羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

野口三千三を読む-2-

2005年08月24日 07時58分19秒 | Weblog
 昨日の「野口三千三読む」に、嬉しいコメントをいただきました。
 そしてメールで、セゾングループに関する情報もお寄せいただきました。
 堤義明氏の異母兄である堤清二氏のセゾングループは、今回のコクド・スキャンダルとは別で、過去に不動産事業の失敗からグループの命運を危うくしましたが、清二氏はご自身の資産を提供したうえで一線を退き、経営者としてのけじめをつけたことが、好意的に評価されているそうです。
 
 二時間ドラマに挿入されたこのCMは、まったくコマーシャルの体裁をとらず、これだけでも文化として成り立つ素晴らしいシリーズでした。さすがに文化人経営者のセンスが光っているものです。
 しかし、経営と文化活動の両立はなかなか難しいものがあります。結局、野口先生ご出演のCM撮りがされたときには、すでに打ち切りが決まっていて、監督の龍村仁氏も、最後の仕事として誠心誠意、制作に臨まれたものでした。
 
 その後、仕事を失った龍村監督は、途方にくれた末、「ガイアシンフォニー」の発想を、この「3分CM 人物映像ドキュメンタリー」に得て、現在までに5作のシンフォニーを世に生み出されています。

 一方の堤清二氏は辻井喬のペンネームで長編作品を書かれ、作家として素晴らしい仕事を残していらっしゃいます。
 
 「野口三千三」の人となりを紹介したこのCMは、3分でありながら野口体操のエッセンスをみごとに描ききって、亡き後も往時を偲ぶよすがどころか、野口体操の真髄を伝える貴重な映像資料となっています。

 何が災いし、何が幸いするのか、これは神のみぞ知る人知を超えた大いなる力が働くもの!
 ひとつの作品が生まれるには、それにまつわる人々のドラマが、作品以上にドラマティック! 
 これがまさに人生そのもなのであります。
 
 10月からの「野口三千三を読む」では、文献を読み解くことではなく、生きた野口三千三を掘り下げる講座にしたいと考えています。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする