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日朝平壌宣言10周年9・17関東集会 

2012-09-28 | 投稿



 日朝平壌宣言が締結されて一〇年目にあたる九月一七日に、日朝協会の主催で「日朝国交正常化と拉致問題~懸案の諸問題解決へ~」と題する講演会が、

東京都内で開かれました。この集いには、およそ二〇〇人が訪れ、満席になりました。

 講演会は、秋藤埼玉県連副会長の司会で進められ、最初に日朝協会の石橋正夫会長が主催者を代表して挨拶しました。

石橋会長の挨拶

 この中で石橋会長は、「十年前の今日、日朝平壌宣言が調印され、早期の国交正常化が実現することが合意されました。しかし十年たっても交渉は前進

していません。拉致問題についても野田政権の対応は適切ではありません。こうした状況を打破するために日朝平壌宣言に基づいた、話し合いが一日も早く開

催され、植民地支配の責任を明らかにして、誠実に対応し、国交を正常化して諸問題を解決し、北東アジアの平和と安定を前進させたい」と話しました。

 このあと北朝鮮による拉致被害者家族連絡会、元事務局長の蓮池透さんが講演しました。

蓮池さんの講演

 蓮池さんは十年前に弟の薫さんをはじめ五人が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から帰国して以来、拉致問題の解決が全く進展していない現状を話し

ました。

 蓮池さんは、問題の解決には日本と北朝鮮の対話が必要なことを訴えると、変節者とか裏切り者、北朝鮮のまわし者などと言われて、家族連絡会を除名さ

れたと経緯を説明しました。

 しかし今では家族連絡会の横田滋さんが、対話の必要なことを話しているように、北朝鮮との対決姿勢を強める経済制裁などの強硬路線では、真の解決に

はならないと話しました。また帰ってきた拉致被害者に対する、国の支援も生活保護と同じ程度で、問題があると批判しました。

 最近北朝鮮と日本人の遺骨問題についての話し合いがはじまたことは、野田政権にとっては数少ないパイプの一つなので大切に取り組んでほしい。

 政府は拉致問題対策本部を立ち上げて、テレビCMやポスター、横田めぐみさんのDVDを制作したりして小中学校に配ったりしているが、国内向けの啓

発活動が主で、むしろ北朝鮮はけしからんと言う宣伝を国内でして北朝鮮「脅威論」を煽っているだけで、拉致問題の解決には全く役立っていません。

 これまでの政治家で実際に拉致被害者を連れ帰ってくれたのは、小泉元首相だけです。
 
三年前に自民党から民主党政権に代わり、拉致問題解決への進展を期待したが北朝鮮政策は、むしろ後退しているのではないかとさえ思います。特に野田

政権は何もやっていない。

 拉致問題を解決するには、日本と北朝鮮との政府間の対話による平和的な交渉が大切で、経済制裁などでは問題は解決しない。国民が拉致問題の真の解決

のために立ちあがって欲しいと訴えました。

 現在のように経済制裁で圧力を加えると言うことで、北朝鮮との間の関係を一切断ち切ってよいものかどうか、解決できない全ての責任が北朝鮮にあると

は思わない。日本側にも責任がある。交渉にはもっと冷静でしたたかな方法が必要だと思います。

 二〇〇八年に日朝が合意した、拉致被害者の再調査委員会の設立が実行されない問題についても、北朝鮮だけの責任ではなく、経済制裁の緩和をしない日

本側にも大きな責任があると思っています。

 日本は場合によっては、人道支援をしても良いのではないか。そうしたことが実現して初めて二〇〇二年に国交正常化への道筋について合意した、日朝平

壌宣言に踏み込みことが出来ます。

 日朝の交渉をするには最低限の信頼関係が必要ですが、日本側は北朝鮮を上からの目線で見ています。日本と朝鮮半島の長い歴史をひも解いて俯瞰して、

その中に拉致問題を位置づけて考えることが大切です。北朝鮮に対する過去の清算を行い、話し合いを通じて国交正常化を進めることの重要性を訴えました。

 蓮池さんは講演の最後に、残された時間はわずかしかありません。皆さまにも北朝鮮との間の問題の解決のためにご協力をお願いしたいと訴えました。

また会場からの質問に答えました。

船津代表理事の挨拶

 最後に船津弘代表理事が「日本と朝鮮民主主義人民共和国との間では最近、日本人の遺骨調査や訪朝墓参などの人道問題が取り上げられています。こうし

た問題について日朝の対話が進むことを期待したい。六者協議の再開などを求める運動に取り組むとともに、日朝平壌宣言を柱として、国交正常化に向けた

署名活動や学習を広めましょう」と閉会の挨拶をしました。

 今回の記念講演会は定員を上回る入場者があり、素晴らしい成果を上げました。関係者の方々の努力に敬意を表するとともに、日朝の国交正常化、諸問題

の解決へ向けた運動を一層強めてゆきたいと思います。


(代表理事・小野寺昭)


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