今朝もカイツブリの親子は最初に見た日とほぼ同じ場所で潜りの稽古をしていた。それを眺めていると二人連れの初老の男性が小生のそばに来てこう言った。
「お、今日もいたいた。大きくなったな。大丈夫だ。まだ、三ついるよ。」
ん。この「大丈夫だ、まだ、三ついるよ」という言葉を聞いて、早春に生まれた雛たちは全滅したのだと確信した。人間からみるとのどかな公園ではあるが、彼らにとっては一瞬も油断できぬ弱肉強食の世界なのだ。
公園から一歩出れば、灼熱地獄に交通地獄。会社に行けば他社を「食え」だの「攻めろ」だのが始まる。人間の世界も弱肉強食であることに変わりはないか。