<徳洲会>猪瀬氏側に知事選前に5000万円 捜査後に返却
毎日新聞 11月22日(金)11時51分配信
◇猪瀬氏「応援の資金提供。個人として借用した」
公職選挙法違反容疑で幹部らが逮捕された医療法人「徳洲会」グループ側が昨年12月の東京都知事選前、猪瀬直樹知事(67)側に5000万円を提供していたことが関係者への取材で分かった。今年9月にグループが東京地検特捜部の強制捜査を受けた後、猪瀬氏側から全額返却されたという。
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22日午後1時過ぎに都庁に入った猪瀬氏は報道陣に「徳田氏から資金提供を受け、応援してもらうことになった。個人として借用した。意外とお金がかからず、自分の預金の範囲で選挙運動ができた」と語った。
関係者によると、猪瀬氏は昨年11月上旬、知人とともに神奈川県鎌倉市の病院を訪れ、入院中の徳田虎雄・前徳洲会理事長(75)に対し、都知事選に立候補する考えを伝えた。前理事長は全身の運動神経が衰える筋萎縮性側索硬化症(ALS)で声を発することができず、秘書役を通じて支援を表明。その後、徳洲会から猪瀬氏側に、5000万円が提供されたという。
猪瀬氏は昨年11月21日に記者会見し、都知事選(12月16日投開票)への立候補を表明。史上最多の約434万票を得て初当選した。
一方、特捜部は今年9月17日、前理事長の次男の徳田毅(たけし)衆院議員(42)=鹿児島2区=の陣営が昨年12月の衆院選で運動員を買収した疑いがあるとして徳洲会グループの強制捜査に着手。その後、猪瀬氏の秘書が前理事長の妻に全額を返したという。前理事長の関係者は「猪瀬氏側に貸した金」と話している。
猪瀬氏が都選管に提出した知事選の運動費用収支報告書によると、3050万円の収入のうち3000万円は自己資金を充てたとしている。また、猪瀬氏の資金管理団体は、知事選までに2181万円余の寄付を集めたが、2000万円以上が使われずに翌年に繰り越され、徳洲会関係の寄付の記載はなかった。