北主導のITF演武団が南で公演/
WTF世界テコンドー選手権大会に参加
WTF世界テコンドー選手権大会に参加
全羅北道庁会場で行われたITFの演舞公演(連合ニュース)
北が主導する国際テコンドー連盟(ITF)の演武団が、南主導の世界テコンドー連盟(WTF)の大会に参加し、公演を披露した。
張雄国際オリンピック委員会(IOC)委員兼ITF名誉総裁、李勇鮮ITF総裁、監督、師範など36人は、WTFの招待で6月23日から7月1日まで南を訪問、全羅北道・茂朱で行われたWTF主催の世界テコンドー選手権大会に参加した。
ITF演武団は07年にソウルと春川で演武公演を行ったことがあるが、南で開かれたWTF行事に参加するのは今回が初めて。
ITFとWTFは2014年8月21日、中国でトーマス・バッハIOC委員長が見守る中、両連盟の総裁が相互の認定と尊重、多国籍演武団の構成などの合意議定書を採択。15年5月には、ロシアで開かれたWTF世界テコンドー選手権大会の開会式で史上初めてITF・WTF合同演武公演を行った。
今回、ITF演武団の南訪問も両連盟間が結んだ合意議定書に基づくもの。 WTFとITFは今年9月、平壌で開かれるITF世界テコンドー選手権大会にWTF演武団が参加する計画も進めている。
24日、茂朱テコンドー院で開かれたWTF世界テコンドー選手権大会の開会式でITFとWTFの演武団が約1時間にわたって公演を披露した。開幕式には、文在寅大統領も参席した。
26日には全羅北道庁会場でITF・WTF合同演武公演が行われた。この日のイベントに合わせて南の統一運動団体と市民団体が歓迎団を組織、会場は統一の熱気で沸いた。観覧者たちは、ITF演武団に向かって大きな拍手と声援を送りながら「私たちは一つ」「統一祖国」などのスローガンを叫んだ。公演が終わると会場に「アリラン」と「我らの願い」の歌が鳴り響いた。
28日には張雄IOC委員と李勇鮮ITF総裁が南におけるテコンドーの総本山である「国技院」を訪問、李総裁は挨拶で「テコンドーは一つだ。一つの根から育ったテコンドーが二つに分かれて成長したが、一つに合わされば、より大きなものになる」と述べた。
解説:ITFとWTF
朝鮮の伝統武術にルーツを持つテコンドーは南の陸軍少壮出身の崔弘熙ITF初代総裁によって創始された。崔総裁は66年にソウルでITFを設立したが、当時の朴正煕政権と対立し、1972年にカナダに亡命、ITF本部をトロントに移した。翌年の73年に南でWTFが創設された。朴正煕の維新独裁に反対する運動を展開した崔総裁は、その後、北を幾度も訪問、テコンドーの普及に努め、ITFの後継者に張雄IOC委員を指名した。
(朝鮮新報)