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2014年02月18日17時25分 [ⓒ 中央SUNDAY/中央日報日本語版]

2014-02-19 | マスコミ報道をそのまま掲載・資料
「統一は大チャンス発言、根拠ない期待を膨らませないか心配」



写真:朴聖祚(パク・ソンジョ)ベルリン自由大教授(79)。

「ドイツ統一は自由を勝ち取るためのドイツ人の絶えない努力と勇気のおかげで可能だった。統一のために自由を捨ててはいけない」。

朴聖祚(パク・ソンジョ)ベルリン自由大教授(79)が13日、ドイツ政府から「大十字功労勲章」を受けた。大十字功労勲章はドイツ政府が民間人に授与する最高権威の勲章で、これまで国内では故金大中(キム・デジュン)元大統領、故金寿煥(キム・スファン)枢機卿、鄭夢準(チョン・モンジュン)議員、金滉植(キム・ファンシク)元首相が受章している。朴教授は韓独共同研究や出版物発刊など両国学術交流と友好増進に寄与した功労が認められ、勲章を受けることになった。

勲章授与式に合わせて「韓半島(朝鮮半島)統一の未来と統合」をテーマにした学術大会が13日、ソウル大で開かれた。この席で朴教授は統一のための前提条件として「自由」を強調し、「これまで韓国の統一政策は同族主義を基礎としてきたが、統一のために韓国が孤軍奮闘して勝ち取った自由を放棄してはならない」と力説した。

南北高官級協議が実現するなど最近、南北関係に変化が生じている中、ドイツに50年以上居住し、ドイツ統一を目撃した朴教授の統一観は何を示唆するのか。朴教授に会って意見を聞いた。

--なぜ統一より自由が優先だと力説するのか。

「決して統一をするなということではない。ただ、わが民族という点を過度に強調すると、より重要なものを失わないか心配になるからだ。現在の世界を見てほしい。韓国人が米国人と交流する。欧州の人とビジネスし、日本人と協力する。国境がない世の中だ。これはどこからきたのか。すべて自由があるからこそ可能なことだ。しかし統一という話題に埋没してしまえば、それを聖域のように考え、いかなるものも入り込む余地がなくなり、民族を中心にした排他的で閉鎖的な統一論だけが力を得る。統一至上主義が持つ危険性を喚起させる必要がある」

--ドイツの統一はどうか。

「3つの要素があった。まずは経済力だ。お金があってこそ何でも可能ではないだろうか。西ドイツの経済成長が元肥となった。2つ目は周辺の環境だ。米国の積極的な協力とソ連のゴルバチョフの開放政策が統一を誘導し、成熟させた。3つ目は偉大な指導者だ。1970年代初期のウィリー・ブラント(1969-74年在任)西ドイツ首相から始まり、ヘルムート・シュミット(1974-82)、ヘルムート・コール(1990-98)にいたるまで揺れないリーダーシップが統一の基盤だった。ところが、ここで一つ見逃してはならないものがある。これら指導者の哲学は統一ではなかったという点だ。彼らが共通して強調したのは『欧州の平和秩序を回復しよう』ということだった。その過程で自然にドイツ統一にまで到達することができた」

--統一が最終目標ではなかったという点をもう少し説明してほしい。

「ドイツ指導者はドイツという国を一つだけ切り離していたのではなく、『欧州の平和と統合』という大きな絵の中で動いた。統合と平和のためにはどうするべきか。戦争の危険要素を除去しなければならない。そのためには戦争の可能性を持つ分断国家を一つにすべきだという方向へと、自然に議論が移る。そのほかの欧州国家がドイツ統一を積極的に支持しなくとも、少なくとも積極的には反対しないようにしたという点で、ドイツ指導者の政策方向は吟味してみる必要がある」

--そのような側面で自由をさらに強調するということか。

「そうだ。自由を放棄して民族を強調すれば、周囲の反発を招くこともある。果たして私たちの周辺強大国が、米国とロシアはもちろん、中国・日本が、韓半島の統一を本当に願うだろうか。こうした微妙な状況で民族を強調するのは精密でない戦略になることもある。何より北に自由の風を吹き込まなければいけない。現在の状態で統一すれば、どんな後遺症をもたらすか誰にも分からない。イエメンを見てほしい。北イエメンと南イエメンが戦争までして統一したが、まだ経済難に苦しんでいる。表面的に統一しても意味はない。自由という価値観を共有してみれば、自然に接点ができ、統一まで進むことになるだろう。共産主義の旗の下で統一することはできないだろう。自由は統一より優先する価値だ。統一の代償が自由を捨てることなら、そのような統一はやめるべきだ」

釜山出身の朴教授はソウル大政治学科を卒業した後、59年にドイツに渡り、73年にアジア人では初めてドイツ大学の教授資格を取得した。その後、ボーフム大東洋学部学長、ベルリン自由大社会科学部学長を歴任、ベルリン自由大韓国学センター設立を主導し、ドイツ内の韓国学研究の基盤を築いた。最近は中国延辺科学技術大とセルビアのメガトレンド大の総長、ソウル大行政大学院招待教授を務めた。

--自由主義を北朝鮮に伝えることができる腹案があれば。

「結局は教育だ。今でもドイツには北の留学生が20人ほどいる。その人たちが果たして何を学び、感じて戻るだろうか。海外で思う存分呼吸できる学生が結局、北に戻って自由主義を伝える微細血管のような役割をすると私は信じる。誰もが知っているが、自由のもう一つの顔は責任だ。韓国企業が自由で取得した利潤を北の留学生を支援する方法で社会に還元することを願うのは、行き過ぎた期待だろうか。もちろん韓国企業を前面に出せば抵抗感があって難しいが、海外有数の財団と連結すれば洗練された方法で彼らを支援することができるはずだ。短期成果ではなく長い呼吸が必要な時点だ」

--朴槿恵(パク・クネ)大統領の「統一は大チャンス」発言が話題だ。

「どういう意味で出た発言かは十分に共感する。若い世代が統一の必要性を感じず、統一に対する全国民的な漠然とした不安感があるため、また周辺国の懸念を払拭しなければいけないという側面から出たようだ。しかし大チャンスというものに焦点が合わされる場合、根拠のない期待感を抱かせないか心配だ。統一は予想以上に多くのお金がかかる。ドイツもすでに統一を実現して約20年が過ぎたが、まだ政府の財政支援を続けなければいけない。一言で、お金をばらまく格好だ。道路・港湾・通信などインフラにかかる金額は決して小さなものではない。さらに先端デジタル世界に転換される時期に北を重化学工業の前進基地として活用するという案が果たして現実的かどうかも分からない。統一は幻想でなく現実だ。

長い期間の準備と緻密な検討が必要だ」

--韓国政界では最近、帝王的大統領制に対する代案として、ドイツ式の多党制と分権型リーダーシップを導入しようという声が高まっている。

「ドイツではキリスト教民主同盟、社会民主党、キリスト教社会同盟、共産党、緑の党など4、5つの政党が競争する。一つの政党が過半数を得るのが難しい体制だ。このため連立しなければならず、その中で協議して折衝する文化が芽生える。ドイツ式妥協政治はこうした経験の産物だ。国の条件はそれぞれ違うだけに、こうした風土をそのまま韓国に適用することはできない。しかし選挙結果を承服できない状況なら、そのような民主主義はしてはいけない。その原因が権力を独占する勝者独占主義から始まり、これによって対決構図が深まり、統治不能状況にまでなったとすれば、今は大韓民国も真摯に権力構造の変化について議論しなければならない時期だ。その具体的な案が二元的政府制であれ、分権型大統領制であれ、集中化した権力を分散させる必要がある」

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