殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

アルバートの場合

2020年05月31日 15時39分30秒 | みりドラ
テレビの登場人物が、とらえ方によって

全く違うキャラクターになる…

これって、よくあることではなかろうか。

例えば『サザエさん』。

彼女については、ここでも何度か話したことがある。

フグ田サザエの持つ二面性は、それほど私を魅了してやまない。


表の顔は明るくて楽しくて、家族や近所の人気者。

しかし世間が知らない裏の顔は

一家で実家へ寄生する正当性を主張すべく

弟カツオの無能と劣性をあばき立て

家長である父親からの信頼が薄れるよう画策するのがライフワークの

怖い女。

このギャップが、たまらんわ〜!

そんな視線で登場人物を見ると、テレビが二倍楽しめる…かもよ。


『サザエさん』が日本の家族の物語なら

『大草原の小さな家』はアメリカの家族の物語。

とにかく思いっきりいい男に描かれているパパはともかく

しっかりしているようで取り乱しやすく

付き合っても面白くなさそうなママ

盲目の設定でありながら、ネイルに気を使っている長女メアリー

小さい頃から男を追いかけ回し

それ以外はヒステリーを起こして自暴自棄が習性の次女ローラ…

あ、途中から出てくる盲学校の黒人女教師が

何かっちゅうとソロで長々と歌を歌いなさるんだけど

これがちっとも良くなくて、いただけない…

などなど、思うところは多々あるが

私の視線はつい、中盤以降から登場する少年、アルバートに注がれる。




主人公のインガルス一家は、不作続きの田舎を見限って都会へ移り住み

そこで10才の浮浪児アルバートと知り合う。

彼は養護施設を脱走し、靴磨きや万引きで自活していた。


やがて都会の生活に疲れたインガルス一家は

田舎へ帰ることに決め、アルバートも連れて行く。

頭が良くてスポーツ万能、家の手伝いを頑張るアルバート…

苦しい生活の中、我が子と同じに接するインガルス夫妻…

愛情に満ちた、素晴らしい家族の図である。


が、このアルバート、見ようによっては怖い男の子。

彼を中心にしてこの作品を見ると

世界中を魅了したホームドラマ『大草原の小さな家』は

ホラーの香りが漂ってしまう。


インガルス夫妻と姓が違うことで、級友からいじめられたアルバートは

「本当の親子になりたい」と言い出し、インガルス・パパに養子縁組を要求。

この貧しい一家に資産があればの話だが

これで彼にも遺産相続の権利が発生する。

なんて抜け目の無い子だ。


お人好しのパパは、二つ返事で養子縁組を引き受けたが

手続きの過程でアルバートの実父が浮上し

農場の働き手としてアルバートを欲しがった。

パパとアルバートは粗野な実父を拒否するが

実父は法律を盾にアルバートを取り戻そうとする。


そしていよいよ引き渡されるという時、アルバートはとっさに盲目を装う。

目が見えなければ働き手にならないということで

実父は引き取りを諦め、アルバートは正式に

インガルス夫妻の養子となった。

10才かそこらで、何という悪知恵。

末恐ろしいとは、このことだ。


しかも彼には、本人すら知らない特徴があった。

悪気は無いんだけど、なぜか周りが不幸になる体質だ。

この現象が現れたのは、盲学校の火事だった。


インガルス一家の長女メアリーは

幼い頃に罹患した猩紅熱が元で、少女期に失明したが

盲学校の教師と結婚し、夫婦で新しい盲学校を作った。

赤ちゃんも生まれて幸せだったのに

ある晩、学校が火事になり、メアリーの赤ちゃんと

赤ちゃんを助けようとしたインガルス・パパの親友

ガーベイさんの奥さんが焼死。


火事の原因は、アルバートが友達といたずらで吸った

パイプ煙草の火の不始末だった。

アルバートのせいで、メアリーは我が子を

インガルス夫妻は初孫を失ったわけ。


さすがに責任を感じたアルバートは家を飛び出すが

その行き先は、盲目を装ってまで拒否した実父の家。

けれども実父はすでに他界していたので

探しに来たインガルス・パパと帰り、何事も無かったように元の生活に戻る。

何という身勝手。


そのうちアルバートに思春期が訪れ、一人の女の子と恋に堕ちる。

しかし女の子はある日、変質者に乱暴されて妊娠。

それを知った女の子の父親はアルバートを疑い、娘を監禁した。


会えないとなると、恋は盛り上がるもの。

アルバートは駆け落ちを企て、郊外の廃屋へ女の子を隠す。

それからバイトをしている蹄鉄(ていてつ)屋から金を盗み

逃走資金をゲット。

都会で自活していた頃は、盗みも生活手段の一つだったが

こういう癖は抜けないらしい。


やがて変質者の正体は、その蹄鉄屋だと判明し

インガルス・パパとアルバートは女の子の救出に向かうが

時、すでに遅し。

廃屋でアルバートを待っていた女の子は、再び蹄鉄屋に襲われそうになり

逃げようとして誤ってハシゴから転落死。

やっぱりアルバートと関わったらロクなことはなさそう。


悲しみから立ち直るのが早いアルバート。

何事もなかったかのように、その後も複数の女子と恋を繰り返すが

やがてパパと2人、都会で暮らすようになった。

悪い仲間の影響でモルヒネ中毒に。

インガルス・パパの壮絶な努力で中毒から抜け出すが

最後は白血病になる。

物語はここで終わるため、はっきりと描かれてないが

死以外には無かろうという結末。

結局のところアルバートは、たいして家の役にも立たず

胎児を含めた計4人を死にいたらしめたあげく

モルヒネ中毒と病気で家族を泣かせただけだった。


ところで、本人に悪気は無いのに関わった者がことごとく不幸になる…

いるよね、そういう男。

逆玉に乗ろうとして、アメリカの大学行ってる子とかさ。

アルバートを見ていると、顔が似てるな〜と思ってしまう。

くわばら、くわばら。

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2 コメント

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Unknown (モモ)
2020-06-02 13:24:01
怖いですよね〰️
そうなんですよ😃
日が経つにつれ、入り込もうとする押し、行動力に薄気味悪さを感じます。

それらには常識や敬いという文字が見当たらず、行動力+うやむや+既成事実(ロマンチック風味)で周囲を台本通り力業で進めようとする。

客観的にみたら、アルも◯◯さんも、現実に行っている行動に問題あり、なんですよね〰️

巻き込まれている周囲は、気付かないのか・・・
パパさんと、◯子様が何となく重なって見えます。
怖いですね〜 (みりこん〜モモさんへ)
2020-06-02 21:20:36
明るい押しと行動力。
都合が悪くなれば鈍感力で乗り切る。
そそ、行動に問題があります。

パパとあのお方が重なって見える…(笑)
私もです。
「そこまで信じて、愛してやる値打ちは無いってば!」
どちらにも、そう言いたくなります。

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