『セルビア・クロアチア語辞典』(鈴木達也・編著 武田書店 2010年)
というのが出ていたことに遅まきながら気づいて、先月、買った。@8400円。
amazon、楽天ブックス、Yahoo!ブックス等でも購入可能だ。
これまで、こういう本格的なクロアチア語辞典は日本にはなく、
『クロアチア語 常用6000語』(三谷惠子・編 大学書林 平成10年)とか
『セルビア・クロアチア語 基礎1500語』(田中一生・山崎洋・編 大学書林 昭和54年)
くらいが、普通に入手可能な辞書系の書籍だった。
正直なところ私は、これらの収録語数に満足していたわけではなかったが、
日本から見れば、それだけ遠い、マイナーな言語なのだろうとはわかっていたので、
小さい辞書しかないことは仕方が無いと思っていた。
それより私にしてみれば、イーヴォ・ポゴレリチ関連記事のうち、
リアルタイムで、かつ面白そうなものに限ってクロアチア語で書かれているので、
クロアチア語の字引は、まず、あるというだけでも助かっていたのは確かだった。
海外のものでは、英国のケンブリッジ大学出版局が出している、
『Standard English-SerboCroatian, SerboCroatian-English Dictionary』
(Morton Benson, Cambridge University Press 1998)
が割と大きなものだったので、背に腹は代えられず2004年にこれを買った。
前述の小規模な日本版辞書には掲載されていない語も、これなら引けたので
有り難かったが、英語の説明を見て日本語で考えることを繰り返していると、
やはり、できるならもっとまとまった日本語の辞書が欲しい、と私は幾度も思った。
なんのかのと言っても、外国語学習の際に母語の果たす役割は大きいのだ(^_^;。
そもそも、かつてポゴレリチが我々の前に登場した1980年には、
彼のプロフィールは「ユーゴのピアニスト」ではあったが、事実上ロシア語のヒトだった。
モスクワ音楽院を卒業した彼は、夫人ともロシア語で会話しており、
ワルシャワでの記者会見もロシア語なら、81年の初来日時にもロシア語の通訳がついていた。
しかし82年にロンドンに移住してからは、少なくとも対外的には、
彼の使用言語は英語だけになり、来日時のインタビューも英語になった。
以後、彼がイギリスに住んでいた20年余りの間、ポゴレリチに関することは、
主として英語で決着がつくというイメージが私にはあり、
英語のメディアさえ追っていればなんとかなる、と思い込んでいた。
ところが、私が、海外サイトでポゴレリチの情報を得るようになった2000年から、
実は興味深い情報の多くはクロアチアにあることが、わかってきた。
故郷のユーゴの紛争の時期に、ポゴレリチはクロアチア国籍を選択しており、
更に96年に夫人が亡くなってから、彼はクロアチアで過ごすことが増えていたのだ。
私にとって、このときからクロアチア語が、避けて通れないものになった。
当初はこれでも、もう少し「機械翻訳」を信用していたので、よく頼ったが、
幾度やっても、『私の手は爪です獲物の鳥』レベルの翻訳がせいぜいだったので、
結局、どうしても気になる記事は自力で辞書を引いて読むようになった。
読むと言ったって、こちとらは、クロアチア語の知識など皆無で、
吹けば飛ぶようなロシア語の記憶の断片が、か~す~か~に残っているだけだ。
それでも、クロアチア語-英語の辞書ひとつだって、無いよりはずっと良かった。
これを手で引いて、自分で読み直せば、たとえ英語を介してでも、
機械翻訳よりずっといろいろなことが理解できた。
だから私は、待ち望んでいたのだ、日本版のクロアチア語辞典が発売されるのを。
そして今や、ついに、こんな文字通り「有り難い」辞典が世に出てくれた。
待った甲斐があったというものだ(感涙)。
お陰で今後は、とにかく単語の意味を掴むことだけは、これまでの何倍も容易になった。
しかも、この辞典にはクロアチア語文法の概略が巻末に掲載されていて、
数詞や発音の規則、名詞の性や格変化、動詞の時制や態などについて解説されている。
こうなったら、あとは、こちらのクロアチア語の知識を、もっと向上させて行くのみだ。
これこそ、道案内も買い物も自己紹介もできなくていい、読めりゃいいのだ、
しかも、政治も経済もどっちでもいいのだ、ポゴ氏関係の記事が理解できれば。
ちなみに、クロアチア語の学習教材になるものとしては、
以前から、数は多くないにしても一般向けの書籍が何種類かは市販されている。
『クロアチア語のしくみ(CDつき)』(三谷惠子・著 白水社)
『旅の指さし会話帳73 クロアチア語』(長束恭行・著 情報センター出版局)
『CDエクスプレス セルビア語クロアチア語』(中島由美・著 白水社)
『クロアチア語ハンドブック』(三谷惠子・著 大学書林)
などが、書店や通販でも手に入る、手軽な読み物・教本ではないかと思う。
……そーだよ、あとはクロアチア語のおベンキョを頑張ればいいのだよ(^_^;。
教材はこれでもう、十分過ぎるほど揃ったのだから。
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