殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

E子来襲

2008年11月24日 16時04分28秒 | 不倫…戦いの記録
夫はすっかり元気になりました。


中学生の次男は、父親と同じソフトボールチームに入り

一緒に練習に行っていたのですが

ある日、ポツリと妙なことを言い出しました。


「昨日の晩、練習していると

 女の人が来て父さんを呼び出したんだ。

 みんな、いつものことだからって放っておいたけど

 なんか、もめてるみたいだった。

 怒られてたと思うよ」

 
    「頭、おダンゴにしたすらっとした女子?」


「暗いからよくわからないけど、多分。

 僕、父さんのこと、好きだけど 

 あんなの見るのはいやだな…

 ねえ、結婚する時、もっと普通の人いなかったの?」


         「ワハハ!すまん」


   他の組み合わせでは

       君は生まれなかったのだよ…



義母からも電話がありました。

病院でのことを我慢出来ずに

義母はK病院に行った時、E子をつかまえて文句を言ったのだそうです。



「まぁ、腹が立つったら、あの女

 知らない関係ないの一点張りなのよ!

 しまいにゃ私に向かって

 ボケたんじゃないかって言うのよっ!」



「まあ、それはいいんだけど…」

       義母の本題はここからでした。


E子の母親が電話をかけてきたのでした。

無実の娘に大恥をかかせたと怒っていました。

たまたま義母とE子のやりとりを聞いていた人がいて

E子の母親に伝えたのだそうです。


「娘に聞いたら絶対に事実無根だと泣くし

 一緒に住んでいる娘婿も怒っています。

 勘違いではすまされません。

 ちゃんとした謝罪をしない場合は

 名誉毀損で訴えますよっ!」

と、すごい剣幕だったと…。 



「どうしよう~…」

最初はしおらしくそう言っていましたが

だんだん怒り始めます。


「だいたいあんたたち夫婦のことじゃないの!

 なんで私が責められなきゃいけないわけっ?」

   

       余計なこと言うからだろ…


どこも、娘がかわいいようです。


「証拠を持ってると言っておいて。

 今後、電話や訪問は私のとこにしてもらいなさいよ」


「本当?証拠があるの?

 じゃあ、そう言うわ!」

 
よせばいいのに、つい出しゃばってしまいました。

一緒になって、どうしよう、どうしようと言っていれば

そのうちどうにかなるもんなのです。

この性分がいけないとわかってはいるのですが…。


義母は、その証拠とやらを聞きたがりましたが

また先だって余計なことを言われたら困るので、言いませんでした。


E子の来襲に備えて、少しは情報収集をしておこうと考えました。

来るか来ないかはわかりませんが

勝負に勝つにはまず敵を知ることです。


これは私にとって、確かに勝負でした。

もはや夫も不倫も関係ありません。

訴訟でもなんでも、気がすむまでやれば良いのです。

しかし、現実にあったことを無かったことにするわけにはいきません。

いくら破綻した夫婦とはいえ

彼らの恋は、一応私たち母子の我慢によって成り立っているのです。


とは言っても、たいしたことをするわけではありません。

すぐ下の妹に電話をするだけです。

30代前半で3人兄弟のお母さん…

どれか一人は幼稚園児がいてもいいはずです。


病院で会った時

「子育ての真っ最中だけどとりあえずおしゃれをして来た感」が

E子の服装からうかがえました。

はっきりこれ…と言える現象ではないのですが

まあ、余裕の無さみたいなものです。

かわいいセーターの胸のあたりに発生した毛玉は

まだ抱っこが必要な子供がいるからだと思いました。


妹は、E子の住む町にある唯一の幼稚園で先生をしていました。

「あ~、その子なら担任だよ」


妹は保育のプロを自負しています。

普段、園児の個人情報は、たとえ身内でも明かさないのですが

「父親のことだけ」

という条件で教えてくれました。


「妹の愚痴として聞いてね。

 とにかく不気味なのよ。

 ちょっと何かあると、すぐキレてねじ込んで来るの。

 しかも理屈がねちっこい。 

 目つきがもう違う。

 関わらないほうがいいよ」


       「もう関わっちゃったんですけど…」


「多分、旦那さんが怖いから

 そっちのせいにしたいんだと思う。

 昔からずっと思ってたけど

 お義兄さん、本当に馬鹿だね」


             まったくです…


「お姉ちゃんは、旦那を顔で選んだからいけないんだよ。

 私をごらん!

 顔で選ばなかったから、こういう苦しみは無いわ」  

妹は、ことあるごとにそう言うのです。


その日は妹の婿殿もそばに居たらしく

 「どういう意味じゃ?」

と受話器の向こうから突っ込みが入っていました。



2日が経過した夜

E子とその夫は、我が家を訪ねてやって来ました。
   

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4 コメント

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Unknown (すみちゃん)
2008-11-25 00:44:29
しばらくパソコンの前に座らなくて、12話ほど一気読みしました
なるほどそういう経緯で九州の仲居さんだったのねしかし仲居姿とゆうか、客をうまくさばく姿が、想像できてしまいますママの話もったいなすぎ九州で一花咲かしてたら後々の苦労も味わうこともなかったのにねえ
お父さんはたから見てる分には
おもしろすぎ
かあさん
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どうだか? (みりこん~すみちゃんへ)
2008-11-25 05:57:31
一花咲いてたかどうかは、微妙
つぼみのまま腐った可能性大(笑)
怠け者だもん
少なくとも、この不況は乗り切れてないね。
でも、そう思ってくれてありがとう
返信する
Unknown (みみりん)
2008-11-25 13:50:20
みりこんさんだから、ご主人は立派な家庭人でいられたんでしょうね。普通は何度も離婚ですよね。笑

内容はすごいのに、読んでて楽しいのはみりこんさんのお人柄でしょうか。(^^)

家の主人も昔浮気をしましたが、もう10年もたったのでかなり面白く私も書けそうな気がします。
もうさっぱり主人に対しても愛情もありませんので。笑

続きを楽しみにしています。(^^)
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ありがとう (みりこん~みみりんさんへ)
2008-11-25 17:56:36
コメントありがとうございます
このまま黙って墓場に持って行くのは惜しい気がして、つい書いちゃいました。
悪人ですよ
みみりんさんも書いて
みみりんさんのコメント、かなり面白いですよ
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