;。

改めて申し上げます。
外の世界でどのように呼びならわされていようとも、
一旦広島に入った以上は、もう、
『広島焼き』などという名称を使うことは許されません。
あれは『お 好 み 焼 き』でございます<(_ _)>。



【注意】広島人に「広島焼き」と言うと「広島焼きなんてものはない」と怒られる模様 #広島

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歌舞伎座から地下鉄で日比谷直行、
星組『ガイズ&ドールズ』。

歌舞伎座の昼の部が終わってから来たので、
第一幕の前半が観られなかったのが残念だったが、
あとはほとんど文句無しに楽しませて貰った。
大劇場で既に観た作品を、もう一度東京でも観たいと思うなんて、
たかこ(和央ようか)さん退団以来、絶えて久しく無かったことだった。

ほっくん(北翔海莉)の綺麗なこと巧いこと、全く満点のトップ姿だと思った。
ほっくんの男役にはとても美しい型があって、私は昔から気に入っているのだが、
大劇場で主演したことで、それは更に磨きがかかったと感じた。
本当に本当に、彼女のトップ姿を見ることができて良かった(涙)。

ふう(妃海 風)ちゃんも美声の主演娘役で、ほっくんとお似合いだった。
私は、ふうちゃんの芸風をよく知っているとは言い難いのだが、
今回のサラ役に関しては安定した演技で、
頑ななのに一貫した愛らしさがあって、とても良かったと思った。
あとは、次回作以降、宝塚娘役に必須の「お姫さま」がこなせるかどうかが、
トップ娘役としての試金石になるのではないかなという気がした。

全体として、台詞も愉快で音楽もノリが良く、気分の良い作品なのだが、
日本しか知らない私には、文化的な背景で感覚的にピンと来ないところがあり、
その点のみ、僅かに、作品に入りきれない感じはあった。
例えば作品当時の「救世軍」がどういう位置づけなのか、よくわからず、
一応、「ギャンブラーたちとは反対側の世界にいる、お堅い人々」
という前提でこの芝居を観はしたが、本当にそれで良かったかどうか
(大劇場観劇時に続き)今回も観客として心許ない部分があった。
また、クラップゲームが具体的に何をどうするものなのかも、
私はやったことがないので、あまり理解できていなかったし(^_^;。
まあ、舞台として楽しければ十分な成功だとは思っているけれども。

この日は、アデレイド(礼真琴)の台詞忘れ事件(爆)があった。
優等生のまこっつぁんにしては全く珍しいことだった。
それは、いよいよ芝居の最終場という2幕5場で、
まず、ギャンブラーたちがネイサンの新聞スタンドの前で
うっかりポップコーンを落としてばらまいてしまい、
ネイサン役のベニ子(紅ゆずる)ちゃんが
「ちょっと、アクシデントがありまして(^^ゞ」
とフォローして客席の笑いを取っていたら、やって来たアデレイドが、
「あら~、ネイサン、忙しそう(^^)」
と乗ったまでは良かったのだが、いつもと違う台詞を言ったのがアダになったか、
そこから続かなくなってしまったのだ(笑)。
「結婚だろ?商売の忙しいときに!…台詞まで忘れやがって」
とベニ子ちゃんがもう一度笑わせてくれたwww

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