羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

初めての物語-11-

2005年08月18日 12時27分17秒 | Weblog
 野口三千三先生が大事にされていたことに『非意識の自動制御能』という考えがあります。制御のありかたとして、「意識的な制御」の限界をご存知だったのでしょう。すべてが意識で解決でき、努力目標が努力に見合っただけかえってくる、と人は思いたいのが人間です。でも、現実は必ずしもそうとは限りません。
 ものすごくいい動き・いい結果が出たとき、むしろ意識が勝っているというより、言葉にはならない、非意識状態のなかで生まれてくる現場を私たちはたくさん目にしています。インタビューに明確な言葉が出ない選手の姿は、代表的なものです。
 思いがけず、よい結果が出てくる。では、まったく努力なしにそうなったかというとそではありません。それまでの積み重ねは、一言ではいいきれない時間とエネルギーがつぎ込まれているはずです。
 その上で、ある状況におかれたとき、意識を超えたコラボレーションがうまれて、素敵なことが結果となってあらわれてくるだけのこと。思いがけないコラボレーションは、意図して生まれるもではなく、偶然の範疇にかぎりなく近いところに位置することなのかもしれない。
 意識的な行動というものは限界がある、だから「非意識の自動制御能」が働く方向での練習の在り方を、先生は探り続けいておられたように思います。

 素晴らしいブレーキ機構をもつ車でも、運転するのは人間ですから、どのような制御の在り方がその時々にいちばんいいのか。
 
 きっと人生の機微を痛く感じるような、スリリングな経験も時にしておくこともありかな!? 
 「夜の世界」は、かなり微妙な人間の本性を描いた「含蓄ある短編なのですぞ」。
 あぁ~、とうとういってしまった。

 つづく。
コメント
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